自己紹介
稲葉です。
東京、福岡の二都市で教員として10年近く、公立小学校で働きました。
東京では新採から4年間担任として勤務しました。
その後、家族の転勤のため、福岡に転居してから再度採用試験を受けました。
2児の出産と子育てをしながら、教員を続けました。
働く中で、不登校や登校渋り、また登校しても居場所がなく、空き教室や保健室で時間を過ごす子どもたちと関わる機会が増えました。
2025年4月に退職して大阪に転居し、小学生向けのAMオンライン教室を立ち上げます。
教員免許保持者&現場の担任経験者のみによる民間事業です。
協力していただいた資金は、主に宣伝費に使います。
これまで教育公務員として、予期せぬ児童の情報漏洩に繋がらないよう、SNSの利用を控えていました。そのため、宣伝に関して非常に弱い現状があります…。
口コミだけではなく、全国の様々な場所の子どもたちや先生に届けられるよう、広告で集客を図れたらいいなと思っています。
また、サイト制作は素人なので、ホームページの機能もデザインも最低限です。いずれは専門の方に外注し、保護者も安心感の持てるものを作りたいと思っています。
自分が教員2年目と4年目のときに、クラスの子が不登校になりました。
1人は親が病気になり、それをきっかけに登校できなくなった子。
もう1人は低学年のときから、登校渋りや不登校を繰り返していた子。
学校に来れば楽しそうにしているし、友達だっているのに……。
当時は若く、親という立場も、子どもの気持ちも想像できずにいました。
家に行っても、電話をかけても、子どもの学校への抵抗感は増し、保護者との関係もギクシャクする。
学校に行きたくない、ということに特に理由はない……。
行ってしまえばそれなりに楽しい。だけど、行けない。
正直、どうしても理解ができませんでした。
自分の指導が悪いのか、言葉がけが悪いのか、どうすればいいのか。
担任として力量がないと言われているようで、答えのない問いを突きつけられているようでした。
優しく支援しているつもりでも、まだ足りないのか……?
結局答えは出ないまま、春を迎えました。
それから、登校できない子どもたちの背景について考えるようになりました。
その後、2度の出産を経験し、様々なことを思うようになりました。
親としての子どもへの愛情も、肉親だからこその苛立ちも、初めて知りました。
ママ友たちとは、子育ての悩みや保護者としての心配を話し合いました。
その経験が、私を教育に関わる人間として、大きく成長させてくれました。
そして、学校というシステムになじめず、学校が嫌いになった子たちを担任する機会がありました。
また、ギフテッドの子を個別に支援する機会もありました。
1年生から不登校になり、5年生になるまでゲームばかりしていた子。
幼稚園の頃から渋り続け、4年生でも学校に行き渋った子。
ずっと学校が嫌いで、授業中は本を読んでいることが黙認されていた子。
実際の彼らは、話をしてみると、とてもチャーミングでいい子たちでした。
そして、なぜか3人ともみんな登校するようになりました。
現在もたまに休むことはあっても、基本的には学校に行き、友達と行事や学習に参加しているようです。
先生や友達との相性は大きいのかもしれません。
というか、ほぼ全ての場合もあるかもしれません。
これらはいろんなものがうまく噛み合って登校復帰をしたケースです。
ですが、そうでないケースもあります。
不登校の状況が、クラス替えや進級等でふっと無くなることもあれば、
学校の環境がいくら変わろうともどうにもならないケースがあります。
いったん登校するようになっても、行事ごとなどで渋るケースもあります。
それは性格であり、気質に近いでしょう。
長期の不登校の子どもたち。
登校はしても、教室にいけない子どもたち。
この子たちに、何かできることがないだろうか。
いつしかそう考えるようになりました。
このプロジェクトで実現したいこと
私は本プロジェクトで、すみやかに質の高いオンライン支援を全国の小学校に届けたいと思っています。
これは民間の立場からしかできないことです。
例えば、福岡の中学校には「ステップルーム」が導入されました。
(以下、福岡県古賀市HPより引用)
>自分のクラスに入りづらい児童生徒が、落ち着いた空間の中で自分に合ったペースで学習・生活できる環境を学校内に設置
>「ステップルーム」等の愛称で運営され、担当の先生がいます。自分のクラスとつなぎ、オンライン指導やテスト等も受けられ、その結果が成績に反映されるようにします
このような支援体制は今後、それぞれの都道府県に拡充されていくでしょう。
ですが、小学校では厳しい現状があります。
なぜなら、『先生』の数がそもそも足りていないからです。
担任が足りないので、やむをえず正規でない講師が担当するような現状があります。
ステップルームを担当するのは、現役の先生です。
1クラス分の担任や専科の枠を削って、ステップルームに充てる。
もしくは学校の職員定数自体を増員しなければなりません。
そのためには費用が必要ですし、国の支援体制を変えなければなりません。
ですが、それには時間がかかります。
今困っている『我が子が卒業するまで』に、確実に制度が整備されるでしょうか?
当事者である子や親や先生は、すぐにでも支援が欲しいのです。
私は本プロジェクトで、即効性のある質の高い支援を届けたいと思っています。
来年度の4月から。
これは公務員の立場ではできないことですから、退職をし、民間の立場になります。
しかし、退職しても、自分自身にできることは何も変わりません。
子どもたちに全力で教えること。
現場の先生たちや保護者と話し、状況を知り、よりよい方法を共に考え続けること。
私がこれまでと変わることは何もありません。(安定した給与を除きますが 笑)
2025年、小学生の不登校は13万人という調査結果が出ました。
ですが、現場にいると、困っている児童の数はもっと多いことに気付きます。
学校に行っても、教室にあがれない子どもたちが多いからです。
声をかけて話をしてみると、それぞれの得意なこと苦手なことの振れ幅が大きいのです。
絶対ではありませんが、特別な支援を必要とする医学的な判定が出ている、薬を服用している、という子どもたちは、特にその傾向が強いように思われました。
彼らは本質的に『学び』が嫌いなわけでもなく、人間自体を忌み嫌っているわけでもありませんでした。
ただ、集団での一律的な学習形態に合わずにこぼれている。
そのように思えました。
ホームスクーリングは『家庭での学習』。
つまり、学校でする学習内容と同じカリキュラムを家庭で行うという意味です。
アメリカ等の諸外国では、社会制度として定着しています。
現在は、学習指導要領準拠のためオンラインの授業に出ていれば、在籍している学校も出席扱いになるという流れがあります。
その流れをくんで、今は様々な会社が不登校支援をしています。
しかし、中には一方通行のオンラインの授業や動画・・・AIタブレットの問題を解くだけ・・・学校で教わらないことを売りにした授業・・・
本当にそれで、多角的な学力がつくのか? 子どもたちの世界が広がるのだろうか?
それより『かけ算やわり算をものすごく楽しく面白く教える』『苦しいとき励ましながら、一緒に取り組む』方が、この子たちの『今』と『未来』には大切なんじゃないか? と、疑問に思っていました。
本プロジェクトのオンラインスクールは、学習指導要領に沿い、公立小学校の進度と同じように進めます。
動画やタブレット画面だけでなく、鉛筆で手を動かすアナログの活動も重視したオンライン授業です。
ゲームやプログラミング、メタバースのような特別な取り組みは素晴らしい体験ですが、本プロジェクトの主活動ではありません。
オンラインスクールの先生は現在私一人です。
が、増員する場合は全員が元教員になります。
この理由は、現場の教員経験のある先生にしか分からないことがあるからです。
それがあるのとないのとでは、担任や校長との情報共有のスピード感が全く変わります。
本プロジェクトにはスピード感が求められます。
現場のカリキュラム、喜びも苦しみも知らずに、在籍校の先生たちとはスムーズに話ができません。
学校はテストで100点を取る子を量産する組織でも、習い事のようにひたすら好きなことだけに特化する場でもありません。
毎日の味噌汁やご飯のような、派手ではないけれど安心する雰囲気。
確実に知識や技能を身につけられる時間。
考えを深めて表現し、友だちや先生と交流する時間。
これらが膨大な時間として積み重なります。
対して、担任が家で家族と過ごす時間は、平日数時間です。
休日も仕事が終わらずに出勤する場合は、休日も半日程度です。
プライベートでの別離、病気、悩み、人間関係。
苦しさを見せずに、多くの担任は教壇に立とうとします。
授業や学級運営のこと以外は子どもに見えないように抱え、児童に安心感を与えたいと願うからです。
そんな現場の先生たちへの敬意と共感無くして、一緒にどんな仕事ができるのでしょう?
教育は、心ある仕事であるべきです。
オンラインでもオフラインでも、
現場の苦しさを全てひっくるめて知り、己を磨き、いつでも教壇に立てる先生を先生と呼びたい。
そのような思いから、スタッフは必ず現場での経験を必須とします。
本プロジェクトによって、これからは、家が学校になります。
空き教室では、支援員の先生が1人つけば、指導要領に沿って授業が進みます。
放課後の先生たちは、保護者対応と不登校児の支援に時間を割かずに、教材研究ができます。
定年、家庭の事情や病気、家族の転勤などで、現場を離れた先生たちがいます。
このスクールは全国のやむを得ず辞めた、実力のある先生たちがもう一度、挑戦できる場所になります。
公務員ではなくなったけれど、教育や学校に関わり続けたい優秀な人材。
そんな先生たちに声をかけて、みんなで学校と子どものために力を合わせる。
民間の立場から本気で教育に関わっていく。
小学校の『ゲスト』ではなく、中から関わり、共に悩み共に苦しみ、喜びたい。
そんな思いで動く民間団体を作りたいと思っています。
募集要項
2026年度開校オンラインスクール「ケーレ」
※ケーレ … ドイツ語で『転回』。
・対象:小学生2~6年生
(1年生はお友達ができるとケロッと登校できたりするので、秋口くらいまでは様子を見た方がいいと想います)
・全国から募集
【授業料について】
★入会金
10000円
カウンセリングシート作成料込み
※お子さんの通学、進学、オンライン学習状況を共有するため、カウンセリングシートを用いて、在学中の小学校へ情報共有を目的とした連絡を行うことがあります。
※自治体によっては、塾代等助成事業を実施していることがあります。お住まいの各自治体のサイトを事前に一度ご確認ください。
★休会、退会金 0 円
★基本料金 平日(月〜金)毎日5日間のオンライン授業
(8:30から11:15まで 途中で休憩を挟みます)
※算数は、人数が集まり次第、内容別のクラスに分かれます。
【基本コース】
・スポット 単発利用可能 1回¥2000
定額 ¥20000/月(1日あたり1000円)
※他教室との比較
教室A ¥4,100 / 60分
1回3時間として1日¥12,300
20日分で¥1,2300×20=¥24,6000
⇒ホームスクーリングで毎日の学習習慣をつけようとすると、簡単に月々20万を超える。
一般家庭の教育費としては現実的ではない。
教室B ¥3,850 60分/1回
教室C ¥6,000 60分/1回
教室D ¥9,000 60分/1回
ケーレは経済状況にかかわらず、日本の全ての子どもたちにオンラインでの学びを提供したいと考えています。
+
★オプション授業コース (基本コース+2コマの授業) 定額 ¥35000/月
※各学校長・担任らと相談し、小学校と連携。
なるべく多くの科目の成績が出せるようにカリキュラムを作成する。
例:4年生 オンラインで算数5日間+国2理2社1など
→オンライン見守りの元、学校に応じた業者ペーパーテスト受講
→在籍校の担任に提出しフィードバックを受ける 等
※祝日や年末年始など特別な休みは除きます。夏季休業などは学校のカレンダーに準じます。
運営体制
開所日 月曜日から金曜日の週5日
開所時間 8:00〜12:00
スタッフ数 教員1名、事務スタッフ1名
現在の準備状況
・SNS →発信を始めました(Instagram、Facebook、note)
・サイト →制作途中
・集客 →これまでお世話になった学校関係者に告知、SNSでの呼びかけ、地域への広告を準備中
・情報収集 →アメリカ、ドイツ、イギリス、香港、オーストラリアの現状を実際にインタビューしました
・税金の手続き関係 →学んでいます……
・オフラインのアクティビティの考案 →まずは大阪近辺でできることを準備中
・教材(教科書) → 全国の教科書が違うので、各社の教材を研究する必要あり
・月別のカリキュラムまとめ →SNSで試作を更新・公開中
・時間割の作成 → 完了。前記。詳細は児童の実態に応じて作成
・先生の勧誘 →現在非常勤講師として勤務している先生、介護など家庭等のご事情で辞めた先生、定年後の先生など、東京・福岡・大阪の知り合いの先生方を中心にお声がけしている
※必ず小学校の教員免許を所持し、実務経験を有する人材に限る。
高圧的な指導、前時代的な価値観を排した研究熱心な教員のみ採用。
スケジュール
2026年1月 クラウドファンディング開始予定
2026年3月末日 クラウドファンディング終了予定
2026年4月 退職
ホームスクーリングサポート事業開始
オンラインスクール「ケーレ」1期生開講
時間割
8:30-8:40 出席確認(10分)
8:45-9:20 朝のアクティビティ(35分)
出席児童同士でのレクリエーションや、ちょっと楽しい話し合い活動等
→教科書の「話す・聞く活動」や特別活動、道徳的内容、季節に関わる内容など、指導要領に関連性を持たせます。
9:30-10:00 課題タイム(30分)
全国の仲間と自分の在籍する学校の課題に取り組みます。アナログのドリルや配布されたプリント、提出するテストなど。鉛筆を使って、手を動かすことを大切にします。
チャット等を使って先生に質問することができます。
10:10-10:30
オンラインホームルーム … 学習の振り返りや連絡事項を伝達。
※基礎プログラムはここで終了。午後から在籍学級へ移動する等、それぞれの事情に応じて柔軟に対応。
10:30-11:15 オプション授業『算数』
対話やリアクションありの双方向的なライブ授業。学習進度に応じて保護者とクラスを選択し、申し込む。飛び級も可能。 (学年・人数によっては、知り合いの先生に声をかけてスタッフ数を増やします。)
11:15~11:30 学習に関する質問がある人は残って質問ができます。
★終了時刻は、授業終了後にゆっくり移動をしても、在籍学級の給食に間に合う時間に設定しています。
(11:30-12:00 学習状況の共有、資料作成、会議、保護者との面談対応、担任同士の情報共有、教員研修等。業務終了時刻12:30で4時間の勤務)
●使用ツール : zoom
● 準備物 : zoom を使えるパソコン、もしくはタブレット、教科書、ノート、各小学校で購入している計算ドリルと解答、自由帳、筆記用具
※画面が大きいものを推奨。学校に貸与されているタブレットでも、学校側の許可があれば使用可能。
● 支払方法 : 口座振込
スクールの特色
①完全リアルタイムのオンライン授業
チャットや音声会話、リアクション等での双方向のやりとりをします。一日、一時間の授業が全てLIVEです。たくさん頭を使います。録画した動画の映像授業を大量に見続けるのではなく、生の人間とのやり取りの時間を作ります。
②教員免許保持、現場経験者のみ
『先生』は教員免許の有無と現場経験にこだわります。なぜなら、在籍校の先生と同じ視点をもたずにスピード感のある十分な連携・協力は図れないからです。
③算数に特化した授業支援
算数だけは後から取り戻すのが難しい、と小学校の現場で何度も実感しました。希望者はオプションで、算数のオンライン授業を受講することができます。学校の進度に合った授業を設定し、異学年でも受講することができます。
なぜ学習指導要領にこだわるのか
Q 学力とは何なのか?
と聞かれたとき、どう答えるでしょうか?
私ならば
A 教科書と指導要領
と答えます。
教科書や指導要領には先人たちの未来への想いが込められています。
例えば、現在の学習指導要領は『対話』を重視しています。
それは、これからの子どもたちには、対話力を身につけさせたいという願いがあるからです。
日本の学習指導要領は、時代とともに変わってきました。
それぞれの時代を生き抜く子どもの力になるよう、改正を繰り返している生き物のような存在です。
多様性が尊重される時代。
しかし義務教育を多様化して、日本の未来は本当に明るくなるのでしょうか。
カリキュラムなしに、好きなことを好きなだけするのが小学校なのでしょうか。
後から取り戻すのに大きな労力と気力、そして体力や財力を必要とすることがあります。
それが『学力』です。
知識および技能。
思考・判断・表現の力。
人間力。
ただの集団授業の「放映」では、小学生はついてきません。
また、得意なことがあり、能力があるからといって、理科だけ、国語だけをしていては、読み書き計算のような学力・広い知識は身につきません。
多様性が叫ばれる令和の現代だからこそ、今。
小学生を知り尽くした先生と、対話しながら進める『生きた時間』が必要です。
プロジェクト立ち上げの背景
きっかけは、担任をしていたクラスの一人の少年が泣いたことでした。
彼はずっと不登校で、何年かぶりに小学校に来て、友達ができ、授業も意欲的に受けていました。
だけど一度だけ、涙を見せました。
プリントをびりびりにやぶりました。
落ち着いてから、
「どうしたの、何かあったの」
と私が尋ねると、彼は悔しそうに、
「わり算が分からない」
と、言いました。絞り出すような声でした。
彼には空白があったのです。
いくら友達ができても、先生と笑っても、埋められない学習の時間の壁。
私は『自分の教師生命を賭けてでもあなたにわり算を教える』と言いました。
が、半年かけましたが、教え切れたとは思えませんでした。
それほど、開いた遅れを取り戻すのは難しかったのです。
彼は笑顔で進級していきましたが、私は正直なところ悔しかったです。
先生としてはかっこわるいですが、
あのときやり切れなかった後悔が、本プロジェクトの背景に大きく関わっています。
最後に
小学校の仕事は激務です。
働き方改革などと言われる前から勤務していましたが、心も体も擦り切れてしまいそうでした。
若い頃は自分の意図をうまく伝えられず、何度も時間外に話し合いをしました。
朝の5時に発熱した子どもを連れて、職員室で自習のプリントを印刷して、休みをとって病院に向かう日もありました。
私生活との両立に限界を感じ、いい歳をして校長室で泣いたこともあります。
しかし、それでも10年も教職にしがみついたのは結局、学校や子どもが好きだったからだと思います。
学校はわくわくする場所であり、小さなドラマや感動があります。
それは家には決してないもの、先生と友達の存在があるからです。
公立学校の現場にいた私には、その尊さがよく分かります。
不登校支援の業者によっては、学校そのものを糾弾するような論調があり、悲しくなります。
『学校』は全ての子どもにとって楽しい場所であるべきです。
子どもの幸せを忘れる教員は教員ではありません。
ほとんどの教員は、子どもの幸せに命を使って、真剣に生きています。
使命感をもって、ひとりひとりが幸せに生きていけるように祈って関わっています。
ただ、様々な要因で通えなくなる。
通いたくなくなる。
もしくは通わせたくないと親が思うような状況がある。
それも悲しいかな、事実です。
学校が某テーマパークのように楽しい場所になって、
みんなが行きたい! と思える場所になればいいのです。
しかし、漢字、マラソン、大縄、水泳、算数、給食、リコーダー……。
学校は子どもたちの苦手がたくさん詰まっている場所でもあるのです。
それらは、成長の種です。
一人では絶対にチャレンジしなかった、新しい壁なのです。
本来であれば子どもたちは集団で認め、励まし合いながら、乗り越えていける力を持っています。
しかし、集団は恐ろしいものでもあります。
良い集団にいるとき、そうではないとき。
子どもたちの自尊心は簡単に、集団に左右されます。
どうかひとりでも多くの子どもたちが、素晴らしい『先生』に巡り会えますように。
そして、今そうでないからといって、あきらめないでほしい。
苦しさは永遠には続かないから、それまでどうか未来をあきらめないでほしい。
多様性の時代。
学校に行かない子どもたちはもっと増えていくでしょう。
アメリカのように、自宅での学習に引け目を感じることなく、人生を選択できる。
「サボってる」と思われる不登校生活を、前向きなものに転換する。
外国の良いところは真似をして、日本の先人が積み上げてきた良いものは残していく。
ホームスクーリングや空き教室でのスクーリングは広めていく。
けれど、日本の学習指導要領と教科書は無くさない。
これは学校と家とを繋ぐ、子供たちの今と未来を繋ぐ、共同の財産だと思うのです。
自宅でも、保健室でも、どこにいても、みんなと同じカリキュラムを終えているのだという小さな自信を、お守りのように子どもたちに持たせて、できるならばやはり、笑顔あふれる教室に送り出してあげたいのです。
今必要なのは、画期的で誰も見たことがないような、新しい教科ではありません。
繰り下がりができないことから目を逸らさないで、一緒に苦しむ大人の数です。
膨大な仕事に殺されそうになりながら戦っている担任の仕事を引き受ける、大人の数です。
私は民間の立場になり、自分も含め『民間人』となった元先生たちを戦力として学校に繋ぎます。
子どもの準備物は、教科書と在籍している学校で購入した教材、配布されたタブレットだけです。
足りない先生には、私たちがなります。
日本の全ての子どもたちがみんな『小学校』を楽しめますように。
学校と家に、保健室と職員室に、病院と海の外に。
未来に、学びを。




