はじめに ご挨拶
悠人書院の福岡と申します。長野県松本市を拠点に2021年に開業、様々な分野の書籍を刊行してまいりました。
https://macutio20016.wixsite.com/t-fukuoka/home
その悠人書院が、この程、映画批評家の馬場広信さんの企画で、岩波ホールの中心的なスタッフであり、ジョージア映画祭の仕掛け人、絵本作家としても活躍する、はらだたけひでさんへのロングインタビューをまとめた『岩波ホールという伝説』を出版する運びとなりました。
世界の名作映画を世に紹介してきた川喜多かしこさん(後に川喜多記念映画文化財団理事長)さんとともに、1974年に、岩波ホール(当時は映画専門館ではなかった)総支配人だった高野悦子さんは、上映運動「エキプ・ド・シネマ」(第1回上映はサタジット・レイ監督『大樹のうた』)を始めます。
以後、イングマール・ベルイマン、ジャン・ルノワール、フェデリコ・フェリーニ、アンドレイ・タルコフスキー、ルイス・ブニュエル、ルキノ・ヴィスコンティ、フランソワ・トリュフォ、アラン・レネ、アンジェイ・ワイダ、テオ・アンゲロプロス、ウェルナー・ヘルツォーク、アニエス・ヴァルダといった巨匠の作品のみならず、日本や、第三世界と言われたアジア・アフリカ・南米・東欧などの優れた作品を、半世紀近く上映してきました。
その岩波ホールで1974年から2019年まで、企画・広報に携わってきたのが、はらだたけひでさんです。

1980年頃、左から髙野悦子さん、川喜多かしこさん、はらだたけひでさん
このプロジェクトで実現したいこと
企画・宣伝という、いわばバックステージから映画に関わり、あわせて世界中の映画人と交流したはらださんの証言は、日本における映画興行公開史のある側面を知る上で貴重な記録です。興味深い歴史の宝庫であると同時に、聞き手の馬場さんの批評家としての視点と、企画・宣伝の現場に携わってきたはらださんの視点の相違がクロスし、重層的な読み物になったと自負しております。
この書籍を世に問うとともに、1人でも多くの方々に告知させていただきたいと、このプロジェクトを始めました。
出版に寄せて
はらだたけひで(画家・絵本作家・ジョージア映画祭主宰・元岩波ホールスタッフ)
──1本の映画を上映することはとても大変なことなのです。(髙野悦子)※
東京神田神保町にあった岩波ホールは1968年2月9日に開館し、54年余りの活動を2022年7月29日に終えました。わたしは1974年12月1日からこの劇場で働き、2019年2月28日に定年退職しました。およそ44年間在籍していたことになります。その間、岩波ホールは他の単館系映画館、映画会社とたがいに切磋琢磨し、日本の文化=映画の一端を担ってきたと思っています。
退職後、馬場広信氏からわたしの岩波ホール時代の話を聞きたいとお申し出がありました。しかし、今でも夢でうなされるほどに、狂おしく慌ただしい歳月でしたが、思い出されることは断片的であり、わたしは期待に応えられる自信はなく、及び腰でした。総支配人の髙野悦子(1929~2013)がすでに何冊もの著作に多くを書き残していたこともあります。
しかし2022年、岩波ホールが突然閉館し、それから3年、今や、髙野悦子の名も、岩波ホールのことも急速に時代の彼方に忘れ去られようとしています。この事実に対して、このまま流されてはいけない、という思いがわたしには生まれ、馬場氏のご要望に応えなければと思うようになりました。当時を語れる同胞が次第にいなくなったこともありました。
今日、世界は大きく揺れ動いています。わたしたちの生活を顧みると、もはや制御できないほどに、時の流れ、社会の変化が日々速さを増していて、人間存在がなおざりにされているように思えます。守り、残すべきものが、その価値を考慮されることなく、過去へ、忘却へと葬り去られているように思えます。壊し、破棄することは容易いのですが、それらを取り戻すことは難しいでしょう。守り、残すべきもののひとつに記憶があげられます。記憶=過去にまさる財産はこの世にはありません。過去なくして未来はないと思います。
わたし自身の過去を語ることはたいへん苦痛を伴う作業でした。わたしは岩波ホールの一スタッフにすぎず、身の周りのことしか語れません。結果、一個人の思い出話になってしまったかもしれません。当然、異論もあるでしょう。しかし、わたしが髙野悦子をはじめ多くのスタッフとともに活動した歳月を語ることにより、今日とは異なる時代の一端を読者に感じていただければと思いました。読者のお心にわたしの記憶の一片でも留めていただけるならば、取材をお受けした甲斐があります。
※『岩波ホールと〈映画の仲間〉』(岩波書店)より
現在の準備状況
すでに原稿は完成し、校正段階に入っております。
四六判/382ページ(予定)/予価3000円
はらださん書下ろしのカバー装画もできあがりました。

現時点でのカバー案/装画は、はらださんの心象風景「内なる岩波ホール」を描いた作品です
資金の使い道
本プロジェクトの必要経費は、以下の通りです。
この一部をクラウド・ファンディングによって賄いたいと考えています。
◼︎印刷、製本 650,000円
◼︎印税 200,000円
◼︎編集 200,000円
◼︎装丁、組版 200,000円
◼︎クラファン費用 200,000円
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合計 1,450,000円
リターンについて
【純粋応援コース】一口2000円。
書籍は届きません。純粋な応援のみ。
御礼のメッセージ(イラスト付き)をPDFの形でメールにてお送りします。
【本で応援1冊コース】一口5000円。
『岩波ホールという伝説』を1冊お送りします。
あわせて 御礼のメッセージ(イラスト付き)をPDFの形でメールにてお送りします。
【本で応援5冊コース】一口25,000円。
『岩波ホールという伝説』を5冊お送りします。
あわせて 御礼のメッセージ(イラスト付き)をPDFの形でメールにてお送りします。
【本1冊+ポストカードコース】7000円、先着90名様。
『岩波ホールという伝説』を1冊、特製ポストカード5枚セット付きでお送りします。
あわせて 御礼のメッセージ(イラスト付き)をPDFの形でメールにてお送りします。
【本1冊+トートバッグコース】10,000円、先着10名様。
『岩波ホールという伝説』を1冊、特製トートバッグ1つ付きでお送りします。
あわせて 御礼のメッセージ(イラスト付き)をPDFの形でメールにてお送りします。
【本1冊+ポストカード+トートバッグコース】12,000円、先着10名様。
『岩波ホールという伝説』を1冊、特製ポストカード5枚セットと
特製トートバッグ1つ付きでお送りします。
あわせて 御礼のメッセージ(イラスト付き)をPDFの形でメールにてお送りします。
【本1冊+岩波ホールパンフレット(ガチャ)コース】15,000円、先着10名様。
『岩波ホールという伝説』を1冊、岩波ホールの上映パンフレット(古書・馬場広信所蔵)1部をお送りします(オフィス・ネーシャより発送)。
どの作品のパンフレットが当たるかは、お楽しみに。
あわせて 御礼のメッセージ(イラスト付き)をPDFの形でメールにてお送りします。
【本1冊+はらだたけひで原画コース】25,000円、先着1名様。
『岩波ホールという伝説』を1冊、はらだたけひでさん書下ろし挿画(原画)を額装してお送りします。
あわせて御礼のメッセージ(イラスト付き)をPDFの形でメールにてお送りします。
【本1冊+カバー装画色校正ゲラ額装コース】20,000円、先着2名様。
『岩波ホールという伝説』を1冊、はらだたけひでさん書下ろしカバー装画の色校正ゲラを額装してお送りします(原画ではありません)。
あわせて御礼のメッセージ(イラスト付き)をPDFの形でメールにてお送りします。
【本1冊+タルコフスキイ鏡の本コース】30,000円、先着11名様。
『岩波ホールという伝説』を1冊、
馬場広信さんの監訳書にて、現在は入手困難な『アンドレイ・タルコフスキイのの本』(馬場広信監修、宮澤淳一・馬場広信訳、リブロポート、1994年)のビニール・カバー付き未開封新古書(馬場広信所蔵、オフィス・ネーシャより発送)。
あわせて御礼のメッセージ(イラスト付き)をPDFの形でメールにてお送りします。

スケジュール
7~8月 校正作業。
グッズ製作
9月末 原稿完成。印刷所に入稿
11月下旬 クラウドファンディング終了
11月下旬 書籍刊行開始
12月 リターン発送
最後に
映画はスクリーンで観るものでした。単なるエンターテインメントにとどまらず、
知らない世界を知るための〝窓〟でした。
映画を愛し、映画に教えられ、人生を豊かにしてくれた思い出を「形」として残し
1人でも多くの方々と共有したいと願っております。
何卒ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。
最新の活動報告
もっと見るご支援・ご拡散ありがとうございました
2025/11/27 21:56悠人書院の福岡です。初めてのクラウドファンディング挑戦でした。目標率の達成度は約50%。うまくいったか、失敗したのか。自分のなかでも整理はついておりません。ただ、一つ言えるのは、ご支援と一緒に寄せられたメッセージの「熱さ」です。出版経費の高騰のなか、編集・出版作業を進める中、ご支援いただいた方々の岩波ホールに寄せる思いの「熱さ」に励まされました。出版はビジネスです。でも出版者(PUBLISHER)の役目は、著者(AUTHOR)の思いを読んでくださる方に伝えることです。著者の熱量が、多くの方々に伝わった結果が、769,000円という数字です。目標額には達したなかったけれども、出版業の持続可能性という意味で、大変に勇気づけられました。今後、一人出版社で本を世に送り出す仕事を続けるうえで、ご支援いただいた方々、拡散にご協力していただいた方々には、感謝の思いしかありません。ありがとうございました!!! もっと見る





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