① 綾町との出会い

工藤美優、東京出身の24歳。武蔵野美術大学を卒業し、現在は宮崎県綾町に移住しました。
普段は「TBR(That's Bock Ring company)」でデザイン担当として働きながら、商品やポスターなどのデザイン、イベントの事務局、動画やHP制作、SNS発信といったキャリアを積んでいます。
それと同時に、植物と触れ合い、自然農を学び、木に登って庭の剪定をし、火を焚いて五右衛門風呂に入るという、自然と地続きの暮らしを送っています。

綾町を知ったのは大学3年(2022年9月)の産学連携プロジェクトがきっかけでした。
世界に誇れる日本最大級の豊かな照葉樹の森と、そこから生まれた素晴らしい農や工芸、食、文化、そしてそれらを守りながら世界をより良くしようと動いている熱い大人たちがいる綾町。
私はそんな綾町と出会い、東京で企業に勤めるよりも自由で楽しい上に、世界中から第一線で挑戦を続ける人たちが集まって知らない世界をたくさん経験し、成長できるという希望を見出し、就職活動をやめ、綾に拠点を置きました。

綾に来る前までは東京でキラキラした学生生活を送っていた私。 綾町で自然と触れ合い、日に焼け、メイクが薄くなってだんだん自然体になっていき、友人から「だれかわからなかった」と言われるくらい、見た目も中身も変わっていきました。
キラキラ学生時代
綾町には、「ほんもの」という大切な考え方があります。
自然を壊さず、地球を汚さずにつくったもの。自分の良心に訴えて恥ずかしくなく、人をだまさないもの。
私はこの考え方に深く共感しています。
そして私は、その「ほんもの」は、その土地の自然や風土、人の暮らしの中で育まれた「土着」の文化や営みの中から生まれるものだと思っています。
綾町には「ほんもの」を大切にしている人たちがたくさんいます。そんな人たちと話し、知らなかった価値観に触れ、気づけば知識も経験も増えました。
すると、「本当の私」がだんだんと見えてきて、好みも明確になり、生きることがどんどん楽しくなっていきました。
職場の一つでもある「薬膳茶房オーガニックごうだ」
② 綾町での生活
綾町にはたくさんのイベントがあります。綾雛山まつり、照葉樹林綾マラソン、綾工芸祭り、綾競馬、手づくり文化祭、夏祭りなどなど。
どれも、行政などの補助は最小限で、町民による実行委員会を中心に自分たちの手で作り上げます。
わからないなりに手探りでやってみる。一度経験したらレベルアップしてさらに楽しいことを放り込んでみる。
その光景は文化祭のようで、大変なこともたくさんあるけど、みんなキラキラした眼差しで、青春を送っているように見えました。
そんな綾町の大人たちの姿に影響された若者が音楽イベント「てるはまつり」を立ち上げ、事務局兼デザイナーとして私も一緒に作り上げてきました。
「帰ろう日本の森へ」をテーマに、和太鼓や神楽、餅つき、木登りなどのコンテンツを入れ込んだ文化一体型の音楽フェス。会場には500人もの人が集まり、綾町に新たな風を吹かせました。
第一回てるはまつりの様子(2026.3.21)
綾に来て3年が経ち、人に恵まれ、他ではできないような経験をたくさん積んで成長してきました。
そして今、私は未来のことまで考えるようになりました。
この先、若者が少ない綾町で、先代が大切にしてきた土着の文化と精神を守り、まちを作っていくのは私たちだ。
私はこれまで、指示されたことをやるので精一杯でした。 でもこれからは、未来のためにもっとスキルアップをしなければいけない。 そう思っていたタイミングで、ベトナムに行く話が舞い込んできました。
③ ベトナムに行く理由
今回ベトナムに行くのは、綾町で受け継がれてきた伝統文化である「雛山」を、綾雛山まつり実行委員会のメンバーと一緒にベトナム・ドンタップ省で作り、文化交流をすることが目的です。
綾雛山まつりとは、綾町に江戸時代から伝わる伝統的な雛祭りです。山や川から拾ってきた古木、コケ、花などを持ち寄り、壮大な自然の風景を再現して飾る「雛山」が特徴です。毎年この雛山を見るために町外からたくさんのお客さんがきて、町がにぎわいます。
私は綾町に来てから3回、この「雛山」を作りました。深い森に入って苔を取りに行くのが醍醐味です。これをしてから、森の見方が変わりました。
この文化は、日本人が古来より自然を神聖視し、大切にしてきた「精神の美しさ」そのものです。
綾町から世界へ。激しく移り変わる現代社会だからこそ、この土着の精神文化を、次世代の若者代表という立場で関わると同時に、メディア担当として、写真や映像を用いて記録・発信していきます。
デザインを担当したポスター・パンフレットと雛山
そして私はそこで、町民による復元プロジェクトで復元された「綾神楽」を奉納します。
綾神楽には長年受け継がれてきた「一番舞」があり、そこから専門家を招き、綾神楽復元プロジェクトで復元されたのが「弐番・花の舞」です。
日本文化を受け継ぐ当事者として、綾町の美しい花の舞を、完成された雛山の前で精いっぱい舞いたいと思います。

④ ドンタップという場所とつながり
今回文化交流する舞台はドンタップ省にある有機農業のコミュニティ高専。これが実現したのは、伊能まゆさんという方の存在があってこそです。
伊能さんはベトナムで有機農家の支援・教育を続けている日本人で、現地NPO「Seed to Table」の代表であり、 IFOAM JAPAN(国際有機農業運動連盟の日本の組織)の事務局長でもあります。何より、綾町のことを心から愛してくださっている方です。
伊能さんを中心に、これからアジア圏の有機農家をつなげていくプロジェクトが動き出します。そこで綾町は自然生態系農業の町として重要なポジションを担うことが増えてくると思います。
単なる「物流任せの発展」ではない、お互いの顔と心が見える「心のつながった発展」を草の根から支えていくこと。 世界はつながっているからこそ、綾だけに縛られず、もっとグローバルに大切な価値観を広げていきたい。今回のベトナムはその第一歩となると思っています。

私はこれまで、綾手づくりほんものセンターの応援リポーターや食養講座の活動を通して、綾のほんものの森・農・食を取材・発信してきました。
2024年には、イタリアで行われたスローフード世界大会に日本代表メンバーの一員として参加。綾の自然生態系農家を紹介する多言語版パンフレットをデザインし、世界へ届けました。
世界中には綾と同じように、「ほんもの」を届けようとしている人たちがいっぱいいます。 人それぞれ信念をもっていて、思いが重なると世界を動かす大きなパワーになります。
小さな「ほんもの」を、大きなパワーへ。メディアやデザインで世界に貢献していきたいと思います。
イタリアで行われたスローフード世界大会
⑤ 返礼品について
今回の挑戦を応援してくださる皆さまには、以下のようなリターンをご用意する予定です。
返礼品は、「綾」と「ドンタップ」の魅力を実際に手に取って感じてもらえるものを中心に考えました。応援してくださる皆さまにも、この交流の輪に加わっていただけたら嬉しいです。

いただいたご支援は、返礼品としてだけでなく、現地の農家さん・生産者さんへの還元にもつながるよう、大切に活用させていただきます。
⑥ 渡航概要
- 渡航期間:2026年8月16日(日)〜8月30日(日)
- 行き先:ベトナム・ドンタップ省と周辺地域
- 主な活動:雛山づくり、綾神楽奉納、現地有機農家との交流・取材、文化交流の記録・発信
⑦ なぜ、クラウドファンディングに挑戦するのか
正直に言うと、ベトナムへ行くだけなら、自分でお金を貯めて行けばいいと思っています。しかし今回は、自分のためだけの旅ではありません。
私自身の名前で責任を持ってこのプロジェクトを全うするために、クラウドファンディングという手段を選びました。
自分のお金ではなく、皆様から託していただいたお金を使う。それには、これまでにない大きな責任が伴います。この挑戦を通して、その責任をしっかり背負える人間になりたい。それも、今回のクラウドファンディング自体が、私にとっての新しい挑戦です。
守るものが少ない24歳だからこそ、失敗を恐れず飛び込める。現場で泥だらけになって学び、それを綾町へ持ち帰ることが、今の私にしかできない役割だと思っています。
資金の使い道は、文化交流活動の準備・資材の輸送費、約3週間の現地取材・記録活動にかかる費用(撮影機材の購入費含む)、渡航滞在費、プラットフォームづくりのための費用として大切に活用させていただきます。
世界は、思ったより近くて美しい。
土地に根ざした文化や農、人の営みには、国を越えて通じ合う力があると信じています。
綾で学んだことをベトナムへ。そしてベトナムで学んだことを、もう一度綾へ。
この旅を「行って終わり」にせず、記事や映像、デザインという形で未来へつないでいきます。
未来を担う一人として踏み出すこの挑戦を、応援していただけたら嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。
目に見えない根っこ(心)がつながれば自立も共生も多様性も生まれるはずだ
綾と出会った大学3年の時の作品





コメント
もっと見る