ごあいさつ
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七尾市民劇団「劇団N」は、石川県七尾市で29年間活動を続けてきた市民劇団です。会社員や自営業など、地元に暮らす市民が、それぞれの人生経験を携えて舞台に立っています。
仕事や家庭、人との関わりの中で悩み、葛藤し、それでも前を向いて歩んできた一人ひとりの人生が、舞台の上に息づいています。
観るだけでなく、自ら演じることのできるこの場所は、他者の人生を追体験しながら自分自身を見つめ直すことのできるかけがえのない場です。舞台に立つたびに、生きるよろこびや演劇の意義をあらためて実感しています。
このプロジェクトで実現したいこと

本プロジェクトでは、市民が演劇を学び、質の高い舞台づくりを継続できる環境を未来へつなぐため、研修・指導体制の充実、公演制作、広報・運営などに活用させていただきます。
仲代達矢氏ゆかりの能登演劇堂から、市民が演じる演劇文化を未来へつないでいくことが私たちの願いです。
公演だけでなく、稽古や舞台づくりの過程も発信しながら、演劇をより身近に感じていただき、地域の文化をともに支える仲間の輪を広げていきたいと考えています。
みなさまのご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。
資金の使い道
・舞台づくりに必要な専門的な指導・制作体制の充実に関わる費用
・公演制作費(舞台・音響・照明等)
・大道具・小道具などの舞台制作費
・リターン品の制作費および発送費
本プロジェクトならではのリターンをご用意しています
劇場に足を運んでいただける方には、まず舞台をご覧いただきたい。それが何よりのお返しになると考えました。
観劇チケット付きリターンは自由席と指定席からお選びいただけます。
なかでも、クラウドファンディング限定の前方・中央指定席(座席数限定)は、舞台との距離が近く役者の表情や声、空気感がより伝わる特別なリターンです。
また、本番に都合がつかず観劇が難しい方や、舞台ができるまでの過程も見てみたいという方のために、普段は公開していないリハーサルや通し稽古をご覧いただけるリターンもご用意しました。
さらに、バックステージ見学(舞台装置の見学)や演出家による作品解説など、このプロジェクトならではの特別な体験もお楽しみいただけます。
私たち劇団にとっても、舞台ができあがるまでの過程をみなさまと共有できることは、大きな喜びです。舞台を「観る」だけでなく、ともに育てていただく時間になれば幸いです。
プロジェクト立ち上げの背景

私たちは29年間、地域で演劇活動を続けながら、多くの学びと出会いを重ねてきました。
私たちが舞台に持ち寄るのは、それぞれの人生の実感です。その実感を、プロの演出家や舞台美術、音響、衣装など、多くの専門スタッフの力を借りて、一つの作品へと育てています。
私たちが未来へ残したいのは、劇団という形だけではありません。演劇を通して人と人が出会い、生きるよろこびや意味を見つめ直すことのできる文化です。
この活動を継続し、市民が演じる文化を未来へつないでいくために、今回クラウドファンディングに挑戦します。

私たちは、演技指導で成長してきました。

劇団員の多くは演技未経験からのスタートです。
それでも舞台に立つ以上は、観てくださる方の心に届く作品を届けたい。その思いで稽古を重ねています。
長年にわたり、脚本家・演出家の原田一樹氏をはじめ、劇団キンダースペースの俳優・瀬田ひろ美氏、俳優のみなさま方から一人ひとりに寄り添った丁寧な指導を受けてきました。

私たちは日中の仕事を終えてから稽古場へ向かいます。
本番が近づくにつれ稽古はさらに熱を帯び、フィードバックを受け止め、考え、何度も演じ直す。その繰り返しの中で作品は少しずつ磨かれていきます。
私たちは演技だけでなく、役と向き合い、人と向き合い、自分と向き合うことも学んできました。その積み重ねが、一人ひとりを育て、舞台を育てています。
スタッフの目線の先にあるのは、舞台で稽古する私たち。多くの方々に支えられて作品がかたちになっていきます。
研修・自主練習・広報の状況
現在、2026年12月の公演に向けて稽古や準備を進めています。
①劇団キンダースペース 芥川作品公演『君にむかいて光る星』を動画配信で上映研修(5/17)
②舞台のイロハ研修会(舞台装置・音響・照明)1回目(6/27)
③先行チラシ作成(7/18)完成後、チラシ配布
④台本読み合わせ 舞台のイロハ研修会(舞台装置・音響・照明)2回目(7/26)
⑤演目の原作本を読み、感想や所感をディスカッション 意見交換(8/23予定)
⑥中部日本高校演劇ワークショップ(8/20)にて先行チラシの配布
⑦ノトゲキの観劇&交流会(8/23)参加・先行チラシの配布
⑧金沢芸術村、金沢駅「能登デスク」金沢市内の各劇場を一つひとつ回り、先行チラシの配布
⑨マスコミへの広報
同時に、演出・舞台制作・照明などの専門スタッフと連携しながら、舞台づくりの体制を整えている段階です。
稽古開始:9月
ご都合に合わせてお選びいただけるリターンをご用意しました
下記の数種類のリターンからお選びください。
<応援コース>
遠方にお住まいの方や、本番にお越しになれない方にも、劇団Nを応援していただけるリターンです。活動に共感いただけましたら、お気持ちをお寄せいただけると、私たちの大きな励みになります。
①【観に行けないけど応援したい】3,000円
公演終了後、お礼メッセージ・舞台写真・チラシ(演出家のメッセージ入り)をデータでお送りします
②【観に行けないけど応援したい】10,000円
公演終了後、お礼メッセージ・舞台写真・チラシ(演出家のメッセージ入り)を印刷物(紙)でお送りします
<自由席で観劇応援コース>
自由席でご観劇いただけるリターンです。
3,000円・5,000円はリターン内容に違いはありません。劇団への応援のお気持ちに合わせてお選びください。
③【観劇チケット付きのご支援 12/5(土)16:00開演 自由席】3,000円
◆自由席
※入場順でのご案内となります。指定席以外のお席からお選びいただけます。

④【観劇チケット付きのご支援 12/6(日)14:00開演 自由席】 3,000円
◆自由席
※入場順でのご案内となります。指定席以外のお席からお選びいただけます。

⑤【観劇チケット付きのご支援 12/5(土)16:00開演 自由席】5,000円
◆自由席
※入場順でのご案内となります。指定席以外のお席からお選びいただけます。

⑥【観劇チケット付きのご支援 12/6(日)14:00開演 自由席】 5,000円
◆自由席
※入場順でのご案内となります。指定席以外のお席からお選びいただけます。
<指定席で観劇応援コース>
役者の表情や細かな動きまで間近でご覧いただける、前方・中央の指定席(座席数限定)をご用意しました。クラウドファンディング限定の特別なリターンです。
⑦【指定席で12/5(土)観劇】10,000円
◆12/5(土)開演:16:00(開場:15:30)
◆前方・中央の見やすい指定席をご用意しました。舞台との距離を近く感じながら、作品をお楽しみいただけます。

⑧【指定席で12/6(日)観劇】10,000円
◆12/6(日)開演:14:00(開場:13:30)
◆前方・中央の見やすい指定席をご用意しました。舞台との距離を近く感じながら、作品をお楽しみいただけます。
<指定席で観劇応援+お名前掲載コース>
前方・中央の指定席でご観劇いただけるほか、当日配布のチラシにご希望のお名前を掲載いたします。

⑨【指定席で12/5(土)観劇+ご支援者としてチラシにお名前掲載】12,000円
◆12/5(土)開演:16:00(開場:15:30)
◆前方・中央の指定席でご観劇いただき、当日チラシ(演出家メッセージ入り)にご希望のお名前を掲載します。
※掲載名は備考欄にご記入ください。

⑩【指定席で12/6(日)観劇+ご支援者としてチラシにお名前掲載】12,000円
◆12/6(日)開演:14:00(開場:13:30)
◆前方・中央の指定席でご観劇いただき、当日チラシ(演出家メッセージ入り)にご希望のお名前を掲載します。
※掲載名は備考欄にご記入ください。
<舞台ができる過程体験コース>
本番に向けて作品が仕上がっていく過程を体験していただける、舞台づくりの裏側に触れるリターンです。
【リハーサル観劇 11/29(日)・バックステージ見学・演出家による作品解説】10,000円
◆11月29日(日)14:00からのリハーサルをご覧いただけます。
◆本番を1週間後に控えたリハーサルをご覧いただき、作品が完成へ近づいていく過程や舞台づくりの裏側を体験していただけます。
バックステージ見学や演出家による作品解説も予定している、このプロジェクトならではの特別な機会です。

【通し稽古見学 11/21(土)15:00〜】8,000円
◆11/21(土)15:00からの通し稽古をご覧いただけます。
◆本番に向けて作品が仕上がっていく過程を、通し稽古を通してご覧いただけます。
舞台が完成へ向かう瞬間を共有できる、普段は公開していない特別な機会です。
クラウドファンディング公開に向けたスケジュール
4/26 クラウドファンディング企画書作成
5/7 実行委員会にて方向性決定、関係各所へ連携
6/12 実行委員会にて進捗確認
6/27 実行委員会にて内容精査
7/7 審査提出
7/9 リターン決定
7/24 クラウドファンディングページ最終調整
7/25 審査再提出
7/26 SNS含めたプロモーション活動展開 事前公開URLを公開
8/10 クラウドファンディングページ公開
8/11 活動報告ページを週1回のペースでアップ
9/28 終了
10/20 リターン発送準備
10/31 資金振り込み
2026年の公演

開催日:2026年12月5日(土)開演 16:00(開場:15:30)
2026年12月6日(日)開演 14:00(開場:13:30)
演目:芥川龍之介の冒険 ~『三つの宝』『魔術』『龍』より〜
芥川龍之介について
1916年(大正5年)、短編小説『鼻』が高く評価され、一躍文壇の寵児となった芥川龍之介。『羅生門』『蜘蛛の糸』など数々の名作を遺し、日本近代文学を代表する作家として今なお多くの人に読み継がれています。
今回の上演作品について
本公演では、芥川の児童文学『三つの宝』『魔術』『龍』の三作品を一つの舞台として紡ぐオムニバス作品を上演します。
物語に描かれるのは、人間の欲望や恐れ、勇気、そして「生きること」の本質。それぞれの物語が響き合い、芥川文学ならではの豊かな世界が広がります。劇場で深い余韻をご体感ください。
多彩な作品に挑んできました

劇団Nはこれまで、『夕鶴』『わが町』『ピグマリオン』『文七元結』『怪談』をはじめ、チューホフ、オー・ヘンリー、山本周五郎など、国内外のさまざまな作品に挑んできました。
公演では毎回、脚本家・演出家の原田一樹氏が、劇団N公演のために脚本を書き下ろしています。
一貫して描かれるのは、「人生の生きざま」「人生とは何か」というテーマ。その作品づくりに、私たちは魅了され続けています。
これまでに上演してきた作品
1998年の旗揚げ以来、劇団Nは26作品を上演してきました。
コロナ禍と能登半島地震の影響により2回の公演休止を余儀なくされましたが、地域の皆さまに支えられながら歩みを止めることなく活動を続けています。
今年度は27作品目となる新たな舞台に挑みます。




第1回 湯田中・まるか楼の女たち 1998/11/7・8
第2回 銀河鉄道の夜 1999/10/30・31
第3回 わが町・中島 70’s 2000/9/23・24
第4回 夜の来訪者 2001/8/4・5
第5回 夕鶴 2002/11/16・17
第6回 異本・竹取物語 2003/11/8・9
第7回 ピグマリオン 2004/11/6・7
第8回 のど元過ぎれば熱くなる!? 2005/11/26・27
第9回 ぱせりのキモチ 2006/11/25・26
第10回 ワンダフルワールド 2007/11/17・18
第11回 しんしゃく源氏物語 2008/10/18・19
第12回 私のクリスマス 2009/12/19・20
第13回 夕鶴 能登の民話三選 ~八卦見の婿さ てでぽっぽう 引砂のサンニョモン~ 2010/12/11・12・15
第14回 文七元結 ほか古典落語選 2011/10/29・30
第15回 ザ・太宰治 2012/11/23・24
第16回 能登の狸御殿 ~輝く月の夜に~ 2013/8/31、9/1
第17回 骨まで愛して 落語的幸福論 ~御神酒徳利・里帰り・藪入り~ 2014/9/27・28
第18回 喜劇・港町純情物語」 ~君の瞳に乾杯~ 2015/10/3・4
第19回 ざ・怪談 2016/10/8・9
第20回 月夜の海に浮かべれば… 2017/12/16・17
第21回 雨があがれば 2018/8/4・5
第22回 落語的幸福論 生きてるかぎりは 2019/12/14・15
第23回 ペイパーバックストーリーズ 2021/7/24・25
第24回 ファルス 文豪たちの呈示 2022/12/10・11
第25回 『夢と、夢の夢』 劇団Nのアンデルセン物語
〜マッチ売りの少女 ナイチンゲール びんの首より〜 2023/12/16・17
第26回 落語的幸福論その参 あなたがあれば、どこまでも 2025/9/13・14
これまでの台本

本番まで何度も台本を読み返し、声に出しながら役と向き合います。一つひとつの台詞に込められた思いを考え、試行錯誤を重ねながら、「役を生きる」ことを目指して稽古を続けています。
劇団N通信

劇団員の学びと情報共有を目的に、不定期で「劇団N通信」を発行してきました。演劇に関する話題や観劇レポート、おすすめの本などを紹介し、劇団員同士が学びを深める機会となっています。
劇団員の横顔

佐野 智一(さの ともかず)
演劇との出会いは高校時代、友人に誘われて入った演劇部でした。社会人になってからも、当時の仲間が舞台で努力を続ける姿に刺激を受け、もう一度演劇に向き合いたいと思い劇団Nに入りました。
演劇は、自分自身と向き合う場であると同時に、一人では決して成り立たない総合芸術です。役者だけでなく、舞台装置、音響、照明、衣装、演出など、多くの人の力が重なって一つの作品が生まれます。その達成感を仲間と分かち合えることが、何よりの喜びです。
能登演劇堂がこれからも「演劇の力が息づく場所」として地域に根付き、この文化が次の世代へ受け継がれていくことを願っています。皆さまのご支援をよろしくお願いいたします。
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酒井 藤雄(さかい ふじお)
元県立高校国語科教員
生まれも育ちも七尾市
劇団員歴:30年
地元の演劇講座をきっかけに市民劇団の立ち上げに携わり、旗揚げ公演から今日まで歩んできました。高校で演劇教育にも携わり、仕事と劇団運営の両立は決して楽ではありませんでしたが、家族の理解と支えがあったからこそ続けることができました。
演劇を通して得た一番の財産は、人との出会いです。劇団員をはじめ、能登演劇堂の皆さん、演出家やスタッフ、地域の方々など、多くのご縁に支えられてきました。
30年近く続けてこられたのは、何より演劇がおもしろいからです。また、国語教員として、原田一樹氏の手がける文学作品への「劇化」に刺激を受けています。
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北原 和典(きたはら かずのり)
七尾市で会社員をしています。
劇団Nの舞台を初めて観たのは、第8回公演「のと元過ぎれば熱くなる!?」でした。その後、第16回公演「能登の狸御殿」のキャスト募集を見て、「楽しそう!」と思い参加したのが、劇団員になったきっかけです。
体を動かすことが好きな私にとって、仲間と一緒に一つの作品をつくり上げる演劇の世界は、本当に大好きな場所です。
昔の文学作品を演じる中で、作品に込められた人生や思いを今の時代へ届けられることに魅力を感じています。舞台を通して「幸せを祈る気持ち」を届けたいという思いで稽古に励んでいます。
稽古を重ねるたびに、心も体も少しずつ強く、たくましくなっていく。それが、私が演劇を続けている理由です。
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川端 恵(かわばた めぐみ)
友人が出演する公演を観に行ったことがきっかけで、ワークショップに参加し、その後、劇団の一員になりました。
劇団は、家や職場とは違う大切な居場所です。年齢や職業、考え方の異なる仲間と、定期公演という一つの目標に向かって活動できることに喜びを感じています。
プロのスタッフの皆さんと一緒に舞台づくりができることも、大きな魅力です。そして本番では、観客の皆さんの反応によって舞台が変化し、演者だけでなく、観てくださる皆さんと一緒に作品が完成することを毎回実感しています。
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福岡 和歌江(ふくおか わかえ)
能登地震で家が全壊し、病気の主人と二人で仮設住宅に暮らして2年になります。
劇団Nとの出会いは13年前。義理で観劇した公演で入団募集のチラシを受け取り、「私もこの舞台に立ちたい」と思ったのが始まりでした。
初めて参加したミュージカルでは、踊りも歌もついていくのが精いっぱいで、「これで最後にしよう」と思ったほどです。それでも続けるうちに、自分に合った役をいただけるようになり、演劇の魅力に夢中になりました。
今では、公演が決まると一年の楽しみになります。もうすぐ後期高齢者ですが、世代を超えた仲間と力を合わせて一つの作品を創り上げる時間は、私にとって何よりの生きがいです。
本番では、自分の出番が終わったと思い込み、楽屋へ戻って着替えていたら、実はまだ出番が残っていたことも。共演者のアドリブに助けられ、何とか乗り切れました。今では笑い話ですが、忘れられない思い出です。
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越田 律子(こしだ りつこ)
劇団員歴:9年
もともと演劇を観ることが大好きでした。市民劇団の公演を初めて観たとき、その熱量と作品の深さに心を打たれ、「私もこの舞台に立ちたい」と思い、劇団Nの門を叩きました。
演劇を続ける中で、自分の人生と役の生き方が重なる瞬間がありました。その体験を通して、演劇と人生はどこかで交わっているのだと感じています。演劇は否定も肯定もしません。ただ、人の心に寄り添い、生きる力を増幅させてくれるものだと思っています。
まだ知らない世界や感情に出会い、人の心の奥にあるものを知りたい。その答えを探し続けるために、私は演劇を続けています。
応援メッセージ
劇団キンダースペース主宰:演出家 脚本家 原田一樹氏
演出家・原田一樹氏より、今回の作品づくりに込めた思いを寄せていただきました。

演出家 脚本家 原田一樹氏(はらだ かずき)
地方劇場としては唯一の演劇専門劇場、能登演劇堂を有する七尾市は「演劇の街」でもあります。この能登演劇堂を常打ち小屋とする唯一の劇団、市民劇団Nは、29年にわたり活動を続けてまいりました。
1998年、平成10年に旗揚げ、以来26本のオリジナル作品を製作、上演。近年では、演目においていくつかのジャンルを設定しております。
〇文学作品。小泉八雲、芥川龍之介、太宰治、山本周五郎ら作品の舞台化
〇古典落語の世界の舞台化 「文七元結」「芝浜」など
〇欧米の名作文学 Оヘンリー、アンデルセン、ヘルマン・ヘッセ他
ジャンルの設定は、評価ある先人たちの芸術創造と、私たちの活動を結びつけようとする意図によるものです。その上で市民劇団独自の表現を追及、オリジナル脚本により「感動」を伝えられる舞台を目指し、稽古を重ね、上演を継続してまいりました。
能登演劇堂はこれまでプロの作る質の高い芸術作品を招聘し上演してまいりました。一方「演劇」の存在価値は「鑑賞」にとどまりません。私たちは、人間とその生活についての様々を「演劇」から教わります。
例えば「役に付く」ということ。
これは単にセリフを覚え、感情を付与し、決められた段取りで喋る、ということではありません。「役を演じる」ということは「他者の人生を想像し、その人生を生きる」ということです。
他人の立場になって、違う眼でものごとを見、心を動かす。「思いやり」や「やさしさ」の根本にあるこういったことを、普段私たちはどれだけ体験出来ているでしょうか?
また「演劇」は「感動」を伝えるものです。
なぜ人には「感動」が必要なのか。もし私たちが「感動」を知らず、ただ金銭や物質の充足、仕事や義務の消化に生きる意味を求めるとしたら、世界はどれほど貧弱なものになるでしょう。
「豊かさ」とは心の余裕であり、大きな視点であり、一つの価値観に囚われないということです。これはもちろん読書や他の芸術鑑賞、旅や趣味、娯楽でも得られるものです。一方で「演劇」は総合的な芸術です。戯曲は文学、舞台装置は美術、照明は映像、音響は別の世界に私たちをいざないます。
「演劇」のこのようなあり方は、一方でそれなりの技術、設備、準備を伴うものでもあります。
「演劇」は、おいそれと作り上げることはできません。まず、時には本番の百倍にも達する、台本と稽古の時間。舞台装置は何もない空間から立ち上げ、音楽、音響も数日でできるものではありません。そして何より、稽古は人物とドラマを深く掘り下げ、積み重ねる必要があります。
七尾市民劇団Nのメンバーは、全員、仕事を抱えながらの参加です。限られた稽古場以外の時間に、常に課題とテーマと向き合うことが求められます。
これまで、劇団Nは劇団キンダースペースのスタッフワークによりその創造を維持してまいりました。今後は劇団として創作意識の向上、舞台設営、スタッフワーク技術のさらなる習得、運営の自立が期待されています。
ここにクラウドファンディングが大きな役割を果たします。公演それ自体と公演に向けた日常活動の充実、心構えや基礎も含めた俳優術、劇作、演出、音響、照明などスタッフワークの習得が、これによって可能となります。
クラウドファンディングはまた、劇団Nの呼びかけにより、地域の人々と劇団員との交流を生み出し、演劇文化を広く展開し、これまで関わりの少なかった方々にも「演劇」をさまざまな形で提供するきっかけにもなるはずです。
この機会を生かし七尾市民劇団の舞台を、また芸術としての「演劇」の豊かさを、多くの方に感じていただけるよう努力していく所存です。
是非、ご協力いただけるよう、お願い申し上げます。
最後に劇団N新代表 山本剛よりメッセージ

剣道 錬士 七段 山本 剛(やまもと つよし)
劇団Nに携わって27年。当初は5年間、舞台を支えるスタッフとして活動してきました。
演劇未経験でしたが、40歳を過ぎ、自宅近くに能登演劇堂ができたこと、そして地域に貢献したいという思いから、キャストとして舞台に立つようになりました。
やってみると、演劇は実に楽しく、学ぶことも多いです。多くの方々の期待や応援に支えられながら、今日まで活動を続けることができています。
これからも市民が演じる文化を守り育てていくため、みなさまのご支援をよろしくお願いいたします。





