
NPO法人風雷社中 研修担当の定岡です。
クラウドファンディングに挑戦するのは6回目になります。
移動支援は、地域での生活を支える大切な福祉サービスです。
その担い手であるガイドヘルパーを育てるため、研修を続けてきました。
今年も研修を実施していますが、資金不足により、来年の開催が難しい状況になっています。

知的障害があり、
交通ルールの理解が難しかったり、
道のりや電車の乗り換えを覚えたり調べたりすること、お金の計算をすることが難しい方がいます。
そんなとき、ガイドヘルパーがいれば、
行きたい場所に行き、必要なものを自分で買うことができます。
学校や通所施設に通い、帰ってくることもできます。
平日の学校や仕事のあとに、少し買い物をしたり、ファストフードでおやつを食べたり。
そんな何気ない時間を過ごすこともできます。
休日には、映画を観に行ったり、好きな電車に乗ったり、散歩をしながら季節を感じたり。
家族が忙しかったり、高齢で一緒に外出できなくても、自分のための時間を持つことができます。
自治体のガイドヘルプサービス(移動支援事業)を利用すれば、
こうした外出を支えるガイドヘルパーを依頼することができます。
基本的には、障害のある方一人に対して、ガイドヘルパーが一人付きます。
ガイドヘルパーの担い手がいなければ、
制度があっても、当然の福祉サービスを利用することができません。

風雷社中が実施しているガイドヘルパー養成研修は、
正式には「東京都知的障害者移動支援従業者養成研修」という研修です。
19時間の研修を修了すると、ガイドヘルパーとして働くことができます。
内容は初心者向けで、移動支援に携わるうえで知っておきたいことを中心に、
障害福祉の歴史や制度、障害特性などを学びます。
現場で実際に関わる際に必要となる障害の社会モデルの視点や考え方を、
基礎から身につけることを大切にしています。
比較的短期間で修了できるため、障害福祉の分野に初めて関わる方にとって入り口となる資格でもあります。
この研修は、東京都に申請し、指定を受けて実施しています。
一方で、会場費をはじめとした運営にかかる費用は、すべて法人の持ち出しでまかなっています。

風雷社中では、2014年から、地域でガイドヘルパーを増やすための取り組みを続けてきました。
ガイドヘルパー養成研修は、2024年度までに32回実施しており、
これまでの修了者数は、のべ407名になります。
特に平日は1時間以内の通学・通所支援のニーズが高く、朝と夕方に支援が集中します。
支援が必要な時間帯は、通所先や学校のスケジュールに合わせて細かく決まっています。
その時間に合わせて、短時間でも関われる地域の方の存在が欠かせないと感じています。
その一環として、
資格取得のハードルをできるだけ下げたいという思いから、受講料を抑えた研修を実施してきました。
年によっては、受講料500円で実施したこともあります。
しかし、研修の運営にかかる費用を毎年法人の持ち出しで賄うことには限界があり、
2019年には、内容の見直しと資金確保の方法を検討するため、やむを得ず研修を実施できない年もありました。
この経験から、法人だけで負担を抱え続けるのではなく、
研修の必要性を地域や社会と共有しながら続けていく必要があると考え、
2020年からクラウドファンディングを活用し、みなさまにご支援をお願いしています。
これまでに実施してきた各年の研修概要については、下記よりご覧いただけます。
ガイドヘルパー養成研修の実績

NPO法人 風雷社中は東京都大田区・目黒区・川崎市・横浜市で障害のある人にガイドヘルプサービスを提供している居宅介護事業所です。
誰かが差別されて、不当な状況にあることを放置したくない。
それが、風雷社中の基本です。
そして、すべての差別に対することはできませんが、わたしたちは障害のある人への差別と向き合い、不当な状況の解消に取り組むために活動をしています。

新年度が近づくと、新しく移動支援を利用したいという問い合わせが一気に増えます。
お話を聞くと、ヘルパーが見つからず、何社も連絡して断られているという声を多く聞きます。
風雷社中でもヘルパー不足でお断りせざるを得なかった方がいます。
その方が無事に学校や通所施設へ通えているのか、ご家族が無理をしていないか、気がかりになることがあります。
また、ガイドヘルパー自身も生活の変化により、仕事を続けることが難しくなる場合があります。
その一方で、時間に余裕ができたときに「再び関わりたい」と連絡をくださる方もいます。
必要な時間に、少しずつでも支援を担える人が増えること。
そのために、ガイドヘルパーを育てる取り組みを続ける必要があると感じています。
こうした状況を受けて、
今年もガイドヘルパー養成研修を法人の持ち出しで実施しています。
まずは、その費用の一部を補いたいと考えています。
あわせて、来年も研修を開催できる状況をつくることが目標です。
これまで続けてきた研修を、途切れさせたくないという思いで、
今回のプロジェクトに取り組んでいます。

目標金額:250,000円
・研修運営費(会場費・講師謝礼・会場スタッフ人件費など)
・研修広報費
※ご支援は、すべてガイドヘルパー養成研修の継続のために使用します。

風雷社中では、ガイドヘルパー養成研修を10月と1月の年2回、実施しています。
本研修は、東京都指定の
「知的障害者移動支援従業者養成研修課程(通学形式)」として実施しています。
(東京都指定事業者番号:東障知学0067)

★風雷社中が実施する研修の特徴
▷多彩な講師陣
風雷社中の研修では、障害当事者の講師をはじめ、現役のガイドヘルパー、元公務員、大学教授など、
さまざまな立場の講師にご協力いただいています。
移動支援の事業所やガイドヘルパーの視点だけでなく、多角的な視点からガイドヘルパーについて学べる研修を目指しています。
特に、障害当事者の方に講師をお願いしているのは、「障害のある人に〜してあげる」という一方通行の関係ではなく、当事者から学び、やり取りを重ねていくことが支援には欠かせないと考えているからです。

▷低価格の受講料
風雷社中では、「支援の一般化」を大切にしています。
障害のある人と関わった経験のない方にも、ガイドヘルパーとして関わってほしいと考えています。
そのため、ガイドヘルパーをやってみたいと思ったときに無理なく参加できる研修の形を模索してきました。
個人でのお申し込みの場合、受講料は4,000円とし、できるだけ受講のハードルを下げることを心がけています。
▷障害の社会モデルを伝える
障害とは何か。
障害はどこにあるのか。
研修では、「障害の社会モデル」という考え方を大切にし、受講を終えた方が、その視点を持って現場に立てるよう内容を工夫しています。
▷講師紹介(50音順)
小幡寛 先生
櫻原雅人 先生
竹嶋聡 先生
庭野拓人 先生
平井佑典 先生
渕上虎平先生
山田悠平 先生
※スケジュールの関係で講師が変更となる場合があります
★研修概要
▷日程・会場
<10月コース>
日程:10月〜11月の土曜日(全5日間)
会場:NPO法人風雷社中 事務所
<1月コース>
日程:1月〜2月の水曜日(全4日間)
会場:大田区消費者生活センター・せせらぎ館
▷定員
各コース14名
▷対象
外国籍の方、ダブルワークをお考えの方、フリーター、シニア世代、学生、子育て中の方など、
どなたでもご参加いただけます。
※年齢・経験・資格は問いません。

本プロジェクトでは、
風雷社中とつながりのある福祉園・作業所の自主生産品、
そして当事業所の利用者に提供していただいた作品のオリジナルセットをリターンとしてご用意しています。

この取り組みを、来年以降も途切れさせないために、今回のプロジェクトに取り組んでいます。
無理のない形で、応援していただけたら幸いです。
ご支援という形に限らず、この取り組みを知っていただけるだけでも、大きな力になります。
よろしくお願いします。








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