注目のリターン
「この子には、音楽の才能があるかもしれない!」
家で楽しそうに歌う我が子の姿に、親なら誰もが抱くささやかな希望。しかし、その願いが時として「諦め」に変わってしまうことがあります。
ピアノ教室では、椅子にじっと座っていられず、先生に叱られてばかり。
リトミック教室では、みんなと同じようにできず、輪の外でひとりぼっち。
「うちの子のせいで、レッスンが中断してしまった……」
周りの視線が突き刺さり、親は自分を責め、子どもは自信を失っていく。
我が子に発達特性があるというだけで、音楽教室通いを諦めたお父さん。じっとしていられないけれど音楽が大好きな我が子のために、ピアノ教室を何年も探し続けるお母さん。
あなたのすぐ隣にも、諦めかけている親子がいるかもしれません。
これは、「仕方ないこと」でしょうか?
私たちはそうは思いません。むしろ、解決すべき重要な社会課題だと考えます。
自己紹介
はじめまして! このプロジェクトを立ち上げた、合同会社展葉社代表の瀬良万葉(せらまよ)と申します。
何を隠そう、私自身が「集団に馴染めない子ども」でした。友人関係がうまく築けず、生きる意味を見失い、学校に行けなくなったこともあります。
そんな私の心を支え、社会とつなぎとめてくれたのが「音楽」です。
音楽は、孤独や不安を静かに受け止めてくれました。言葉を交わさずとも音で心を通わせられる喜びが、何度も私を救ってくれました。

今、私の周りには、発達障害の特性を「強み」として輝かせている音楽仲間たちがいます。その姿は、個性が尊重される環境さえあれば、誰もが素晴らしい力を発揮できると教えてくれます。
しかし同時に、その機会を得られずにいる人々もいる。その現実を知るにつれて私は、特性が「強み」になるか「困難」になるかを決めるのは、本人ではなく社会や環境だと思うようになりました。
だからこそ、私はつくりたい。年齢や立場、障害の有無にかかわらず、誰もが安心して自分自身を表現できる、当たり前の場所を。
この夢に、教育現場の最前線で子どもたちと向き合ってきた母・瀬良慈子と、研究者・演奏家として音楽と社会を繋いできた夫・高野能成という、頼もしい仲間が加わってくれました。

私たちは、それぞれの人生と経験を注ぎ込み、京都・出町柳にインクルーシブな文化拠点を創ります。
その場所の名前は、「ANONYM(あのにむ)」。「名もなき存在」を意味するこの名には、「誰もが安心して、ありのままの自分を、のびのびと表現できる世界をつくる」という想いが込められています。
「ANONYM」で実現したいこと
「ANONYM」は、インクルーシブな文化拠点を目指しています。
場所は京都市左京区、京阪電鉄「出町柳」駅から徒歩3分。
障害のある子どもたちを対象にした「児童発達支援・放課後等デイサービス事業所」と、地域にひらかれた「イベントホール」を併設する、新しいかたちの複合文化施設です。
(1)障害のある子どもの「生きる力」を伸ばす音楽療育

京都市から指定を受けた児童発達支援・放課後等デイサービス事業所として、障害のある子どもたちへの福祉サービスを提供します。
■ 子ども一人ひとりが主役の、オーダーメイド音楽療育
音楽には、自己表現を促し、発語やコミュニケーションの課題を乗り越え、人を温かく結びつける力があります。音楽を通した療育は、子どもたちが「できる」を増やし、自立に向けた「生きる力」を育むための有効なアプローチです。
私たちは、子ども一人ひとりの興味や関心、強みを最大限に活かしたオーダーメイドの個別音楽療育で、子どもたちの「生きる力」を伸ばしていきます。
例えば、お気に入りのおもちゃから離れられない子がいれば、そのおもちゃをテーマに即興で歌を作ってセッションを始める。子どもが自然に発した鼻歌に、その場で伴奏をつけてアンサンブルを楽しむ。
ありのままの姿を認め、受け入れてもらえる安心感を土台に、子どもたちは自己表現・コミュニケーションの第一歩を踏み出します。
音楽と療育、両方の知見を持ったスタッフが療育に携わり、楽器の質にも演奏方法にもこだわることで、音による対話を子どもたちがじゅうぶんに味わえるよう工夫します。
■ 保護者の方にとっても、心休まる居場所でありたい
子育て中の親御さんたちは、疲れている自分に気づかないほど一心に、日々子どもと向き合っておられます。
そんな保護者の方々のために、施設内にカフェスペースを設け、お子様が療育セッションに集中している間、ほっと一息つける時間と空間を提供します。
ほんのひと時でも、自分のための時間を過ごしてもらえたらと思っています。必要であれば、スタッフがお話し相手になります。子育てについて一緒に考えたり、他愛のないお話を楽しんだりしましょう。
(2)誰もが芸術に触れ、未来に貢献できるイベントホール

施設内に、本格的なイベントホールを設置します。誰もが芸術に触れられるコンサートやワークショップなどのイベント開催を通じて、地域にひらかれた文化拠点を目指します。
■ 小さな子どもにこそ、ごまかしのない芸術体験を
日本では、未就学児が入場できるコンサートが非常に少なく、親子で生の音楽を体験できる機会が限られています。さらに多くの親子向けコンサートでは、子どもたちを楽しませることを優先するため、親しみやすい曲目が中心となり、プログラムの幅が限定されやすい傾向があります。
しかし私たちは、そもそも「子ども向け」という枠組みは必要ないのではないか、と考えています。大人と子どもという垣根なく、誰もが一人の聴き手として演奏家と向き合えるコンサートを企画したいのです。例えば曲目が多少難解でも、演奏家の情熱がこもった音、心から美しいと信じる響きは、子どもたちの瑞々しい感性にこそ真っ直ぐに届くと信じています。
小さな子どもは、世界をありのままに受け止め、身の回りの出来事をスポンジのように吸収し、自分という人間を形作っていきます。そんな大切な時期にこそ、芸術の真髄に触れられる機会を提供したい。一人ひとりが、自分らしくその体験を受け止めて、世界に一人だけの自分へと成長する糧のひとつにしてほしいと願っています。
そのために、楽器の質にもこだわります。スタインウェイ製のグランドピアノとヤマハ製のグランドピアノ、画家・馬淵哲による装飾が施された世界に一つだけのチェンバロを常設します。
■ アーティストにもお客様にも寄り添って、多様な表現を支えたい
主催公演だけでなく、ホールレンタルも実施することで、アーティストに表現の場を提供するとともに、地域の方が多様な芸術に触れる機会を生み出します。
客席は50席程度と、一般的な「コンサートホール」に比べてお客様との距離が近く、かつ「サロン」にはないオープンな雰囲気を持つ会場です。
グランドピアノ2台とチェンバロを常設し、幅広い音楽イベントに対応できます。飲食可能で、客席レイアウトの自由度も高いので、パーティーやワークショップなどコンサート以外のイベントも大歓迎です。
さらに福祉施設基準のバリアフリー設計で、様々なお客様をお呼びいただけるのも強みです。表現する方々にもお客様にも寄り添う、「誰にでも使いやすいホール」を目指します。
■ イベントに行くだけで、社会に貢献できる仕組み
私たちが行う主催公演やホールレンタルの収入は、児童発達支援・放課後等デイサービス事業の運営費用として活用されます。
つまり、コンサートを聴きに行くだけで、またはイベントを主催するだけで、子どもたちの支援につながる仕組みです。
未来を担う子どもたちのために、より良い社会をつくりたい。その希望を、同じ場所に集う方々と一緒に、無理のないかたちで実現していきたい。芸術と社会が自然に循環する場所をつくりたい。
そんな想いを胸に、このビジネスモデルを考案しました。賛同していただける方々とともに、心地よいコミュニティを築いていけたらと願っています。
▲ 施設に常設するチェンバロの装飾(画:馬淵哲)。天正遣欧少年使節団が西洋音楽を日本に初めて紹介した歴史的な場面が描かれています。右端には豊臣秀吉の姿も見えます。かつて彼らが新しい文化の扉を開いたように、この場所から、これまでにない新しい芸術や面白い取り組みが次々と生まれてほしいと願っています。
広がる協力の輪
このプロジェクトは当初、家族3人だけで始めた小さなものでした。しかし、想いを語るうちに共感の輪が少しずつ広がり、力を貸してくださる素晴らしい方々との出会いが生まれています。
その象徴が、「ANONYM」に常設するスタインウェイ製グランドピアノとチェンバロです。私と夫の古巣、京都大学交響楽団の元顧問である谷口安平先生が、「地域のために」という想いと共に託してくださいました。
さらに、私たちのビジョンに賛同してくださった芸術大学卒の音楽の専門家や、療育・教育の経験豊富な先生方が、開業メンバーとして続々と集まってくださっています。
私一人の夢が、仲間と育てるプロジェクトになりつつあります。この共感の輪を、もっともっと大きく広げるために、ぜひ皆様のお力を貸してください。
実現のために、皆様のご支援が必要です
このプロジェクトの実現のために、どうしても私たちの力だけでは足りないものがあります。それが、施設の開設と運営のための資金です。
現在、内装工事費と防音・音響工事費だけで2,500万円ほどの費用が必要となっており、加えて子どもたちのために質の高い楽器・教材の購入費も必要です。
子どもたちが心から安心して過ごせる空間と、本物の音楽に触れられる環境を実現するため、皆様のお力をお貸しいただけないでしょうか。
【いただいたご支援の使い道】
■ 子どもたちのための楽器・教材購入費
一人ひとりの感性に寄り添うための、質の高い多様な楽器や教材を揃えます。
■ 誰もが安心して音を楽しめる空間づくりのための費用
子どもたちの繊細な耳を守り、演奏家が最高の表現をするための専門的な防音・音響工事を行います。
■ 施設オープン後の安定運営のための費用
この場所を安全に、そして継続的に運営していくための大切な初期費用として、大切に使わせていただきます。
私たちが目指す未来
私たちは将来的に、受給者証のないグレーゾーンの子どもたちを受け入れる体制を整えるとともに、不登校の子どもたちのための「フリースクール」の開設も視野に入れています。
私たちが目指すのは、障害のある子も、そうでない子も、そして子どもの成長を願う大人たちも、誰もが当たり前に交じり合えるインクルーシブな文化施設です。
この場所が、多様な人々が出会い、互いに刺激し合い、共に成長できる希望の場所となることを夢見ています。

あなたも、私も、どんな人も、無限の創造力を持って生まれてきました。
誰一人として、その可能性を削られることなく、自分らしくいられる社会を目指して。
ぜひあなたと一緒に、この場所をつくっていきたいです。
温かいご支援を、心よりお待ちしております。
最新の活動報告
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京都新聞に掲載されました!
2025/12/02 10:29京都新聞に掲載していただきました本日2025年12月2日の京都新聞の朝刊に、ANONYMの立ち上げに関するニュースを掲載いただきました。https://kyoto-np.co.jp/articles/-/1610201みなさまのおかげで、少しずつ輪が広がっています。今回の掲載をきっかけに、多くの市民の方々にANONYMを知っていただき、嬉しく思います!CFは600万円に到達です!そしてクラウドファンディングは、新聞掲載の効果もあり、今朝ついに600万円を突破いたしました!https://camp-fire.jp/projects/888766/viewプロジェクト終了まで、あと21日。引き続き、ご支援をどうぞよろしくお願いいたします。 もっと見る
京都新聞さんの取材を受けました
2025/11/07 16:32京都新聞の記者さんが、取材に来てくださいました!まだ工事前の現場で、施設立ち上げの背景にある想いや、オープン後に取り組みたいことなどたくさんお話を聞いていただきました。特に「音楽・芸術と福祉の“かさなり”をどうつくるか」「インクルーシブな場づくりとは何か」について、インタビューを通じて、自分たちの考えを改めて言語化し、大切にしたい理念を確かめることができました。記者さんが共感しながら聞いてくださったことが、とても励みになりました。イベントホールでの企画も一緒に考えてくださり、刺激的で楽しい時間でした。記事になるのが楽しみです。そして、記事を通じてまた新たな方々にANONYM・あのにむを知っていただけたらいいな、と期待しています。京都新聞さん、ありがとうございました! もっと見る
目標達成しました!感謝の気持ちでいっぱいです
2025/11/04 19:4010月24日に開始したクラウドファンディング。先ほどご支援総額が5,465,000円に達し、目標達成しました!!!開始から2週間足らずで、目標額を大きく上回る形でのプロジェクト達成を実現できました。なんだか信じられず、夢の中にいるようですが、何度ページを更新しても現実のこと。こんなにもたくさんの応援をいただき、感謝してもしきれません。本当に、皆さま一人ひとりのおかげです。116名のご支援者の方々、シェアでご協力いただいた皆さま、心から、ありがとうございます。今後オープンに向けて、オープンしてからもたくさんの苦労が待ち受けていると思いますが、皆さまの応援を胸に、チームメンバーや周りの方々と協力し、一つひとつ乗り越えます。これからも、ぜひ温かく見守ってください。本当に皆さま、ありがとうございます! もっと見る






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