
ご報告に間が空いてしまい申し訳ありません。
対談取材を終えて、原稿づくりから写真の選定などを経て、デザインまで全ページがほぼできあがりました。8月5日に対面で集まり、ゲラ(プリントしたレイアウト用紙)を実際に製本した状態にして、みんなでページをめくりながら確認をしました。
「このM事件の対談コーナー、ここにあると違和感あるかも……」とか、PDFでは体感としてわかりにくいページ全体の流れや、ぱっと見て何の見開きページか分かるかなど情報の階層をチェック。
高校時代の大輔さん。この写真だけで、いろいろ伝わってくるものが……
本文に出てくる言葉も、例えば「X」(セクシュアリティで“不明”を表す)や「クルージングスポット」、ODなど一般の読者には普段なじみがないと思われる言葉も多く、言葉の説明もわかりやすくしたいところ。

また、大輔さんの提案で、途中から本文にルビを振ることになりました。漢字についている小さな読み仮名をルビと言います。しかも「総ルビがいい!」と。「いや、まって!」と。今回のマガジンは若者にももちろん読んで欲しい内容です。性や性感染症、HIVのこと、薬物のことなど、「子どもには早い」と決めつけるのはまた違うと思いつつ、性自認や性への興味が出始める年齢以上で習う漢字にルビでも良いのでは?
大輔さんは、さらに「ルビ財団」創設者の松本大(おおき)さんが登場する有隣堂のYouTubeチャンネルを教えてくれました。「今、ルビがキテると思う」と松本さん。本にルビを振ることの意味を改めて解説。子ども向けの本に振るのがルビで、普通の本にルビがあるとうるさくてすごく読みにくくなるんじゃないかという思い込みを、見事に打ち砕いてくれました。実際にやってみると、読みにくいとは全く感じません。漫画にもルビがふってあるし、小さい頃からの慣れもあるのかもしれません。

例えば経済学の本でも、ルビを振ることで新しい読者層が増えるメリットもある。科学雑誌「Newton」などが良い例かもしれません。創刊以来、「漢字の難しさをなくし、世代を問わず科学の世界へ入りやすくする」を編集方針としています。内容は難しくても、ルビが振ってあればわからない言葉もすぐ調べられるので、そこで読書を諦めることが少なくなる。
それに、役所などでも外国人の人たち向けに、漢字にルビを振るのは今後ますます重要になってくると思われます。
ただ、2割くらいの大人はルビを嫌がる傾向にあるとのこと。

ちょっと前にNHKで「宙(そら)わたる教室」という、窪田正孝主演のドラマがありました。定時制高校を舞台に、理科教師とさまざまな事情を抱えた年齢も国籍も様々な生徒たちが科学部を結成し、教室で火星のクレーターを再現する実験に挑む青春科学ストーリー。毎回、グッときてました。その中に、ディスレクシア(発達性読み書き障害)の青年(小林虎之介)が登場。数学の計算問題は完璧なのに文章問題だけ白紙であることから、彼が抱えている課題に教師(窪田正孝)が気づき、ドラマの中では音声アプリを使用することで学習の困難さを乗り越えていきました。
有隣堂YouTubeチャンネルの中でも、視聴者から「息子がディスクレシアなのですが、ルビがふってある本によって助かっています」というコメントが紹介されていて、このドラマを思い出しました。
ルビがあることによる読み手の不都合はほぼ無さそうです。
最初は、「うーむ」と思っていましたが、ルビの可能性を知れて本当に良かったと今では思っています。デザイン、レイアウトの視点から言うと、「面倒だな」と人間が思うようなことは、Indesignという編集ソフトに、自動化のスクリプト(コレをこうして!という指令のプログラム)を入れることで、大抵解決できる時代です。1文字ずつルビを打って入れていく手間は多分ないはず……。実際に試してみると、ChatGPTを併用しつつ、処理は短時間で可能でした。
とはいえ、漢字1文字に対してルビが長い場合などイレギュラーもたくさんあって、そのあたりは手動でひとつずつ調整が必要です。

それによって、時間がかかっている……ということでは決してないのですが、メンバー一同慣れないこともありながらも必死に制作を続けているものの、少人数での制作ということもあり、どうしても時間がかかっている現状です。

マガジンの活動報告会を9月27日(日)の15時から、新宿二丁目のコミュニティセンターaktaで行います。その1週間前くらいには、みなさんのお手元に届くように、最終校正などを進めているところです。
あとしばらく、どうぞ楽しみにお待ちください!
お詫びならびにご報告でした。
【オススメ動画】
【ふりがなって必要?】ルビの世界
このあと、2回目もアップされてます。




