CDコレクションケースの構造は、見た目以上に繊細です。扉を閉じたときの心地よい吸着感を生むため、ネオジウム磁石のキャッチ部分は寸法ごとに吸着力が異なるため、何度もテストを重ねて最適なものを選びました。正面から見える箇所には、角をRに削って磨きをかけ、透明の中にやわらかい光が通るように仕上げています。蝶番も何度も試作を重ねて選び抜いた部材です。皿ビスと袋ナットは蝶番の色に合わせて黒に塗装し、ビスの頭が出ないように底面に皿を切り込み、アクリルと同面に整えました。扉部分の「けんどん式」は、当社が什器製作でよく採用する方法です。構造はシンプルですが、見た目を美しく、長く使える仕上げができます。再生アクリル「リアライト」は、いまや外資系ブランドでも採用が進む素材。環境への配慮と透明感を両立した、新しい時代のアクリルです。滑り止めには、透明什器と同じく透明色のゴムを標準仕様としています。一見、何気ない構造に見えても、すべてのパーツに理由と試作の積み重ねがあります。そして私たちは、いつも使う企業や店舗に訪れるお客様が、その什器に並んだ商品を手に取る瞬間の喜びを想像しながら設計しています。このCDコレクションケースにも、その想いを込めています。







