今日午前10時から約2時間、東京都内で第1回サポートメンバー説明会を行いました。FIJ事務局を除いて7名が参加されました。今朝説明会があると知って、慌てて駆けつけたという方もいらっしゃいましたが、嬉しいことです。引き続き募集しております。
この日は、このプロジェクトの狙いや情報収集・共有のツールなどついてご説明しました。参加者はフリーランスの翻訳業、現役の記者やビデオジャーナリスト、元企業経営者など、年齢層も幅広く、男性3人・女性4人でした。
参加者の一人からは「それ言説自体は事実で間違いないが、他の重要な事実が示されていない印象操作のようなケースは扱うのか」といった質問も出ました。これはよく聞かれるのですが、大変難しい問題です。そうした事案があることは否定しませんが、何をもって「印象操作」というのかの客観的な基準が難しい。
一般的にいってあらゆる言説は、表現者の情報の取捨選択から免れないものです。ただ、あることを事実として伝える際に、別の重要な事実もあわせて指摘するかしないかで印象ががらりと変わることがあることは、確かにある。そうした誤解を与える言説を検証することも必要でしょう。
ファクトチェック団体によっては「ミスリード」という判定基準を用いているところもあります。次の定義は、南アフリカを拠点にするアフリカ・チェックという団体によるものです。
「ミスリード」(misleading)…その言説の要素は正確であるが、誤解を与えるやり方で表現をしている(Africa Checkのサイト参照)
実は、私も4年前の衆院選で「印象操作」という言葉を使って報道を検証したことがあります(読売「民主大物、比例重複相次ぐ」に見る印象操作 自民大物も軒並み重複)。他にもやはり重要な情報が抜け落ちていたがために「誤報ではないが、著しく不公正な報道ではないか」と指摘した事案もあります(維新・橋下氏「10万円クーポン」アピール? 選挙報道の公正さを問う)。
いずれもファクトチェック記事としてではなく、検証コラムとして書いたもので、論証のため長文になってしまいました。
この種の印象操作・ミスリード系の案件は、ファクトチェックの対象に全くならないということではありません。ですが、通常よりハードルが高くなるということは言えるかと思います。
このプロジェクトでは原則として、9月1日すなわち今日以降に発せられた沖縄県知事選に関連する言説・情報で、真偽の定かでないものを検証の対象とすることにしています。情報提供の受付も開始しました。引き続きご注目よろしくお願いいたします。
(写真は2018年9月1日、東京都千代田区のヤフーロッジにて)