「親亡き後」の不安から始まった、くるみの会
私たちNPO法人くるみの会は、重症心身障害といわれる重度の知的障害と肢体不自由の障害のある子どもたちの保護者、支援者が集まり、2013年より活動してきました。
医療的ケアの必要な子どもたちも「地域で安心して遊ばせたい」。
将来にわたって、生まれ育ったところで「豊かに安心して暮らしていけるようにしたい」。
その思いを込めて「くるみの会」という名前をつけ、「居場所づくり」の活動からスタートしました。
2026年度 総会
1970年まで、障がいの重い子は「就学猶予」「就学免除」という名目で学校に行けませんでした。
「ぼくは、オムツをしてでも学校に行きたい」
「私は教科書がほしいのではなく、友だちがほしいの」
そんな声は届きませんでした。
学校に行けない子にも、教科書だけは届いていたのです。
1979年、養護学校の義務制となり、障がいのある子どもたちも学校に通えるようになりました。
しかし、通学、排泄、食事、移動は保護者の介助が条件でした。
重度の障がいがあり、医療的ケアが必要な子どもなど、親の付き添いが難しい子は、通学をあきらめなくてはならない状況もありました。
2000年になって学校に看護師が配置され始めたり、スクールバスが増車されたりして教育条件は改善されました。
それでも、保護者の負担と不安は多く残りました。
その中でも、最も大きな保護者の不安は、
「親亡き後の我が子の生活」でした。
そして、それは現在も軽減できていない状況です。
そこで2013年、豊明市近辺の保護者が集まり、
「親亡き後の我が子の生活には課題がある。でも、まずは医療的ケアの必要な重度障がいの子どもでも、長期休業中や放課後に友だちと楽しく安全に過ごせる放課後等デイサービスをつくろう」
と、NPO法人くるみの会を立ち上げました。
2013年度 総会
「学校を卒業したら、行くところがない」
くるみの会は、最初の6年間、放課後等デイサービスのみの事業を行っていました。
しかし、ある切実な声がありました。
「学校卒業後は、放課後デイは利用できず、行くところがない」
子どもたちは、ゆっくりと大きくなり、大人になります。
ひとりの青年として「社会に参加」するのです。
「どんなに重い障がいがあっても、地域で豊かに安心して暮らしたい」
それは、大切で切実な、でも当たり前の願いです。
そこで2019年、学校卒業後の青年たちの活動の場所として、生活介護事業所「来夢」と日中一時支援事業所「ぷりん」を開設しました。
「学校卒業後も、生まれ育ったところで豊かに生きがいをもって生活していけるようにしたい」
そんな思いからでした。
そして2025年には、相談支援事業所「のわ」をつくりました。
現在、私たちは、
* 放課後等デイサービス「くるみ」
* 生活介護「来夢」
* 日中一時支援「ぷりん」
* 相談支援事業所「のわ」
の4つの事業所を運営しています。
医療的ケアの必要な子どもたち、青年たちも安心して通うことができる場所をつくってきました。
生活介護 来夢 紐を引いてみんなでサツマイモの収穫
生活介護 来夢 多肉植物の水やり
放課後等デイサービス くるみ 積み木遊び
「くるみがあってよかった。なかったら、うちの子は行く場所がありません」
あるお母さんから、こんな言葉をいただきました。
「くるみがあってよかった。なかったら、うちの子は行く場所がありません」
車いすで重度の障がいがあり、医療的ケアが必要で……
となると、バリアフリーの環境、安心してケアを受けられる看護師さん、そして何より、子どもらしく遊び、一緒に育つことができるお友だち、それを支えるスタッフが必要です。
福祉の制度が少しずつ充実し、通える場所の設定はされても、実際にその場所に行けるかどうか。
障がいの重い子どもたちほど難しいという現実があります。
だからこそ、私たちは「地域で一緒に育つ」ことを大切にしてきました。
豊明市の作品展出店の記念撮影
「ぼくね。来年から、はたらくんだよ。」
ある18歳の青年が、こんな言葉を話してくれました。
「ぼくね。来年から、はたらくんだよ。学校とくるみ(放課後デイ)卒業するから。」
彼は、くるみの会がスタートして最年長の子です。
彼が特別支援学校高等部3年生を卒業する年に合わせて、18歳以上の青年たちの活動の場所として「生活介護 来夢」を開設しました。
卒業後の生活を、安心して楽しみにすることができる。
「はたらく」という気持ちを持って、社会に参加していける。
私たちは、そのことを支える場所をつくりました。
「卒業したら、来夢に通えるようになりませんか?」
高等部1年生のお子さんのお母さんからは、こんな言葉もありました。
「卒業したら、来夢に通えるようになりませんか。この子に合う場所だと思うんです」
来夢の事業所を見学し、利用を希望されたお母さん。
それは、わが子の卒業後の生活、社会への参加のためのお母さんの取り組みでした。
ただ通うだけではなく、本人が楽しく、充実した過ごし方ができるように。
そんな切実な母の思いがあります。
くるみの子供が卒業に向けて
来夢の製品つくりを体験しています
高校3年生 特別支援学校の生徒 生活介護来夢で施設実習「どうする、定員を超えてしまう。場所も狭くなっている」
私たちは、身体に障がいがあっても、手工芸品や畑、ビニールハウスなどを活用し、一人ひとりの得意なことや、できることに合わせて、さまざまな仕事をつくっています。
可能な限りマルシェにも出店し、地域の方々とつながってきました。
障がいがあるから「支援されるだけ」ではなく、
役割を持ち、誰かに必要とされ、自分らしく生きる。
そんな活動を目指しています。
この理念に賛同して、たくさんの方に利用していただけることは、私たちにとって大きな喜びです。
しかし、その一方で、大きな問題が生まれました。
生活介護「来夢」は、開設当初6人だった利用者が、現在23人、来年度には25人を予定しています。
約4倍です。
ありがたいことに、それだけ多くの方に必要としていただいています。
しかし、現在の施設は賃貸物件です。
利用者が増えるにつれて、施設のスペースは限界に近づいています。
車いすの方がすれ違うことができない。
トイレの前に順番待ちの行列ができてしまう。
活動したくても、十分なスペースがない。など…。
スタッフも知恵を出し合い、工夫を重ねています。
それでも、利用者の皆さんに我慢をしてもらっている状況です。
天候により、狭い室内で歩行訓練をしなければいけない状況
狭くても活動をあきらめたくない
工夫してなんとか継続しています
雑多な中でもそれぞれの作業をしています
「土地を買って、施設を建てよう」
「現在の施設規模では、これからの利用希望者を受け入れることができない」
「トイレの順番待ちをしなくてもよいように、トイレを増やそう」
「広い活動場所を確保しよう」
「歩行訓練もできる廊下があるといい」
「医療的ケアの必要な利用者のために、ベッドがあるといい」
これは、スタッフをはじめ、利用者本人たちから出た声です。
定員を増やせるように。
安心して活動できる環境を整えるために。
そして、災害時には地域の福祉型避難所として、地域の福祉の拠点となれるように。
私たちは総会で、「くるみの会として、新しく土地を購入し、新施設を建設しよう」と決議しました。
大きな決断でした。
そして、私たちは実際に土地を購入しました。
地主さんのご理解とご協力をいただき、豊明市や愛知県の行政の方々のご支援とご指導のおかげで、建設許可申請も受理されました。
新施設建設予定地で記念撮影
「2億円」という大きな壁
私たちが目指している新しい施設。
そこでは、車いすでも自由に移動できる広い空間。
トイレの順番を待たなくてもよい環境。
ゆったりと活動できる場所。歩行訓練もできる廊下。
医療的ケアの必要な方のためのベッド。
そして、宿泊訓練などができるショートステイの機能。
そんな環境を整えたいと考えています。
施設の活動や内容を「バリアフリー」にすることはできます。
しかし、もう一つ、大きな壁があります。
建設費です。
この物価高の時勢の中で、いくら無駄な部分を削ったとしても、建設費は2億円を超える見積もりとなりました。
この金額は、私たちにとって本当に大きな壁です。
建設費用のために、法人の資金を投入しています。
行政からの補助金も活用します。
金融機関からの借り入れも検討しています。
保護者や家族、関係者の方々にもご協力をいただいています。
私たちにできることは、できる限り取り組んでいます。
それでも、足りません。


「ショートステイ たると」の開設
新しい施設では、重い障がいや医療的ケアが必要な方も安心して利用できる、「ショートステイ たると」を新たに開設します。
「たると」は、定員3名・全室個室の少人数で過ごせるショートステイです。一人ひとりが落ち着いて過ごせるよう、プライバシーにも配慮した環境を整えます。
また、医療的ケアが必要な方にも対応できる体制を整え、医療的ケアが必要な利用者がいる場合には、看護師を配置します。
施設にはエレベーターを設置し、車いすの方も安心して移動できる環境を整えます。さらに、非常時に備えてスプリンクラーも設置し、安全面にも配慮した施設づくりを進めます。
障がいのある方やご家族が、安心して「ここに預けられる」と思える場所を。
そんなショートステイを、地域の中につくっていきます。

大原事業所の全体パース
大原事業所 住所:愛知県豊明市栄町大原62-8
それでも、あきらめたくない。
私たちがつくりたいのは、単なる「新しい建物」ではありません。
どんなに重度の障がいがあっても。
医療的ケアが必要であっても。
地域で仲間と一緒に育ち、活動し、暮らしていける場所です。
「学校を卒業したら、行くところがない」「障がいが重いから、できることが限られる」「親がいなくなったら、この子はどうなるのだろう」
そんな不安を、少しでも減らしたい。
そして、「生まれてきてよかった」と思える人生を歩んでほしい。
そのための場所を、私たちはつくりたいのです。
看護師は常時配置して必要なケアをしています
医療的ケアが必要な利用者も積極的に活動に参加しています
どうか、私たちに力を貸してください。
重度障がいのある子どもたち、青年たちが、「障がいがあるから、あきらめるしかない」ではなく、「生まれてきてよかった」と思える人生を歩めるように。
家族が、「この場所があってよかった」と思えるように。
そして、地域の中で、誰もが当たり前に豊かに安心して暮らしていけるように。
私たちNPO法人くるみの会は、これからも重度障がいのある子どもたちや青年たち、ご家族、そして地域のために、関係者一同、全力で活動していきます。
今回のクラウドファンディングは、その大きな一歩です。
目標金額は500万円です。
建設費2億円を超える事業から見れば、大きな金額ではないかもしれません。
それでも、一人でも多くの方にこの現状を知っていただきたい。
一人でも多くの方に、この場所の必要性を知っていただきたい。
そして、「この場所をなくしたくない」「この子たちの未来を応援したい」と思ってくださる方と、一緒に未来をつくっていきたいと思っています。
皆さまからいただいたご支援は、重度障がいのある方の安心できる居場所、家族の安心、そして未来の福祉につながります。
どうか、くるみの会の大きなプロジェクトに力を貸してください。
「やがてくるみらいを、豊かで明るいものに」
皆さまのご理解とご支援を、心よりお願いいたします。










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