70歳、電動車いす。メルボルンで1か月暮らします。
2025年、私は電動車いすでストックホルムへ一人旅をしました。あのときの私は、「一人でどこまでできるんだろう」ということを確かめたいと思っていました。できるだけ人の手を借りずに、自分でできることは自分でやりたい。どこかで、そう思っていたのだと思います。ところが、ストックホルムで暮らしてみると、その考えが少し変わりました。困っていると、誰かが自然に手を貸してくれる。分からなければ聞く。できなければお願いする。助けてもらったら、「ありがとう」と受け取る。それでいいんだ、と思いました。何でも一人でやらなくてもいい。必要なときには人の力を借りながら、自分が心地よくいられる形をつくればいい。ストックホルムで、そんなことを感じました。

こんにちは。「1ミリ冒険家」の近藤和子です。

今年、70歳になります。生後10か月でポリオに感染し、首から下に重い麻痺が残りました。今は電動車いすが私の足です。できないことは、たくさんあります。だから、「できない。じゃあ、どうする?」と考えながら暮らしてきました。頑張らない。無理しない。面白がって、とりあえず1ミリ。大きな一歩でなくていい。ほんの1ミリでも、自分で選んで動けば、景色が少し変わる。そんな「1ミリ冒険」を続けています。
前回の旅と、その先
2025年、前回のクラウドファンディングでは、126人の方から780,777円の応援をいただき、電動車いすでストックホルムへ一人旅をしました。帰国後、その経験は本『勇気は1ミリあればいい』、写真展、報告会、講演へと広がりました。あの旅は、私一人では実現できませんでした。たくさんの方に力を貸していただいたからこそ、私が想像していなかったところまで、旅が続いていきました。

なぜ、今もう一度旅に出るのか
70歳を前にして、ふと思いました。私が一人旅をできるのは、あと何回だろう。日に日に体力は落ちてくるし、できないことも増えていく。でも、まだ行きたい国はたくさんある。見てみたい世界も、まだまだあります。だから最初は、「動けるうちに行こう」と思いました。でも、考えているうちに、もう一つ思いました。一人で旅ができなくなったら、それで旅は終わりなんだろうか。いや、そうじゃない。一人でできないことが増えたなら、そのときは誰かにお願いすればいい。助けてもらいながら旅をすればいい。そうやって旅ができるなら、75歳でも、80歳でも、まだ知らない世界を見に行けるかもしれない。だから今回のメルボルンでは、そこもやってみたいと思っています。一人でできなくなっても、旅は終わらない。その可能性を、自分で確かめてみたいのです。
でも、自分のことになると簡単ではありませんでした
「人に頼るのが苦手」「お願いするのが苦手」「迷惑をかけたくない」そんなふうに思って、つい一人で頑張ってしまうことはありませんか。私はこれまで、そんな人に、「助けてもらうことは、相手に助ける喜びを渡すことでもあるんだよ」と話してきました。でも今回、2回目のクラウドファンディングを考えたとき、私自身が立ち止まりました。「また皆さんにお願いしていいのかな」前回もたくさん助けてもらった。また「力を貸してください」と言っていいのだろうか。「これくらい自分で何とかした方がいいんじゃないか」そんな気持ちも出てきました。人にはあんなことを言っているのに、自分のことになると、やっぱり難しい。だから今回は、そこからやってみようと思いました。
旅をつくるところから「一人で頑張らない」
今回のテーマは、「一人で頑張らない」です。これは、メルボルンに着いてから始まる話ではありません。クラウドファンディングも。航空券やホテルを探すことも。電動車いすで利用できる場所を調べることも。分からないことを誰かに聞くことも。全部、今回の旅の一部です。自分でできることは、自分でやる。でも、分からなければ聞く。難しければお願いする。そして、助けてもらったら「ありがとう」と受け取る。今回の私の1ミリは、そこから始まります。
なぜ、メルボルンで1か月暮らしたいのか

観光地をたくさん回るより、その街の日常の中に少し入ってみたいと思っています。スーパーへ行く。公共交通に乗る。公園で過ごす。カフェで休む。疲れた日は何もしない。ストックホルムで暮らしたとき、場所が変わると、自分の中の「当たり前」も少し違って見えることを知りました。だから、もう一度、違う国の日常の中に自分を置いてみたい。今度はメルボルンで。電動車いすの私が、どんな毎日を過ごすのか。何ができるのか。何に困るのか。どんな人と出会うのか。短い旅行では分からないことも、約1か月暮らしてみれば見えてくるかもしれません。そして私は、本当に「助けてもらっていい」と思えるようになるのか。それも、実際に暮らしながら確かめてみたいと思っています。

今回の旅に必要な費用について
もし電動車いすでの旅でなければ、航空券や宿泊費をもっと安く抑えられる可能性があります。でも私の場合、安さだけで選ぶことはできません。長時間のフライトは身体への負担が大きいため、今回はビジネスクラスを利用する予定です。往復航空券は約60万円。ホテルも、電動車いすで室内を移動できる広さや、入口、浴室、トイレ、ベッド周りなど、安全に暮らすための条件が必要です。約27泊で70万円前後を見込んでいます。航空券とホテルだけで約130万円。このほかに、・現地での交通費、食費、海外旅行保険、通信費などが必要になります。豪華な旅行をしたいから高くなるのではありません。電動車いすで安全に暮らすためには、「安ければどこでもいい」という選び方ができない事情があります。こうしたことも、今回の旅を通してお伝えしていきます。

100万円をお願いしたいと思っています
今回の旅全体に必要な費用は、約150万円を見込んでいます。そのうち100万円を、今回のクラウドファンディングでお願いしたいと思っています。いただいた支援金は、CAMPFIREの手数料やリターンに必要な経費を差し引き、航空券・宿泊費を中心に、今回の旅の費用として大切に使わせていただきます。私自身も、本の販売や講演などをしながら準備していきます。でも今回は、「全部、自分で何とかしなきゃ」とは思わないことにしました。だから、ちゃんとお願いします。この旅を実現するために、力を貸してください。
今後の予定
2026年秋クラウドファンディング実施
クラウドファンディング終了後〜出発まで航空券・ホテルなどの手配、旅の準備、活動報告
2027年2月ごろメルボルンに約1か月滞在
帰国後オンライン帰国報告会、対面での報告会や交流、リターンのお届けなどを予定しています。
体調や交通事情などによって、予定を変更する場合があります。無理はせず、安全を最優先に進めます。
最後に
前回のストックホルムでは、「一人でどこまでできるだろう」と思って旅に出ました。今回は、「一人で頑張らない」をやってみます。クラウドファンディングも、旅の準備も、メルボルンでの暮らしも、全部ひっくるめて今回の旅です。体力も、できることも、これから少しずつ変わっていくと思います。それでも、まだ見てみたい世界があります。一人でできなくなったら、それで終わりではない。誰かにお願いして、助けてもらいながら進めばいい。そうやって旅を続けられるなら、メルボルンで終わりにするつもりはありません。体力がある限り、また別の国へ行って、その国で暮らすように過ごしてみたい。それが75歳なのか、80歳なのかは分かりません。でも、できる範囲で、これからも次の1ミリを続けていきたいと思っています。まずは、その次の1ミリとしてメルボルンへ。そのために、皆さんの力を貸してください。

1ミリ冒険家 近藤和子



