ご挨拶
はじめまして。NPO法人福島ダイアログです。私たちは福島県を拠点に“2011年の福島第一原子力事故による原子力災害で被災した地域の生活環境の改善をめざし、福島の現状や未来について語り合うダイアログ(熟議型の対話集会)の開催や、その内容の記録と保存、国内外の関係機関と協働して放射線測定を行い、その情報共有や結果をもとに相談や助言をする”といった活動をしています。
今年はNPO法人設立から6年となり、活動の主軸となるダイアログ開催以外にも、国内外の大学の研修・研究への協力や国内外研究団体からの研究の受託を行うなど、会員の方たちと協力して活動の幅を広げています。
理事長メッセージ:当団体HPより
「ダイアログ」とは、福島県内を会場に毎年1回・2日間、原子力災害からの復興をテーマとした、地元住民や行政関係者、地域の問題について経験のある国内外団体や個人、国内外専門家を交えた対話集会のことを言います。このダイアログは2011年の秋から続けており、今年で27回目を迎えます。特徴的なところでは、国内のみならず海外からの参加や視聴者がいるため、毎回世界に向けてリアルタイムでZOOM配信を行っています。

当日の会場では参加者(またはスタッフ)として海外の方がいらっしゃる場合も多々あり、日本語と英語の同時通訳が必要です。対話の場はほぼ丸一日の長丁場となるため、交代で通訳してもらうとなると最低でも2人必要となります。また、方言など地方特有の言い回しや言葉遣いをできる限り丁寧に正確に訳してもらうとなると、経験豊富な通訳をお願いせざるを得ません。対話集会におけるもっとも費用のかかる部分となりますが、この予算を確保しておくことで質の高いダイアログが実現できます。
海外向けのダイアログ開催のお知らせ(画像は昨年度)
また、これまで幾度かお子様がいらっしゃる方に参加を打診してきましたが、ダイアログの方向性に対して共感をいただいたり、ご本人に伝えたい思いがあったりしても、小さな子供の面倒を見る人がいないという理由で辞退されることも多く、とても歯がゆい思いがありました。
ダイアログは地元の方だけではなく私たちの活動に関心のある、遠方に住まわれている方の現地参加やZOOM視聴者が少なからずおり、できるだけ多くの方に参加していただきたいため、これまで土日開催にこだわってきました。一方で、そのこだわりのためにお子様がいらっしゃる方の参加が難しくなってしまうことが本当にもったいなく、様々な立場のひとりである親世代の声を取りこぼしているのではないか、と感じています。
平日であれば通っている保育所や幼稚園で預かり保育をお願いすることもできるでしょうが、土日では難しい…。それであれば、私たちがベビーシッターを確保し、親もこどもも安心して時間を過ごせる場所を提供したい。そうして福島に暮らす子育て世代の声や想いも、もっと社会に届けたいと考えています。
福島県の現状について国内外に対し公平性や透明性を確保した対話の場を日本語と英語で発信し、また、さまざまな立場の方の参加を促すことができるように、クラウドファンディングにチャレンジします。

原発事故の記憶の風化と、地域が抱える課題はなにかを問うために
2011年に起きた福島第一原子力発電所の事故による災害からの復興において、時間が経過し、復興の課題が複雑化すると同時に、地域や個人によって状況に大きな違いが生まれる一方、そのことを共有しにくくなっています。
放射性物質の放出によって福島県内の個人の生活はもとより、地域全体が大きな影響を受け、とりわけ避難を余儀なくされた地域は放射線に対する長きにわたる対応が必要です。これまで国や自治体による除染活動により、放射線への懸念が少なくなったと言える一方で、完全に無視することはできないという現状があり、とくに人と土地のつながりの強い山間部や長い期間避難を余儀なくされていた地域においては、地域コミュニティそのものの変化、除染事業や復興事業により土地の有り様が変貌し、そのことが住民のアイデンティティや幸福度合(well-being)にも大きな影響を及ぼしました。
浪江町除染工事地図(令和4年度時点)
除染終了後の土地
また、本来ならば被災地域に暮らす住民に対し、今なおアウトリーチが必要であるにもかかわらず対応が手薄になっている現状もあります。そのため私たちは、特に個々の状況や地域の特性、問題の複雑さに配慮しながら対話の場を構築し、そこで語られることにおのおのが耳を傾け、現状を浮かび上がらせて地域の課題を共有することで、放射線に対する懸念も含め一人一人が望んでいる復興への道をともに歩むことに取り組みたいと考えています。
特に私たちの活動している地域では震災から14年経過したいま、時間の経過とともに変容している問題が各地にあり、統一的な見解や画一的に語ることには危うさがありますが、そのことさえ共有されにくくなっています。
たとえば近年、県や自治体による移住政策が功を奏し、とくに関東圏からの移住者が福島県内で増加しており、地域にとって新しい息吹が生まれていますが、一方で放射線の影響のある環境下でふとした疑問についてうまく言葉にできないといった話、そもそも誰に話をしたらいいのかわからないといった声もあります。東日本大震災や原発事故そのものの風化もそうですが、いま、新しい産業を地域に興そうという大きな動きのある中で、住民レベルでいえば、そういったちいさな声が根本に少なからずある、というのが現状です。
これまでのダイアログでは、原発事故直後は「食品の安全性」や「制限事項の多い環境下での子育て」について、また、避難指示解除が行われはじめたころには「その地域の生活上の課題について」といったように、そのときどきで地域や住民が置かれている状況により必要とされているテーマを取り上げ、語り合う場を設けてきました。
これまでもこれからも、被災地に暮らす個人や被災地域そのもの、またそれに関わる人々がともに考え、ともにより良い未来になることを願い、ともに歩むことで様々な立場にある人たちが暮らしやすい福島県になることを私たちは目指します。
「生まれ故郷」=「福島」=「ふるさと」?
10年以上活動しダイアログの実績を積み上げてきたことを生かし、まだまだ変容していく福島の、さまざまな立場の人の声に耳を傾け「福島で起きた原子力事故とはいったいなんだったのか」「復興とはなにか」「復興の先にある未来」をこれからも問い続けていきたいということを前提に、今回、避難指示の解除がすすみ避難先から戻ることもできる方、これまで通りずっと暮らし続けている方、ほかの地域から移住された方たちが一緒に住まうこの福島で、それぞれが望み通りの暮らしを送るために、今回はそれぞれの視点からの「ふるさと」について語る対話集会を開催します。
日時は2025年12月6日(土)、7日(日)の2日間、会場は福島県双葉郡大熊町の「CREVAおおくま」(大熊町産業交流施設)です。
第27回福島ダイアログ「ふるさとへの思い―私たちはどこから来て、どこへゆくのか:福島の声」
プログラム詳細が決定次第、こちらでお知らせいたします。
youtubeは去年のダイアログの様子です。
資金の使い道
みなさんからいただいた支援金はそれぞれ以下の項目で使用したいと考えています。
同時通訳費(2日間合計):約60万円
ベビーシッター代(2日間合計):約10万円
スタッフ・対話参加者(遠方)宿泊費 約20万円
広報費:約2万円(チラシ制作)
リターン費用:約8万円(リターン品仕入れ、ポストカード印刷代、郵送代)
合計 100万円
※目標額を上回った場合は今後の新しい取り組みとして、小規模かつクローズな対話集会(ミニ・ダイアログ)の開催を行う予定があるため、その運営費として使わせていただきます
現在の準備状況
・参加候補者にダイアログの概要説明と参加の打診をし、9月末までに8名の対話参加者が決定!
・福島大学地域未来デザインセンターとの共催が決定!
活動内容は随時報告します。
リターンについて
☆ご寄付いただいた方全員☆
・希望者はNPOのホームページ上にお名前(ニックネーム可)、企業名(文字のみで企業バナーは不可とさせていただきます)を2025年12月1日から1年間掲載します(ご寄付いただいた金額は記載しません)。
なお、お名前の掲載を希望・不可のどちらでも、その旨をリターンの備考欄にご自身でご記入ください!
備考欄に記載がないと支援が完了しません。お手数ですが、よろしくお願いします。
・NPOの紹介リーフレット(PDF)
☆3,000円:ダイアログ開催後、感謝の気持ちを込めて活動報告メール(Newsletter)をお送りします。
☆5,000円:お礼のオリジナルポストカード&Newsletter
☆10,000円:お礼のオリジナルポストカード&Newsletter&大堀相馬焼の箸置き(5色のうちランダムで1個)
☆50,000円:お礼のオリジナルポストカード&Newsletter&双葉だるま(12㎝)
☆100,000円:お礼のオリジナルポストカード&Newslette&理事長書籍1冊&双葉だるま(15㎝)
◎100,000円リターンの理事長書籍について
こちらは2022年に出版した理事長 安東量子のエッセイ本「スティーブ&ボニー 砂漠のゲンシリョクムラ・イン・アメリカ」(晶文社)のみとなります。デビュー作『海を撃つ――福島・広島・ベラルーシにて』(みすず書房)は現在品切れです。申し訳ございませんがご了承ください。
10万円の寄付をしていただいた方には安東の著作を1冊提供いたします
スケジュール
プロジェクトの準備スケジュールは以下のとおりです。
大きく変更が発生した場合には、活動報告にてご報告します。
25年10月1日:クラウドファンディング開始!
25年10月上旬~中旬:最終プログラムの決定と告知
25年11月15日:クラウドファンディング終了!
25年11月:最終打ち合わせ
25年12月:イベントの開催 12月6日、7日
26年2月:リターン発送開始
26年3月:資金の使い道に関する報告を公表
最後に
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
2011年に起こった東日本大震災とそれに伴う福島第一原子力発電所事故から14年の今年、一言で復興と言っても、立場やその人の思いによって、描く復興の姿もまたそれぞれに違います。
日本でこれまでに経験のなかった原子力発電所の事故によって地域や個々の生活がどのように変わり、またこれからどのように変化していくか、立場の異なる人々の声をともに聴くことなしに、その姿が浮かび上がることはありません。
声を聴き漏らさないように、福島で起きた原発事故が歴史の中に埋もれてしまわないように、私たちは活動の軸として、団体名でもある「福島ダイアログ」と呼ぶ対話集会を福島県内で開催し、これまでその歩みを止めずにやって来ました。

ひとりひとりの声を、つぶさに書き留める
もちろん私たちだけの力だけでは到底成しえることはできず、志ある多くの方々の協力があって、これまで途切れさせることなく続けてこられました。
ここにたどり着いた皆さま。福島の未来に関心のある皆さま。
第27回福島ダイアログを実り多いものとするために、皆さまの力を貸してはいただけないでしょうか。
そして、一緒に福島の未来を見つめ続けてくれませんか?
どうか皆さまの、温かいご支援をお願いいたします。
これまでの活動
2011年、原発事故がおきて間もない時期から活動している私たちですが、最初は、理事長である安東が自身も被災者でありながら「誰かを助ける力がほしい」という気持ちで右も左もわからない状態から始まりました。2019年に法人化し、2025年現在の会員数約30名とまだ小さなNPO法人ですが、想いに呼応するように助ける人が現れ、つながりができました。安東だけでなくそれぞれの理事や会員もまた、過去にダイアログ参加者であったり聴講したりしたことで関わりがうまれ、ともに協力する仲間として活動を行なってきました。NPO法人福島ダイアログ理事長 安東量子
活動を続けていく中で国際放射線防護委員会(ICRP)やフランス放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)といった海外団体との繋がりや協力関係が生まれたり、学術論文の執筆を通して福島県の現状を詳らかに発信したりすることで、私たちの目標の一つでもある震災や原発事故の記録・保存活動にも力を入れることができました。また、福島県内で活動している地域団体との結びつきも年々強くなり、結果として住民やその関係者、地域の団体をエンパワメントしつつ、復興そのものを官民主導ではなく住民主体で進めていくという強い思いで活動を続けています。
最新の活動報告
もっと見るNPO福島ダイアログよりー第27回福島ダイアログ開催をご支援くださった皆さまへ
2025/11/16 12:1211月15日をもちまして、クラウドファンディングが終了しました。みなさまの応援によって、大きな成果をいただくことができ、大変うれしく思います。 今回のキャンペーンには、日本から59名の方より合計592,000円、海外から、同時に行っていた英文でのSyncableでのキャンペーンを通じて,10件の個人と組織より合計115,300円のご寄付をいただきました。 海外のご寄付のうち、ASNR(フランス原子力安全・放射線防護機関)より、クラウドファンディングキャンペーン開始直後に「ダイアログのための翻訳・録画公開費用を支援したい」とのご連絡がありました。ただし、ASNRの内部規程によりクラウドファンディング会社(Syncable/CAMPFIRE)へ直接入金することができず、翻訳会社への請求書支払いという形でのご支援となりました。この手続きはキャンペーン期間中に完了しています。 CAMPFIRE/Syncableにいただいたご寄付と、翻訳・録画公開費用への直接支援を合わせると、当初目標としていた100万円を大きく上回りました。これにより、当初予定していた以下の費用に加え、追加の活動にも充てることが可能となります。 ・ダイアログ参加者の託児支援 ・参加者および運営スタッフの交通費 ・ダイアログ開催に必要な事務経費 追加活動の内容と最終的な使用額については、第27回ダイアログの精算完了後に改めてお知らせいたします。 本告知の末尾に、今回ご支援くださった個人および団体名を掲載しております。改めて、NPO福島ダイアログを信頼し、ご支援くださったすべての皆さまに心より感謝申し上げます。 お名前の掲載を希望された皆さまのご芳名(順不同)・ドラッグМ&A 様 ・かない 様 ・有限会社カルフ 様 ・松本誠二 様 ・上海II 様 ・戸田春男 様 ・モン=コション 様 ・こびとの森 様 ・塩倉裕 様 ・おばこ 様 ・Tazuko Arai 様 ・山岡健次郎 様 ・中島悠二 様 ・稲葉江里 様 ・小波秀雄 様 ・木田修作 様 ・Mr. Gino Semaan (ジノ・セマーン) ・Mr. Thierry Schneider (ティエリー・シュナイダー) ・Mr. Jean-François Lecomte (ジャン=フランソワ・ルコント) ・Mr. Christopher Clement (クリストファー・クレメント) ・Mr. Gregoire Jacob (グレゴワール・ジャコブ) [NGO Environment and Alternative Development (EDA]・Mr. Michel Bourguignon (ミシェル・ブルギニョン) ・Mr. Roy Payne (GDFWatch) (ロイ・ペイン) もっと見る
【第27回福島ダイアログ】12月7日(日)オンライン配信のお知らせ
2025/11/10 19:10いよいよ「第27回福島ダイアログ」の開催が近づいてきました!2日目(12月7日・日曜日)は、ZOOMによるオンライン配信を行います。ウェビナー登録はこちらから行えます!または下の写真のQRコードを読み込んで、登録フォームへどうぞ。現地まで来るのが難しい方も、ご自宅やインターネット環境があればご参加いただけます。福島県のふるさとをめぐるさまざまな声や思いを共有するこの時間を、ぜひ一緒に体験してください。お時間が合いましたら、どうぞオンラインでのご参加をお待ちしています。 もっと見る
プログラムが確定しました!
2025/11/05 14:45短い秋を惜しむように紅葉が美しい季節となりましたが、皆さまにおかれましてはいかがお過ごしでしょうか。第27回福島ダイアログの開催まで残り1か月となりました。プログラムが確定いたしましたのでお知らせいたします。当団体のHPのリンクからご覧ください。・協賛団体等が以下の通り決定しました。 共催:福島大学未来創造リサーチセンター 支援:ASNR(フランス原子力安全・放射線防護庁) 後援:大熊町 協賛:CEPN, 日本保健物理学会、日本リスク学会・1日目プログラムの「トレイルwithオープンラディエーション」のコースが JR常磐線 富岡駅前からJR常磐線 夜ノ森駅前の約5kmのコースに決定しました。準備が盛りだくさんですが、良いダイアログとなるよう頑張ります。更新情報は随時お知らせしていきます! もっと見る






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