
思えば、駅猫、駅長動物、看板猫とは程遠い生活をしてきました。
ずっと家庭で動物は飼っていたけれど、家をあけることも多く、動物の存在を身近に感じるようになったのは飼い猫のみーが家に来てからです。
みーとの時間を通して、命は永遠ではないことを少しずつ理解し始めた頃。
私は「会えるうちに会いに行く」という想いを、胸の底にそっと抱くようになりました。
そして知ったのです。
駅やお店で、人と同じように“役割”を持って過ごす動物たちがいることを。
その姿は尊く、健気で、愛されていました。
けれど、私が「会いに行きたい」と願った子たちは、すでにこの世界にはいませんでした。
駅猫おさむ。
会津の猫駅長らぶ。
山形のうさぎ駅長もっちぃ。
名前を呼ぶだけで胸が熱くなるのは、彼らが誰かの心に灯をともして生きていた証。
私はその灯に、遅れて手を伸ばした一人だったのです。
直接会うことは叶わなかった。
でも、おさむを愛した人たちが教えてくれました。
「会えなくても、想いは届くんだよ」と。
写真越しではなく、その地に立ち、その風を浴び、その子を大切にしてきた人と語り合う。
それは、消えてしまった命に触れるのではなく、残してくれた温度に触れる旅でした。
――そして私は、気づいてしまったのです。
動物たちの命は短い。
だからこそ、人は“その命が灯してくれた時間”を、次の誰かへ繋いでいくのだと。
ならば、私は何ができるのか。
答えは、いつも私の中で同じ言葉に戻ってきます。
「物語として残すこと」
旅をするたび出会った人たちは、誰もが優しかった。
悲しみに触れたことのある人は、他者に温度を分けられるのだと知りました。
だから私は、今回の旅で会いに行きます。
今もその場所で誰かの心をあたため続けている、推しの看板猫さんに。
そして、その子を愛し、一緒に時間を紡いできた人たちに。
会えるうちに、ちゃんと会いに行きたい。
その姿、その息づかい、その“今”を胸に刻みたい。
そして、もうひとつ。
おさむにも、らぶにも、もっちぃにも、直接伝えられなかった想い。
「あなたのおかげで、優しさに出会えたよ」という言葉を、今生きている誰かに手渡したい。
今回のクラウドファンディングは、旅の資金集めではありません。
命がつないできたバトンを、次の人に届けるための挑戦です。
もしこの旅を漫画にして残すことで、読んだ誰かが、大切な存在を思い出し、「会いに行こう」そう思ってくれたのなら。
そこでまた、新しい灯が生まれるはずです。
出会えなかった命がくれた学びを、今度は誰かの“出会える未来”につなぐために。
そのための一歩を、私は踏み出します。
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