
浮世十二支炎舞は、十二支の戦いをテーマととしています。
今回は、十二支はなぜ決まったのか?はじまりのストーリーをご紹介します。
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物語のはじまり〜神からの手紙〜
昔々、さらにその昔のこと。
八百万の神々がまだこの世に住まう時代。
五島列島の奥深く、山に隠された神の御屋敷にて――
一人の神が、年の瀬の夜更けまで灯をともし、数えきれぬほどの手紙を書いていました。
手紙を書き終えた神は、窓から一斉にその手紙を飛ばしました。
その手紙は、やがて夜空を駆け、山から谷へ、川から海へと飛び立ち、
全国の動物たちの族へと届けられました。
──そこにはこう記されていました。
「元旦の朝、最も早く我がもとに参じた十二の族に、特別な力“干支(えと)”を授ける。」
この知らせに、各族は色めき立ちます。
牛は歩みの遅さを補うために夜のうちに出発し、その背にこっそりと鼠が乗り込む。
猿と犬は最初は助け合いながら走り、やがて争い、殴り合う。
そして猫族は、鼠に「明後日だ」と騙され、宴に間に合わなかった……。
やがて、新年の太陽が昇る頃。
最初に神の門をくぐったのは、牛の背中から飛び降りた鼠でありました。
「一番乗りは鼠。続いて牛、虎、兎、龍、蛇、馬、羊、猿、鶏、犬、猪――」
神は十二の族へ、永遠の力を授けました。
これが「十二支」の始まりであったのです。
しかし、選ばれなかった者の悲しみ、
与えられた序列への不満は、やがて争いの火種となりました。
「干支の力を巡る戦い」が、ここから始まるのです――。




