はじめに
はじめまして。吹きガラス作家のゆうゆうかんかんと申します。
私はもともと、大学で油絵を専攻していました。
当時はキャンバスという二次元の世界で、「存在の不確かなもの」をテーマに表現を追求していましたが、やがて立体での表現に興味を持つようになり、「目に見えない力(遠心力や重力)」によって形が生まれるガラスという素材に魅了されました。
ガラスを素材として取り入れ始めた大学時代の作品
大学でさまざまな表現方法を学びながら、学外の工房でもガラスを学ぶ。
そうしてガラスの世界に飛び込みました。
大学卒業後は個人工房での修行を経て、東京ガラス工芸研究所へ入学し多様なガラス技法を学び、卒業後現在はSNSを通じた作品発表やオンライン販売を中心に活動しています。

おかげさまで、2ヶ月に1度の販売では、40点ほどの作品が数分から半日で完売するほど、多くの方に応援いただけるようになりました。
画面越しに「こんなガラス作品初めて見た!」という言葉をいただくたびに、物づくりを通じた人との繋がりの尊さを実感しています。
これまでオンラインでお届けしてきた私のガラスの世界を、今度は「阿蘇」という素晴らしい土地に根付かせ、皆さまと直接繋がれる「開かれた場所」にしたい。
その想いを胸に、今回のプロジェクトを立ち上げました。
阿蘇の空に救われた私が、この地で始めたい理由
阿蘇を選んだ理由と、プロジェクトを立ち上げた背景
熊本出身の私ですが、約10年ほど都会で生活をしてきました。
都会では空があまり見えず、どうしても人の時間軸を過剰に気にしてしまう自分の性格もあり、疲れを感じてしまうことが多くありました。
そんな時、帰省のたびに連れて行ってもらった阿蘇の広大な景色は、都会での焦りを消し、心をリフレッシュさせてくれました。
だからこそ、自分の工房を持つなら大好きな阿蘇で、自分なりの目線でその魅力を伝えられる場所にしたいと考えたのです。
阿蘇の魅力的な風景
そうして出会ったのが、阿蘇の五岳を一望でき、敷地内に湧き水が流れるこの場所です。
ポンプを使わずとも湧き出る水、雄大な景色、澄んだ空気。
この環境こそが、私の作るガラスに新しい表情を与えてくれると確信しました。
全体の外観
敷地内に自噴する湧き水
理想の場所で見つかった、深刻な課題
しかし、ようやく見つけたこの建物は、実際には雨漏りがひどく、シロアリの被害も想像以上であることが分かりました。
皆さんに安心して立ち寄っていただける「工房」として運営するためには、屋根全体の修繕を含めた大規模な改修がどうしても必要です。
想定外の事態に不安もありましたが、この場所が持つ力と、ここから生まれる交流の可能性を私は信じています。
この古い建物を再生させ、私の活動をきっかけにガラスや阿蘇の良さを見つけてもらえる拠点を、これから創り上げていきたいと考えています。
雨漏りした屋根内部
シロアリに食べられた柱プロジェクトで実現したいこと
今回のプロジェクトの最大の目的は、熊本県阿蘇市に、誰もが気軽に立ち寄れる「開かれた吹きガラス工房」をつくることです。
作品を作るだけでなく、ガラスをきっかけに人が集い、語らう「今までにない場」を目指します。
1、「ヒットシル」文化の共有で、人が繋がるきっかけに
私はこれまで、仲間との制作後の打ち上げで、窯の余熱を使ってピザやお肉を焼いて楽しむことがありました。
その時間がとても豊かで「吹きガラスならではのいい文化だな」と感じていたのですが、後から調べてみると、それには「ヒットシル」という名前があり、スウェーデンの伝統的な文化であることを知りました。
本来のヒットシルも、夜のガラス工房が人々を繋ぐ交流の場であったというルーツがあります。
まさに私が理想とする「人が繋がるきっかけになる場所」という想いと、この文化が深くリンクしました。
五感で楽しむ交流をこの地で再現し、地域に開かれた場所にしていきます。
展示やイベント・ワークショップなど様々な交流が行える大広間
2、デジタルとリアルを繋ぐ双方向の配信拠点
これまで私はレンタル工房をお借りして制作を続けてきました。
SNSで完成した作品や制作の様子を発信し、多くの方に届ける活動を大切にしてきましたが、共有の場であるレンタル工房では、理想とする「ライブ配信」は思うようにできていませんでした。
「他の作家さんもいる中で、もっと自由なアングルで制作の細部までお届けしたい」
「自分の作りたいタイミングで、予約を気にせずカメラを回したい」
共有スペースという制約上、カメラ位置や音、時間の制限があり、こうした「リアルタイムでの共有」は、これまで諦めざるを得ないことが多くありました。
自分の工房を持つことで、こうした壁はなくなります。
これからはライブ配信を通じて、視聴者の皆さんのアイデアをその場で形にするような、物理的な距離を超えた「共創」の場を作っていきたい。
オンラインで応援してくださる全国の皆さまと、常に制作の「温度」をダイレクトに共有できる拠点を目指します。
動画撮影風景
3、女性作家ならではの親しみやすい空間作り
力仕事で過酷な現場というイメージから、男性中心と思われがちな吹きガラスの世界。
ですが、女性作家である私だからこそ作れる、誰もが気負わずに入ってこられるような「親しみやすい工房」を実現します。
この工房が、「私をきっかけに、阿蘇やガラスを好きになってもらう場所」になることが私の願いです。
10年後、20年後も、阿蘇の山々に囲まれたこの場所で、窯の火が絶えることなく、新しい出会いが生まれ続ける。
地域と人の心に明かりを灯し続ける「開かれた拠点」でありたいと考えています。
まだ何も置かれていない工房内
ゆうゆうかんかんの吹きガラス
一人では完結しない、響き合う物づくり
「吹きガラス」と聞くと、多くの人は作家が一人で熱い窯に向かい、黙々と作業する姿を想像されるかもしれません。
しかし、私の制作スタイルはそのイメージとは少し異なります。
私の作品は、さまざまな色のガラスの「種」を次々と組み合わせて、一つの作品に落とし込んでいくのが特徴です。
この「種」をくっつける工程を支えてくれるのが、「アシスタント」と呼ばれる相棒の存在。
基本的には2人1組で、対話をしながら一つの作品を作り上げていきます。
「誰かと作る」からこそ生まれる魅力
私が本体の形を作っている間に、もう一人が熱いガラスの「種」を持ってきて、絶妙なタイミングで作品にくっつける。
「どれくらいの柔らかさで持ってきてもらうか」といったやり取りを含め、お互いにコミュニケーションが取れていないと、自分が思うような作品にはなりません。
吹きガラスの世界では、人件費などの面から、すべてを一人で完結させる作家さんも多くいらっしゃいます。
それでも私が2人1組での制作にこだわるのは、誰かと協力しなければ作れないというプロセスそのものに、吹きガラスの大きな魅力を感じているからです。
職人的な「再現」ではなく、その瞬間の「アート」を
私はもともと油絵を専攻していたこともあり、物づくりを「工芸的」な視点だけでなく、より「アート的」な視点で捉えています。
同じものを寸分違わず作り続ける技術も素晴らしいですが、私が大切にしたいのは「その時に一緒にいる人だからこそ作れるもの」です。
組む相手が変われば、たとえ同じテーマで作っても、完成する作品は全く違う表情を見せます。
その「ズレ」や「ゆらぎ」こそが、私にとっては面白い。
自分一人の意志だけでなく、相手の動きや、その場の空気感が重なり合って、はじめて「今、この瞬間にしか生まれない形」が完成するのです。
誰かと響き合いながら作ることで生まれる、温かみやエネルギー。
新しく作る工房でも、この「人との繋がりから生まれる物づくり」を大切にしたい。
制作の熱量を皆さんと共有し、集まった人たちと一緒に新しい何かが生まれていくような工房を目指しています。
二人での制作風景イメージ
工房開業へのスケジュールと資金の使い道
プロジェクトの準備状況とスケジュール
現在、4月後半のオープンに向けて着々と準備を進めています。
- ● 3月27日:クラウドファンディング開始
- ● 3月末〜4月初旬:工房設備の搬入・設置
- ● 4月後半:工房オープン・火入れ式(予定)
- ● 4月30日:クラウドファンディング終了
- ● 5月〜:少人数制の丁寧な吹きガラス体験の開始
資金の使い道について
今回のプロジェクトで皆さまからいただくご支援は、その全額を「工房の屋根の修繕費用」として大切に活用させていただきます。
吹きガラス工房をつくるための設備費はとても高額で、ここまで来るまでに自己資金の投入に加え、融資や補助金の活用、そして家族からの支援も受けながら準備を進めてきました。
しかし、蓋を開けてみると建物の屋根の傷みは想像以上に深刻で、安全に工房を運営できる状態にするためには、想定を大きく上回る修繕費が必要であることが分かりました。
どうしても自分たちの力だけでは届かない「あと一歩」の修繕費用について、皆さまのお力をお貸しいただけないでしょうか。
この場所を、皆さんが安心して集まれる「開かれた工房」として再生させるため、ご支援のほどよろしくお願いいたします。
最後に
この「開かれた工房」は、私一人では決して完成させることはできません。
建物の再生、そしてその後の活動も、皆さんの温かい想いとご支援があってこそ実現できます。
資金的なご支援をいただくことはもちろん大きな助けになりますが、それ以上に皆さんの「一緒にこの場所を創りたい」という気持ちが何よりの励みになっています。
いつか完成した工房で皆さまとお会いし、ガラス越しに見える笑顔や、窯の余熱で料理を囲む「ヒットシル」の時間をご一緒できる日を、心から楽しみにしています。
私の願いは、この工房が「私という存在をきっかけに、阿蘇やガラスを好きになってもらう場所」になることです。
10年後、20年後も、阿蘇の豊かな自然に囲まれたこの場所で、窯の火が絶えることなく、新しい出会いが生まれ続ける。
そして、地域の方々や訪れる方々の心に、ポッと明かりを灯し続けるような「開かれた拠点」でありたい。
どうか私と一緒に、この新しい居場所を創ってください。
皆さまの温かいご支援を、心よりお願い申し上げます。





