【挑戦正式決定】新世界記録「世界最長のデュオコンサート」へ!
2025年6月24日《世界最長のデュオコンサート》への挑戦を決定しました。
私たちは、2025年7月29日より中国・ハルビンで開催される「第20回ワールドサクソフォンコングレス」にて、合計で30時間に及ぶ演奏会を催します。
サックス奏者の松下洋(マツシタ ヨウ)と申します。日本全国およびアジアを中心に活動しております。詳しい経歴は最後に掲載させていただきます。
この度、長年の夢であった「長時間演奏」の世界記録に挑戦することを決意しました。
「演奏家として挑戦し続ける人生でありたい」そして、その活動が人のエンターテイメントであって欲しいと日頃から考えています。
そして、そのプロジェクトに関わってくれる仲間を紹介します。
演奏はサックスとピアノの2名で行います。
共演者は、私が人生で最も信頼するピアニスト、黒岩航紀くんです。(経歴は後ほど記載いたします)

彼は数々のコンクールで華々しい優勝歴を持ち、柔軟かつ高い技術を誇るまさに一流の演奏家です。黒岩くんは、私にとって単なる共演者というだけでなく、音楽の情熱を教えてくれる大切な存在でもあります。短い音楽人生の中で彼と出会い、共演できていることを心から誇りに思っています。
今回の大きな挑戦に共に臨んでくれるのは、彼以外には考えられず、快く引き受けてくれたことに深く感謝しています。
そして、このパフォーマンスのために、作曲家の薮田翔一さんに28時間に及ぶ新作「L’Odyssée」を書いていただきました。

薮田翔一さんは、あの難関・ジュネーヴ国際作曲コンクールで日本人初の第一位を獲得した天才的な作曲家です。
以前お会いした際、「24時間の曲を書いてほしい」と話したところ「いいですね、ぜひ書きましょう」と快諾してくださり、このプロジェクトが始動しました。長時間の作品制作は作曲家にとって非常に困難な挑戦ですが、完成した譜面を見てその熱量に圧倒されました。
この作品は繰り返し記号を使わず、多彩な手法で綴られた壮大な曲です。
スコアは7000ページ、50000小節以上にも及び、多くが速いテンポで展開しています。
繰り返しがなく、多様なモチーフが絶え間なく変化しながら続く、途切れない壮大な音楽。
「どうやって書き上げたのだろう」と理解できぬまま驚嘆しつつも、その楽譜から溢れ出て止まらない情熱を受け取りました。「これが芸術なのだ」と実感し、演奏を迎える喜びがいっそう深まりました。
28時間という長さは、一見すると長く演奏するだけのスポーティな競技のように捉えられがちですが、
薮田さんのおかげで、28時間に及ぶ作品を表現し続ける巨大な芸術表現となりました。

現在、公式に認定された「世界最長のデュオコンサート」という記録は存在していません。
ただし、「ソロコンサート」としては、カナダのアーティストが達成した27時間3分44秒という驚異的な記録があります。その演奏では約300曲が披露されたとされています。
ジャンルは異なりますが、挑戦の本質は同じであると私たちは捉え、今回「28時間」の演奏に挑むことを決めました。
この挑戦のルーツには、2020年、コロナ禍の初期に黒岩くんと行った10時間配信コンサートの経験があります。2000名以上の視聴者が訪れ、同時視聴数も最大で500名を超え、世界中の方々にご覧いただきました。
INTERVIEW_松下洋 10時間ライブを終えた松下 洋に直撃!! (2020年5月14日)
当時の感覚はいまでも鮮明に覚えています。9時間を過ぎた頃、最初に壊れたのはサックスでした(笑)。
途中で頭が働かなくなり集中力の枯渇を経験しましたが、最後には見事に復活し、終演時には「まだ少しいけそうだね」と黒岩くんと話したことをよく覚えています。
この経験がきっかけとなり、今回の前人未踏の長時間演奏への挑戦へとつながりました。
今回の挑戦には、厳格なルールと条件が定められており、それらを一つひとつ丁寧にクリアしていく必要があります。
たとえば、
1時間につき休憩は5分まで
曲間は30秒以上空けてはいけない
常時一定数以上の観客が必要である
観客が寝ていてはいけない
有料公演であること
など、多くの細かなガイドラインがあります。
中でも最も困難なのは休憩の制限です。
長時間にわたり集中力を保ち続けることは非常に過酷であり、特にアンサンブルでは一人での演奏以上に神経を使います。
もし十分な休息をとれないまま演奏を続けた場合、指が動かなくなる、呼吸ができなくなるといった肉体的な限界に加え、脳疲労による身体機能の停止という、命に関わる重大な危険が生じる可能性もあります。
ルールはあくまで公正な条件を設けるためのものであり、安全を保証するものではありません。
そこで、楽器は念の為に予備を3本用意し、水分補給をこまめに行い、会場の温度管理にも最大限配慮するなど、万全の準備で臨みます。
演奏者のどちらかに続行不可能な症状が現れた場合は、命を最優先に考え、休息または中止の判断を行う予定です。
また、譜面の準備についても入念に行っています。
私は紙の譜面を使用して演奏します。今回の演奏に使用するサックスのパート譜は約1150ページにも及び、およそ600回弱ページをめくることになります。
一方、黒岩くんはiPadを使用して演奏します。ピアノのスコアはなんと7000ページを超えるため、予備のiPadも準備し、万全の体制で臨みます。
(サックスの譜面)
この挑戦には多くのサポートスタッフが必要であり、演奏を記録・検証するためのチームの派遣費、記録の証明にかかる作業、現地での滞在費など、費用も非常に大きなものとなっています。
すでに自己資金でできる限りの準備を進めていますが、どうしても資金が不足している部分があり、今回、クラウドファンディングを立ち上げさせていただくこととなりました。
未踏の領域に挑むこのプロジェクトに、どうか皆さまのお力をお貸しください。たくさんの応援をいただけましたら幸いです。
全力で、演奏に臨みます。どうぞよろしくお願いいたします!

達成したい理由は大きく3つあります。
① 音楽をよりわかりやすく楽しんでほしい
長時間演奏を届けることに対して、「これが音楽なのか?」と疑問を持たれる方も多いかもしれません。
しかし間違いなく、音楽は人の力で生み出されるものです。
ジョン・ケージの「4分33秒」は非常に有名ですが、これも彼自身の力で創り出された音楽の概念です。
速く走ることや多くの点数を取ることなど、どんな挑戦でも努力の先にあるものは、必ず誰かに届き、新たな力を生み出すと考えています。
挑戦し続ける姿を見せる人生でありたい――それが私の音楽活動の原動力です。
私がこれまで受けてきたように、誰かの人生を変える芸術の瞬間を届けたいと願っています。
② 非日常のステージと日常の反転
すべての演奏者にとって、ステージでのパフォーマンスは特別な時間です。まるで別の世界にいるかのようで、お金では買えない独自の価値が宿っています。
だからこそ、多くの音楽家は音楽をやめられません。
では、もし長時間演奏を続けたら、その「特別な時間」が日常になるのではないかと考えました。
そのとき、日常と非日常の関係に反転が起き、普段の生活こそが非日常に感じられるのではないか、あるいは自分自身がどこへ行くのか、非常に興味があります。
演奏中は多くの人が時間の経過を早く感じると思いますが、それが長時間続いたとき、どうなるのか、その先を見てみたいというのが私の目的です。
また、特別な時間と感じるからこそ、ステージ上の自分は「自分ではない」と感じることも確かです。
だからこそ、ステージの時間を日常に変え、本当に自然体の自分から生まれる音楽の世界を見つめてみたい。
それがいつでもできるようになれば、音楽家として一歩成長できると信じています。
③WSCの「第20回」という記念すべき節目だから
ワールドサクソフォンコングレス(以下WSC)は、3年に一度、オリンピックのように世界各国で開催される、5日間にわたるサックス最大の祭典です。日本では1987年に開催されました。
過去には、2023年にスペイン・グランカナリア、2018年にクロアチア・ザグレブ、2015年にフランス・ストラスブール、2012年にスコットランド・セントアンドリューなどで開催されています。
私は2009年のタイ・バンコク開催以来、毎回参加しています。
世界中のスーパースターたちの演奏を一堂に聴けること、新しい仲間と出会えることから、WSCは私にとってかけがえのない経験の場であり、数多くの思い出と美しい時間を育んできた場所です。
そして記念すべき第20回は、中国のハルビンでの開催となります。中国での開催は初めてであり、発展著しいアジアの音楽文化の象徴でもあると考えています。
こうした節目に、私自身も何か記録的な挑戦をしたいと思ったことが、ひとつめの理由です。
会場やスタッフの手配は完了し、現在は機材や記録関係の整理を進めている段階です。あとは練習を重ねて体力作りに励んでいます。また、演奏楽器の調整も徐々に進めています。
海外での公演ということで何が起こるかわかりませんし、どんなに準備しても「万全」ということはないと予想しています。そのため、不足が出ないように万全の備えをしています。
さらに、ステージ用に素敵な衣装も作っていただきました。初披露がとても楽しみです。
リターンにつきましては、できるだけ多くのお礼やご連絡ができる内容をご用意いたしました。
配信についてですが、中国のネット環境が異なるため、リアルタイムでの配信を確約することは難しい状況です。
しかし、随時録画映像のアップロードや簡単な配信などを行い、少しでも皆様に現地の状況をお伝えできる体制を現在準備しております。
また、国内ではなかなか手に入らない、喜んでいただけるような素敵なお土産をお届けするプランもご用意しております。
ぜひご支援いただけますと幸いです。
2025年7月25日 渡航・松下 会場入り
2025年7月28日 渡航・黒岩/撮影スタッフ 会場入り
2025年7月29日 10:00〜 演奏開始
2025年7月30日 16:00 演奏終了
記録スタッフ、関係者6名の渡航費:約420,000円
手数料(17%+税):約85,000円
なお、上記の資金では、その他の謝礼やチームの滞在費がまだ十分にまかなえておりません。
最低限、記録に挑戦するために必要な部分をクラウドファンディングで募らせていただいております。
皆さまからの温かいご支援を心よりお願い申し上げます。
まさか自分が世界記録に挑戦するとは、これまで考えもしませんでした。しかし、素敵な仲間との出会い、そして自分には計り知れない芸術家たちとの出会いを通じて、このような機会が訪れていることに、不思議な感覚を感じています。
まだ誰も成し遂げていないことに挑む――
きっと大馬鹿者なのだと思います。でも、そんな馬鹿が世界を動かすのだと信じています。
演奏会は、どんな時でもお客様がいて初めて成立するものです。
しかし今回は、海を越えた遠い地での挑戦です。
それでも、演奏家にとって誰かが応援してくれることは、とても大きな力になります。
どうか応援をお願いいたします!全力で臨みます!
よろしくお願いいたします!

松下洋
1987年生まれ横浜市出身。主としてソロで活動、超絶技巧のコントロールを駆使し多種多様かつ膨大な量のレパートリーを擁す。演奏ジャンルはクラシック、ジャズ、ロック、現代音楽、バンドサポートなど多岐にわたる。
洗足学園音楽大学首席卒業ならびに優秀賞受賞。東京芸術大学院を大学院アカンサス音楽賞を得て首席卒業。慶應大学SFC環境情報学部中退。タイ、中国、台湾、マカオ、フランス、シンガポール、韓国、ドバイ、ロシア、カザフスタンなど世界各国でも講師や招聘奏者、国際コンクール審査員として活躍している。第1回いちのみや音楽コンクール優勝。第4回ジャン=マリー・ロンデックス国際サクソフォンコンクール優勝。第31回日本管打楽器コンクールサクソフォン部門第2位。第2回フレデリックフェネル吹奏楽指揮コンクールセミファイナリスト。2023年パリ・バンドレン社にてマスタークラスを開講。2023年、韓国、パリ、上海にてサクソフォンコンサートを開催。
現在指揮とジャズを勉強中。激辛党、将来の夢は小説家。2020年「EVANGELION FINALLY」のレコーディングに参加、2023年「高橋洋子ワンマンライブ〜月十夜〜」にゲスト奏者として参加。アジアサクソフォンコングレス評議委員。洗足学園音楽大学非常勤講師。三鷹吹奏楽団常任指揮者。
株式会社Mouton&Company取締役。ライブハウス「MarkⅥ mejiro」運営。2024年7月池袋アニメーションフィルハーモニーを設立、代表を務める。
Apple Musicや各種サブスクリプション配信にて「スーパーサクソフォンデュオ ニキータズィミン&松下洋」「the Art of Ghibli」CD販売中。
2025年1月、ニキータ・ズィミンとの共同開発により自身のサクソフォンブランド「XYZ」を発売開始。
黒岩航紀
東京藝術大学音楽学部ピアノ科を首席で卒業。同大学大学院音楽研究科修士課程、及びリスト音楽院修了。2023年第17回チャイコフスキー国際コンクールピアノ部門セミファイナリスト及び特別賞(ベストコンテスタント)。第84回日本音楽コンクールピアノ部門第1位。第11回東京音楽コンクールピアノ部門第1位及び聴衆賞。KIPA国際ピアノコンクール2019第1位。第27回青山音楽賞新人賞、第14回宇都宮エスペール賞、第19回松方ホール音楽賞受賞。バッハからコンテンポラリーまでレパートリーも広く、2019年東京オペラシティリサイタルシリーズ「B→C」出演。NHK-BS「クラシック倶楽部」NHK-FM「ベスト・オブ・クラシック」「リサイタル・ノヴァ」「リサイタル・パッシオ」等多数出演。これまでに、東京フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、ロイヤルフィルハーモニックオーケストラ、ローマトレオーケストラ、サンクトペテルブルク国立アカデミーオーケストラ等と共演。現在は国内を中心にソロ、オーケストラとの共演に加え、荒川文吉氏(Ob.)、齋藤志野氏(Fl.)との「Trio Explosion」を始め、室内楽やアンサンブルピアニストとしても活躍している。2017年1st CD「sailing day」に続く2019年2nd CD「展覧会の絵」はレコード芸術特選盤に選定される。2024年には3rd CD「ブラームス ピアノ作品集」をリリース。音楽誌、新聞等で高評価を得ている。芹沢直美、秦はるひ、江口玲、ファルヴァイ・シャーンドル、アンリ・バルダ各氏に師事。(公財)青山音楽財団奨学生。宗次エンジェル基金/(公社)日本演奏連盟新進演奏家国内奨学金制度奨学生。(公財)ロームミュージックファンデーション奨学生。(公社)日本演奏連盟会員。東京藝術大学ピアノ科非常勤講師を務め、現在、甲斐清和高校音楽科非常勤講師。CJM神宮の杜音楽院講師。
薮田翔一
2011年東京音楽大学大学院作曲科修了。
2001年より東京音楽大学入学までの2005年まで、作曲理論、ソルフェージュを飯塚邦彦氏より学ぶ。東京音楽大学入学1年前(2004年)より、作曲を有馬礼子氏に学ぶ。
東京音楽大学入学後、同大学院卒業までの6年間に藤原豊氏(2005年)、糀場富美子氏(2006年)、西村朗氏(2007年~2011年)ら、各氏を中心として学ぶ。
その他に、大学院在学中に、東京音楽大学作曲科の担当教諭以外からも、レッスンを受講が可能となるシステムにより、池辺晋一郎氏、細川俊夫氏からも定期的にレッスンを受け学ぶ。
龍野アートプロジェクトで音楽監督、神戸新聞のコラム「随想」を執筆するなど活動の場を広げている。ジュネーブ音楽院にて作曲のマスタークラス、東京大学「学藝饗宴」ゼミナールにて講義、NHKカルチャーラジオにて「現代音楽講座」の講師を担当するなど後進の指導にもあっている。作曲した曲はこれまでにアメリカ合衆国、スイス、オーストリア、ドイツ、フランス、スペイン、イタリア、マルタ、ポーランド、クロアチア、ベルギー、ジョージア、フィリピン、台湾など世界各国で演奏されている。
近年は、小倉百人一首で歌曲(全100曲)をピアノ伴奏、弦楽四重奏伴奏で作曲するなど日本文化の発信、大型放射光施設SPring-8の実験行程を音楽にした曲が雑誌Pen+の付録CDになるなど、活動は現代音楽の作曲に留まらず多義に渡っている。
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。











コメント
もっと見る