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徳島県上勝町のスギ材(端材)でつくった、ちょっぴり変わったつみきを届けたい!

komorebi(こもれび)は、「てるぺん(徳島県上勝町産)」というつみきをつくるときに出る端材(スギの間伐材)からできています。一辺がナナメになっているので、アーチにしたり、曲げて積んだり、平らに並べたり、自由な遊び方ができます。このつみきを通して、たくさんの新しい関係性がうまれますように。

現在の支援総額

1,131,500

113%

目標金額は1,000,000円

支援者数

170

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2019/01/12に募集を開始し、 170人の支援により 1,131,500円の資金を集め、 2019/02/24に募集を終了しました

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支援者数170

このプロジェクトは、2019/01/12に募集を開始し、 170人の支援により 1,131,500円の資金を集め、 2019/02/24に募集を終了しました

komorebi(こもれび)は、「てるぺん(徳島県上勝町産)」というつみきをつくるときに出る端材(スギの間伐材)からできています。一辺がナナメになっているので、アーチにしたり、曲げて積んだり、平らに並べたり、自由な遊び方ができます。このつみきを通して、たくさんの新しい関係性がうまれますように。

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ごあいさつ

はじめまして。兵庫県にある尼崎市というまちを中心に、さまざまな地域プロジェクトを立ち上げたり、まちの人たちと一緒につくったりしている「尼崎ENGAWA化計画」の藤本遼です。

※当方に関心を持ってくださった方は、ぜひ以下のリンクより活動などをご覧ください。
https://greenz.jp/2017/12/05/people_fujimotoryo/
http://www.hyogo-intercampus.ne.jp/sugoist/interview/fujimotoryo


活動領域は、「まちづくり」や「コミュニティデザイン」、「地域活性」と呼ばれる分野。大切にしていることは「できるだけ多様な人たちと一緒に楽しく遊ぶこと」、そのことを通して「人やもの、場所の価値や可能性が広がったり、高まったりすること」です。

今回、そんなぼくが関わっているのがこの「komorebi(こもれび)」プロジェクト。どのような経緯でこのプロジェクトが立ち上がり、進んできたのか。少し長くなりますが、ご紹介をさせていただきたいと思います。


「komorebi」とは?

いきなりですが、こちらが「komorebi」です。


ななめに積むことができるのは、一辺がななめになっているから。どうしてこうなっているのか。それを説明するには、徳島県の上勝町についてご紹介する必要があります。

徳島県上勝町は人口約1,500人のまち。葉っぱビジネスやごみゼロの取り組みでも有名な地域です。


そんな上勝町には、地元のスギ材を活用した「てるぺん」というつみきがあります。

つくっているのは、田上さんという方。10年以上前から「てるぺん」をつくりはじめられました。変わった形で、大変人気のつみきです。


そんな「てるぺん」ですが、つくる際に端材が出てしまいます。それが、一辺がななめになった形状の端材なのです。

あまり行き場のなかったこの端材を、なんとかみなさんに届けることができないか。そんな思いでスタートしたのが、このプロジェクトです。

プロジェクトのはじまりは、とある仕事で藤本が中岡さんの元を訪ねたときのこと。中岡さんは、もともと尼崎市内の中学校で教員(教頭)をしていた方で、今回のプロジェクトのパートナーです。


彼を訪問したとき、ふと、机の上に並べられていた端材が目に入ってきました。

「これ、なんですか?」
「上勝町からもらってきてるスギの木やねん。」
「かわいいですね。」
「そうやねん。なんとかうまい使い道を考えたいねんけど。」
「なるほど。ぜひ、一緒に考えさせていただきます!」

そこからゆっくりとした歩みでしたが、半年ほどかけて一緒にプロジェクトを進めてきました。

中岡さんは、30年前に教員になられました。そしてずっと、尼崎市の子どもたちとともに過ごしてこられました。

そんな中岡さんがどうして上勝町に関わっているのか。教員という仕事を通してなにを感じ、どのようなチャレンジをしてきたのか。このプロジェクトにどのような可能性を感じているのか。中岡さんに人生の話をお聞きするところからはじめたいと思います。


30年間の教員生活で感じてきたこと

わたしが教員になったころ、世間はバブルの絶好機でした。モノ、カネ、情報があふれかえっている中で、わたしはその不自然さを感じていました。そのころ、ふと手に取った本の中に「ペンローズの三角形」が載っていました。

それは、一見立体として成立しているように見えるけれど、決して存在しない立体。見れば見るほど不自然さを感じる物体。それは、大量生産と大量消費が繰り返され、そのことを疑わずに生きているわたしたちの社会のようでした。

さまざまな情報がインターネットを通じて得られ、さも自分が世の中のすべてを知り尽くしているような錯覚に陥ってしまっている人たちが、周りには多くいました。

そのような社会の中でこそ、本来あるべき姿、形を伝えていくことが必要ではないか、そう考えるようになっていきました。

「命の尊さとつながり」、「生きる素晴らしさと厳しさ、死の重さ」、「自然の摂理」、「形は変わりつつもつながり続ける命の循環」、こうしたことを学ぶことが、今の子どもたち、そしてわたしたち自身に必要なのではないか。これらのことを学校の枠を超えて学び、次の世代に伝え、受け継いでいくことが必要なのではないかと。

また一方で学校の中では、親や友達との人間関係で悩んだり、今の授業のあり方についていけなかったりする子どもたちがいました。彼らに能力や資質がないというわけでは決してない。だからなにか別のところで、子どもたちに備わっている可能性を活かすことができないか、そう思ってもいました。

こうした思いで「ネイチャークラブ」という団体をスタートさせ、学校の内外を横断しながら、環境教育や命の教育に取り組むようになっていきました。


自分たちの生きるまちの環境を、自分たちの手でより良くしていこう。そんな思いで、尼崎の川・運河・海の環境改善や、森づくり・地域美化・緑化活動などに取り組んできました。活動を通して、思いを共有し合える仲間がたくさん生まれました。それは、とてもうれしいことでした。

様々な活動を通して、運動や勉強が苦手だった子どもたちも自分たちがまちを美しくしているという自覚と誇りを感じてくれるようになりました。また、自然と関わることで自己肯定感も高まり、周囲に対する優しさや思いやりのある行動がとれるようになっていきました。さらに、物事を損得で考えるのではなく、良いか悪いかで判断できる心、自分がなにをすべきか考える態度も育まれていきました。


上勝町との出会い

わたしが上勝町と出会ったのは、10年ほど前でした。長年、活動を一緒に続けてきた協力者の方から「素晴らしいまちがあるよ」と紹介され、訪れたのが最初のきっかけでした。ごみゼロの取り組みをはじめ、300年以上昔の棚田の風景を今でも残し、訪れる人々に命の営みを実感させてくれる上勝町。わたしはすぐにその魅力にとりつかれ、それ以来ずっと関わるようになりました。

ネイチャークラブの子どもたちと一緒に上勝町に通い続ける中で、地元のスギの木を使ってつみきをつくっている方に出会いました。それが「てるぺん」であり、田上さんでした。スギの香りの成分が癒しを与えてくれたり、免疫力を高めてくれたりする。そんな素晴らしい特性も田上さんに教えてもらいました。

 

「てるぺんの端材を使って、なにかしてみたい」。

 

わたしは、次第にそう思うようになりました。

 

いくつかの端材を持ち帰って、子どもたちに見せると、香りや木目、形、触れ合う音に大きな興味を示してくれました。木片を昆虫の形に並べたり、動物の形、高い塔、アーチに積み上げたりして、自由に思い思いのつみきを楽しみながら物語までつくってしまうこどもの姿に、感動しました。


また、一つ一つ違う木目や色の木片をきれいに並べ、これはチーズケーキ、これはチョコレートケーキ、これはカステラ、こっちはメロンパンなどと言いながら、ケーキ屋さんをはじめる子もいました。そんな子どもの発想力や観察力に、素晴らしい可能性を感じました。

普段コミュニケーションが苦手な子どもたちが、木片を使って楽しそうにつみきあそびをしている。こんな景色が、もっとたくさんの場所に広がらないだろうか、そう、強く思うようになっていきました。

だけど、このことはきっと子どもたちだけではない、一方ではそんなふうにも思っていました。木片一つ一つを見つめ、手にとって触れながら積み上げたり、並べたりすることを通して、自分の思いや価値を見出すことができる時間は、きっとむしろ大人にこそ、大切なのではないかと感じています。


名前をつけた日

ある春の爽やかな日のことでした。屋外の大きな木の下で、木片を様々な形に並べたり、積み上げたりしていました。木片の隙間から太陽の光がこどもたちを照らしていました。子どもたちが、何にも縛られずに自由に思いを形にする姿に、幸福や平和を感じることができ、心が大きく揺さぶられました。


このとき、「komorebi」という名前が、浮かびました。


これからも、より多くの人たちにこのつみきを通じて、自由で幸せな時間を過ごしてほしいと思います。そして、その幸せな時間の中で人間と自然の「自然な関係」に、気づいてほしいと思っています。


komorebiが生み出す価値

ぼくは中岡先生を尊敬しています。教え子ではないけれど、とても素敵な先生だと思っています。彼が人生を通じて感じてきたこと、これからやっていきたいこと、そのお手伝いが少しでもできればと思って、関わらせていただいています。


「komorebi」は、たくさんの価値を生み出してくれるプロダクトです。


①尼崎市と上勝町の子どもたちが交流できる
売り上げの一部(利益の10%)は、上勝町と尼崎の子どもたちの人材交流の資金になります。ツアーをし、お互いがお互いの場所を行き来することで、新しい発見や居場所づくりに寄与できればと考えています。

②自然環境の維持に貢献できる
国産のスギ材を使用しており、かつその端材を使用する商品ですので、非常に自然環境にもよいものになります。「komorebi」を通して、自然の循環を学び、国産材に関心を向けるきっかけになれば、うれしいです。

③障がいのある方の仕事をつくります
商品の加工(磨き上げと箱詰め)は、尼崎の就労継続支援の事業所(NPO法人サニーサイドさん)と協力して行います。少しではありますが、彼らのお仕事づくりにも寄与できればと考えています。

④使い手の創造性を養います
普通のつみきとは異なり、かなり面白い組み方、積み方が可能です。その分、自分で考えることが求められます。創造性やチームワーク、美的センスを磨くことができます。子どもだけではなく、大人の方にもご利用いただけます。


「komorebi」は、「未完成の状態」で届きます。箱の中には、サンドペーパーを同封しています。最後、仕上げとして思いのままに磨いていただいて、みなさんのオリジナルなものにしてください(こちらで障がいのある方々がキレイな状態に磨いてくださっていますが、商品の性質上、どうしても小さな小傷が残ったままになります)。

最初から完成している必要はない、いや、むしろいつまでも完成することなんてなくてもいい。自分で関わっていくその姿勢こそが、愛着を生むことにつながるし、わたしたちが生きていくということなのかもしれません。


資金の使い道

いただいた資金(売り上げ)は、デザイン費、制作費、そして障がいのある方のお仕事へのお礼や、子どもたちのツアーの代金などに使用させていただきます。


さいごに

まず、ここまでお読みくださいまして、本当にありがとうございます。長ったらしい文章で、失礼いたしました。

個人的に、今回の「komorebi」というプロダクトは、社会的な価値は多分にあるように感じています。しかし、良いことなんだから買ってください、支援してください、ということではないと思っています。

冒頭に申しましたように、楽しいこと、ワクワクすること、そして心から必要だと感じることにこそ、人は関わった方がいいと思うし、それこそが幸せにつながるのではないかと思っています。

ただ、もしこの文章をお読みいただき、どこか感じ入るところがあれば、「自分には必要ないや」と思われる方も、身近にいらっしゃる「komorebi」を必要としてくださりそうな方に、この物語を共有いただけますとうれしいです。

「価値がないと思われているものにまなざしを向ける」ということは、今、わたしたちが生きていく上で、大切な姿勢だと思っています。活かされなかった可能性の中にこそ、未来を楽しくできるヒントがあるように思っています。それはぼくの個人的な思いですが、そんな思いにも共感してくださると大変うれしいです。

「komorebi」プロジェクト、ぜひ応援いただけるとありがたいです!どうぞ、よろしくお願いします。

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