家族と出かける時間は、大切です。一緒に買い物に行ったり、食事をしたり、旅行をしたり。家族だからこそ共有できる時間や安心があります。その一方で、外出にはもう一つの大切な役割があります。家の外に出て、いろいろな人と関わり、自分で選び、自分の時間を過ごすことです。ガイドヘルプは、その機会をつくる仕事でもあります。「表情が違うんです」以前、知的障害のある小学生のガイドヘルプをしたときのことです。外出を終えて自宅に戻ると、お母さんがその子の顔を見て、こう話してくれました。「表情が良いです」「家族と出かけて帰ってきた時とは違う、『満足感』のある顔をしてくれている」とても印象に残っている言葉です。相手が変われば、見せる表情も変わります。家族とは違う人と街を歩き、自分の希望を伝えてみる。上手く伝わったり、伝わらなかったりする。少し緊張しながら、新しいことを経験する。そうした時間の中で、家では見せない顔が生まれるのかなと。これは知的障害のある人に限った話ではありません。私たちも、家族といるとき、友人といるとき、仕事をしているときでは、少しずつ違う顔を持っています。人との関係が増えることは、自分の世界が広がることでもあります。暮らしの中に、いろいろな関係をつくる私たちは成長する中で、少しずつ家族以外の人との関係を増やしていきます。学校、仕事、友人、趣味、近所の人。家族とのつながりを大切にしながら、それとは別の場所や関係を持つことで、自分の暮らしをつくっていきます。外出に支援が必要な人にも、そうした機会が必要です。ところが、外出のための支援者が少なければ、本人が出かけられる範囲はどうしても狭くなります。家族が頑張れば解決する、という話ではありません。必要なときに地域の中で支援を受けられる仕組みと、それを担う人がいることが大切です。ガイドヘルパーは、家族の代わりになる人ではありません。本人の暮らしに、新しい関係や経験を増やしていく人です。「親なき後」より前から障害福祉では「親なき後」という言葉がよく使われます。もちろん、将来の暮らしを考えることは大切です。でも、私たちは、そのもっと前から地域との関係をつくっていくことが大切だと考えています。親が元気なうちから、本人が地域に出る。行きつけの場所をつくる。自分のことを知っている人を増やす。好きなことや楽しみを共有できる人と出会う。そんな日々の積み重ねが、その人の暮らしを少しずつ豊かにしていきます。そしてそれは、家族にとっても、外出のすべてを自分たちだけで背負わなくてよい暮らしにつながります。だから、私たちはガイドヘルパーを育てます。本人が、地域で暮らす一人の人として街に出ていけるように。家族との大切な時間に加えて、地域の中にも、その人の居場所や関係や役割が増えていくように。2026年度、風雷社中は大田区でガイドヘルパー養成研修を3回実施します。さらに、その実践を記録し、他の地域でも研修づくりに活用できる「ガイドヘルパーから始めよう」Toolkitとしてまとめていきます。外出を、家族だけで支えるものにしない。本人を知る人、本人と一緒に街を歩く人を、地域の中に増やしていく。そのためのクラウドファンディングです。応援、拡散、ご支援をよろしくお願いします。文責 中村和利




