喫緊の課題
AIの急速な発展により、生成画像の判別が非常に難しくなっています。
生成AIそのものの是非はともかく、特定の絵師を狙い撃ちしてコピーしたり、 生成画像を自作と偽って、AI禁止のプラットフォームに投稿する行為は非難されて然るべきでしょう。
しかし現状では、こうした行為を検出/抑止する仕組みが十分に整っていません。
その結果、ネット上のイラストには「これはAIかもしれない」という不毛な疑念がつきまとうようになり、中には本物のイラストレーターが"AI絵師"という不名誉なレッテルを貼られてしまう事案もありました。
手書きで作った作品が生成画像だと思われるストレスや、自分が長年かけて積み重ねた絵柄がコピーされてしまうという不安による、イラストレーターの心理的な負担は決して小さくないはずです。
”反AI"が云々といった議論は本質的ではなく、むしろAIと共存していくためには、どこかで明確な線引きをし、人間の創作が人間の作品として評価される環境を作る必要があるのではないでしょうか?
そういった思いから、一定の根拠をもってAI生成画像を判定する『AIイラストチェッカー』と、絵柄の模倣を妨害する『AIイラストガード』の開発に至りました。
このプロジェクトで実現したいこと
本プロジェクトでは上記の問題に対して、イラストガードによる予防と、イラストチェッカーによる事後的な診断という、二つのアプローチを使い分けることで、創作活動の場を守ることを目的としています。
【AIイラストチェッカー】
AIイラストチェッカーは、生成AIが人間のイラストを学習して覚えるように、10万枚以上の生成画像で生成AIの癖を覚えた、アニメイラスト特化型のViT(ビジュアルトランスフォーマー)です。
ためしにCivitAIで人気の投稿をスキャンしてもらえばわかっていただけると思うのですが、現在主流なモデル(たとえばPonyやillustriousから、NoobAIやNetaLuminaまで)などは高確率で識別することができます。
記事執筆の時点では出たばかりのNiji V7も先日データにくわえて学習をした結果、未学習時の60%から90%までの精度向上を達成しました(1000枚の学習画像で検証)。
SNS上の画像は圧縮されていたり加工されていたりするので、実際の検出精度は理論値ほどの精度ではないのですが、それでも既存の画像識別サービスに比べると(アニメイラストにおいては)トップレベルの精度だと思います。

また、Attention mapというものを実装しているため、AIがどこを根拠にその判定を下したのか、一目瞭然になっています。
さらに判定の補強として、手作りの特徴抽出を数十個ほど用いているため、単一指標に頼らない複合的な判定が可能です。
【AIイラストガード】


おそらくこれを読んでくださっている方は、”AIポイズニング”という単語を耳にされたことがあるのではないかと思います。
これは画像に敵対的なノイズを埋めこんでAIの学習を妨害するものですが、AIイラストガードではそれにくわえて、denoisingできない電子透かしを同時に埋めこむ設計になっています。
じつはNightshade/GlazeやMist2といった既存のAIポイズニングは、2025年8月に発表されたLightshed(LightShed: Defeating Perturbation-based Image Copyright Protections — https://www.usenix.org/conference/usenixsecurity25/presentation/foerster)という技術により、ほぼ完全に無効化されてしまうことがわかっているのです。
幸い、Lightshedは論文のために研究用途で制作されたもので、コードが一般に公開されているわけではないのですが、いずれにせよ対策は避けてはとおれません。
そこでAIイラストガードでは、それ以降に登場した新しい技術を複数掛け合わせることにより、一枚の防壁が破られてもべつの防壁がガードする、という仕組みになっています。
これにより、少数枚でも学習を妨害できる攻性防壁を築くことに成功しました。
ただし、現時点での明確な弱点として、複雑な処理を行うため一度に捌ける画像枚数が少ない、というものがありますが、これについては設備増強によって改善できると考えています。
さらに...
【無断転載追跡サービス(仮)】
こちらは開発途中の機能になりますが、VIP会員向けの特別サービスとして、AIによって無断転載を特定→削除申請までをワンクリックで行えるようにする、無断転載追跡サービス(仮)をご用意しております。
原理といたしましては、AIイラストガードによってイラストを保護する際、イラストのハッシュ値を記録しておき、それにもとづいてクローラー(ネット上を巡回するAI)が類似画像がないかどうか、パトロールを実施します。
保護済みのイラストには電子透かしが埋めこんであるので、所有権の主張はかんたんです。たとえば海外の海賊版サイトなどでイラストを発見した場合、英語によるDMCA申請(削除申請)の下書きをAIが制作しあとはボタンを押すだけで申請が届く、といった流れになります。
海賊版サイトが削除申請に応じるのか、と思われるかもしれませんが、その手のサイトはドメインやCDNからの追放を恐れているため、ちゃんと申請すれば意外と応じてくれるケースが多いです。もし無視されるようなら、その上流であるGoogleやCloudflareに申請を送りつけてやりましょう。
こちらのサービスは5月を目処に実装予定です。
準備状況
現在『AIイラストチェッカー』および『AIイラストガード』はどちらも実装済みで、サイト上でじっさいにお試しいただけます。まだV1の段階ではありますが、AIイラストチェッカーはアニメイラストのAI識別率において、既存サービスを大きく上回る精度を発揮しています。
リターンについて
本プロジェクトでは、以下のようなリターンを予定しています。
・ AIイラストチェッカー/ガード/および派生サービスで使えるVIP権の付与
(一日のチェック枚数24枚→240枚、ガード枚数3枚→30枚、広告非表示など)
・最新の技術解説や開発進捗の共有
・いただいたフィードバックを優先的に反映
スケジュール
2026年1月 クラウドファンディング開始
2026年3月 クラウドファンディング終了
2026年4月 リターン順次提供開始
2026年4月30日 設備一式の調達。
2026年5月上旬 無断転載追跡サービスの実装。
同月、下旬から6月にかけて チェッカー/ガード両モデルのV2アップデート。最新チェックポイントに対応できるように学習を継続。
(需要があれば) 企業・プラットフォーム向けAPIの提供開始
最後に
技術が生んだ問題は、技術が解決できるはずです。
いま不安の中で筆を握っているクリエイターたちが、よけいな雑念にさいなまれず、創作活動に打ちこめる環境作りをしていこうと思っています。
この考えにご賛同いただけましたら、本プロジェクトへのご支援という形で応援していただけましたら幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。




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