今回のプロジェクトの曲『Nda nahan』について、
作曲者としての目線で、初めて書きます。
日本語版の『んだなはん』は、2011年の4月〜5月にかけて作った曲。
その年の3月に起こった東日本大震災がキッカケでした。
後にも(先はまだわからないけれども)、人生の中で一瞬で突き落とされた気分になったあの時。
東京に居ながら、自分の無力感と絶望と諦めと申し訳なさと。
そんな事が続いた日々、音楽をやることに希望もやる気も起きなかった毎日。
そんな中でも現実と時間は過ぎてゆき、改めて向きあう中で音楽の存在を考える。
『んだなはん』は岩手中北部の方言で『そうだよね』という意味。
『んだなはん』というタイトルは、たまたま自分が生まれ育った環境の中で、周りの大人が相槌打つ時に『んだなは〜』なんて使っていた言葉が、いつのまにか体に染み込んでいた言葉。
それが曲になったのは、偶々と言えば偶々。
曲ラストの『んだなは〜ん、んだ、んだ』の繰り返しまでは、まったく方言もなんも出てこない。
いつだったか
『んだなは〜んのとこ無ければいい曲なんだけどな』なんて、親父に言われた事もあったり。
日常で使ったり聞く方からしたら恥ずかしいみたい。
*はなおと*を活動開始してから7年、言ってしまえば生まれてから今まで。
今まで作った曲の中で、言いたい事と願いと想いが全て入っている唯一の曲。
ライブでいちばん演奏してきた曲。
アメリカでも、全国47都道府県でも必ず歌ってきた唯一の曲。
そういう意味では、人によって受け取り方ももちろん違くて、それぞれの『んだなはん』があると思います。
『種を育てましょう … 花を咲かせましょう 雪の下で春を願って』 という部分、
いくつかの農家さんの方が共感して下さったり。
もちろん震災があってという意味も入ってはいるし、どうしてもそういうイメージがついている方も少なくないとは思うのですが、そこから先、根底にあるもの、これからもそれでも生きていくという意味。
作者目線では、暗い曲でも悲しい曲でもまったく無く、励ましの曲でも無く、ただ寄り添う 心から願うそんな歌。
どなたかが言って下さった『慈悲深さ』
不思議とそういうものも感じる曲。
この曲は作曲した時、ラストの『んだなはん〜』の部分から作り始めたのですが、はじめは陽気なリズム調で、沖縄のような⁈イメージで作り出したんですが、これはせんちゃんに脚下されたというエピソードも…
そんな曲が今回、英訳され世界へ巣立つ日が来るなんて…
想像もしていませんでした。
むしろ英語の曲なんて日本人だから絶対作りませんよ。
という考えでした。
それが3年前のアメリカ遠征で、日本語だけの歌も良いけれど、でもやっぱりそれだけでは意味も伝えきれないもどかしさもあって。
なので、こうして今回映画のキッカケがあり、さまざまな方のサポートや英訳のご協力いただいた方々のおかげもあり、また新たな曲に生まれ変わりました。
『やっぱり日本語じゃないかな〜』『英訳の想像がつかない』という声もいただきますが、まったく別物。
改めて日本語版、英訳版を聴き比べてみると
日本語版は『力強さ』
英訳版は『やわらかさ』
こんな印象です。
5年歌って昇華されたもの、削ぎおとされたものが『Nda nahan』になりました。
『んだなはん』の部分は英訳しようが無いので、そのままですが、あらたなアレンジもあります。
日本語版では、ラップ⁈(では決っしてない)と誤解されている部分は、英訳版ではあえて削りました。
その変わりのアレンジがあります。
なので、しつこいようですが『Nda nahan』は新曲なのです。
長くなりましたが、これがいいたかっただけです。
それと、中間地点まで来た挑戦中のクラウドファンディング。
ちょっと前まで、自分もネパールに行くことになるとは想像していませんでした。
映画の舞台のネパールラプラック村へ行ってみたい。
夢がひとつ叶いそうです。
でも、私達だけで行くとは思っていません!
行けるとも思っていません。
みなさんと行きます。
みなさんが行けない分、想いを背負って行きます。
その先の夢にまた続くように。
これは支援ではなく、この夢を『共に叶えましょう!』です。
3年前のアメリカ遠征時、実は最初は世界一周を考えていました。
ただそれは資金面で厳しく、当時はアメリカのみに絞る結果になり、それでも全財産使い果たしましたが、お金なんかには変えられない経験や友人が出来ました。
それがあってイマがあります。
『んだなはん』というひとつの岩手弁。
『んだなはん』というひとつの東北弁。
方言だけど『んだなはん』というひとつの日本語が、世界へ届けられる可能性が広がると思うと、とても感慨深いです。
そこで、みなさまにお願いがあります。
この夢に便乗してくださる仲間をまだまだ募集中です。
あと半分(残り20日)
目標はあくまで目標で、そこがゴールではないです。
次のステージも考えています。
どうぞ応援よろしくお願い致します。
*はなおと* 仙波明夏 安藤孝人