OSSは「みんなで育てるデジタルの公共財」
Code for Japan というコミュニティでは、「ともに考え、ともにつくる社会」というビジョンのもと、多様な人達が、垣根を超えて協力しあいながらより良い社会をつくるための取り組みを推進してきました。
そして、この考え方をソフトウェアの世界で具体的に形にしてきたのが、ご紹介するOSS(オープンソース・ソフトウェア)の文化です。
OSSとは、ソースコードを公開しみんなで改善できるソフトのことです。
ポイントは、単に「無料で使える便利な道具」ではないことです。
・中身が見える
・おかしければ「それ、おかしくない?」と指摘できる
・足りないところがあれば、誰かが直したり、改善案を出せる
つまりOSSは、AIやデジタル技術が進めば進むほど重要になる、「みんなで知識と仕組みを育てるための土台」で、誰もが使い・学び・改良を共有できるデジタルの公共財です。
台湾に見る、「市民がテクノロジーを社会のために使う」姿
台湾を見てみると、その姿がよくわかります。
・コロナ禍で市民とエンジニアが協力し、薬局ごとの在庫を誰でも確認できる「マスク在庫マップ」をつくったこと
・オンライン上で市民と政府が対話しながら政策を形にしていく「vTaiwan」
・フェイクニュースを市民が一緒に検証する「Cofacts」

どれも、コードを書く人だけで成り立っているわけではありません。
デザインする人、文章で伝える人、ルールや制度を理解する人、現場の声を集める人――
さまざまな役割が集まったからこそ、「テクノロジー=一部の専門家のもの」ではなく、「市民みんなで社会をよくするための道具」になっているのです。
世界では、OSSはすでにインフラになりつつある
世界に目を向けると、私たちが普段何気なく使っているブラウザや、多くのサーバー・クラウドの基盤にもOSSが使われています。
国連はOSSを「デジタル公共財」と位置づけ、
政府や国際機関が協力してOSSを育てていくべきだと呼びかけています。
世界では、OSSはすでに「社会や産業を支える土台」として拡大しているのです。

ボードゲーム「OSSクエスト」は、オープンソースソフトウェア(OSS)プロジェクトの協働文化・プロセス・ライフサイクル・社会的価値・魅力を遊びながら卓上で疑似体験できるボードゲーム教材です。

4–8人・約60分で、プロジェクトに必要な人材を集め、チームで課題(自然災害や人為的危機を含むEventカード)に取り組む協働の流れを、遊びながら体験できます。合意形成・役割分担・リソース共有といった要素が自然に身につく設計です。

原作は台湾のOpen Culture Foundation が製作した『開源星手村 Open StarTer Village』で、デジタル協働の基本原則を理解するための教材として、教育現場や公共領域・シビックテックコミュニティで活用され、多くの人がOSSを学ぶきっかけになっています。
たとえば、台湾政府の公務員向けeラーニングプラットフォームで、デジタル協働の基本原則を理解するための教材として正式に採用されています。
出典:從開放原始碼到公共程式-效益與日常應用
ぜひ日本でも広げたい、という想いをもつシビックテックコミュニティCode for Japan内で複数名の有志で日本語版制作を進めています。

パッケージイメージ

ゲームの概要
プレイ時間(所要時間):シンプルモードの場合は40〜50分、スタンダードモードの場合は60〜90分
プレイ人数:4〜8人
対象年齢:10歳以上

各プレイヤーは「影響力ポイント」を集めます。
仲間(人材)を集めてOSSプロジェクトを立ち上げ、達成し、社会に貢献することで影響力ポイントを獲得できます。
ゲーム終了時に影響力ポイントが一番多い人が勝ちです。
・「プロジェクトに取り組む」
・「人を集める」
・「みんなで協力して仕事を終わらせる」
という流れを追うことで、「協力して社会をよくするゲームなんだ」と理解しやすい構造になっています。

『OSSクエスト』は、単なるゲームではありません。参加者がOSSの世界における最も重要な価値観を、楽しみながら体感的に学べるように設計されています。

【1】実在する世界中のオープンソース事例を学べる
ゲーム内で完成させるプロジェクトは、実在する世界中のオープンソースを題材にしています。
例えば、台湾の市民が開発したコロナ禍での「マスク在庫マップ」や「vTaiwan」(オンラインを活用した民主主義的な政策決定)、「Cofacts」(フェイクニュースの検証プロジェクト)など、社会課題をデジタルの力で解決した実際のケースが登場します。

→ ゲームを進めるうちに、「自分にもこんな風に社会に貢献できるかもしれない」という可能性に気づくことができます。
【2】OSSプロジェクトの一連の流れを疑似体験
プロジェクトの「立ち上げ → 実行 → 完了」という一連のプロセスをゲーム上で体験できます。

アイデアを出し、チームを作り、資源をやりくりして目標を達成する流れを追体験する中で、実際のOSS開発がどのように進むのかを学べます。
【3】多職種協働の可視化
ゲーム内でプロジェクトを完成させるには、エンジニアだけでなく、デザイナー、ライター、広報担当者といった様々な「人材」が必要です。

すべての役割が等しく重要で、多様な人々が関わることで豊かになるという、オープンな文化を体感できます。
【4】“他者貢献”を促すインセンティブ・デザイン
このゲームのルールは、自分一人でプロジェクトを進めるよりも、他の人のプロジェクトを手伝うと、より多くの点数(影響力)を得られます。
つまり「人を助けたほうが自分も得をする」という仕組みです。

そのため自然と、プレイヤー同士で役割を分担し、相談しながらプロジェクトを進めることができ、合意形成やコミュニケーションの大切さ、助け合いが成果を生むことを学べます。
(「今ラウンド誰がどこに貢献するのが全体にベストか」など)
これらの学びを通じて、デジタル技術への参加意識が高まり、協働して課題解決に取り組むことの価値を理解できます。
「OSSクエスト」での体験は、プレイヤーにとってオープンな技術と民主的な価値観への入り口となり、市民一人ひとりが社会に貢献する第一歩を後押しします。


このプロジェクトの最終目標は、単にボードゲームを製作することではありません。完成したゲームを日本中の教育現場や地域コミュニティに届け、「市民が自ら社会を変える」きっかけを一つでも多く作ることです。

2025年3月 活動開始(初回体験会(翻訳前のボドゲでテストプレイ・ゲーム理解))
2025年6月 仮翻訳をしたボドゲでテストプレイ、クラファン実施決定
2025年8月 毎月定例打ち合わせ(対面・オンライン)
2025年10月25日 OSCサミット出展@浅草:ボドゲ体験会 × 告知
英語版のテストプレイ中

✂️翻訳版のプロトタイプ作成中✂️
OSCでのテストプレイも好評!
資金の使い道
現在、私たちは「OSSクエスト」日本語版を製作するためのクラウドファンディングを準備しています。皆様からのご支援で、まずは目標金額50万円を目指します。
この資金で、日本語版『OSSクエスト』を50セット製作し、全国へ届けるための第一歩を踏み出します。
ご支援は主にゲームの印刷・製作費、そして普及活動のための費用として大切に使わせていただきます。
集まった支援金は以下に使用する予定です。
・リターン(ボードゲーム)・仕入れ費(制作費含む)
・設備費・消耗品費
・旅費(対面での研修等)
・広報/宣伝費
※目標金額を超えた場合はプロジェクトの運営費に充てさせていただきます。
※以下は、支援金50万円・制作部数50部を想定した経費内訳です。目標金額を超えて、それ以上の制作依頼、支援金が発生した場合は、多少内訳が前後することがありますのでご了承ください。
・リターン(ボードゲーム)・仕入れ費(制作費含む)
35万円(コマなどの既製品購入がイレギュラーなので多めに見積もっています)
・設備費・消耗品費・広報物
5万円

プロジェクト応援のみ(ゲームなし):1,000円(税込)
お届け予定:2026年1月
限定数:なし
・プロジェクトメンバーからの御礼メッセージをメールさせていただきます。
・その後の体験会等活動に関するご案内
・このリターンは3,000円のリターンと同じ内容になります。
プロジェクト応援のみ(ゲームなし):3,000円(税込)
お届け予定:2026年1月
限定数:なし
・プロジェクトメンバーからの御礼メッセージをメールさせていただきます。
・その後の体験会等活動に関するご案内
・このリターンは1,000円のリターンと同じ内容になります。
「OSSクエスト」1点:9,000円(税込)
お届け予定:2026年5月
限定数:100
・ゲーム一式に加え、プロジェクトメンバーからの御礼メッセージをメールさせていただきます。
・こちらのリターン金額にはゲームの送料が含まれています。(離島への発送は不可能です)
「OSSクエスト」1点+完成披露会ご招待:12,000円(税込)
お届け予定:2026年6月
限定数:50
・プロジェクトメンバーからの御礼メッセージをメールさせていただきます。
・ゲーム一式(商品は原則、完成披露会にて手渡しとさせていただきます)
・完成披露会への参加権
【完成披露会概要】
日時:2026年5月頃の開催・場所:東京近郊を予定しています
支援者様の交通費や滞在費:支援者様の交通費・滞在費は各自でご負担ください。
支援者様との連絡方法:詳細はメールで連絡します。
※完成披露会に参加できない場合、返金はできかねますが、完成披露会の様子は別途メールにてお知らせします。
「OSSクエスト」1点+企業協賛(ロゴ掲載):50,000円(税込)
お届け予定:2026年5月
限定数:10
・プロジェクトメンバーからの御礼メッセージをメールさせていただきます。
・ゲーム一式
・協賛企業として法人ロゴを掲載
・こちらのリターン金額にはゲームの送料が含まれています。(離島への発送は不可能です)
【法人ロゴ掲載概要】
OSSクエスト公式サイトに法人ロゴを2026年5月から3年間掲載します。
掲載する法人ロゴは、各社のブランドガイドラインを尊重します。
複数のロゴを並べて掲載する都合上、ロゴサイズは固定値で指定せず、縦横比・配色・形状を保持したまま、共通のレイアウト枠内で相対的に調整します。
必要に応じて、掲載内容について事前に確認をお願いする場合があります。
掲載する法人ロゴ画像の受け渡しについては、プロジェクト終了後にメールにてやり取りを行います。
スケジュール
2025年11月29日 Code for Japan Summit出展@国連大学:ボドゲ体験会 × 告知
2025年12月22日 クラファン公開(45日間)
2026年1月〜2月:データFIX
2026年3月:製作
2026年5月:完成〜お届け
2026年6月:完成披露会

はじめまして!一般社団法人コード・フォー・ジャパン代表理事の関治之です。
傍観者から「当事者」に変わる、あの瞬間を伝えたい
「自分たちの手で、社会は変えられる」。そう実感したときの高揚感を、皆さんは味わったことがあるでしょうか?
私がシビックテック(市民が主体となってテクノロジーを用い社会課題を解決する活動)に取り組むようになったきっかけは、2011年の東日本大震災でした。当時、多くの人々が正確な情報を得られない状況の中で、私はエンジニアとして現地に入り、テクノロジーを使って情報を集め、整理し、必要な人に届けるプロダクトを作りました。これが、ニュースを見て胸を痛める「傍観者」だった自分が、目の前の課題に対して能動的に手を動かす当事者に変わる感覚を初めて味わいました。
誰かに頼るのではなく、自分たちで課題を見つけ、解決しにいく。このプロセスの中で、「誰かを助けられた」「ありがとう」と感謝される──そんなお金ではないリワードが、自分の中に大きなエネルギーとして残りました。
「正しいことを、仲間と一緒に楽しく行う」。その感覚が、今も私をシビックテックに向かわせています。
こうした経験から、「市民が自ら課題解決に取り組める社会」を目指し、Code for Japanを立ち上げました。
私たちは地域コミュニティや行政、企業など、多様なステークホルダーが協力し合い、デジタルを駆使して自分たちの街や社会を良くしていく。そのための環境作りを続けてきました。
実際に、私たちが開催している「ソーシャルハックデー」には、ITエンジニアやデザイナーだけでなく、医療福祉・教育関係者、公務員など、本当にさまざまな背景の人たちが集まります。
「多様な人が互いのスキルや知恵を持ち寄り、一緒に手を動かしながら技術で社会課題を解決する」その場は、仕事とは別のコミュニティで才能が花開く場所でもあります。
しかし日本ではまだこうした場が少なく、OSS の文化にある、フラットに意見を出し合い協力する楽しさが、まだ十分に伝わっていないと感じていました。
原作「Open StarTer Village」との出会い
そんな中で出会ったのが、台湾の RightsCon というイベントで見つけたボードゲーム「Open StarTer Village」でした。最初に見たとき、「これはすごい」と心が動きました。
遊びながら、自然とOSSの文化やプロセス、協働の楽しさが体感できるように設計されていたからです。「これを日本に持ち帰れば、OSSやシビックテックに興味はあるけれど一歩踏み出せていない人が、安心して“当事者になる練習”ができるのではないか」
そう直感し、その場で日本語版制作プロジェクトを始めることを決めました。帰国後は、仲間たちと一緒に翻訳やローカライズを進め、ソーシャルハックデーでもプロトタイプを持ち込んで「直訳だと分かりにくいところはどこか」「日本の事例に置き換えた方がいいところはどこか」を議論してきました。
少しずつ形になってきた今、「このゲームを本格的に日本に届けるフェーズ」に進むために、このクラウドファンディングを立ち上げています。
このゲームを体験いただき、かつて私が感じたような『傍観者から当事者へ変わる感覚』をつかむきっかけを広めたいです。
もし共感いただけたら、わたしたちとともに「市民が自ら社会を変える」一歩を踏み出していただけると嬉しいです。
このゲームを製作し、OSSの認知度向上、貢献する人材を増やしたい
こういう思いで、エンジニア、非エンジニア、さまざまな背景で構成される9名で頑張ってます。
- 関 治之(発起人/Code for Japan/翻訳・製品化)
- 西尾 泰和(サイボウズラボ 所属/製品化・クラファン企画)
- 大木 真吾(翻訳・製品化・クラファン企画)
- 中尾 武(PR担当・クラファン企画)
- 岡本 しん(製品化・クラファン企画)
- 鈴木 かなほ(製品化)
- 杉澤(クラファン企画)
- 佐藤まみ(株式会社グラファー 所属/翻訳・製品化・クラファン企画)
- 佐藤ひとみ(株式会社NTTデータグループ 所属/翻訳・製品化・クラファン企画)

OSSは私たちの暮らしを支える重要なインフラであるにもかかわらず、まだまだ多くの人がその存在や可能性を知りません。このプロジェクトを通じて、誰もが楽しみながらOSSを知り、参画し、自らの手で社会を良くする文化を根付かせたいと思っています。
どうか皆さんのご理解とご支援をいただき、このプロジェクトを一緒に広げていただければ幸いです。










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