宮古島から、一枚の布で始めたいこと
はじめまして。宮古島で、インドの手仕事布「ブロックプリント生地」を扱いながら、生地の販売や服づくりをしている achikoko village の吉見温子です。
今回のクラウドファンディングでは、宮古島の景色や、暮らしの中で親しまれてきたものをモチーフにした、オリジナルのブロックプリント生地づくりに挑戦します。
でも、つくりたいのは、ただ一枚の布だけではありません。
宮古島が好きな人の中には、それぞれの「私の宮古島」があると思っています。毎日見ている海、島を離れてから恋しくなった景色、旅の途中で出会って忘れられない風景。そんな宮古島の記憶を、一枚の布にして日常の中へ届けたい。
その布を身につける人がいて、何かをつくる人がいて、それを見た誰かが「私も作ってみたい」と思う。
「宮古島が好き」という気持ちを入口に、人と手仕事がつながっていく。
私は、一枚の布からそんな「手仕事の循環」を育てていきたいと思っています。このクラウドファンディングは、その最初の一枚を、みなさんと一緒につくる挑戦です。

achikoko villageと、私が手仕事を好きな理由
私が宮古島でachikoko villageを始めるきっかけになったのは、インドの伝統的な手仕事「ブロックプリント」との出会いでした。
職人が手彫りした木版を、一つひとつ布に押して柄をつくる。少しかすれた色、少しずれた柄。その“ゆらぎ”と、一枚の布に積み重なる人の手仕事に、私はすっかり心を奪われました。

「この布で服を作りたい」「宮古島に生地を扱うお店が少ないなら、自分で始めよう」そんな想いから、2023年にachikoko villageをオープンしました。
私が惹かれるのは、きれいに整ったものよりも、その向こうに人の手が感じられるもの。布だけでなく、木工や陶芸、編み物や縫い物も同じです。誰が、どんなふうに作ったのかを知ると、ただの「もの」に愛着が生まれる。
achikoko villageでも、ものだけではなく、その向こうにいる作り手や背景まで一緒に届けていきたい。それが、私が育てたい「手仕事の循環」の土台です。
作り続けるなかで、見えてきたこと
お店を始めてから、ブロックプリントを気に入ってくださる方や、その布から生まれる服を楽しみにしてくださる方が少しずつ増えていきました。
でも、続ける中で壁も見えてきました。
宮古島は季節によって人の流れが大きく変わり、冬は売上も落ち着きます。そして、服を縫うのも、生地を販売するのも、お店に立つのも、発信するのも自分。
売上をつくるためには、自分が動き続けなければならない。
好きで始めたものづくりなのに、いつの間にか「私が動き続けないと、この仕事は続かないのかな」と思うようになっていました。
だからこそ、無理をしながら続けるのではなく、ちゃんと続いていく形にしたい。そんなとき、もう一つ見えてきたことがありました。

宮古島には、服や小物、バッグ、染織、木工、陶芸、編み物など、それぞれの場所で手仕事を続けている人がたくさんいること。
誰かの作品を見ながら、「この人がこの布を使ったら、何を作るんだろう?」「この人とこの人が組んだら、面白いものが生まれそう」と考えることが増えていきました。
私ならシャツにする布が、別の人の手に渡ればバッグや子ども服、お店のカーテンになるかもしれない。そう考えたとき、気づきました。
私ひとりが、すべてを作る必要はない。
私は布を届ける。誰かが、その布から自分らしいものを作る。また別の誰かと出会えば、今までになかったものが生まれるかもしれない。
「私が作る」から、「一緒に育てる」へ。
そう考えるようになったことが、今回のプロジェクトにつながっています。
だから、一枚の布から始めます
じゃあ、何から始めよう?
そう考えたとき、やっぱり私にとっては「布」でした。完成した服や雑貨ではなく、まだ何にもなっていない一枚の布。布には、手に取った人のアイデアが入る余白があります。同じ布でも、作る人によってまったく違うものになる。そこが、布の面白さだと思っています。
その布に、宮古島で見慣れた景色や、暮らしの中で親しまれてきたものを描けたら、誰かの「使ってみたい」「作ってみたい」のきっかけにもなるかもしれない。そう考えて、今回の最初の一歩を、宮古島のオリジナル生地づくりに決めました。
私が完成させて届けるのではなく、一枚の布を出発点に、その先をいろんな人の手で育てていく。そんな布をつくりたいと思っています。

宮古島の暮らしを、一枚のブロックプリントに
今回つくりたいのは、見た瞬間に「あ、宮古島だ」「懐かしいな」「また行きたいな」と、それぞれの宮古島の記憶がふっとよみがえるような布です。
そのために、デザインで大切にすることを5つ決めました。
【デザイン指針】
・宮古島らしさを感じられること
・暮らしになじむこと
・ブロックプリントの手仕事が活きること
・長く愛されること
・「これで何を作ろう?」と想像が広がること

そして最初の柄を決めるため、Instagramで「宮古島を布にするなら?」というアンケートを実施。
海、植物、食べもの、島の風景……。
いろんな声をいただいた中で、圧倒的に多かったのが「海」。
そして、その海と一緒にたくさん名前があがったのが、「ウミガメ」でした。

最初の一枚は、「海とウミガメ」
こうして、第1柄のテーマは「海とウミガメ」に決定。
イメージしたのは、伊良部大橋から海を見下ろしたときに、水面の下をゆったり泳ぐウミガメの姿。宮古島で実際に目にする、あの景色を一枚の布にできたらと思いました。
そこから、服や小物になったときの見え方も想像しながら38種類のデザイン案を考え、その中から少しずつ絞り込み、配色まで何度も検討してきました。
一枚の布として見たときだけではなく、実際に身につけたり、暮らしの中で使ったときにも「いいな」と思える柄にしたい。
そんなことを考えながら、今、最初の一枚が少しずつ形になっています。

一緒にこの布を育てる人たち|プロジェクトメンバー紹介
この布は、私ひとりではつくれません。
宮古島で柄を考える人。インドで木版を彫る人、色をつくる人、そして一版ずつ布に押していく人。宮古島とインドで、いろんな人の手が動いて、この一枚の布が生まれます。
▶ 宮古島の景色を、デザインする人
今回、一緒にデザインを考えてくれているのが、宮古島で活動するイラストレーターの竹中晃子さんです。

Instagramでいただいたみなさんの声や、5つのデザイン指針をもとに、「宮古島らしさって何だろう?」「布になったときに、ちゃんと使いたくなる柄ってどんなものだろう?」と、何度も話しながら形にしてきました。
私ひとりではできなかったものに、誰かの視点が加わって形になっていく。このプロジェクトの最初の「一緒につくる」は、ここから始まりました。

▶ 布にしてくれる、インドの工房
昔ながらの染色や色づくりの技法を大切にしながら、職人の手で木版を一つひとつ押すハンドブロックプリントの生地をつくっている工房です。
実はこの工房には、以前achikoko villageでオリジナルプリントをつくったときにも、生地づくりをお願いしたことがあります。
そのときも、こちらのイメージを伝えながら木版をつくり、色を相談し、試作を重ねて一枚の布にしてもらいました。



今回の「海とウミガメ」も、宮古島で考えたデザインをインドへ送り、職人さんたちと相談しながら、木版で表現できる形へ少しずつ調整していきます。
デジタルプリントのように、すべてがぴったり同じになるわけではありません。少しの版ズレや色のゆらぎも含めて、人の手から生まれる一枚を届けたいと思っています。
宮古島で生まれた柄がインドへ渡り、職人の手で布になって、また宮古島へ戻ってくる。今回も、たくさんの手を借りながら、この一枚を育てていきます。
この布から、どうやって循環が生まれる?
インドで刷られた布が宮古島に届いたら、このプロジェクトは完成。
……ではなく、そこからが始まりです。
誰かがこの布で作品をつくる。誰かが、その作品を手に取り、使ったり楽しんだりする。その姿を見た別の誰かが、「私も作ってみたい」と思うかもしれない。そして、作品が誰かの手に渡り、喜びや売上が作り手に返ることで、また次のものづくりにつながっていく。
つくる人 → 届ける → 楽しむ人 → また次のものづくりへ。
私が育てたい「手仕事の循環」は、そんなふうに、作ることを止めずに続けていける流れです。一枚の布をきっかけに、つくる人、使う人、楽しむ人がつながり、その輪が少しずつ広がっていく。そんな循環を、宮古島に育てていきたいと思っています。

いろんな形で、この循環に加わってほしい
店の名前にもなっている「village」。
achikoko villageは、私ひとりのお店ではなく、作る人、使う人、楽しむ人、応援する人がつながっていく、小さな村のような場所にしたい。そんな想いを込めてつけた名前です。だから私は、この場所に関わってくれる人たちを、親しみを込めて「村人」と呼んでいます。

でも、村人は、ものを作る人だけではありません。
布を手に取る人。誰かが作ったものを楽しむ人。「こんな挑戦があるよ」と伝えてくれる人。この先を一緒に見守ってくれる人。
宮古島が好き。手仕事が好き。なんだか、この挑戦が気になる。
そんな気持ちも、この村に加わる立派な入口だと思っています。一人ひとりの関わりが重なって、少しずつ大きな循環になっていく。それぞれの形で村に加わってもらえるように、今回のクラウドファンディングでは、いろんなリターンを用意しました。
リターンについて
今回のリターンは、単なる「支援のお返し」ではなく、それぞれの形でこの村に加わる入口として考えました。
【見守る・応援する】
この挑戦を応援するコースや、村づくりを支えてくださるスポンサー。
【布を手にして、つくる】
宮古島オリジナルのブロックプリント生地を、作品づくりに使いやすいサイズからたっぷり楽しめるサイズまで。
【誰かの手仕事を楽しむ】
この布から生まれるアロハシャツやポーチ、小物など。
【自分の手を動かしてみる】
ブロックプリントのワークショップや、みんなで手を動かす「チクチクお茶会」など。
対象のリターンには、制作レポートや完成報告、次の布づくりに参加できるアンケートもお届けします。また、生地には、その柄に込めた宮古島のモチーフや背景をまとめた小さなストーリーを添える予定です。
たくさん支援することだけが、村への参加ではありません。「これなら楽しそう」「この形なら私も加われそう」そんな入口を見つけてもらえたら嬉しいです。
いただいた支援で実現すること
今回の目標金額は、100万円です。
いただいた支援は、宮古島オリジナルのブロックプリント生地を形にし、みなさんの手元へ届けるために大切に使わせていただきます。
宮古島で生まれたデザインをインドの職人さんたちの手で一枚の布にし、そこからまた新しい手仕事へつないでいく。
みなさんからいただいた支援を、一枚の布へ、そしてその先の手仕事へ。
大切につないでいきます。
一枚の布の、その先に育てたいこと
この布をきっかけに、宮古島のものづくりに関わる人たちが、少しずつつながっていけたらと思っています。
今回のクラウドファンディングで目標の100万円を達成した先のネクストゴールでは、宮古島の作り手や、手仕事を支える人・店・技を訪ね、その表情や手元、道具、仕事場を写真と言葉で紹介していきます。
そして、そこで集めた情報をつなぎながら、「宮古島のものづくりMAP」として形にしていく予定です。

「こんな人が宮古島で作っていたんだ」「ここに行けば材料や道具に出会えるんだ」
そんなことが見えるようになれば、作り手同士が出会ったり、新しい作品やコラボが生まれたり、「私も何か作ってみたい」と思う人のきっかけにもなるかもしれません。
そして、そのさらに先に目指しているのが、ミシンや道具をみんなで使えて、教え合ったり、一緒に手を動かしたりできるシェアアトリエです。
「作ってみたい」と思った人が、一歩を踏み出せる。
作っている人が、作ることを続けていける。
一枚の布から始まった小さな循環を、そんな環境へ少しずつ育てていきたいと思っています。
店を持つ前に場所を借り開催したイベント。
布を真剣に選ぶ様子
縫製歴40年の縫い手さん
小物づくりが得意な縫い手さん
この挑戦を見守ってくれる人たち|応援メッセージ
この挑戦を始めるにあたって、これまで私やachikoko villageを見てくださってきた方々から、応援の言葉をいただきました。
私ひとりではうまく言葉にできなかったことや、自分では気づいていなかったことまで、それぞれの目線で綴ってくださっています。
ここからは、そんなみなさんの言葉をご紹介します。
【福木商店 とよながあやこさん】

【米田 隆己さん】




