はじめに。
カフェをやってみたい。自分のお菓子を販売したい。
だけど、
何から始めればいいかわからない。
売れるかどうか自信がない。
育児との両立が不安。
そんな漠然とした不安を抱えて最初の一歩を踏み出せない人がたくさんいます。
完璧じゃなくていい。誰かの「やってみたい」が静かに熱を帯びる瞬間を私たちはすくいあげたい。
そのために、私たちSpongeは、空間設計+プロデュース力を活かし、
つくる場としてのシェアキッチン、伝える場、届ける場として街なかの小さな販売スポットをつくることで、
スモールスケールな“食の起業”を支えるしくみを整えます。
この冬、私たちはその拠点の開設と運営準備に取り掛かりました。
今回は皆様に私たちの取り組みを知っていただき、実現に向けてご支援を賜りたく、初のクラウドファンディングに挑戦することにしました。ここに至るまでの私たちの想いや活動も含めて知っていただきたく、少し長くなりますが、最後までお付き合いいただければ幸いです。
自己紹介
改めまして、
ページをご覧いただきありがとうございます。
新潟県長岡市を拠点に空間デザイン+プロデュース業を行う株式会社Spongeの代表、高坂裕子です。
街に、心躍るような、じんわり心が温まるような、そんな景色をたくさんつくりたいと、日々店舗デザインやまちづくりに取り組んでいます。
空間デザイン事業の先に
Spongeを立ち上げて早9年。これまで、これからお店を始めたい方や叶えたい夢の実現に向けてチャレンジする方を、空間づくりを通してお手伝いさせてもらってきました。

そんな第一線をひた走る方々の近くで共に伴走できることが何より楽しく、多くの刺激をもらい、学びややりがいを感じてきました。だからこそ、関わらせていただいたお店には繁盛してほしい、ずっとずっと続いていってほしい、そんな思いを強く持っています。
自社運営への挑戦
それでも思うように集客や売上が伸びなかったり、やむを得ずクローズしてしまうような時、どこまでがデザイナーの責任の範疇なのか、とても曖昧です。だからこそ、もっと何か出来たのではないかと自責の念にかられることが年々増えていき、
店舗というハードをつくるもっと前の段階で、寄り添えることがあるのではないか。
そんな思いが強くなっていきました。
それにはもっともっと知らなければならないことがある。
そこで、まずは同じフィールドに立つことができたらと、
2023年に滞在型カフェ〈somewhere〉を、そして2024年にテイクアウト型のドーナツ店〈おやつショップdabo〉を立ち上げ、自ら経営と運営に携わってきました。
somewhere
おやつショップdabo
やるからには自分が欲しい場所をつくろう!と、とことん突き詰めました。
だいぶチャレンジングな試みでしたが、赤字の月もあれば売り上げた!という月もあり、数字と睨めっこの日々。デザイン業とは手法が全く異なる商売のあり方に毎日一喜一憂し、眠れない日々も続きました。
ですが、この数年だけでも得られた経験、見えた景色はとてつもない宝物で、頭で考えていても到底及ばないほどの情報量をもたらしてくれました。
「お店を経営するってこんなに大変なのか。。。」
頭ではわかっているつもりでも全然わかってなかったことだらけでした。
当然、その後の考え方にも多大な影響をもたらし、
「心身共に健康的に無理なく続けていくこと」だったり、
「最小限の投資で最大限の効果を生むデザイン」といったことが、より重要なテーマとなっていきました。
カッコ良くつくるだけではない、長い年月を見据えた経営的に無理のない提案をしていくことが今の指針となっています。
訪れた変化
店舗運営を始めたことで一番の大きな変化は、一緒に事業をするスタッフが増えたことです。
1人で始めた会社が気が付けばこの数年でデザインチームで2名、カフェスタッフで2名、daboスタッフで7名をかかえる大所帯になっていきました。
私のやりたいことにこの指止まれ!で集まってくれたスタッフは皆それぞれ自分の目標に向かって邁進している人たちです。
レストラン勤務も掛け持ちしながら自身のケータリングブランドを始めた細貝さん。
ソムリエ資格を持つ片桐さんはこの秋卒業し、現在自分のお店をつくる準備を始めています。
そして、もう1人、開店当初からdaboの店長を務めてくれた藤崎妙子さんについて詳しく紹介させてください。

開店当初から店長を務めてくれた藤崎妙子さん
Tarcoの立ち上げ
藤崎さんは、某有名タルト店やパリのショコラティエでの活動経験をもつパティシエです。
自身のタルト屋を開業するという夢に向かって動き出そうというタイミングで「daboの立ち上げに協力してほしい」と声をかけました。
藤崎さんは自身の夢を1年間先送りしてdaboの商品開発や店舗運営に尽力してくれて、彼女なくしてはdaboのドーナツは実現しませんでした。
そんな彼女のタルト屋の開業を私たちはなんとしても全力で応援したい!
そこでSpongeプロデュースのもと、〈Tarco〉ブランドを共に立ち上げ、ブランドデザインから商品開発、イベント出店サポートにいたるまで、Tarcoとしての活動を全面的にバックアップしてきました。
Tarco Instagramより
そして、いよいよTarcoの店舗開業の準備に向けてdaboを卒業することが決まったとき、とあるイベントを開催することにしました。
dabo店長 採用イベント「Join our dabo!」
採用イベント「Join our dabo!」
実は今回のプロジェクトは、このイベントが出発点となっています。
彼女にとってdaboでの1年は、実践を通して店舗運営や経営を学ぶ大切な時間だったといいます。そして私たちにとっても、自分の夢に向かってまっすぐに進む人と一緒に働くことで、その本気度と貢献度に大きな刺激と喜びを得られることを実感しました。
この体験から私たちは、私たちのテーマとする持続可能な商売とデザインの関わり方において、その前段階の「チャレンジしたい人のための環境を整えること」も自分たちにできることなのではないかと思うようになったのです。
Join our dabo Vol.1のイベント風景
みんな漠然とした不安を抱えている
実際、その後の採用イベントには多くの応募がありましたが、残念ながら店長の採用は実現しませんでした。実際参加者の多くが口にしたのは、
「何か始めたくてきっかけを求めて来たが自分に務まるかわからない」
「やりたいことはあるけど何から始めればいいかわからない」
「自信がない」
「育児や本業との両立が不安」
といった、漠然とした不安の声でした。「想いはあるけど、最初の一歩を踏み出せない人」がこんなにも多いということに、ハッとしました。
もっと気軽に、無理なく、試しながら始められる仕組みが必要だと、このとき強く感じました。
私たちが本業で培ってきた空間づくりの知見と、年数は浅いものの飲食経営をしてきた経験を活かし、スモールスタートを支える場所を用意する。
そして、
その人らしいリズムで、つくって、とどけて、ひろげていける。
そんな循環を街の中に根付かせていくことが、今の私たちにできる支援のかたちであり、“まちづくり”なのだ。こういった思いがだんだんと強く湧き上がり、このプロジェクトが始動することになりました。
3拠点でつなぐ循環型プロジェクト
今回、私たちは飲食分野でチャレンジしたい人を対象に、3つの拠点をつくることにしました。
1. 菓子製造できるシェアキッチン〈STUDIO KETTLE〉、
2. somewhereの厨房を活用しイートインもできる〈somewhere galley〉、
3. 小さな販売ショップ〈LOOK〉
3拠点つくることになったのは、スモールスタートを成功させるためには、
作ったものを届ける場所があって、さらにそれを広げていける仕組みが必須であると考えたからです。

1. STUDIO KETTLE
STUDIO KETTLEでは主に菓子製造が可能です。梱包作業室や、撮影、料理教室などにも使えるフリースペースも備えています。保管できるスペースもあるので、通販事業を見据えて大量製造したい方にもおすすめです。

2. somewhere galley
「galley」とは小さな調理室のこと。somewhere galleyでは、コンパクトな厨房ですが調理全般が可能です。〈そうざい製造/菓子製造許可あり〉somewhereの営業日以外の時間帯で利用でき、カフェの座席空間を使って間借り営業することもできます。またsomewhereでのPOPUPやコラボレーション等も展開でき、自分らしく〈表現〉することができます。

3. LOOK
LOOKは小さな販売ショップで、いわば、つくる人が小さく始められる「販売の入り口」です。daboやsomewhereの入る「金型ビル」の1Fに、daboの並びで新設します。1日単位で利用が可能で、出店料も低価格に設定するので、リスクを抑えてすぐにチャレンジができます。

また、LOOKで提供できるものは焼菓子やコーヒーだけに限りません。
例えば、
・オーダーメイドケーキの受注相談/受け渡し会
・冬に閉ざす豪雪地域のパン屋さんの出張販売
・ぬいぐるみ作家さんのPOPUP販売
・占い師の“フォーチュンクッキー” 人生相談
などなど、「こんなことで出店していいの?」と思うことこそ、ぜひこの場所で試してほしいと思っています。LOOKは、スモールスタートの味方です。
それぞれの立地
立地は、somewhere galleyとLOOKが同じ「金型ビル」にあり、STUDIO KETTLEはそこから徒歩5分ほどのエリアにあります。つくったものをすぐに届けられる距離の近さも重要です。
daboはおかげさまで、開店以来多くの方にご来店いただいており、daboのドーナツをきっかけに私たちの活動を知ってくださる方もいて、地域の方との大事な接点となっています。
daboで買い物した後にLOOKに立ち寄ってもらう動線も活かし、認知拡大を目指していきます。
現在の準備状況
現在、STUDIO KETTLE、somewhere galleyは内装が完成、厨房機材や調理道具はこれから揃えていく予定です。
LOOKは、12月から本格的に工事に着手し、3拠点同時に2月頃の運営開始を目指しています。
<スケジュール>
2025年
12月:STUDIO KETTLE、somewhere galley 工事完了
LOOK工事スタート
12月中旬:クラウドファンディングスタート
1月中旬:クラウドファンディング終了
1月末:LOOK完成
2026年
2月中:全施設オープン
2月〜:リターン開始
リターンについて
まさにこれからこの場所を使ってチャレンジしてみたい方、またSpongeを応援してくださる方々に、さまざまな形でお返しができればと考えています。
まずは試してみたい方に!
STUDIO KETTLE/somewhere galley/LOOK/でのお試しトライアルの優先チケット、
somewhereの空間を使ってみたい方に!
somewhereを貸切できるプラン、
Spongeが気になる!という方に、
Spongeオフィスや金型ビル全体の裏側見学会、
店舗デザインに興味がある!方に、
私のガイドによる「Spongeデザインのお店を巡るツアー」参加チケット、
企業向けお名前協賛!
シェアキッチン専用WEBサイト、パンフレット等への掲載、シェアキッチン各施設のお披露目会ご招待、
などなど、ご用意いたします!
応援メッセージ
長岡の街をともに盛り上げてくれている素敵なプレイヤーのみなさんに応援のメッセージをいただきました!
ひねもす大学代表 太刀川晋平さん
毎回Spongeの仕掛けることには共感しかなく、いつも微力ながら応援してきました。今回のプロジェクトの話を聞いた時も「自分のこと」というより「人のために」が先に来ていて、裕子さんらしいなと思ったのを覚えています。だからこそ、このプロジェクトを実行するまでの流れは皆さんにわかって欲しいし、僕と同じように、このSpongeを、裕子さんを、「応援したい!」と思う人は多いはずと思っています。勝手にこのプロジェクトを応援することで、僕らのまちの素敵な未来を作るSpongeの一員になれる気がします。応援してます!
SUZUGROUP代表 鈴木将さん

誰かの想いをかたちにする。このプロジェクトには、そんなシンプルで確かな目的があります。シェアキッチンやテスト販売の仕組みを整え、無理のないスモールスタートを可能にすることで、多様な挑戦が街の中に生まれていく。行政任せにせず、自分たちの手で環境をつくり出す姿勢が、この地域に静かな力強さをもたらしていると感じます。
GOOD LUCK COFFEE代表 青柳拓郎さん

「誰かのために」
時に人は、そんな時に思わぬ力を発揮しますね。
スポーツで例えると、選手は応援してくれる人たちの為に全力を尽くし(感情表現)、観戦者は直向きな選手たちにエールを送ります(感情移入)。この相互関係は私たちの日常にも沢山あります。
挑戦する人を支えたい。そんな裕子さんを見てると私は心から応援したくなります。
将来、彼女のプロジェクトから1人でも多くの人が夢をカタチにしてくれる事を願っています。
Tarco 藤崎妙子さん

夢を実現するために、やるべきことをひとつひとつ明確にしてくれた高坂さんと Sponge との出会いが、Tarco 始動の第一歩でした。挑戦できる場を用意し、店舗を構える前に自分の実力や需要を確かめられることは、漠然とした不安を自信へと変えてくれる素晴らしい仕組みだと思います。
そして、このシェアキッチンが、自分の可能性を信じて一歩を踏み出せる場所として、多くの方に活用してもらえることを期待しています。
最後に
プロジェクトメンバーの綾乃と尚登と
ここまでお付き合いいただき誠にありがとうございます。
ただハコをつくるだけではコトは起こせない。
それは自分たちが本業であるデザイン業の中でつくづく感じていることです。
だからこそ、「つくる→とどける→ひろげる」、というしくみから考えたこのプロジェクトが本当にチャレンジしたい人のスモールスタートを実現する近道になると信じています。まさに私たちにとってもスモールスタートのチャレンジと言えます。
この小さな取り組みが、これから新たにチャレンジしようとする魅力的なひと、もの、ことを掘り起こし、いつしか大きな広がりを見せてくれる未来を想像しながら今現在プロジェクトを進めています。
小さな火種がいつしか大きな熱量を伴って街をじんわりと温めるように、このチャレンジに集うプレイヤーの方々とその小さな火を灯せたらと思っています。
そんな私たちの思いに共感してくださる方、LOOKやSTUDIO KETTLE、somewhere galleyを通してやりたいことにチャレンジしたい!と思ってくださった方がいたらとても嬉しいです。
このプロジェクトを通じて、「つくりたい」があふれる街にしていきたい。
どうか、皆様のあたたかいご支援をよろしくお願いいたします!
株式会社Sponge 代表取締役 高坂 裕子



