
はじめまして。
一般社団法人ライディング・フォー・ライフ代表理事の倉兼 由香と申します。

このページをご覧いただき、ありがとうございます。
私は3年前まで、競馬とも馬とも一切縁のない人生を歩んできました。
そんな私が今、引退競走馬の支援活動に取り組んでいます。
まずは、多くの方にまだ知られていない事実をお伝えさせてください。

日本では毎年およそ7,000頭の競走馬が繁殖されています。
馬の寿命は20〜30年。
本来であれば、長い生涯を全うできる動物です。
しかし、競走馬としての役割を終えた馬たちの多くは、次の行き先が見つかりません。
種馬になれるのはほんの一握り。
乗用馬へ転換されるのもごくわずかです。
受け入れ先も資金も不足している中で、大多数の馬たちが用途変更され、食肉として処分されているのが現実です。

競馬業界では長らく、引退後の馬の行方について「聞いてはいけない」「追及してはいけない」という空気がありました。
競馬はロマンを売るスポーツです。
ファンが愛した馬が食肉になるという事実は、ファンの夢を壊すことにつながるとして、表立って語られることは避けられてきました。

近年は引退馬支援の活動も少しずつ広がり、フォスターペアレント制度など情報を公開する動きも出てきています。
しかし依然として、すべての引退馬の受け皿が整っているとは言えない状況が続いています。

一頭の馬の写真を見てください。
これは、私たちのもとに来る前のスリングショットです。
倉兼厩舎に来る前のスリングショット
そしてこの写真が、倉兼厩舎に来てからのスリングショットです。
倉兼厩舎に来てからのスリングショット
同じ馬とは思えないほど、表情が変わっています。
スリングショットは、行き先が決まらなければ食肉に回される予定だった馬です。
これは特別な話ではなく、引退した競走馬の多くが直面している現実のひとつです。
環境が変われば、馬の表情は変わる。
安心できる場所があれば、目に光が戻る。
この事実を、私たちは目の前で見てきました。


私自身は、家庭環境に恵まれず児童養護施設で育ち、15歳から37歳まで夜の世界で働いてきました。
3年前に調教師の夫と結婚したことで、初めて馬という動物に触れました。
最初に出会った馬の印象は「目が死んでいる」でした。
本来は素直で穏やかな目をしているはずの馬が、なぜこんな表情をしているのか。
その瞳がどうしても忘れられませんでした。
そこから引退馬の現状を調べるうちに、先ほどお伝えした事実を知りました。
人のために生まれ、人のために走り続けてきた馬たちが、役目を終えた途端に行き場を失っているんです。


引退馬の現実を知ったとき、私は自分の人生と重ねずにはいられませんでした。
幼少期から、私は家庭環境に恵まれませんでした。
中学を卒業してすぐに歌舞伎町に出て、水商売の世界で必死に生きてきました。
「誰かに認めてもらえるかもしれない」
そんな未来の光を信じて、ただ走り続ける日々でした。
引退馬たちの姿が、かつての自分と重なりました。

未来の光を信じて、ひたすら走り続けてきた。
でもその先に待っていたのが「肉にされる」運命だなんて、馬たち自身も思ってもいなかったはずです。
「私が、この子たちに居場所を与えたい」
そう心から思いました。
親に愛されなくても必死に生きるしかなかった自分の人生と重ねて、涙が溢れました。

引退馬の現実を知ってから、私は一頭でも多くの命を救うために動き始めました。


最初に救ったのは、馬肉業者に預けられていた一頭でした。
そこから3年間、個人でガムシャラに活動を続けてきました。
調教師の妻という立場もあり、競馬界からの批判も少なくありませんでした。
「馬で稼いでいる以上、何をやっているんだ」 そう言われることもありました。
SNSでの発信を始めた頃には、激しい攻撃を受けたこともあります。
それでも、目の前の命を見捨てることはできませんでした。


これまでに、6頭の引退競走馬の命をつないできました。
一頭一頭に、個性があり、表情があり、物語があります。
例えば「パイン」と名付けられた馬は、名前を呼ぶとちゃんと返事をしてくれます。
「ごはん!」と自己主張も強くて、いつも私たちを笑顔にしてくれます。
引退競走馬の「ミドラーシュ」は、障害馬術にも挑戦できるほどたくましく成長してくれました。
他にも大切な馬たちが、今この瞬間も私たちと共に生きています。


しかし、個人で続けていくには、限界がありました。
馬一頭にかかる費用は、月の預託料だけでも数十万円。
それに加えて、餌代、治療費、リトレーニング費用――。
6頭となると、毎月の出費は数百万円にのぼります。
これまで私の貯蓄を切り崩して活動を続けてきましたが、このままでは続けられない。
そして何より、毎週のように新しく引退していく馬たちがいます。
救いたい命は、増え続けているのです。

今回のクラウドファンディングは、私たちの活動の第一歩です。
現在、倉兼厩舎では6頭の引退競走馬を預かっています。
この子たちが安心して暮らし続けるためには、毎月まとまった費用がかかります。

馬を1頭生かし続けるということは、想像以上にお金がかかります。

6頭分となると、毎月数百万円の支出になります。
これまで個人の貯蓄を切り崩して活動を続けてきましたが、このままでは限界があります。
そして何より、毎週のように新しく引退していく馬たちがいます。
救いたい命は、増え続けているのです。
まずは今いる6頭の暮らしを安定させること。
それが、このプロジェクトの最も大切な目的です。

私たちが目指しているのは、引退馬を「ただ救う」だけの活動ではありません。
引退馬たちが社会の中で役割を持ち、自分の力で生きていける道筋をつくりたいと考えています。


引退した馬たちと触れ合いながら、その馬の物語を知っていただける場所を作りたいと考えています。
馬は人と触れ合うことで存在価値を持ち、訪れた人は癒しと学びを得る。
人と馬がお互いに支え合える場所をつくることが、私たちの次の目標です。


私自身、児童養護施設で育ちました。
幼少期は、人格形成にとってとても大切な時期です。
だから、引退馬と児童養護施設の子どもたちをつなぎたい。
馬と触れ合うことで、子どもたちの心が少しでも穏やかになる時間を提供したいと考えています。

障害児施設との交流イベントも、計画しています。
馬は、ホースセラピーという形で世界中で活用されている、優しい動物です。
障害を持つ子どもたちにとっても、馬と触れ合う時間が大きな意味を持つはずです。
馬たちが社会に貢献し、その対価として自分の生きる場所を得る。
それが、私たちが目指す「持続可能な保護活動」の形です。


そして、私たちの最終的な夢は、北海道に牧場を立ち上げることです。
引退馬たちの多くは、日高や新冠など北海道生まれです。
競走馬は2歳ほどで母馬から離され、セリに出され、走り続けます。
彼らはきっと、生まれ故郷の景色を覚えています。
「倉兼厩舎に来た馬は、頑張れば故郷の北海道に帰れる」 そんな仕組みを作りたいと考えています。
実際に北海道の牧場で過ごしている引退馬を見てきました。 広い大地で放牧されて、本当に幸せそうでした。
すぐには届かない夢ですが、今日のこの一歩が、いつか必ずそこにつながると信じています。

3年間、引退馬たちと向き合ってきて、私は多くのことを学びました。


馬たちは、それぞれに違う性格を持っています。
人懐っこい子、慎重な子、自己主張の強い子。
過去に辛い経験をしてきた子は、人を信頼するまでに時間がかかります。
でも、根気よく接していくうちに、必ず心を開いてくれる瞬間が訪れます。
馬が私のことを覚えてくれて、前足で地面をかいて呼んでくれる。
名前を呼ぶと返事をしてくれる。
そんな小さな瞬間が、私の活動を支えてくれています。


しかし、私たちが救えているのは、ほんの一握りの命です。
毎週のように、競走馬たちが引退していきます。
そのうちのどれだけの馬が、安心して暮らせる場所にたどり着けているでしょうか。
毎年、何万頭もの馬がこの国で生まれ、奇形だと判断されると母馬と共に殺されることもあります。
私がやりたいのは、馬の業界そのものを少しずつでも変えていくこと。
一人の力では限界があります。
でも皆様の力を合わせていただければ、もっと多くの命をつなぐことができるはずです。

ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
馬と出会う前の私は、自分が何のために生きているのかも分かりませんでした。
でも目の死んだ一頭の馬と出会い、その瞳の奥に自分自身を見たとき、私は初めて生きる意味を見つけたのです。
引退馬たちは人のために生まれ、人のために走り、人を喜ばせてきました。
その馬たちが、最後まで安心して生きていける場所を作ること。
それが、私が残りの人生をかけて取り組みたいことです。
ただ「助けてあげる」という活動ではありません。
馬たちが社会の中で役割を持ち、人と共に生きていく。
人もまた、馬から命の大切さを学ぶ。
そんなお互いが支え合える関係を作りたいと考えています。
老いた馬が、若い馬に慕われながら、最後まで穏やかに生きていける場所。
私たち人間にとっても、命について考えられる場所。
そんな場所を、皆様と一緒に作りたいと思っています。
「私すごいことしてるでしょ」と自己満足するための活動ではなく、 誰にとっても意味のある、わかってもらえる活動を続けていきたい。
どうか引退馬たちに、第二の馬生をプレゼントしてください。
皆様のご支援を、心よりお待ちしております。
一般社団法人ライディング・フォー・ライフ
倉兼 由香・育康



皆様からのご支援は、馬の維持管理に関わる費用に大切に活用させていただきます。
・施設使用料
・預託料
・馬の餌代
・リトレーニング費用
・医療費
・治療費
・遠征費
など






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