長野県松本市から、ラジオの歴史を伝えるプロジェクト
特定非営利活動法人日本ラジオ博物館の理事長兼館長の岡部匡伸(おかべ ただのぶ)です。
私たちは松本市で14年間、貴重なラジオのコレクションを保存し、来館者の皆様にラジオとメディアの歴史をお伝えしてきました。
現在の建物は、貴重な明治時代の土蔵です。大変気に入ってはいるのですが、いろいろ問題があります。
現在の博物館の外観(この建物の手前2/3を使用)
より多くの人に、ラジオの魅力を届けたい・・・でも
歴史的建造物は見学するには障害だらけです。
現在の玄関と受付
解消しようのない玄関の段差、体重をかけないと開かない分厚い板戸は厳寒期でも猛暑でも開館中開けっ放し、受付はかなりつらいです。コロナ対策のビニールがよい防寒対策になっています。
現在の主展示室
展示内容には自信がありますが、少し窮屈です。土間に無理やり床を作ったので天井が低く、背が高いお客様は頭をぶつけそうになります。通路も狭く、車いすの通行もままなりません。
元が土蔵なので水道もトイレもありません。歴史的建造物だけにこれ以上大掛かりなリフォームを施すことは不可能です。
現在の企画展示コーナー
毎年テーマを変える企画展は大事なイベントですが、実際に展示に使えるのはケース2個分。「企画展示室」にはならないので「企画展示コーナー」と呼んでいます。
狭いながら展示品を厳選して企画展を開催してきましたが、もう少し広ければという思いは常にあります。展示替えや準備、保守などにに不可欠なバックヤードもありません。
これまで、このような不自由な施設で工夫しながら展示をしていましたが、今回写真の広いお屋敷をお借りすることができました。
松本市郊外の新しい展示施設の外観このチャンスを活かして、子どもから高齢者まで、より多くの方々が快適に、そしてゆっくりとラジオの歴史に触れられる空間をつくりたいと考えています。
総床面積は現在の約3倍、展示室は2倍程度になります。広くなった分展示品を増やすだけではなく、歩きやすいゆったりとした空間にしたいと思います。
企画展示に使える広い部屋もあります。より充実した企画がたてられそうです。
新しい展示空間に必要な整備
貴重なコレクションを適切に保存し、来館者の皆様に安全で快適な環境でご観覧いただくために、元々住宅だった建物の室内を展示室に改装します。
床をカーペット張りに変更、展示ケースの製作、照明システムの導入、空調設備の整備、防災設備の完備、そしてバリアフリー化工事が必要です。
これらの投資によって、初めて質の高い博物館としての役割を果たせると確信しています。展示室の完成イメージはこんな感じです。
主展示室の3-Dイメージ(制作:Tenjikai.net)
これは設計図から3-Dに起こしたものです。このように施工業者も決まり、デザインも決定しました。8月初旬には第1期工事に入る予定です。
次世代へラジオの歴史、文化を継承する使命
ラジオは、エレクトロニクスの原点です。また、日々ニュースや娯楽を届けてくれる大切なメディアです。
ラジオの多様な側面の歴史と技術、そして人々の暮らしの中での役割を伝えることは、私たちの重要な使命だと考えています。
新館の全体像(展示施設部分のみ、一部バックヤードを含む)(制作:Tenjikai.net)
手前が企画展示室、小部屋はオーディオ機器の展示を予定充実した展示環境を整えることで、学校の学習支援にも応じやすくなり、地域全体での文化への理解が深まると期待しています。
今までなかった企画展示室や会議室、予備室ができます。今までできなかった企画やイベントもやりたいです。
これまでの14年間の活動
2012年の開館以来、私たちは限られた予算の中で、展示の工夫や企画展示を通じて、来館者数を増やすための努力を続けてきました。
口コミで来館いただく方、遠方からお越しいただく方も増え、ラジオ文化への関心の高さを実感しています。
「ラジオと戦争」展の展示の一部 (2015年)
松本市立博物館の平和展示と同期した企画展
しかしながら歴史的建造物を流用した現在の建物は手狭で、障がいをお持ちのお客様への対応が十分にできず、心苦しい思いを抱いていました。
充実した展示環境を整えることで、学校の学習支援にも応じやすくなり、地域全体での文化への理解が深まると期待しています。
皆様のご支援の使途
頂いたご支援は、展示室への改装工事、エアコンの交換、防災設備の整備、そしてバリアフリー化工事に充てさせていただきます。一つひとつの工事が、来館者の皆様の満足度向上に直結しています。
今回の目標金額は最小限の展示室の工事費用200万円ですが、資材費の高騰などにより、現時点で本来の予算をオーバーしているのが現状です。
今回の工事の質を維持して完成させられる費用の確保のため、500万円の予算確保を最終目標としたいと思います。
私たちが目指す未来
新しい展示空間が完成すれば、松本市はラジオの歴史を学べる拠点として、さらに多くの人々を迎え入れることができます。
子どもたちがラジオの歴史を学ぶ場、高齢者が思い出を共有する場、そして家族が一緒に楽しめる空間として、地域の文化的な財産になりたいと考えています。
現地は松本市立博物館分館に隣接しており、移転後は市の施設とも連携して、「松本まるごと博物館構想」に貢献すべく、活動していきたいと思います。
主展示室を奥から見たイメージ(制作:Tenjikai.net)
リターンについて
皆様のご支援に対して、感謝の気持ちを込めたリターンをご用意しております。博物館のご招待券、完成時の内覧会ご招待など、ラジオへの愛を深めていただけるものをお選びいただけます。
最後に
この14年間、多くの皆様のご支援とご来館により、博物館の運営を続けることができました。
今回のプロジェクトは、その信頼に応える形で、より充実した展示環境を整備するものです。
ラジオの歴史を次の世代に確実に伝えていくために、皆様のお力をお貸しいただけましたら幸いです。共に、素敵な博物館の未来を作っていきましょう



