100年の哀歓を宿す、明治の学び舎を遺すために
「唯一無二の輝きを放った、あの美しい映画祭を再び」
人々に忘れられ、町の片隅の森にひっそりと佇む旧古間小学校木造校舎。その古い学び舎の傍らでこの夏、若者も家族連れも、かつてそこで黒板を見上げた白髪の“子供”たちも、皆で映画を見上げた盆の夜ー。夜風のそよぐ澄んだ星空の下、未来に継ぐべき「古くて新しい、日本の夏の原風景」を見た。
記念すべき第一回目のポスター

「 シナノフォレストシネマ 2026 に向けて 」
「森と湖と高原の町」北信州、信濃町にこの夏、有志による手作りの小さな野外映画祭、「シナノフォレストシネマ2025」が産声をあげました。
資金0、準備期間ひと月半。それぞれに仕事や家庭を抱える町の有志が、寝食を忘れてひと夏を捧げ、手弁当で作り上げた映画祭です。大きな不安の中での船出でしたが、結果は大盛況。多くの賞賛と感謝の声に、安堵と喜びを噛みしめました。
唯一無二の輝きを放った、あの美しい映画祭を再び―
寄せられた多くの期待に応えるべく、来夏、第2回「シナノフォレストシネマ2026」を開催するために、クラウドファンディングに挑戦することを決めました。
「信濃町の原風景を共に考える会」

「 始まり 」
町の宝である、明治築の旧古間小学校木造校舎の悲しい現実を知ったこと―
すべてはそこから始まりました。
識者を交えた検討会で、保存すべきという結論をえながらも、何もされずに放置されてきた学舎。もはや町に保存や管理の意思はない、そんなやるせない現状を知りました。
裏の森にのまれ始めている校舎
真正面からの道が閉ざされたのであれば、違う角度からの方法を探るしかないと、知恵を絞るなかで浮かんだのが、この映画祭でした。
まずは、旧古間小学校に文字どおり光(映画)を照て、町の人々の哀歓を見守ってきた、この美しい学舎の存在価値と、置かれている現状を、町内外に広く知ってもらうこと。そうして暗闇に、まだ見ぬ一筋の道を探そうと考えたのです。
随所に文化的価値の見出せる建築意匠が残されている
「 射した光 」
鬱蒼と茂る草をはらい、木を倒し、埋もれるゴミを掘り出していくと、校舎と広場に光が射し、古い礎石に風が抜けていきました。そしてそれは、作業をする私たちの顔や心もまた同様でした。
幸運にも降り続いた雨が止み、爽やかに晴れ渡った開幕の朝。竹箒で広場を清める私たちを見つめる、あるお爺さんの姿がありました。しばらくそこに佇んでいたその人は、清々しい陽光に目を細めながら、校舎の二階の角の部屋をじっと見つめ、やがて静かにこう言いました。「昔、あそこで結婚式をしたんだ……」
ボランティアさんと一緒に草刈りからスタート
続々と現れる廃棄物
大きな切り株も
「 夢のように美しい映画祭 」
やがて日没を合図に裸電球が点され、夜の帳に映画(光)が照てられると、美しい古い木造校舎の姿が、闇に浮かび上がりました。それは人々の笑顔が、一層明るく輝いた瞬間でもありました。
それから三晩、忘れられた森の広場に灯りがともり、人々が集う賑やかな宴が開かれました。
満点の星空の下、映画の光に照らされた校舎
古い学び舎の佇む群青の森の広場に、映画の光を映して燦めくたくさんの瞳。
映画の、森に風が吹く画では、四方を囲む樹々もいっせいに揺れ、虫の鳴く夜の森の画では、辺りの虫が呼応して重奏を奏で―。物語と現実が溶け合う、奇跡のような瞬間が幾度もありました。
学び舎の古硝子に、揺らぐ湖面のようにトロリと映る画も美しく、月や花火が綺麗な晩も、遠くの盆唄が沁みる晩もありました。
花火と映画
蕎麦畑の鉄路をゆく、二輌分の短かい明かりが、木立の間をゆっくりと流れてゆきました。冷んやりとした草に寝転べば、瞬く夜空に流れ星が。
月に照らされた受付本部
そんな長閑で夢のように美しい、小さな田舎町の唯一無二の映画祭が、ここに生まれたのです。
蝋燭などの光に灯された受付の様子
「 無料上映という選択 」
「誰もが自由に来られる“お祭り”に」
幼い頃に、夏祭りの団地の広場で、老いも若きも皆で映画を見上げた、古きよき時代の、忘れられない夜がありました。
「夏の原風景を未来に残したい」そんな想いと「旧古間小学校の価値と現状を、町内外に広く伝えたい」という、映画祭企画の大前提を考えると、誰もが(特に地元の人が)自由に、ふらりと、何度でも来られるような“お祭り”にすることこそが、最善の選択であると思われました。
「 成果 」
「次回開催を望む声100%、多くの出会いと賛同」
予想をはるかに超えるお客さんに足を運んで頂き、私たちの想い描いた映画祭の風景が、現実のものとなりました。
「こんなに素敵な場所があったなんて……」
町外はもちろん、町内の方からも多く寄せられた言葉でした。
映画祭上映風景、後ろに美しく照らされた校舎が見える
映画に馴染みのないご近所のお爺ちゃんお婆ちゃんも足を運んでくださり、「家族を連れてきたよ」と再訪してくれる姿もありました。
芝生にシートを広げ、手提げ篭のお弁当を囲む、微笑ましい親子の姿もありました。

仲睦まじく、三夜連続で通ってくれるカップルもいました。
帰省した若い同級生たちが、懐かしそうに会話を弾ませる場面もありました。
大人達が蝋燭の灯りにひたいを寄せて、お酒を片手に静かに語らう姿もありました。
アンケートで次回開催を望む声が100%の回答だったことも、あの会場に満ちていた、映画祭の空気感をよく表していると思います。
「 課題 」
「声に応えたい、でも資金がない」
第一回は「協力金」として募った寄付と補助金、有志スタッフの持ち出しで実現に漕ぎつけましたが、大きな赤字を残しました。
多くの寄付を寄せてくださった方がある一方で、集客数からみて、協力金が少なかった要因は、この大きさの規模のイベントを、有志が自腹で開催しているとは思われなかった事に因るようでした。
その点をわかりやすく伝えることが、次回の課題ですが、しかしこのままでは次回の開催は資金的に難しい状況です。
そこで私たちは、みなさんの力をお借りして、もう一度この挑戦を続けさせて頂きたいのです。
「 資金の使い道 」
皆さまからいただいたご支援金は
・映画の上映ライセンス料 (750,000円)
・スクリーン・プロジェクター・スピーカーなど、機材レンタル費 (400,000円)
・会場設営、照明、仮設トイレなどの備品費 (200,000円)
・スタッフや運営ボランティアへの謝礼、交通費 (50,000円)
・宣伝印刷物の作成 (100,000円)
加えて、
リターン制作費 (200,000円)
手数料:集まった金額の20%程度
などに充てさせて頂きます。

「 リターン( 返礼品 )」
「支援の証を、心と手元に残してほしい」
・1000円:お礼メール
・3,000円:お礼メール + CFCオリジナルステッカー
・5,000円:お礼メール + CFC限定トートバッグ(200個限定)
・10,000円:お礼メール + CFC2026会場にて使える、フード引換チケット2,000円分(100組限定)
・20,000円:お礼メール + 映画祭のエンドロールにお名前を掲載(20組限定)
・30,000円:お礼メール + VIPシートご招待(1組2名)(30組限定)
「 希望の灯 」
「町の原風景を未来につなげたい」そんな想いから、このプロジェクトは始まりました。
超高齢化・急速な過疎化の進むなかで、この町の景観や文化を守り、次の世代へと手渡していく。その想いを形にしたのが、この映画祭でした。
映画祭は、地域の老いも若きもが集い、語り合い、同じものを観て共に時を過ごすきっかけとなりました。それは現代社会が失った、かけがえのない時間でした。そうして人々の心に深く刻まれた、尊い夏の夜がやがて、「夏の風物詩」として未来へ受け継がれていくことを、切に願います。
映画館も図書館も娯楽もない、この小さな田舎町で、大人たちが目を輝かせて、心豊かに生きる姿を見せたいと思います。そして守るべきものを、愉しみながら守っていく姿を、次世代に見せていきたいのです。
あなたのご支援は、映画イベントを支えるだけのものではありません。町が打つ手なしと諦めていることも、たとえ予算がなくとも、今までにはないやり方で、何かできることはある。私たちの挑戦は、日本中の過疎地域に、勇気や希望、そして新たなチャレンジのきっかけを届ける可能性があります。この映画祭の光が、文字通り希望の灯となり、この町に留まらず、日本中の未来へと広がりますように。
宴のあとの、深い静けさに包まれた学舎を訪ねました。すべては泡沫(うたかた)の夢のようでした。しかしその時、藪(やぶ)をはらった校舎脇の暗がりに射す一筋の光の下に、ひっそりとうつむいて咲く、薄紅色の美しい百合の姿を見たのです。その姿はまぎれもなく、「希望の灯」そのものでした。
閉幕後、心からの笑顔がもれる主催メンバーたち
募集期間
開始日:公開と同時にスタート
※目標に届かなくても、集まった資金でできる範囲の開催を進めていきます!
「 スケジュール 」
2025年
6月信濃町の原風景を共に考える会の発足
8月 第一回、シナノフォレストシネマ開催
10月 HPなど開発開始
11月 シナノフォレストシネマ関連イベント
2026年
1月リターン発送開始
冬 シナノフォレストシネマ関連イベント
8月 第二回 シナノフォレストシネマ開催
「 最後に 」
このプロジェクトは、「今は使われなくなったが、人々の記憶に残る守るべき場所」にもう一度灯りをともしたい、という強い想いから始まりました。
映画には、場所や人の記憶を結び治す力があります。小さな町の小さな映画祭が、未来の記憶に残るものになるように、人口減少が進む田舎町信濃町が、日本の同じ様な問題を抱えた都市の進むべく道の一つの好例になる様に願っています。
そして、いづれは、この映画祭が我々の信濃町から飛び出し、田舎の夏の、新しい風物詩になること願っています。
皆さんの力を、少しだけ貸してください。
最新の活動報告
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12月11日 信濃毎日新聞に取り上げていただきました。
2025/12/12 21:31信濃毎日新聞朝刊に、映画祭の記事を掲載いただきました。この映画祭が、信濃町の夏の風物詩になり、多くの若者や地元の人たちが集う場所になればと願っています。プロジェクトも終盤戦となりました。心温かい支援や、言葉に大変勇気づけられております。引き続きご協力どうぞよろしくお願いいたします。 もっと見る
映画祭の様子が映像になりました。
2025/12/12 21:28この夏行われました映画祭の様子が、素敵な映像になりました。思い出が蘇ります。この投稿をInstagramで見る信濃町の原風景を共に考える会(@genfukei.shinano)がシェアした投稿">映画祭の様子が映像になりました。ご支援いただき誠にありがとうございます。プロジェクトの終了も残り少なくなってきました。もし宜しければ拡散のほどよろしくお願いいたします。 もっと見る




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