私たちは、藤枝宿の築100年の元酒屋の古民家を、「食」と「仕事」が交わる小さな拠点に再生しようとしています。
1階は、地域の素材を生かした「ほこほこ食堂」。2階は、フリーランスや表現者のためのシェアオフィス&コワーキングスペース。
とはいえ、このプロジェクトの本当の目的は、建物を直すことでも、事業を立ち上げることでもありません。この場所を起点に、藤枝宿というエリア全体が、少しずつ、面白く、豊かに育っていくこと。
このクラウドファンディングへの参加は、その未来を一緒につくる意思表明でもあります。ぜひ、私たちと一緒に、この場所のこれからを育ててください。
はじめまして。 私たちは旧東海道・藤枝宿のエリアリノベーションに取り組むため、 2025年6月に株式会社COMPASS(コンパス)を立ち上げました。
メンバーはそれぞれ異なる分野で藤枝に関わってきた3名です。
ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル・ギターの後藤正文氏が創始者である滞在型レコーディングスタジオMUSIC inn Fujiedaを運営する NPO法人アップルビネガー音楽支援機構 代表理事の小林亮介、 藤枝宿にあるシェアキッチンmittaなどで「愛コーヒー」を営み、 コーヒーを通して様々な人と交流をし、繋いできた 愛田恵、そして藤枝宿のランドマークでもある大慶寺住職であり、十数年にわたり蓮華寺池公園エリアのまちづくりに関わってきた(一社)SACLABO理事でもある大場唯央です。
大場唯央・愛田恵・小林亮介(左から)
それぞれの立場で地域と向き合いながら活動を続けてきた私たちは、藤枝宿という場所が持つ文化的なポテンシャルを感じる一方で、そこに息づいていた文化や営みが少しずつ失われていくような気配も感じるようになりました。
経済合理性が強く働くと、維持や継承が難しくなった歴史ある建物は取り壊され、新しい住宅へと姿を変えていきます。これは「スクラップ&ビルド」とも呼ばれる手法で、古いものを壊して新しくつくり替えることで経済的価値を創出する考え方です。
それは決して誰かの過ちではなく、現代においてはとても自然な判断です。
しかし、その積み重ねの先にあるのは、ただ「住むためだけのまち」ではないか。「どこでも同じような町が形成されてくのではないか」、そんな違和感が、私たちの中で次第に大きくなっていきました。
まちづくりや不動産の世界では、「開発(かいはつ)」という言葉が当たり前のように使われています。ここでいう開発とは、いわゆるデベロップメント(Development)のこと。
短期的な投資回収を前提に、効率や合理性を重視し、古いものを新しくつくり替えることで経済的な価値を生み出していくという考え方です。
それは現代社会において必要不可欠な視点であり、私たちもその重要性を否定するものではありません。けれど、効率や合理性だけを優先してまちを捉えてしまうと、地域の歴史や人の関係性、積み重ねられてきた時間が切り捨てられてしまう現実があります。私たちは、そうした「数字では測れない営み」のなかにこそ、まちの次の価値の芽があると信じています。
そこで私たちが大切にしたいと考えたのは、もう一つの“開発”のあり方です。
仏教の言葉に「かいほつ(開発)」という概念があります。もともとは“仏の可能性を開く”という意味ですが、私たちはこの考え方を「カルチベーション(Cultivation)」と訳し、地域に置き換えて捉え直しています。
耕し、育て、時間をかけて価値を醸成していくこと。短期的な投資回収ではなく、中長期的な価値醸成。人の関係や営みが積み重なることで、まちの価値がゆっくりと育っていく。
私たちはこの「デベロップメント」と「カルチべーション」の両方の視点に立ち、藤枝宿と向き合っていきたいと考えています。
だからこそ私たちは「残すこと」を選び、次世代に「つなぐこと」を大事にしていきます。

かつて東海道は、東と西を結ぶ交通の要であり、人や物だけでなく、文化や技術、芸術、思想までもが行き交う「道」でした。
その道の22番目の宿場町として栄えた藤枝宿は、徳川家康も訪れた田中城の城下町として、多くの旅人や商人を迎えてきました。
宿場町とは、ただ人が通り過ぎる場所ではありません。人々が脚を留め、語り合い、交わり、異なる価値観が混ざり合うことで、新たな文化が生まれていく基盤でした。
東海道藤枝宿
昭和50年代頃までは、そのにぎわいがまちを満たしていました。しかし、駅前開発の進展や車社会の広がりとともに、人の流れは変わり、店は少しずつ姿を消していきました。
しかし、そんななかでも、まちの文化や暮らしを支えてきた風景は、確かに今も残っています。通りを歩けば、老舗寿司店の山内屋、和菓子の紅屋やおきせ、乾物屋の秋田屋、その他にも漢方に強い薬局、整体・鍼灸治療室、アンティークギターショップなど、個性豊かな店が点在し、地域の暮らしに寄り添い続けています。
また、3年に一度の「藤枝大祭り」や毎年の「藤枝ノ演劇祭」、「落語×説教の高座バトル」、「お茶の香芸術祭」、「まといまつり」など、地域の文化行事も絶えることなく続けられ、まちの芯にある“文化の原風景”は静かに、しかし力強く息づいています。
藤枝大祭り(左上)
藤枝ノ演劇祭(右上)
お茶の香芸術祭(左下)
落語×説教 高座バトル(右下)
さらに数年、藤枝宿には再び“小さな芽”が育ってきました。
あんかけパスタの助宗食堂、ジャムと焼き菓子のお店toridori、スポーツバーBARZERO、お茶のクレープカネカ柴田園など、若い世代がお店を開き、まちに彩りを添えています。
また、山金をはじめちょうちょや、14t、jijikichi、小鉢など夜の飲食店も徐々に増えてきました。
さらには陶芸などの体験を通して、手を動かす時間をひらく OKEIKO CAFE。日常に彩りと癒しをもたらすポーセラーツ体験ができるポーセラーツサロンAmelie。演劇文化を育む ひつじノ劇場。 レコードとカレーを軸に、音楽と日常が交わる 喫茶ムー。 本とレコードを通して、感性と出会う SO GOOD books & styles。そして、 ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文氏が創立に関わる滞在型音楽スタジオ MUSIC inn Fujiedaなど
藤枝宿はいま、かつて人と文化が行き交ってきた宿場町としての歴史を土台に、新しい表現や活動が芽吹きはじめる、 静かな転換点に立っています。
so good books&lifestyle(左上)
MUSIC inn Fujieda(右上)
ひつじノ劇場(左下)
レコード&カレー 喫茶ムー(右下)
旧増田商店外観
今回再生するのは、築100年以上の古民家「旧・増田商店」です。
一時は解体も検討された建物でしたが、所有者との対話を重ね、「今までの歴史を土台に、役割を変えて残す」という選択をしました。
私たちはこの拠点に「KITTOs(キットス)」という名前をつけました。 もとになっているのは、漢字の「企(くわだて)」です。
屋号のヤマジョウ
「企(くわだて)」の文字は、上記写真にある、増田商店の屋号「ヤマジョウ」の“上”に一本線を加えることで生まれます。壊してゼロに戻すのではなく、今ある歴史や建物に少し手を加えることで新たな価値を立ち上げる。それが私たちの考える“企て”です。
「企図する」という言葉が示すように、志を立て、まだ見ぬ未来を思い描きながら一歩を踏み出すこと。その姿勢そのものを、この場所の名前に込めました。
同時に、KITTOsという響きには「企」と「巣」という二つのイメージも重ねています。ここが、カルチャーや表現が企てられ、滞在し、交わりながら育っていく“巣”のような場であってほしい。
人やアイデアが一時的に立ち寄るだけでなく、腰を落ち着け、関係を結び、新しい何かが生まれていく拠点でありたいという願いです。
そしてもうひとつ、「きっと良い方向に進む」という、やさしく前向きな語感も、この名前には含まれています。 確かな保証はなくても、信じて手を動かし、関わり続けることで、まちはきっと育っていく。そんな希望を、この場所の名前としてそっと置きました。
KITTOsは、過去を壊して新しくするための名前ではありません。 これまで積み重ねられてきた時間の上に、もう一度“企て”を重ねていくための名前です。
増田商店風情ある外観&内装。梁や柱が立派。
1階|地域の日常を支える飲食の場
この建物の1階に入るのが、「ほこほこ食堂」です。料理人村松大樹(元IYAU、現めぐり庵)と、「ほこほこベーグル」の守屋亜弓が営むこの食堂は、地域の素材を活かしながら、日常にやさしく寄り添う場を目指します。
ほこほこ食堂|村松大樹・守屋亜弓《「ほこほこ食堂」から届いた想い》
「なぜこの場所でお店をやってみたいのか」と聞かれたとき、私たちにとってその答えは“流れに導かれた”という感覚に近いのかもしれません。
ヒロキの「めぐり庵」での勤務をきっかけに、私・あゆみ母の実家でもある藤枝に移住することを決めましたが、その道のりは決して平坦ではありませんでした。住まい探しの壁、心折れそうな瞬間…それでも流れに身を委ねた先に、この旧・増田商店との出会いがありました。
初めてこの建物を見たとき、真っ先に目に飛び込んできたのは、天井の美しい梁でした。長く続いた酒店の歴史を思いながら、「この建物を残したい」「もっと多くの人に見てもらいたい」と、自然と心が動きました。そして、ここで新しい物語を紡いでいけたら——そう思ったのです。
藤枝宿のまちにも、ずっと興味がありました。訪れるたびに「このまちをもっと良くしたい」という想いが伝わってくるような、気持ちのよい人たちに出会ってきました。その中に自分たちも加わりたい、このまちの一部になれたら…という気持ちがふくらんでいきました。
元・酒屋という背景を活かして、お酒も楽しめる「食堂」をつくるイメージは最初から自然と浮かびました。気軽に立ち寄れて、肩肘張らない、でもあたたかい場所。お店づくりの妄想は尽きません。
「ほこほこ食堂」が届けたいのは、特別な“ハレ”の日のごはんではなく、“ケ”の日の、ほっとするような日常ごはんです。 ひとりでぼーっとしてもよし、仲間とわいわいしてもよし。 昼間からお酒とごはんを楽しんでもよし。 そんな“日常の止まり木”のような場所になれたら嬉しいです。
そして「食」を通じて、地域の食材や文化、工芸品や人とのつながりが、やさしく循環していくような場にしたい。このまちのことをもっと知りたいし、訪れてくれた人にも知ってもらいたい。そんな気持ちを胸に、私たちはここ藤枝宿で、お店づくりを始めようとしています。
ほこほこ食堂の料理&ベーグル2階|シェアオフィス/コワーキングスペース
2階には、シェアオフィス(貸事務所・SOHO)およびコワーキングスペースを整備します。フリーランス、企画者、編集者、表現者など、それぞれの仕事が日常として続いていく場所です。
完成された働き方を持つ人のためではなく、試行錯誤の途中にある仕事が、静かに育っていくための環境。 人の気配や会話が、次のアイデアのきっかけになる。 そんな空気を大切にしたいと考えています。
現在、2階のシェアオフィス/コワーキングスペースの入居者募集も行っています。 この場所を「借りる」のではなく、藤枝宿というまちと関わりながら、ともに場を育てていく仲間を募集しています。
1Fにシャワールームもあるので、SOHO契約をすれば泊まれる事務所にもなります。県外でお仕事されてる事業者さんもサテライトオフィスとしてご利用いただき交流できたら嬉しいです。
詳細はこちらをご覧ください

本プロジェクトに必要な改修費は約1200万円です。自己資金・融資に加え、改修費の一部を藤枝市開業チャンス!応援事業費補助金を活用しますしながら整備を進めています。。
そのうえで本クラウドファンディングでは、補助制度の対象以外の改修費や設備費や外構費など、場の質や使い心地に直結する部分について、皆さまのご支援をお願いしています。
これは単なる古民家改修ではなく、 文化が“続くための土壌”をつくる挑戦です。支援者の皆さんには“カルチベーター(地域の未来を、時間をかけて育てていく支援者)”として関わっていただきたいと考えています。 完成を見る支援ではなく、 育っていく過程に関わる支援。 藤枝宿を一緒に耕し、楽しみ、見守っていただけたら嬉しいです。
表現とカルチャーの苗床。そんな藤枝宿を一緒に作って行きたいです。
リターン
今回のクラウドファンディングでは、2つの応援のかたちをご用意しています。
「ほこほこ食堂 応援リターン」へのご支援は、1階・ほこほこ食堂の営業に必要なエアコン設備・畳の張り替え費用等(約100万円)の一部に充てさせていただきます。
「COMPASS 応援リターン」へのご支援は、建物全体の改修費用(約1,200万円)の一部に充てさせていただきます。
【ほこほこ食堂・COMPASS両方応援リターン】
5,000円:お礼のメール
【ほこほこ食堂応援リターン】
3,000円:お礼のメール
5,000円:かんぱいドリンク
10,000円:ドリンク&一品
15,000円:ベーグルセット
30,000円:天ぷらコース
100,000円:カウンターの椅子オーナー
【COMPASS応援リターン】
3,000円:お礼のメール
5,000円:コーヒー「KITTOsブレンド」
5,000円:大場住職とまちあるき
5,000円:KOBAR参加
10,000円:お店の支援板に名前を掲載(小)
30,000円:お店の支援板に名前を掲載(中)
50,000円:お店の支援板に名前を掲載(大)







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