
いつも小谷寺本堂再建プロジェクトを見守ってくださり、ありがとうございます。 9月29日、第2回クラウドファンディングの開始を前に、記者発表を行いました。
安田住職、そして元長浜歴史博物館館長で歴史学者の太田浩司先生、プロジェクトメンバーの3名が出席し、多くの記者の方にお集まりいただきました。

昨年10月の1回目の記者会見では、「檀家ゼロから、地域の有志で本堂を再建する」という覚悟をお伝えしました。
あれから1年。旧本堂の解体を終え、地鎮祭を営み、工事は確かに前へ進んでいます。 そのうえで、なぜもう一度クラウドファンディングに挑むのか。
会見でお話しした内容を、前回と同じくインタビュー形式でご報告します。
小谷寺本堂再建プロジェクト 第2回記者会見レポート
Q. まず、この1年の歩みを教えてください。

「昨年の秋、第1回クラウドファンディングで、388名の方から736万6,500円ものご支援をいただきました。北海道から沖縄まで、全国からです。
加えて、地元でも600名ほどの方々が『瓦一枚分でも』『仏さまが雨露をしのげるように』と浄財を寄せてくださいました。 御開帳には、令和4年からの累計で2,800人を超える方がお参りくださっています。
今年の春は大河ドラマの紀行でご紹介いただいたこともあり、一度の御開帳で600名を超えました。小さなお寺ですが、どれだけ多くの方に大切に思っていただいているのかを、あらためて知った1年でした。」
Q. 資金計画は、1年前からどう変わったのでしょうか。
「1年前の計画は、本堂再建工事費3,500万円に、旧本堂の解体費、設計費などを合わせて4,030万円でした。これに対して、お寺の資金と地域の皆さまからの浄財、県の補助金、そして第1回クラウドファンディングのご支援を合わせ、約3,560万円の目処が立ちました。
今年の2月の時点では『あと数百万円。開山1300年には間に合うね』と話していたのです。 ところが、その後の急激な物価高騰に、後ほどお話しする追加の工事が重なりました。
6月に見積もりをやり直したところ、そのまま積み上げると6,000万円に届きかねない金額でした。エアコンなどの設備を外し、屋根・壁・床という最低限のかたちまで切り詰めて、総工事費はおよそ5,000万円。それでもなお、資金が足りていません。」
当初より2000万円上がった工事費用
Q. 費用が増えた一番のきっかけは何だったのですか。
「実は、とても有り難いお申し出がきっかけでした。 昨年、新聞各紙が私たちの挑戦を記事にしてくださいました。それをご覧になった市内の製材所の方が、初めて小谷寺に足を運ばれ、『木材は一切、寄進する』と申し出てくださったのです。
私たちは最初、柱を2本か4本でも分けていただけないかと、厚かましいお願いに伺いました。すると『全部やれ』と。柱も、柱と柱をつなぐ虹梁も、床板も、すべて欅で、というお話でした
。8年ほど寝かせてあった、一尺(約30センチ)角の柱が取れる立派な欅です。 お金がありませんでしたから、当初は杉やヒノキで、床を張らず土間のままにすることまで考えていました。
それが総欅の本堂になる。私たちは大喜びしました。おかげで、見込んでいた材料費1,100万円が不要になりました。」

Q. 材料費が浮いたのに、なぜ費用は増えたのでしょうか。
梁や虹梁になる欅の大きな材。この太さと重さが、基礎や建具の仕様を変えました。
「欅は、とても重く、硬い木だからです。 柱が太く重くなれば、それを支える基礎を厚くしなければなりません。
欅は丸のこを当てれば煙が出るほど硬く、釘も打ち込めませんので、大工さんの手間賃は3割以上あがります。柱が太いぶん既製品の建具は入らず、すべて特別注文になります。
壁も、欅の柱に石膏ボードでは釣り合いませんから、土壁に漆喰で仕上げます。 さらに、お参りの方のためのトイレと控えの間、山からの水を逃がす排水工事も加えました。
こうした追加が、物価高騰と合わせておよそ2,000万円。寄進してくださった方の志に見合う本堂にしようとすると、どうしても必要になる費用でした。 ご寄進くださった方は、ご高齢です。『自分が元気なうちに、早く建てよ』と言ってくださっています。」
Q. 資金が揃わないまま、進めるのですか。
「旧本堂はすでに解体し、境内は更地になっています。裏山の樹齢100年を超える危険な木を伐り出すには、先に本堂を解かなければならなかったからです。
第1回でご支援くださった方がいて、地域で浄財を寄せてくださった方がいて、欅を寄進してくださった方がいる。
もう、やめるわけにはいきません。私たちは進むしかないのです。 そして、この機会を逃せば、小谷寺の復興はもうできない。そこまで来ていると感じています。」
旧本堂を解体し更地となった境内
Q. 第2回クラウドファンディングは、前回と何が違うのでしょうか。
「今回は『一緒に本堂を建てましょう』という参加型です。 柱の一本一本、虹梁、垂木、床板、そして格天井の板280枚。
その一つひとつにご支援くださった方のお名前を記す『部材勧進』というかたちをとります。次にこの本堂を解くのは、300年先かもしれません。
そのときまで、この本堂を建てたのは誰だったのかが、建物そのものに残り続けます。 上棟のあとには、お名前を納めた柱を実際にご覧いただける見学会も企画しています。」
部材勧進のコースの一覧
Q. 完成までの見通しを教えてください。
「欅材はすでに大工さんの作業場へ運び込まれていて、この秋から加工が始まります。来年6月に上棟式、来年の秋には建物がおおよそ完成する見込みです。そして開山1300年にあたる令和10年の秋に、落慶法要を営む予定です。」
新本堂の完成イメージ(※イメージです)
会見の最後には、同席くださった先生から、歴史の面からのお言葉もいただきました。 「奈良時代から続き、浅井三代の帰依を受け、小谷落城のあとは豊臣秀吉公がすぐに寺領を安堵して保護した。ふつうの村のお寺ではあり得ない歴史を持つお寺です。全国に知っていただければ、きっと応援してくださる方は多いはずです。」
同席いただいた太田先生の応援者メッセージ
第2回クラウドファンディングについて
サイト:
https://readyfor.jp/projects/odaniji

・実施期間:2026年10月2日(金)〜12月18日(金)
・第一目標:1,000万円 / 最終目標:2,000万円
・実施サイト:READYFOR
・主なリターン:部材勧進(柱・虹梁・床板・格天井板などにお名前を納めます)ほか
・第一目標の1,000万円は、屋根と壁と床を整え、本堂として最低限のかたちにするための金額です。建具や内部の設えまで仕上げるには、最終目標の2,000万円が必要になります。
最後に

最後までお読みいただき、ありがとうございます。 1年前の記者会見の記事を読んで、欅を寄進してくださる方が現れました。皆さまのご支援と、それを伝えてくださった方々の力が、この1年で小谷寺の未来を大きく変えました。
会見でお話ししながら、そのことを何度も思い返していました。 開山1300年の秋、欅の本堂で皆さまをお迎えできるように。どうか引き続き、この挑戦の「仲間」として見守っていただけましたら幸いです。
▼プロジェクトページはコチラ
https://readyfor.jp/projects/odaniji



