フラットなバッグってどんなバッグ?
「フラットなバッグ」のフラットは、ユニバーサルファッションや障がいの垣根を越えて分け隔てのなくファッションを楽しむという意味です。
一見ただのバッグに見えますが、このバッグはパーツを自由に組み合わせてカスタマイズできたり、
車いすにぴったりなサイズで一瞬で車いすが可愛くなるという2つの特徴を持ったバッグです。
このプロジェクトタイトルの「違いを楽しむ」の“違い”は、カスタマイズできるバッグで自分だけの組み合わせで人との違いを楽しむという意味で、「みんな違うのがあたりまえ」の“違う”は障がいを持った人もそうでない人も、みんなが違ってあたりまえ、同じ人なんていないという意味です。
障がいを持った人、そうでない人の壁を越えて分け隔てのないファッションを発信することで、私たちの目指す福祉に対する社会の在り方そのものにもつながっていくと信じています。
この「フラットなバッグ」から偏見や差別のない社会を広げていきたいです。
そして、一人でも多くの人がファッションを楽しむ世界をつくっていきたいです。
ごあいさつ
はじめまして、望月まいです。
高校3年生の17歳、埼玉県出身です。現在新潟の学校に通っていて寮生活をしています。実家は埼玉にあり、中学のころから両親に進められて寮生活をしていて平日は新潟、週末は埼玉という2拠点生活をしています。
趣味はギターと服作りです。
幼いころからファッションが好きで自分のブランドをつくりたいと思い、高校生になってすぐに事業の準備を始めました。日本政策金融主催の第5回高校生ビジネスプラン・グランプリで優秀賞をいただいたことも後押しとなり、高校2年生の時にファッションブランドの運営などを行う株式会社Recno(レクノ)を立ち上げました。今後もRecnoでバッグだけでなく様々なファッションブランドを展開していく予定です。
ファッションブランドをつくりたいと思ったきっかけ
私がファッションに興味を持ったのは小学生の時。よくおじいちゃんに連れて行ってもらっていた大きいショッピングモールでいつもかわいい服やバッグ、小物を見ていて自分でもこんなかわいいものを作ってみたい!と思ったのがきっかけです。
小学生の私が自分でも作ってみたいと思ったのは裁縫も好きだったからです。好きな教科は図工で、もともと工作や絵をかくのが好きでしたが、ものづくりの中でも特に布を使って何かを作る裁縫が好きでした。私は小学1年生から3年生まで学童保育に行っていたのですが、そこでは友達がいなくていつも一人でいました。特にすることもなくボーっとしている私に学童の先生がフェルトでキャラクターのマスコットを作って見せてくれて、それを先生と一緒に作り始めたのがきっかけです。最初から先生が作ったようなマスコットは一人では作れなかったので、直線縫いしかないコースターばかり作っていました。慣れてくるとボタン付きの小物入れを作ったり、マスコットを作ったり、学童で友達がいない寂しさも忘れるほど夢中になった裁縫でした。
小学生の頃はよく、自分の欲しい服やバッグのデザインや、服屋さんで見たかわいいアイテムを思い出してノートに描いていました。そのころから、ファッションアイテムのデザイナーになりたいと思い始めました。小学校の卒業文集に書いた、ファッションデザイナーになる夢は今も変わっていません。
【小学校の卒業文集】
デザインをするのはもちろん、作るのも好きだし、すでにある服でコーディネートするのも好きなので、ドラマや映画の衣装さんやスタイリストにもなりたいです。ブランドのプロデュースから販売やスタイリングまで、ファッション業界の仕事なら何でもしてみたいと思っています。
私はファッションが好きですが、自分がおしゃれをするというよりも誰かをおしゃれにしたり、私の作ったもので誰かがファッションを楽しむことが自分の本当にやりたいことだと思っています。自分がファッションを楽しむのは勿論、誰かがファッションを楽しんでそれによってファッションが好きなおしゃれな人が増えていく、それが私のファッションの世界で働きたい目的です。ファッションが好きといっても、自分がおしゃれをしてファッションを楽しんでそれで満足だったら、こんなに強くファッション業界で働きたいとは思っていないと思います。ファッションの楽しさをほかのだれかと共有して、その人が幸せになった時が私の一番幸せな瞬間です。ファッションで人が幸せになれる時間をつくりたいと思い、自分のファッションブランドがあればそれが実現できるのではないかと思いました。
なぜバッグ?
ファッションアイテムの中でも私が特に魅力を感じたのがバッグです。
バッグはいくつか持っていても、お仕事や休日のお出かけ、旅行、少し荷物が多い日など使うシーンによって違うバッグを持っているだけで、バッグに変化を持たせることは難しい…。
その日の服に合ったバッグを持つだけでなんだかおしゃれに見える。小物にアクセントがある人っておしゃれに見えますよね。バッグが違うだけで、いつものファッションよりもひとつレベルアップ、そんなバッグをつくりたいと思いました。
いくら新しい服を着たり、今までとは違った雰囲気のものにしたりしても、いざ家を出るときに持ったバッグはいつもと変わらない...もし、毎日服をコーディネートするようにバッグもその日のファッションに合わせてコーディネートできたら、ファッションがもっと楽しくなると思い、「カスタマイズ・バッグ」にたどり着きました。
高校生で起業した理由
【日本政策金融主催 第5回高校生ビジネスプラングランプリの最終審査会でのプレゼンテーション】
中学生の時に自分のファッションブランドをつくりたいと思っていた時、たまたま当時読んでいたファッション雑誌で、高校生で起業して活躍している方のインタビューを見ました。その掲載自体はすごく小さかったのですが、私はそれを見て高校生でも会社を作って自分の好きなことを仕事にできるんだと大きな衝撃を受け、自分も高校生になったら絶対にファッションブランドを立ち上げようと決めました。大人になって立ち上げるよりも高校生のうちに立ち上げた方が、自分のファッションブランドという学校以外の世界を持つことができて楽しそうだなと思いました。学校が嫌いだったわけではありませんが、中高一貫校のため高校受験もなく、高校生の生活が大体想像できていたのでバイトが禁止の私の学校で学校だけの世界にとどまっているのはつまらないなと何となく感じていました。
ファッションブランドをつくりたいと思い、高校1年生の時にビジネスの勉強をしながらブランド立ち上げの準備を始めてから、起業には個人事業主と法人の大きく2種類あると知りました。ファッションブランドをやるうえで大手企業や百貨店などと取引をするときに、法人でないと取引をしてもらえないこともあるため、ブランドの信頼なども考えて株式会社で法人化することにしました。会社設立の資金には今まで1円も使わずに貯金していたお年玉を使いました。小さい頃はお年玉で欲しいものを買いたいと思っていましたが、今思えば変なおもちゃを買わず、自分の会社を設立できたので、大事に貯金してくれていた両親には感謝しています。
ファッションが好きな人、みんなが楽しめるように
私は自分のブランドで、ファッションを楽しめる人が1人でも増えること を大きな目標に掲げています。ファッションが好きなのに、思うように楽しむことが出来ない、そんな人もファッションを楽しめるブランドをつくりたいと思っています。
ファッションを楽しみたいのに楽しめない人、それは経済的な問題だったり、体の不自由だったり、いろいろな理由があります。
その中の、今私が解決できる問題のひとつは、ファッションを楽しみたいのに楽しめない、体の不自由な方の問題です。ファッションアイテムを少し工夫するのだけで、ファッション性が高いまま体の不自由な人も使いやすいアイテムが出来ると思いました。
そこで、たくさんの人にこのバッグを使っていただきたいという思いから、車いすユーザーの方も使いやすいユニバーサルファッションの工夫も加えました。ユニバーサルファッションというとどうしてもファッション性を妥協してしまってる部分もあることが多いのですが、このバッグはファッション性の部分を妥協せず、且つ、車いすユーザーさんも使えるデザインを研究して作りました。
このバッグは車いすユーザーの方向けに作ったものではなく、おしゃれを楽しみたいすべての女性に向けて作ったものです。普段私たちが使っているバッグにもほんのひと工夫すればこのバッグのように車いすユーザーの方も使いやすくなる、そんなひと工夫の優しさを加えたバッグです。
ただファッションが好きで、おしゃれなものを作るのはだれにでもできます。でも、そのおしゃれなものもひと工夫加えるだけでもっとたくさんの人がおしゃれを楽しむことができると思いました。
このひと工夫こそ、ユニバーサルファッションだと私は思っています。
ユニバーサルファッションというと、障がい者や高齢者向けの、機能性を重視したファッションを思い浮かべ、普段から身近に感じるものではありません。障がいを持っている方は若い方もいれば、子供、お年寄り、男女、様々です。体に不自由があるからといってファッションを楽しめない、ファッションを楽しむことに不自由さを感じる現実があるのは、ファッションを楽しむひとが1人でも増えることを目標にしている私の大きな課題だと思いました。そして、障がいを持った人の自分とは違うところばかり見てしまい、どこか壁を感じてしまうのも社会的な課題だと思っています。
このバッグを作るうえで、どのような工夫をしたら車いすユーザーの方も使いやすくなるのか、実際に車いすユーザーの女性の何人かの方に直接ヒアリングを行いました。
そこで感じたのは、それぞれ車いすに乗っている理由も違えば、障がいの重度も違う、“違うことがあたりまえ”なのだということです。その違いも受け入れ、みんな同じようにファッションを楽しむことができる世界を目指しています。
カスタマイズで違いを楽しむ、障がいを持っている人もそうでない人もみんな違うのがあたりまえなフラットなバッグができたので、たくさんの方に使っていただけると嬉しいです。
カスタマイズ・バッグ&ブランド紹介
バッグが大きく3つのパーツに分かれて、ファスナーをスライドさせるだけで簡単に付け替えができる、カスタマイズ・バッグ。
このバッグのブランド名はSCEGLISTY(シェリスティ)です。
Scegliereというイタリア語の"選ぶ"という言葉と、英語のStyleを合わせて、カスタマイズ・バッグ ブランドらしく、「選べるスタイル」という意味のブランド名にしました。
SCEGLISTYのロゴです。シンプルで品のある大人な雰囲気にしてみました。
現在はレディース向けのデザインだけですが、今後、メンズ向けのバッグも作っていきたいです!
このバッグでの「カスタマイズ」は、もちろん自分でバッグのパーツを組み合わせることができるという意味ですが、一般的にカスタマイズ商品というと、工場で製造する段階でお客さんの好みのパーツの組み合わせを聴いて製造するオーダーメイドの形など、「高価格」や「大変そう」のイメージが多いと思います。
でも、このカスタマイズ・バッグはすでにあるパーツをお客さんが選ぶだけ。
パーツを1つでも変えるだけで、雰囲気ががらりと変わるので、その変化も面白いです。
SCEGLISTYのカスタマイズ・バッグ 第一弾!!
今回リターンとしてお送りさせていただくバッグはこちら。
A4サイズが入る大きさ
ほかにも500mlのペットボトルや折り畳み傘も余裕で入ります!
カスタマイズできる2つのパーツは、ホワイト、ネイビー、ピンクの花柄の3種類
バッグの前面部分のパーツ(Front)と、バッグの口の蓋の部分(Flap)を3種類から選べます。
バッグの前後
後ろには外ポケットがついていて、携帯電話やICカードなどすぐに取り出したいものが入ります。
本体の色のホワイトをベースに、ネイビーと花柄を好きな形に組み合わせて楽しめます。
<組合せパターン例>
私のおすすめの組み合わせパターンを集めました。
組合せパターンはなんと、全部で9パターン!!
パーツの付け外しはこのファスナーで。ワンタッチで簡単!
さらに、ショルダーストラップもついているから肩から掛けて、両手をあけることも。
A4サイズが入るのに、ショルダーバッグにしても自然なサイズ感。
そして、私がこのバッグを作った中で一番みなさんに見てほしい場所、フラップ。
このフラップ、一見ただのバッグの蓋ですが、なんとポーチにもなるんです!!
小物を入れたり、バッグinバッグとして使ったり…
このフラップにもショルダーストラップを付けることができるので、こんな感じの小さなショルダーバッグとしても使えます!
車いすにもぴったりなサイズ感!
車いすストラップをプラスするだけで、おしゃれな車いす用バッグにもなる!
このストラップは長さ調節が可能で、いろいろな車いすに柔軟に対応できます。
A4サイズがはいるバッグで、車いすの後ろにも掛けられるおしゃれなバッグってなかなかなく、少しでも大きいと横のタイヤと擦れてしまったりして、安定感のあるサイズを探すのは難しいのです。
バッグの持ち手も長すぎず、膝に乗せたときも顔の前で持ち手が邪魔ということもないようにしました。
実は、このカスタマイズ・バッグは私が中学2年生の時にデザインしたものです。このバッグを思いついた時に、これを商品化してブランドをつくろう!と思ったのが私の全ての原点とも言えます。
中学2年生の時に描いたバッグのデザインです。パーツをファスナーでつなぎ合わせてバッグにするというかたちは今のバッグと変わっていません。
デザインをもとに、自分で作った試作品です。
その頃のこのカスタマイズ・バッグでブランドをつくるという夢が5年経った今叶おうとしているのが少し不思議です。夢って実現できるんだ…と初めて実感しました。
ファッションというと、だいたい洋服を想像しますが、私は、ファッションコーディネートは小物選びが鍵を握ってると思っています。
着ている服がシンプルでもアクセントになる小物を身につけているだけで、雰囲気が全く変わります。
そんなファッションの小物マジックをカスタマイズ・バッグで世の中に広めたいのです。
バッグがカスタマイズできるという点は、小物マジックの大きなポイントです。バッグが3つのパーツに分かれていて、色々な柄や素材のものを組み合わせることができるものなので、その日のファッションに合わせて変えたり、カスタマイズだからこそできる世の中にない素材の組み合わせを楽しめたりします。
車いすユーザーの方の声を直接聞きました!
このバッグを車いすユーザーの方にも快適に使っていただきたいと思い、ヤマハ発動機株式会社の電動車いす部門の方や、実際の車いすユーザーの方々にご意見をいただきながら、バッグをつくっていきました。
特に、車いすユーザー団体のヤマハJW女子の皆様は若い女性の方々なので、ファッション面なども含めてとても参考になるご意見をいただくことができました!
障がいのある方がバッグを使う時にどんなことに不便を感じるのか、直接お話を伺ってみないとわからないことが多くあり、とても勉強になりました。
ファッション性と使いやすさの機能性を両立させながらデザインしていくのは難しかったですが、みんなが使いやすい、優しいバッグに出来上がりました。
バッグをつくってくださっている方々
このカスタマイズ・バッグを一つ一つ丁寧につくってくださってるのは
東京都日暮里にある株式会社ドニードさん
二度のサンプル製作を通して、より良いバッグになるように試行錯誤を重ねました。
<1つ目のサンプル>
<2つ目のサンプル>
細かい部分ですが修正に修正を重ねて、今まで多くのブランドのバッグを作ってきた工場の方とお話しながら、理想のバッグになるようデザインを繰り返しました。
いよいよ製造!
こだわりにこだわった結果、工場とバッグの打ち合わせを始めてから約半年後、やっと商品が完成しました!!!
最後に
これからも、このバッグを通して、一人でも多くの人がファッションを楽しめる世界をつくっていきたいです。
今はまだカスタマイズできるパーツの種類も少ないですが、今後たくさんの種類でもっと個々の個性を出せるカスタマイズ・バッグ、自分にぴったりなバッグが見つかるブランドをつくっていきたいと思います。
そして、社会の問題や言葉では伝わらないなにか大切なものを、ファッションを通して伝えられる存在になりたいです。
これからも、経営者として、デザイナーとして、ブランドの発展のために日々頑張ります!
応援よろしくお願いいたします!!
株式会社Recno
代表取締役 望月まい
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