養蚕農家で使われる本格的な「まぶし」をおウチでまぶしとは、成長したお蚕さんが繭をつくるための部屋のようなもの。お蚕さんは格子の中から自分に合った場所を探し、一頭ずつ部屋に入って糸を吐き始めます。私たちは、養蚕農家の知恵が詰まったこの仕組みを、家庭でも体験できる形にしたいと考えました。芦澤養蚕にある回転まぶし誰でもできるサイズと使いやすさを研究養蚕農家で使われるまぶしは、多くのお蚕さんを育てるため、大きくつくられています。そこで私たちは、家庭の机や棚にも置けるサイズを目指し、ダンボールを使った試作や素材の検討を重ねてきました。環境にも配慮し、できる限り紙素材だけで組み立てられるよう工夫しています。お蚕さんが入りやすい部屋の幅や高さはどれくらいか。繭をつくりやすく、完成後に取り出しやすい形は何か。実際のお蚕さんの動きを観察しながら、お蚕さんにとって心地よい環境を考え、一つひとつ寸法を調整しています。お蚕さんの習性も考えながら、試行錯誤を繰り返すずっと身近に置いて欲しいーそんな思いを込めた「立方体」飼育ケースを特別な場所ではなく、日々の暮らしの中に置いてほしい。そんな思いから、ものとして愛着を持てる立方体の形にしました。子どもたちが毎日お蚕さんを眺め、その変化を家族で話したり、ときにはケースを持って一緒に出かけたり。机や棚に置きやすく、どの方向から見てもすっきりと見えることも大切にしています。お蚕さんをいつも身近に感じられるよう、こうした使い方を思い描きながら、現在の形にたどり着きました。プロジェクトに共感してくれたダンボールメーカーが作成した飼育ケースの3Dデータ(イメージ)お蚕さんの繭づくりの職人ワザをじっくり見るためにお蚕さんは、細い糸を何層にも重ねながら、自分の体を包む繭をつくります。今回のケースでは、その過程を外側から観察できる構造にしています。中に光源を入れて外側に向けて光を当てると、繭の中で動くお蚕さんや、糸が少しずつ重なっていく様子が浮かび上がります。完成した繭だけでなく、繭ができるまでの変化も楽しんでもらうための工夫です。繭づくりの様子を光で照らすと神秘的に日本の美意識を感じられる飼育ケースに整然と並ぶ格子と、その中につくられる白い繭。ケース自体が目立つのではなく、お蚕さんがつくる繭の美しさを引き立てるデザインを目指しました。プロジェクトに共感してくださったダンボールメーカーにもご協力いただき、組み立てやすさや強度を検討しています。養蚕農家の知恵と、お蚕さんの習性、現代の暮らし。この三つを組み合わせながら生まれたのが、現在の飼育ケースです。飼育ケースの試作品皆さんへよりよい養蚕体験を届けられるよう、引き続き改良を重ねていきます。ぜひ、完成を楽しみにお待ちください!




