はじめに
2024年 4月 珠洲市宝立町の様子:津波や揺れに耐えきれなかった家屋の倒壊が目立つ
「文化財レスキュー珠洲」代表の谷内口孝治と申します。
2024年1月1日、最大震度7を観測した能登半島地震から、早くも2年が過ぎようとしています。私たちが暮らす珠洲市は、能登半島の最北端に位置し、今回の地震において、特に甚大な被害を受けた地域です。今、町は、津波や倒壊で被災した家屋の解体が進み、見渡す限り空き地だらけの光景が広がっています。避難や今後の生活再建のため、全住民の15%以上が珠洲市を離れ、過疎と少子化に拍車がかかってしまった現在、まだまだ復興した未来の姿を捉えることが出来ていません。
後述するように、この2年間で地域から多くのものが失われてしまいました。
しかしながら、このプロジェクトの要となる「阿弥陀如来坐像」の流失危機をきっかけに、この土地の歴史や文化の流れを伝える「文化財」を守ることで、今回の大地震を歴史の一部として確かに残していくために、このプロジェクトを立ち上げました。どうかこのプロジェクトが皆様の目に留まり、多くの共感を得ることができれば嬉しく存じます。
文化財は、その土地の記憶を後世に伝えていく存在。
2025年 6月 珠洲市宝立町の様子(前の写真とほぼ同位置):解体が進み、空き地が広がっています。
珠洲市は、2020年~2023年の4年間に地震の発生が1000回を超え、震度5や震度6に及ぶ群発地震に見舞われ、2024年の1月1日の大地震と同年9月の豪雨災害による「複合災害」でとどめを刺された状態になりました。天変地異とはこのような有様なのだと降参し心が折れました。
海岸沿いの地域は津波で家財が流され、大規模な海岸隆起は港の海水を無くし、山々は崩落を広げ、田畑には山からの流木が乗り上げ、未だに田んぼの真ん中を川が流れ、周囲は河川敷となってしまい、市内だけでも直接死は100名を超えています。大震災は能登半島の全域にわたり、地場産業の再開を困難にさせ、広域避難によるコミニティーの弱体化や消失、環境の悪化や被災家屋の解体により失われた町並みなど、失ったものは多大です。
しかし、被災後の実相は、今後この地域の歴史として刻まれていくことになります。
その中でも文化財を保護するということは、これまでの歴史や文化、今回のような出来事などを次世代に伝えることであり、逆に文化財を失うということは、地域の歴史の連続性が途絶えて、アイデンティティが失われていくことに繋がりかねない重大な損失なのです。
今回の被災の記憶を後世に残していくためにも仏像を救出し、「令和の大震災」のメモリアルとして永久に残したい。それがこのプロジェクトへの想いです。
珠洲市の指定文化財「阿弥陀如来坐像」の保護の経緯

昨年、珠洲市の文化財にも指定されている阿弥陀如来坐像が珠洲から流失しそうとの話が入ってきました。能登の歴史を解明する上でも大事な文化財であることから、「大事な地域の宝物が失われてしまう」と焦燥にかられ、日頃、地元の文化財保護に関わっている方々と、何とか食い止められないかと話し合いをしてきました。


この仏像は、室町時代初期の作と見られており、元々私の住む珠洲市上戸町に江戸時代まで続いたお寺のご本尊でしたが、1781年の廃寺の折、現在所有のお寺に引き取られました。
ところが、このお寺も、今回の大地震により大きな被害を受けて解体となり、維持や再建のため、仏像はご本尊のみを残すに留め、他の仏像は全て手放す決意をなさいました。それも規模を縮小してでもお寺を維持し、なんとしてでも門徒を守るという覚悟の結果でしたが、門徒の多くも被災しており、再建費用を負担できない状況の中、仏像の売却は断腸の思いでした。
阿弥陀如来坐像のあったお寺の解体の様子
現在、能登各地のお寺や神社は解体が進み、再建の目処が立たずに解散が決まったお寺もあり、私のところの菩提寺では、再建費用が用意できないため、工面できる範囲で補強工事を行っていますが、完全な改修には至っていません。また氏子である神社は解体しましたが、この後の拝殿や本殿については協議することになっています。今、被災した寺社の多くは同じ状況に置かれていますが、どこも檀信徒や氏子自身も被災していることから、寺社の修理や再建の費用に対してとても寄与できる状況ではないのです。
今回の話を聞いた当初は、既に売却の契約もされていて為す術もありませんでしたが、お寺に再三の願いを申し入れ、売却先を私たち「文化財レスキュー珠洲」に変更いただくことができました。
この会のメンバーは、珠洲地域の文化財保護に関わっているメンバーと町の有志から構成する14名です。危機感と熱い気持ちをもって進めて参りましたが、我々もまたそれぞれの再建を抱えており、費用の工面に困難があることから、今回クラウドファンディングに挑戦することを決断いたしました。
これは地域からの文化財の流失をストップさせるプロジェクト。

今回、保護したいと願う阿弥陀如来坐像が私たちに委ねられた場合、240年ぶりに上戸町に戻すことを考えています。その中で、新たな安置場所にふさわしいお寺として、「善慶寺」のご住職より、「文化財」の位置づけで、阿弥陀如来坐像を受け入れていただくことを内諾いただいております。現在、善慶寺の境内もまた、被災・解体により更地となっていますが、再建した暁には、住民たちが日常の中で仏様に手を合わせることができる心の拠り所となるでしょう。
私たちの願いは能登の暮らしが成り立ち、安穏であることです。そのためにも震源地となった珠洲に、これまでの歴史を残し、これからの心の復興に係る文化財・仏像を流失させないため、クラウドファンディングに固いお力添えを賜り、将来に生きる道を開かせていただきたく、衷心よりお願い申し上げます。
文化財レスキュー珠洲 代表 谷内口孝治
文化財レスキュー珠洲
池谷内吉光/泉佳和/泉谷信七/今井真美子/大安尚寿/小野誠一/上城一夫
亀山國彦/小町康夫/瀬川しのぶ/僧野達己/中川政幸/平田天秋/谷内口孝治
支援金の使途
● 阿弥陀如来坐像の買い取りにかかる契約金
● リターン品(木札・御守)の加工費用
● 広報活動費
● CAMPFIRE手数料
● クラウドファンディング実施サポート費用
リターン品について
解体したお寺の建材の一部をリターン品(木札・お守り札)に再生します
ご支援いただきました皆さまには、お礼として以下のリターンをお送りします。
なお、すべてのコースに共通するリターンとして「寄進者名簿」を作成し、ご支援者のお名前・所在地(都道府県)を記載させていただきます。本名簿は、阿弥陀如来坐像が新しいお寺に安置されて1年が経過するまで、皆さまにご覧いただけるよう公開したのち、阿弥陀如来坐像の胎内に納め奉納します。
しかしながら、、阿弥陀如来坐像が安置されるお寺につきましては、現在のところ再建時期の目途はまだ立っておりません。そのため、今後の進捗状況につきましては、活動報告ページにて随時ご報告いたします。
なお、各リターン品の詳細や注意事項につきましては、必ず各リターン品の詳細説明をご確認ください。
<とにかく応援コース>
● 3,000円コース
・寄進者名簿への記名と奉納・お礼のメール
<返礼品お届けコース>
以降のリターンに含まれる「木札」「お守り札」は、244年にわたり阿弥陀如来坐像をお守りしてきたお寺を解体した際に生じた建材からほぼ手づくりで制作しますので、ちょっとした虫食いやひび割れなどがある場合がございますが、珠洲の歴史として温かく愛でていただければ幸いです。
「木札」「お守り札」「ステッカー」の完成品イメージについては、今後、試作品製作も並行して進めてまいりますので、「活動報告」にて随時情報を更新してお知らせさせていただきます!
● 5,000円コース
・寄進者名簿への記名と奉納・お礼の手紙
・解体した建材から作った お守り札(小サイズ/1枚)
● 10,000円コース
・寄進者名簿への記名と奉納・お礼の手紙
・オリジナル仏像ステッカー(1枚)
・解体した建材から作った お守り札(中サイズ/1枚)
● 20,000円コース
・寄進者名簿への記名と奉納・お礼の手紙
・オリジナル仏像ステッカー(1枚)
・解体した建材から作った お守り札(大サイズ/1枚)
● 30,000円コース
・寄進者名簿への記名と奉納・お礼の手紙
・オリジナル仏像ステッカー(1枚)
・解体した建材から作った 袋入りお守り札(大サイズ/1枚)
・解体した建材から作った 木札(中サイズ/1枚)
● 50,000円コース
・寄進者名簿への記名と奉納・お礼の手紙
・オリジナル仏像ステッカー(1枚)
・解体した建材から作った 袋入りお守り札(大サイズ/1枚)
・解体した建材から作った 木札(大サイズ/1枚)
● 100,000円コース
・寄進者名簿への記名と奉納・お礼の手紙
・オリジナル仏像ステッカー(1枚)
・解体した建材から作った 袋入りお守り札(大サイズ/1枚)
・解体した建材から作った 木札(大サイズ/1枚)
・起案者による被災地視察
スケジュール
▼ 3月5日 クラウドファンディング終了
▼ 3~4月中 仏像の契約金のお支払い
▼ 4月下旬 リターン発送






コメント
もっと見る