1. 出雲の日常にあった一杯を、これからも。
初めまして。
本プロジェクトのページを見てくださり、ありがとうございます。
島根県出雲市でお茶の製造・販売を行う、有限会社一畑園の荒木と申します。
一畑園のお茶づくりは祖父の代から始まり、約60年になります。
もともとは製茶機械を扱うところから始まり、地域のお茶づくりに関わってきました。
私にとって、お茶は子どもの頃から身近にあるものでした。
もともと家業を継ぐつもりはありませんでしたが、一度地元を離れたことで、
自分のルーツともいえるお茶をもっと知りたいと思い、出雲へUターンしました。
現在は、茶葉を加工して企業へ卸したり、自分たちで仕上げ・小分けをしたりしながら、お茶づくりを続けています。
そんな私たちが、改めて向き合うのが、出雲で昔から親しまれてきた「出雲番茶」です。

出雲番茶は、食事や農作業の合間など、この地域の日常に昔からあったお茶です。
特別な日に飲むお茶ではなく、毎日の暮らしに自然となじんでいるお茶。
しかし今、飲む人が減り、茶葉をつくる人やお茶づくりを支える環境も変わってきました。
当たり前にあった出雲番茶を、これからも地域でつくり、飲み続けられるものにしたい。
そのために今回、クラウドファンディングに挑戦します。
2. 「出雲番茶」って、どんなお茶?
「番茶」と聞いて、どんなお茶を思い浮かべるでしょうか。

実は「番茶」は、全国で同じお茶を指すわけではありません。
地域によって使う茶葉や製法が異なり、それぞれの土地のお茶として親しまれてきました。
出雲の番茶には、古くから一畑薬師で飲まれていた「お茶湯」に由来するという説もあります。
主に秋から冬にかけて大きく硬くなった葉を使い、葉の形を大きく残して仕上げるのが特徴です。
枝の部分も一緒にお茶になります。

実際に飲んだ方からは、
「あっさりしている」
「香りがいい」
「苦くない」
「クセがなくて飲みやすい」
といったお声をいただきます。
特に印象的なのが、香りの良さと飲みやすさです。
香ばしさはありながら、ほうじ茶ほど焙煎の香りが強いわけではなく、煎茶や抹茶のように味を強く感じるお茶でもありません。
小さなお子さんが喜んで飲んでくれたという声もあります。
あっさりとして、食事にも自然となじむ。
そんな飲みやすさも、日常のお茶として親しまれてきた理由の一つなのかもしれません。
一畑園が大切にする「素直なお茶づくり」
一畑園がお茶づくりで大切にしているのが、
「素直なお茶づくり」です。
山陰地方は全国の主要なお茶産地と比べて日照時間が短く、茶葉の性質も異なります。
全国の有名産地と同じお茶を目指すのではなく、その土地で育った葉の特徴に合わせてつくることを大切にしています。
また、一畑園のお茶には、旨味を補うためのアミノ酸などを添加していません。
何かを加えて味をつくるのではなく、茶葉そのものが持つ特徴を生かす。
「土地に合った葉を、土地に合った方法で。」
派手ではなくても、毎日飲んでも飽きにくく、食事になじむ。そんな「素直なお茶」を届けています。
3. 出雲の暮らしと共にあった番茶

島根には、松江藩七代藩主・松平不昧公(まつだいら ふまいこう)に代表される茶の湯の文化があります。
一方で、出雲には人々の暮らしの中で育まれてきたお茶文化もあります。出雲番茶は、まさにそんなお茶です。
かつては家の周りに垣根のようにお茶の木を植え、葉を摘み、自分たちで日に干して番茶をつくる家庭もありました。
農業が盛んな出雲では、農作業の合間の水分補給にも番茶が飲まれてきました。やかんでたっぷり煮出し、食事のときにも、仕事の合間にも飲む。
特別な一杯ではなく、「いつもそこにあるもの」。
「実家で飲んでいた」「飲むと、ほっとする」

今回、出雲番茶について改めて考えるため、地域の方など40名にアンケートを行いました。
そこで寄せられたのが、
「実家で飲んでいた」
「飲むと、ほっとする」
という声です。
番茶を飲むことで思い出す、実家の食卓や家族との時間。
そこから見えてきたのは、出雲番茶には味や価格だけではなく、人の記憶や暮らしと結びついた価値があるということでした。
あまりに身近だったからこそ、これまでその価値を改めて語ることも少なかったのかもしれません。
4. その「当たり前」が、少しずつ変わっています。
今も出雲では、番茶を日常的に飲んでくださる方がいます。
一方で、今から7年ほど前、妻がお店に立つようになった頃に気づいたことがありました。

若い世代が、番茶を買いに来ていない。
今飲んでくださっている方がいても、その次に飲む人がいなければ、いつか途切れてしまいます。
ペットボトルのお茶が身近になり、家庭で茶葉からお茶を淹れる機会そのものも少なくなっています。
つくる側にも、変化が起きています。
変化しているのは、飲む人だけではありません。
番茶をつくり続ける環境そのものも、変わり始めています。
出雲の山間部には、小さな茶畑が点在しています。その多くは個人の方が所有する畑で、斜面も多く、機械化が難しい場所も少なくありません。
高齢化が進む中、畑を維持すること自体が難しくなっています。
一畑園でも、畑を続けられなくなった方から相談を受け、地域の方の畑を借りて管理してきました。しかし、私たちが管理できる範囲にも限りがあります。
さらに近年は、茶工場の閉鎖や茶園の放棄、抹茶需要の高まりによる供給環境の変化に加え、資材や燃料、輸送費なども上昇しています。
茶畑、つくる人、加工する場所。出雲のお茶を支えてきた環境そのものが、少しずつ変わっています。
だからといって、高くすればいいわけでもない。
一畑園でも価格の見直しを行ってきましたが、そこには迷いがあります。
番茶は、地域の人が毎日飲んできた「日常のお茶」だからです。手頃な価格でたくさん飲めることも、出雲番茶が選ばれてきた理由の一つです。
安いままでは、つくり続けることが難しい。でも、高くなりすぎれば、日常のお茶ではなくなってしまう。
「日常のお茶」であり続けること。
そして、「つくり続けられるお茶」であること。
その両方をどう残していくのか。私たちは今、その問いに向き合っています。
5. 今回のプロジェクトで実現したいこと

私たちがまず大切にしたいのは、この地域で、これからも出雲番茶が飲まれることです。
特別な高級品に変えるのではなく、これからの暮らしの中でも自然に手に取ってもらえるお茶でありたい。
地域の若い世代や、出雲を訪れた方にも、その魅力を知ってもらいたいと考えています。
今回のクラウドファンディングは、単に番茶を販売するための企画ではありません。
出雲番茶の価値を改めて伝え、これからも地域でつくり、飲み続けられるお茶にしていく。そのきっかけをつくることが、このプロジェクトの目的です。
そのために今回、「知ってもらう」「より深く知る」「実際に触れてもらう」という視点から、次のような取り組みを考えています。
① 出雲番茶を伝える小冊子の制作
出雲番茶の特徴や地域での飲まれ方、現在の変化をまとめた小冊子を制作し、商品への同梱や地域の施設などで活用します。
② 出雲番茶の成分調査
一畑園の出雲番茶の成分を実際に調査し、その特徴を今後の商品説明や情報発信に活用します。
③ 出雲番茶に触れる機会づくり
茶畑や加工場の見学、試飲など、出雲番茶とその背景に触れてもらう機会をつくります。
地域のお茶を取り巻くすべての課題を一度に解決することはできません。
だからこそ、今回のプロジェクトを、自分たちにできることから始める一歩にします。
6. 皆さまからのご支援について
ご支援の使い道
皆さまからいただいたご支援は、出雲番茶の価値や背景を伝え、これからも地域でつくり、飲み続けられるお茶にしていくための取り組みに活用します。
・出雲番茶を伝える小冊子の制作費
・出雲番茶の成分調査費
・プロジェクトに必要な制作・広報費
・リターンの製造・梱包・発送費
・クラウドファンディング手数料
リターンについて
※画像はイメージとなります。
リターンでは、一畑園の出雲番茶を味わっていただける商品を中心に、背景を知っていただけるものや、現地でお茶づくりに触れる体験などもご用意する予定です。
商品だけではなく、「出雲番茶って、こんなお茶なんだ」と、
その背景にある暮らしまで感じていただけるものにしたいと考えています。
7. 最後に。「いつもそこにあるもの」を、これからも。

出雲番茶は、この地域にとって「いつもそこにあるもの」でした。
でも今、その当たり前は、何もしなくても残っていくものではなくなっています。
昔とまったく同じ形ではなくても、今の暮らしの中で「番茶って、いいな」と思ってもらえる形を探しながら、これからもつくり、届け続けていきたい。
まずは地域から。そして、出雲を訪れる方や、まだ出雲番茶を知らない方にも。
このプロジェクトをきっかけに、出雲の日常にあった一杯を知り、実際に飲んでいただけたら嬉しいです。
皆さまの応援を、どうぞよろしくお願いいたします。




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