さて、本格的に製品を取り扱おう!ということになり、市場調査を平行して行い始めました。
ECサイトをみると着圧、弾性ソックス、それぞれ多数ありましたが、やはり特許部分が「キラリ」とひかるものだと感じました。
ふくらはぎの静脈構造にまで視点を掘り下げているものが自身の検索では見つからなかったからです。テーピング理論という言葉の製品のもありましたが、テーピングは筋肉の動きの抑制やサポートなので、また別のコンセプトの製品です。
そこで、今回は
弾性ソックスを科学??してみる
というタイトルでみなさんと一緒に考えてみたいと思います。
みなさんご存じの方も多いと思いますが、ECサイトをのぞいてみると二つの言葉が出てきます。
「着圧ソックス」
「弾性ソックス」
この二つです。
「着圧ソックス」は医療機器「ではない」製品です。
「弾性ソックス」は一般医療機器です。また、一般医療機器届出済み等の表示もあるかと思います。
実は医療機器の世界では、一般的名称という「くくり」が薬機法によって定められていて、それぞれメーカーがその定義に当てはまるかどうかを見定めて、届出、認証、承認の3種類の申請をします。これはそれぞれの患者様へのリスク度合いに応じて申請し、通過(合格ということですね)、また患者様へのリスク度合いによって、申請する難易度、申請する費用、申請までにかかる期間も変わってきます。
「弾性ソックス」の薬機法上の一般的名称は「弾性ストッキング」の定義の中にあります。ですので、ECサイト上で「一般医療機器」「一般医療機器届出済 製品」「その番号」等の表示がされているものが該当します。
どちらの製品も脚に圧力がかかるように設計、製造された製品ですが、「一般医療機器」に届出をした製品は、「使用目的と効果」を表示することができます。逆に言うと表示する義務があり、禁忌事項や警告表示等も義務として表示されなければなりません。
ちなみに、「弾性ソックス」は以下の通りです。
【使用目的又は効果】
末梢から中枢に向かい漸減的に圧迫を加えることにより、下肢の静脈血、リンパ液のうっ滞を軽減または予防し、静脈還流を促進する
そこで考えました。ECサイトを見てみると、一般医療機器の部類では、同じ効果と仕組みを持つ製品として届出している企業が多いということもわかりました。
つまり、機能的(圧力等)の試験はやっているけれども、臨床試験をやっているところは?大手以外はあるのだろうかと調査してみました。
その調査過程で、メーカー勤務時に、EUの製品を取り扱っていた経験があったため、
スイス企業でもEUで販売している医療機器製品にも「Clinical Evaluation Report」という臨床試験のデータがあるはず!と考えました。
できれば、海外であってもしっかりテストを実施しているかを確認してから、お客様に提供したいと考えたからです。
「ありました!」。やはり想定した通り、海外での臨床試験のレポートが!ありました!
メーカーもこちらの意図を理解し、テストレポート(フルページ)提出してくれました。
タイトルは:
Open-label, prospective clinical trial to evaluate the impact on quality of life in Chronic Venous Insufficiency subjects using SANKOM® Functional Patent Socks※
という臨床試験の海外論文でした。
どういう試験実施母体が、どのような項目を設定し、どのような管理体制のもと、どのように患者様に使用してもらい、どのような調査方法で、結果どうなったか?
これを熟読してみるとますますこの製品に惹かれていきました。
この論文の出現により、自信をもって取り扱う、決断への一歩が踏み出せたのです。
※【参考文献はあくまで情報提供です】
日本では【使用目的又は効果という項目】がすべてです。あくまで上記は海外の参考文献という形で考えてください。臨床試験の結果も、もちろん大事ですが、責任者としては、経験上、こういった試験をしっかりと実施している企業であることが非常に大切だと感じています。



