日向との縁
私は宮崎県日向市で生まれ、兵庫県宝塚市で育ちました。
大人になって仕事で宮崎を訪れたことをきっかけに、足を伸ばして日向まで来ました。そこから、この町との縁が再び始まりました。
先祖のお墓があったことや、この町で過ごした懐かしい記憶もあり、それから十数年にわたって何度も日向へ足を運んできました。
そうして通い続けるうちに、いつか日向へ移住したいと思うようになり、移住するなら自分で仕事をし、独立開業したいと考えるようになりました。
そして昨年末、長年日向とのつながりの一つでもあった先祖のお墓が墓じまいされたことを知りました。そのちょうど同じ時期に、現在「蕎麦とお酒 ゆゑ」を営んでいる物件と出会いました。
長年この土地へ通い続ける理由の一つだったお墓がなくなるタイミングで、今度は店を開くことになる物件と出会ったことに、不思議な縁を感じました。
その後、それまで難しいと思っていた開業への道が思いがけずうまく進み、2026年3月に日向へ移住。5月に「蕎麦とお酒 ゆゑ」を開業しました。

蕎麦屋飲みができる場所
日向で作りたかったのは、ただ蕎麦を食べるだけの店ではありません。
一品料理を肴にお酒を重ね、最後に蕎麦で締める。そんな昔ながらの「そば屋飲み」ができる店です。
十数年にわたり日向へ通う中で、お酒を飲みながらゆっくりと料理をつまみ、最後に蕎麦を食べられるような店があったらいいのに、と以前から思っていました。
日向への移住と独立開業を考える中で、その思いを形にするために蕎麦屋で修行し、友人の店を間借りして営業するなど、開業に向けた経験を積んできました。
そして2026年5月、以前から日向にあったらいいと思っていた「そば屋飲み」ができる場所を、カウンター六席の小さな店「蕎麦とお酒 ゆゑ」として形にしました。

こだわりの蕎麦と一品料理
当店の蕎麦は、挽き分けた三種類のそば粉と、二か所以上の産地の蕎麦を組み合わせ、独自に配合して打つ十割蕎麦です。六席だけの小さな店を一人で切り盛りし、一品料理も一つ一つ丁寧に仕込んでいます。日本酒やワインも料理や蕎麦との相性を考えながら選んでいます。

開業三か月で感じたこと
開業してから三か月、さまざまなお客様に足を運んでいただきました。
「人生で一番の蕎麦だった」「この蕎麦は一流だ。」「日向にこんなお店があるなんて奇跡」「そば屋で飲む楽しさを初めて知った」「この店に来て日本酒が好きになった」「音楽も雰囲気も最高」「日向市でここでしか飲めないお酒のチョイスが良い」「この店をできるだけ長く続けてほしい」「日向でなくてはならない店。絶対に残して欲しい。」
そんな言葉をいただくこともありました。
最近では遠方からのお客様にも少しずつご来店いただくようになり、全国各地の蕎麦を食べ歩いているという方から高い評価をいただくことも増えてきました。
自分が作りたかった店を形にして始めた店でしたが、営業を続ける中で、この場所や蕎麦を楽しみにしてくださる方がいることを知りました。
こうした言葉をいただく中で、この店を続けるために、自分にできることはやってみようと思うようになりました。

現実と、まだ試していないこと
しかし経営は非常に厳しい状況が続いています。六席の小さな店を一人で営業する中で、売上を安定させるまでに想定以上の時間がかかっています。昼の仕事と並行しながら営業してきましたが、資金的にこのままでは営業を続けることが難しくなってしまいました。
一方で、まだこの店で試していないことが残っています。現在の限られた設備では、提供できる料理や仕入れられるお酒にも制約があります。冷蔵設備をはじめとした店内設備を整え、料理や蕎麦の選択肢、お酒やソフトドリンクのラインナップを広げることで、これまでできなかった営業の形にも挑戦できるようになります。
今ある店の良さを残しながら、設備やメニューを新たに整え、この店をもう一段強くする余地がまだ残っていると考えています。

二度目のクラウドファンディングへの想い
今回が二度目のクラウドファンディングです。前回は目標金額に届きませんでしたが、いただいたご支援をもとに、足りないものは工夫しながら揃え、実際に店を開くところまでたどり着きました。
正直、二度目のクラウドファンディングには、自分の中で強い抵抗がありました。一度応援していただいたにもかかわらず、もう一度支援をお願いしていいのだろうか。店を続けられないのであれば、それも一つの結果として受け入れるべきではないか。そう考え、閉店することも具体的に考えていました。
店を閉めることになれば、おそらく私は日向を離れることになると思います。
それでも、まだこの店でやってみたいことがあります。そして何より、「この店を残してほしい」と応援してくださる方がいる中で、自分から先に匙を投げて諦めてしまうことだけはしたくないと思いました。
まだできることが残っているなら、それをすべて試した上で、この店の答えを出したい。そう考え、もう一度だけ挑戦することにしました。
まず50万円、そして100万円へ
今回のクラウドファンディングでは、まず50万円を第一目標とします。50万円に届かなかった場合は、ご支援いただいた資金を受け取らない方式で挑戦します。
第一目標の50万円は、今回の挑戦を実行に移すための最低ラインと考えています。手数料を差し引いた資金から、現在不足している冷蔵設備などを整え、食材や酒類の仕入れ、店舗運営に必要な支払いに充てさせていただきます。
しかし、50万円では十分な運転資金まで確保することはできません。そのため、第一目標を達成した場合は、ネクストゴールとして100万円を目指します。
100万円までご支援いただけた場合には、設備やメニューを新たに整えた上で、一定期間営業を続けるための運転資金を確保します。店をもう一段強くし、新しい営業の形を軌道に乗せ、この店が日向で商売として成り立っていくのかを見極めるところまで挑戦したいと考えています。
この100万円ですべてが解決するとは考えていません。開業からまだ三か月。この店が日向に根付き、商売として成り立っていくのか、その答えを出すにはもう少し時間が必要です。
第一目標の50万円は、そのための挑戦を続ける最低ラインです。ここに届かなければ、店を続けることは難しいと考えています。
だからこそ、まずはこの50万円を達成し、まだできていないことを一つずつ形にして、この店を続ける可能性に挑戦したいと考えています。

可能性に挑戦する
この三か月で、思い描いていた通りにはいかない現実も十分に知りました。それでも同時に、この店だからこそ届けられるものがあり、それを受け取ってくださる方がいることも知りました。
だから、今ここで終わりと決めるのではなく、もう一度、この店を続けるために挑戦します。すべてを試さないまま店を閉めて日向を離れるのではなく、まだ試していないことがあります。私にも、まだお客様にお出しできるものがあります。
この挑戦に共感していただける方に、応援していただけましたら幸いです。
最後に
開業してから今日まで、店に足を運んでくださった皆さま、SNSを通して見守り、応援してくださっている皆さま、本当にありがとうございます。
十数年にわたって通い続け、いつか暮らしたいと思っていた日向へ移住し、この場所で自分の店を開きました。
2022年からの自分の人生は、この移住と開業のためにすべてを捧げてきました。ここまでたどり着くまでに、失ってきたものもたくさんあります。それでも、その過程で自分が得てきたものを、今この店で提供しているつもりです。
実際に移住し、店を始めたことで初めて分かったこともたくさんありました。この先どのような結果を迎えるとしても、この一連の経験が、これから地方への移住や、その土地で商売を始めることを考えている方にとって、一つの実例として、何かの参考になればとも思っています。
「蕎麦とお酒 ゆゑ」を日向で続けていくために、この挑戦にご協力いただけましたら幸いです。ご支援だけでなく、シェアや拡散にもご協力いただけましたら、大きな力になります。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
蕎麦とお酒 ゆゑ 店主 安部陽比古







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