■ 自己紹介
はじめまして。hugkumi+の室水です。
hugkumi+は2014年に創業し、今年で12年目を迎えました。ヘアケアとスキンケアの「cocone」、赤ちゃんのための「anone baby」、妊活・妊娠・子育ての「konome」。女性のライフステージに合わせた商品を、オンラインショップでお届けしてきた私たち。
そして2026年12月、新たに紅茶ブランドを立ち上げます。日本人が、日本の水と日本人の味覚を基準に選び抜いた紅茶です。
このブランドには、私自身だけではなく、たくさんの人の挑戦が込められています。産地への支援についてお話をする前に、まずはこのブランドが生まれるまでの想いとこだわりを、少しだけ聞いていただけたら幸いです。
◇ 私について

私はブランドマネージャーとして、本当にたくさんのお客様にインタビューをしてきました。商品のことだけではなく、その人の生活や価値観そのものに焦点を当てて聞くことを大切にしています。
結婚、妊娠、子育て、仕事、介護。たくさんの方から話を聞くうちに、女性には自分と向き合わなければならないタイミングが何度も訪れるのだと感じました。
向き合わないといけないのは分かっている。でも日々に追われて、その時間が取れない。
じつは私自身も、その一人でした。
悩んでいたのは、自分のキャリアについてです。hugkumi+に新卒で入って8年。長く働いて、ある程度は仕事ができるようになって、そのころから「私が本当にしたいことって何だろう」と考えるようになりました。ただただ頑張り続けた20代でした。このまま会社に残るのかを、毎日のように迷っていました。
30歳の節目に、新しいことをやりたい。
そう思って、会社を辞めますと代表に伝えました。返ってきたのは「それなら新しい事業をやってみなよ」という言葉でした。そこから、自分が何をしたいのかに真剣に向き合うようになりました。
そうして浮かんできたのが、これまで話を聞かせてくださったお客様のことだったんです。自分のためだけに使う時間を、大切にしてほしい。
決めたのは、紅茶の事業でした。
■ プロジェクト立ち上げの背景
◇ 紅茶に人生を賭けた、ひとりの日本人

紅茶を事業にすると決めたとき、山口さんというスリランカ在住の日本人に出会いました。
もともとは金融の仕事をしていた方です。コーヒーを一日3杯飲むのが日課で、紅茶はペットボトルをときどき買う程度。紅茶とは縁もゆかりもない暮らしでした。
ところがある日、実家から送られてきたセイロンティーを飲んで、その美味しさに驚いたそうです。友達や職場の人に配ってみたら、みんなが大絶賛。
きっかけは、本当にそれだけだったそうです。山口さんは金融の仕事を辞めて、紅茶のメーカーに転職しました。配属されたのは営業で、飛び込みとテレアポでセイロンティーを売り歩く毎日だったと言います。
そして去年、山口さんはスリランカに移住を決意。現地で会社を立ち上げ、いまはコロンボで茶葉の買付をしています。コロンボのティーオークションは、スリランカ法人で、なおかつ参加資格を持つ会社しか入れません。
一度申請を断られ、会社の形を作り直し、輸出の実績を積んでから再挑戦したとのこと。資格が下りたのは2025年12月。サイクロンの直後でした。現地のオークションで茶葉を競り落とすティーバイヤーと、その品質を見極めるティーテイスター。ふつうは別々の人間の仕事で、山口さんはその両方を一人で担っています。
山口さんのnoteでの発信を見て、「この人と一緒に組みたい!」と思いSNSでコンタクトをとりました。
◇ スリランカという土地
そんな山口さんが住むスリランカという土地。いったいどんなところなんでしょう?
国土は北海道の8割ほど。決して大きな島ではありません。ところが島の中央に山岳地帯があって、標高2,000メートルの高地から海沿いの低地まで、およそ700の茶園が点在しています。産地は大きく七つに分かれ、標高が変われば同じ紅茶でもまるで違う味になります。
スリランカでは年間およそ24万トンの紅茶が作られ、そのほとんどは世界へ輸出されます。輸出量は世界第三位。紅茶はこの国の暮らしを支える大きな産業です。実は日本で飲まれている紅茶も6割ほどがスリランカ産なんです。
スリランカはかつて「セイロン」と呼ばれていました。その名を受け継いだのが「セイロンティー」です。
この名前を守るためスリランカには国として「紅茶局」があります。つくられた紅茶のほとんどがコロンボのティーオークションに集められますが、出品できるのは農薬の量や水分の量など、紅茶局が定めた厳しい基準を満たした茶葉だけです。「セイロンティー」というブランドは、国として守られてきました。
◇ 日本の水で、日本人の舌で美味しいと思うものを
紅茶の産地では、硬度の高い水で淹れるのが当たり前です。ところが同じ茶葉でも、日本の軟水で淹れると、香りの立ち方も渋みの残り方もまるで変わります。現地でおいしい紅茶が、日本でもおいしいとはかぎらないのです。
そして、日本人特有の「旨み」という味覚。現地で茶葉を選べる立場にいて、しかも日本人の舌を持っている。この両方を備えた方を、私たちは山口さんのほかに知りません。
◇ 200〜300種類を飲んで、一つの商品をつくる
紅茶をひとつ商品にするために、山口さんは200〜300種類の茶葉を試飲します。同じ茶園の茶葉でも、摘んだ時期や標高、その年の雨の降り方によっても味や香りが変わります。
私たちの紅茶はひとつの茶園の茶葉だけでつくるのではなく、複数の茶葉を配合してつくっています。ひとつの茶園では出せない深みと、毎年ぶれない味を、日本の水と味覚を基準にして組み立てていきます。ここがいちばん時間のかかる仕事です。
◇ 実際に日本で淹れて、飲んでみました
山口さんから届いた茶葉を、日本の水で淹れて飲みました。
最初のひと口で、紅茶ってこんなにおいしいんだと衝撃を受けたんです。香りが部屋に広がって、「何飲んでるの?」と人が集まってきました。
さらにその紅茶を飲み続けて、手元になくなったときに、別の紅茶を淹れてみたんです。そこで初めて違いを実感しました。比べてみて、自分たちの紅茶はやっぱりおいしいと思ったんです。
なにが違うんだろうと思って、袋を開けて中を見てみました。茶葉が大きいんです。

紅茶は茶葉が大きいほど、渋みが出にくくなります。スリランカでは茶摘みを手で行うことが多く、枝の先の柔らかいところ、一芯二葉と呼ばれる芽と二枚の葉だけを摘み取ります。それを葉の大きさごとに選り分けていく。その手間の分だけ、渋みの少ない紅茶になります。
すごく単純なんですが「この美味しい紅茶をたくさんの人に飲んで欲しい!」と、心から思いました。
◇ 私たちが選んだのは、ハランガラ茶園でした
1870年から、150年以上つづいているスリランカのハランガラ茶園(Harangala)。
場所はキャンディです。スリランカの紅茶は標高で三つに分けられていて、キャンディはその真ん中の「ミディアムグロウン」にあたります。なかでもハランガラは標高1,163メートルと、高地のヌワラエリヤに近い高さにあるので、そのぶんすっきりとした味わいになります。
2019年には、この茶園のOP1等級(茶葉の大きさによる等級のひとつ)が西部ミディアムグロウンのカテゴリで近年史上最高値をつけています。渋みが少なくて、熟した果実のような風味がします。
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設立:1870年
産地:スリランカ・キャンディ(ミディアムグロウン)
標高:1,163メートル
年間製茶量:約50万キロ
認証:ISO 22000/HACCP
ISO 22000とHACCPの認証を受けた工場で、日本の残留農薬基準に適合した茶葉をつくっている茶園。
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◇ その茶園のある地域を、サイクロンが襲いました

2025年11月28日、サイクロン「ディトワ」がスリランカを直撃しました。全25県が被災し、被災者は230万人を超え、643人の方が亡くなりました。被害がとくに大きかったのは、紅茶の産地でした。スリランカ政府高官は、紅茶の生産量が最大35%減少する恐れがあると発表しています。
(出典:共同通信 2025年12月25日/公益社団法人 日本アジア友好財団 現地レポート 2026年2月10日)
ハランガラ茶園よりーー
「あのときのことは、茶園の全員にとって、極めて困難で、忘れがたい期間でした」
Cyclone Ditwah in November 2025 was an extremely difficult and unforgettable period for everyone at Harangala Estate.
降り続いた雨で、畑は水浸しになり、土が流れ、地滑りの危険が出ました。立ち入れなくなった区画もあって、茶摘みが止まりました。道が傷んで、茶園の中を動くことさえ難しくなったそうです。
工場も止まりかけました。その中でも心配だったのは、建物の被害よりも、生葉を安全に工場まで運び続けられるかどうかだったといいます。

それだけではありません。紅茶の生産者やその家族の暮らしにも甚大な被害を与えていました。
ハランガラ茶園よりーー
「中部山岳地帯の多くのプランテーションの集落が、洪水と地滑りで深刻な被害を受けました。家を失った家族もいて、交通・食料・電気・生活に必要なサービスへのアクセスに苦労しました」
Many plantation communities in the central hills were severely affected by flooding and landslides, with some families losing homes and facing difficulties with transport, food, electricity and access to essential services.

サイクロンの直後、山口さんは自ら物資を積んで被災地へ向かったんだそう。
土砂崩れでキャンディまでは辿り着けず、避難所になっていた寺院に食料と水を届けたそうです。
◇ 茶園は、いま
雨が止んだら終わり、という話ではありませんでした。
傷んだ区画を戻し、通れなくなった道を片づけ、土の状態を整える。安全に茶摘みを再開できるようになるまで、丁寧に手を入れないといけない場所もありました。摘採を元のサイクルに戻すのは一晩でできることではなく、少しずつ進めるしかなかったそうです。
工場のほうは、入ってくる生葉の量と質に、生産をどう合わせるかが課題でした。畑が乱れれば、工場も計画を変えなければならない。いつもの基準を保つために、畑と工場が何度もやりとりを重ねたといいます。

そして、ここでも中心にあったのは人でした。働く人とその家族の多くが、自分たちも被災していたからです。全員が安全に日常のリズムに戻れるようにすること。それが復旧のいちばん大事な部分だったと言います。
ハランガラ茶園よりーー
「この経験が教えてくれたのは、復旧とは物理的な損傷を直すだけの話ではない、ということです。茶園のリズムを取り戻し、人を支え、紅茶の品質を保ち続けること。それが復旧です」
The experience has taught us that recovery is not simply about repairing physical damage — it is about restoring the rhythm of the estate, supporting our people and ensuring that the quality of the tea remains consistent.
いまは、少しずつ全体の一貫性を取り戻しているところだそうです。
◇ この茶園の紅茶を買い続けることが支援へとつながる。

新しいブランドが「被災地を支援します」と言うのは、正直、おこがましいと思っていました。それでも動くことにしたのは、これが誰かのための支援ではなく、自分たちの紅茶そのものの話だと気づいたからです。
すでに私たちは、今回お届けする分の茶葉を買い付けました。皆さまからいただく支援金は、この買付代金と、これからもこの産地から買い続けるための資金にあてさせていただきます。
このプロジェクトで応援していただきたいことが、ふたつあります。
ひとつは、被災したスリランカの産地から、これからも茶葉を買い続けること。150年つづいてきた茶園が、また元どおりに紅茶をつくれるように。
もうひとつは、私と山口さんの挑戦です。紅茶のために単身スリランカへ渡り、おいしい紅茶を日本に届けることに人生を賭ける山口さん。そして、ここから始まる紅茶ブランド。
これは産地の支援であると同時に、私たちの事業の立ち上げでもあります。ただ、この二つは別々のことではありません。紅茶が飲まれ続けるかぎり、私たちは茶園から茶葉を買い続けられます。
■ 現在の準備状況
商品は製造をおえるところです。茶葉の買付も輸入も済んでいて、11月上旬には私たちの手元に届く予定です。デザインの全体は、紅茶の日である11月1日に公開します。
山口さんをはじめ、クリエイティブディレクターやコピーライターの方とも何度も何度も話し合いを重ね、どうしたらこのストーリーや紅茶へのこだわりを伝えられるブランドになるかを考え抜きました。
みなさまに公開する日が待ち遠しいです。

■ リターンについて
<アールグレイ詳細>
容量:2.5g×10個
産地:スリランカ
賞味期限:2029.9
ティーバッグに使われる茶葉の中でも大きく、渋みの少ないFBOPの茶葉を使用。
アールグレイと隠し味の桃が香る紅茶です。このアールグレイには先ほど登場した、ハランガラ茶園の茶葉をブレンドしています。

<ダージリン詳細>
容量:2.5g×10個
産地:インド
賞味期限:2029.9
もうひとつは、インド産のダージリンです。私たちが茶葉を選ぶ基準は、産地ではなく日本の水で淹れておいしいかどうかです。その基準で選んだとき、ダージリンは外せませんでした。
今回採用したのは金色の芽を含む、FTGFOPの茶葉です。ダージリンが本来持つフローラルな香りが引き立つようにあえて香料はつけませんでした。

今回皆様にお届けするのは、アールグレイ・ダージリンともに飲みやすいティーバッグタイプでお届けいたします。
■ スケジュール
2026年10月15日 プロジェクト公開
2026年11月1日 ブランド名・パッケージ公開
2026年11月13日 募集終了
2026年12月1日〜 順次発送
募集期間中は、3日に1回のペースで活動報告をお届けします。現地の様子、紅茶づくりの話、パッケージの公開まで、準備の過程をそのままお伝えしていきます。
■ 資金の使い道
茶葉の買付・輸入費用(今回お届けする分)
→約27%
来季も同じ産地から買い続けるための資金
→約44%
リターンの製造・梱包・配送費
→約10%
CAMPFIRE手数料
→17%+税
■ リスクとチャレンジ
商品はすでに製造過程に進んでいますが、天候・輸送・通関の状況によって発送が遅れる可能性があります。その場合は活動報告で速やかにご報告し、あらためて納期をお知らせします。
■ 最後に
お湯を沸かして、自分のためだけに淹れる紅茶。日々、さまざまなことに追われる中でも、淹れてから飲み終わるまでのひとときを、最高のものに。
スリランカの山では一年をかけて茶葉が育ちます。遠い話のようですが、飲み続けることでしか続かない関係です。私たちがこれからも買い続けられるのは、飲んでくれる人がいるからです。
被災から立ちあがろうとしている、150年つづいた茶園。紅茶を日本に広めたくて、単身でスリランカに渡った山口さん。私たちがこのブランドを広めていくことは、この人たちの応援にも繋がります。
産地のことや支援のことをここまで書いてきましたが、いちばん言いたいのは単純なことです。ぜひ、私たちの紅茶を飲んでほしいです。





