還暦からのIターン。経営として成り立つ自然栽培米づくりへの挑戦
こんにちは。自然栽培米作りグループ Kファーム、近藤準一です。私は還暦を過ぎてから兵庫県丹波市春日町にIターンし、本格的に自然栽培の稲作に挑戦してきました。
遅いチャレンジでしたが、目指してきたのは、自らの楽しみとしての米作りというより、経営として成り立つ自然栽培の米作りを示して、後に続く人を育てることです。農薬も肥料も使わない、環境負荷の少ない持続可能な自然栽培の営農スタイルを、次の世代に引き継いでいきたい。その想いで、地域の仲間とともに歩んできました。
米作りは、実は「刈り取ってから」が大変です
多くの方は、米作りというと田植えや稲刈りまでをイメージされるかもしれません。しかし、事業としての稲作は、稲を刈り取ってからが大変なのです。
刈り取った稲籾が、私たちの食卓に並ぶ「きれいなお米の粒」になるまでには、乾燥、籾摺り、石抜き、篩掛け、色彩選別、精米といった工程が必要です。これらの工程には、大型乾燥機、籾摺り機、選別機、色彩選別機、そしてそれらを設置・運用するための広い倉庫が欠かせません。
こうした設備を一式調達するには多額の費用が必要で、若い世代や新規就農者が簡単に揃えられる代物ではないのです。ここが、小規模農家が稲作に参入する大きな関門となっています。
[米調整施設]
大規模化が求められるというけれど
近年、農業を営むには大規模化が求められ、高額な設備投資が不可欠となっています。そのため、経営規模が小さいほど採算が取りづらく、若い世代や新規就農者が稲作に参入しにくい状況が生まれてしまいました。同時に、担い手の減少は、里山から人が去ることにつながり、地域全体の活力が失われています。
ならば、共同で使えるライスセンターをつくろう
私たちは考えました。設備にお金がかかるなら、グループで共有する仕組みをつくれば、小規模農家でも経営が成り立つのではないか。
私自身、これまでに米の調整をする設備を一通り揃えておりましたので、これを現物出資し、地元出身で農家の跡取りであるパートナーK氏(お隣さんです!)にも出資してもらって、自然栽培米作りグループ Kファームという任意組合を立ち上げました。この組合を運営主体として、共同で使えるお米センターをすでに発足させています。
しかし現在のところ、大型乾燥機はすでに稼働しているものの台数が足りず、黒点米や未熟粒をはじく色彩選別機がなく外注している状況、そして周辺機器やリフトなどの省力化機器も不足しています。
これらを補い、自然栽培の米作りの地域の拠点にふさわしい体制を整えるために、皆様のお力をお借りしたいと考えています。
共有のセンターが完成すれば、次世代が無理なく参戦できます
共有のセンターが完成すれば、米作りへの熱い思いさえあれば、次の世代が無理なく稲作に参戦できる環境が整います。これが、私たちがこのプロジェクトに取り組む理由です。
自前の米調整施設だからこそ実現できること
一般的な稲作では、収穫後のお米を大手のライスセンターに調整をゆだねることになります。しかし、そこでは他の生産者のお米と一まとめにして乾燥・調整されてしまい、自分の作ったお米は手元に戻ってこないのです。さらに、栽培するお米の品種は、そのライスセンターが指定するものに限られ、好きなお米を自由に作ることもできません。
私たちが実現したいのは、他の生産者のお米と混ぜることなく、安心安全でおいしい自然栽培のオリジナルのお米を作り、お届けすることです。在来種を中心にした個性のあるお米を栽培し、流通と販売も自ら行うことで、食べる人と直結する米づくりが可能になるのです。
実際、お客様からも『こんなお米を探していた』『感動した、また食べたい』という声を多くいただいています。これも自前のお米センターをもっていればこそできることなのです。
食べる人と農家を直結させる取り組み
フェイスブックグループ「農家直送マルシェ」を運営
私たちは、フェイスブックグループ『農家直送マルシェ』を開設・運営しており、現在では登録者数7万6000人のコミュニティに成長しています。このバーチャル・マルシェでは、農家が手数料なしで、栽培中農薬・化学肥料不使用の農産物を直接販売でき、消費者が手軽に購入できる場を提供しています。
市民グループ『お米の勉強会』のご協力をいただきながら管理・運営しており、このマルシェでの販売をきっかけに農産物の直売を軌道に乗せた農家さんも多くいます。農家がお客様と直接つながることを大切に考える活動の一環です。
次世代の担い手を育てる『田んぼ塾』
お米センターづくりと並行して、自然栽培稲作の担い手育成にも力を入れています。毎年開催している講習会『田んぼ塾』では、自然栽培稲作の理念と理論から、種籾の処理、種まき、苗代、代掻き、田植え、水管理、稲刈り、種採りまで、栽培スケジュールに合わせた実践的な指導を行っています。
仲間の田んぼ見学やミニイベントを通じて、本気で米作りに向き合いたい人のための場となっており、実際にこの塾からKファームの仲間が育ち、現場での実践を経てグループに参加し、里山お米センターを活用した本格的な米作りへ進む流れが形になり始めています。
なぜ、自然栽培なのか ― 次の世代に残したい農業のかたち
私たちは、自然栽培を単なる栽培技術の一つとは考えていません。
農業は、食べものを作る営みであると同時に、その土地の風景や、水、生きもの、そして人の暮らし方そのものを形づくる営みでもあります。
戦後、日本の農業は大きな発展を遂げ、多くの人を支えてきました。その一方で、環境負荷や資材依存、担い手不足といった新たな課題にも向き合う時代に入っています。
私たちは、農薬や化学肥料にできるだけ依存しない農業の可能性を、現実の営農として一歩ずつ示していきたいと考えています。
日本農業の、循環型環境農業への移行に少しでも役立ちたいと願っていますが、もちろん、すべてを急激に変えることはできません。
けれど、小さくても実践例が増え、挑戦する人が育ち、支える設備や仕組みが整えば、次の世代はもっと自由に農業を選べるようになるはずです
里山お米センターは、そのための小さな一里塚です。
土を守り、水を守り、食べる人の安心につながる米作りを、次の世代へ手渡していく。
その積み重ねが、未来の暮らしを少しずつ豊かにしていくと信じています。
里山お米センターが目指す未来
私たちがつくりたいのは、単なるお米の共同調整施設ではありません。
この地で育つ、自然栽培のお米、農産物を未来へつないでいく拠点です。
新しく農業を始める人が安心して挑戦できる場所。
地域の農家が知恵を持ち寄り、ともに育つ場所。
「農業って面白い」と感じられる場所。
そして、生産・販売・体験をつなぎながら、里山の価値を次の世代へ受け継ぐ拠点。
小規模でも、グループで取り組めば、相応の収益を上げながら持続してゆく農業は可能です。
大規模化やスマート農業ばかりが、農業の向かうべき方向ではありません。
小さな農家にしかできない農業もあります。
自然栽培の米作り文化を次の世代へつなぎながら、里山の隅々まで、
ゆたかな農業の営みで満たしていければと思います。
今回のクラウドファンディングは、その未来への第一歩です。
ご支援の使い道
皆様からのご支援は、以下の整備に充てさせていただきます。
・色彩選別機の導入
・米穀物乾燥機の増設
・省力化機器(リフト等)の導入
・倉庫の整備・充実
・里山お米センター、ポータルサイトの開設
小規模農家が活躍できる未来へ
適切な仕組みと支援があれば、若い世代も新規就農者も、自信を持って稲作に取り組むことができます。
そして、里山にこの先も人が住み続け、地域のすみずみで活発な営みが続いていく。
それが私たちの願いです。
淡路研修風景
支援者の皆様へのお約束
私たちは、自然と向き合い、地域と共に歩む農業を信じています。このプロジェクトへのご支援をいただくことで、私たちは責任を持って、持続可能な稲作の仕組みを完成させます。
最後に
里山の未来は、今の決断にかかっています。小規模でも、環境にやさしく、次世代に誇れる稲作を一緒に実現していただけないでしょうか。皆様のご支援を、心よりお待ちしています。
◆ご支援ーリターン一覧表
手作りの稲作記録動画や、これまた自家製の古代米稲穂飾りを盛り込みました!



