日本が世界に誇る作家、
丸山健二『完本 丸山健二全集』英訳本を世界に発信したい!


・日本の純文学作家、丸山健二氏
〈丸山健二氏・2018年5月長野にて〉

1943年、長野県生まれ。
1966年にデビュー作『夏の流れ』で文学界新人賞、並びに芥川賞を最年少で受賞する。
長野県の安曇野在住。
文壇とは一線を画した独自のスタンスで、刺激に富んだ創作活動を続けている。高質で、斬新で、透明感にあふれ、力強く、確信に満ちた文体を、変幻自在に駆使して、新境地を次々に切り拓いてゆく圧倒的な作風は、小説のみならず、言語芸術の世界において他の追随を許さぬ稀有な存在である。主な作品は、『正午なり』『アフリカの光』『ときめきに死す』『千日の瑠璃』『ぶっぽうそうの夜』など

【なぜ丸山作品を英訳したいのか?】
丸山作品の第一印象は、これほど美しく明快な日本語を操る作家が存在したのかという驚きでした。今日、ノーベル文学賞候補と目されている人気作家たちとは根本的かつ文学的に比較を絶しています。
丸山文学はこれまでに、韓国語とロシア語に数作品が訳されただけですが、多くの読者から寄せられた感想には、甘ったれた私小説でしかない日本文学に絶望していたが、丸山文学に接して初めて目を覚まされたという趣旨のことが縷々述べられています。
ではなぜ、丸山作品の英訳出版がこれまで実現されなかったのか。その理由は明白です。氏の文学を彩る日本語表現が豊穣・流麗に過ぎるからにほかなりません。日本文学の最高峰と目される丸山健二氏の作品を英訳し、西欧世界に紹介したいというのが私の40代からの夢でした。その気持ちの背後には、丸山作品こそが真に文学の名に値するものだという確信があったからです。
私自身、丸山文学さえあれば他の作家や作品は要らないと公言するほどで、少々異常なほどの熱中ぶりでしたが、その思いは、76歳になった今も全く変わっておりません。
私は丸山作品の一文一文を記憶するように大切に読んでいます。たとえば……

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争いの樹としての私は
今もなおこの岩石惑星に誕生しつづける
ありとあらゆる命に向けて
こんな言葉を叫びながら
別れを告げるのだ。
「よくぞ生まれし!」
――『完本 丸山健二全集』「争いの樹の下で」第四巻より
※〈山本光伸の職場の机には、丸山健二作品がぎっしりと並べられている〉

【後世に伝えていきたい純文学を、教壇でも】
私は53歳で神奈川県の逗子から札幌に居を移し、地元の北星学園大学で約10年間、「翻訳法」という講座を受け持ってきました。その夏休みの宿題は決まって、丸山作品を読み、感想文を書かせるというものでした。そして折に触れ、生徒たちにこう言っていたのです。
「君たちはまだ実感できないだろうが、若いときにどれだけ小説を読んでいるかで人生が変わる。1年に100から200冊読め。それを5年続けろ。そうすれば君たちは絶対に生まれ変われる。ただし、いくら読んでもただ楽しいだけのエンターティンメントでは時間の無駄だ。目線を上げろ。志を高く持て。まともな純文学を読みなさい。そして、純文学の名に恥じない作品は、丸山文学を措いてほかにないということをしっかりと理解するように。私はいずれ、氏の作品が英訳され、世界の文学ファンに受け入れられ、ノーベル文学賞を受賞すると信じている。だからこそ、君たちにこのような宿題を出しているんだ!」
まあ、体のいいアジテーションですが、私は心の底からそう信じています。

【奇跡の電話、夢への一歩に】
忘れもしない昨年の5月10日、丸山氏から直接弊社に電話が入り、全集の刊行を依頼されました。「奇跡だ、奇跡が起こった!」と社員全員が小躍りし、口々に歓呼の声を挙げたのもご理解いただけるでしょう。何しろ代表の山本自身が丸山作品の熱狂的なファンで、「日本の作家は丸山一人いれば十分だ。ノーベル文学賞に相応しい日本人作家は丸山しかいない」と、社員の皆が日頃から、耳にたこができるほど聞かされていたのですから。本当に、これは奇跡的な展開だったのです。翌日、弊社の社員が長野県の丸山氏宅を訪れ、全集刊行の契約が成され、その2日後には私が長野へ向かいました。
丸山氏から依頼された全集は、『完本 丸山健二全集』https://hakurosya.ocnk.net/product-list/2と題し、全百巻という大ボリュームであるだけでなく、氏が全作品を改稿する、つまり書き直すという、世界の文学界でも例を見ない試みに打って出たため、完成までに10年余りの歳月を要します。丸山氏75歳、私77歳。10年後にはいったいそれぞれ幾つになっていることやら。我々は今真面目な顔で、文学のために討ち死にしようと話し合っているしだいです!ともあれ、この年になって、これほど意義のある仕事をいただけるとは、本当に全身の震えが止まらないほどの喜びであり光栄なのです。
〈丸山健二氏(左)と山本光伸・2018年5月長野にて〉

【『完本 丸山健二全集』とともに、世界へ踏み出す】
そうして1年と半年が経った今、『完本 丸山健二全集』は予定通り、年に4回配本(3月、6月、9月、12月)され、現在13巻が出版されています。そして、私の40代からの夢だった丸山作品の英訳出版も、ようやく信頼の置ける英訳者が3人見つかり、着々と英訳作業が進行中です。現時点で、『水の家族』、『落雷の旅路』、『いつか海の底へ』の3作の訳出が日本人、カナダ人、アメリカ人によって進められており、来年秋から順次発行し、西欧諸国に紹介していく予定です。
いずれにせよ、このような大仕事は本来、大手出版社の専門分野だったはずで、さて柏艪舎は意気軒昂として全集刊行に取り掛かったものの、編集や校正といった作業面はともかく、資金面で大変な苦難を強いられております。しかし反中央、反権力の旗手といわれる丸山健二氏がこの時点で、吹けば飛ぶような地方出版社に全集刊行を依頼するからこんなことになるんだ、というような嘲笑を浴びる事態だけは避けなければなりません。
それは、ワイドショー的には面白くても、文学的には取り返しがつかないほどの大損失をもたらすことでしょう。私は、5年から7年後にノーベル文学賞を丸山氏にお届けしたいと願っています。それを聞いて、人は笑うかもしれません。それはしかし、その人の無知のせいにほかならないのです。真に文学を愛する人なら誰でも知っていることなのです、丸山健二こそが真に、日本が世界に誇り得る唯一人の作家であることを。
〈2018年10月に札幌で開催した「丸山健二講演会」の様子〉

【高質の文学が知れ渡っていない事実】
ところが、大きな問題が出現しました。それは取りも直さず、丸山健二氏の日本における認知度の低さです。弱冠23歳で、『夏の流れ』によって芥川賞を受賞し、新進気鋭の若き文学者として華々しく登場したのはいいのですが、その後、反中央、反権力、反文壇、反マスコミの立ち位置が鮮明になるにつれ、孤高の作家、異端児などというレッテルを張られて敬遠され、しだいに文壇の片隅に追いやられてしまったのです。
しかしながら、丸山氏は比類なく高質の文学を凄まじいスピードで発表しつづけ、氏こそが文学の王道を歩む作家であることは衆目の一致するところだったのです。とは言え、マスコミに媚びようとしない作家の宿命として、一方で私のような熱狂的なファンがいるものの、その数は数千人でしかなく、ほとんどの人が氏の名前すら知りません。これが宝の持ち腐れでなくしてなんでしょうか。

【『完本 丸山健二全集』これまでの取り組み】
全集写真挿入弊社は去年1年間で、全国新聞その他に『完本 丸山健二全集』発売を告知する広告を複数回打ち、費用はそれだけで優に1千万円を超えてしまいました。普通の商売ならとっくにギブアップしているところでしょう。しかし我々はそれでもなお前に進み続けています。それは、前方に光が見えるからこそできることなのです。
現在、日本文学講座を持つ海外の大学に購入依頼をかけ、スタンフォード大、イェール大、トロント大など、すでに20校余りが購入に応じてくれています。残念なのは、日本の大学図書館の購入数がまだ10校に満たないことでしょう。この状況をなんとか改善しようと、我々は今精力的に動き始めています。
そしてやはり、一番期待を持てるのが、英訳作品が西欧世界で出版されることなのです。しかし諸外国での英訳出版を目前にして問題となるのが、印刷代、翻訳代、広告代、印税などの諸経費です。現在の弊社の実力ではとても対処できるものではなく、なんとか手を打たなければなりません。
そこで考え及んだのが、乾坤一擲、皆様の心意気と善意にすがるクラウドファンディングでした。皆様の協力を得て、丸山健二全集ならびにその英訳出版が可能となり、丸山文学の真価を世界に知らしめることができたなら、私はもう死んでもいい!とさえ思っています。これは夢ではありません。私は見果てぬ夢を語っているわけではないのです。すでに実現可能となった企画にほかなりません。

【丸山文学を全世界へ。目指すはノーベル文学賞!】
全集刊行が軌道に乗り、英訳出版が実現した暁には、英語だけでなく、ヨーロッパの各言語、韓国語、中国語などのバージョンも作成する予定です。
現在、丸山文学の英訳は、時間的かつ金銭的な制約から短編と中編に限られています。氏の傑作は長編が多いのですが、それは同時に英訳の難しさも意味しています。東大教授で翻訳家としても著名な柴田元幸氏から優秀な英訳者を数名紹介されており、順次長編の英訳、そして出版に取りかかるつもりです。言うまでもなく、最終目標はノーベル文学賞の受賞です。すでに外国では、氏がノミネートされているとの噂があるぐらいですから、それほど難しいことではないでしょう。
〈『完本 丸山健二全集』のポスター掲示・札幌市〉

『完本 丸山健二全集』現時点での刊行状況と今後の発売予定】
2017年 9月発売 第1回配本『争いの樹の下で01-04』(計4巻)
2017年12月発売 第2回配本『いつか海の底に05-06』(計2巻)
2018年 3月発売 第3回配本『野に降る星07-08』(計2巻)
2018年 6月発売 第4回配本『月に泣く09』
2018年 9月発売 第5回配本『日と月と刀10-13』(計4巻)
2018年12月発売予定 第6回配本『銀の兜の夜14-15』(計2巻)
2019年 3月発売予定 第7回配本『落雷の旅路16-17』(計2巻)
2019年 6月発売予定 第8回配本『貝の帆18-21』(計4巻)
そして、2027年まで年に4回・計10巻程度を発行し、全100巻となる予定です。

・【プロジェクト経費】
今回のクラウドファンディングでは、300万円を目標金額としています。
使い道は2019年秋から刊行予定の英訳本3作品の印刷費用です。
※英訳本は2019年以降、継続的に出版し、日本国内・海外で販売をする予定です。

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も計画を実行し、リターンをお届けします。支援額に応じて、完成した書籍などをリターンとしてお届けします。


・【プロジェクトスケジュール】
2018年10月 丸山健二作品の英訳を開始
2019年5月 順次訳了、編集作業開始
2019年11月~2020年10月 丸山健二作品英訳本を順次発行(『水の家族』『落雷の旅路』『いつか海の底に』)
※発行順は変更することがあります。
2019年11月~ 丸山健二作品の英訳本を全世界に発信!

・【リターン品(お礼の品)】
ご支援いただいた金額に応じて、下記のお礼を予定しています。

5,000円
お礼のメール

5,000円
柏艪舎特製『完本 丸山健二全集』しおり1枚。
しおりのセレクトは柏艪舎にお任せください。

7,000円
お礼のメール、柏艪舎特製『完本 丸山健二全集』しおり2枚セット。
しおりのセレクトは柏艪舎のお任せください。

10,000円
お礼のメール、柏艪舎特製『完本 丸山健二全集』しおり 5枚セット
〈柏艪舎特製『完本 丸山健二全集』しおり 〉

30,000円
お礼のメール、柏艪舎特製『完本 丸山健二全集』しおり5枚セット+柏艪舎のおすすめ本を1冊提供 or 丸山健二氏のサイン入り丸山健二氏の既刊本を1冊提供
※おすすめ本は、お送りする前にご希望のジャンルをお伺いしますので、国内文芸・海外文芸・ノンフィクション・北海道の本の中からお選びください。本のセレクトは柏艪舎にお任せください。
※丸山健二氏の既刊本のセレクトは柏艪舎にお任せください。サイン入りの既刊本には支援者様のお名前は入りません。
〈丸山健二氏のサイン入り既刊本の一例〉

50,000円
お礼のメール、柏艪舎特製『完本 丸山健二全集』しおり5枚セット+柏艪舎のおすすめ本を3冊提供 or 「丸山健二作品英訳本」の第一作目を1冊提供
※おすすめ本は、お送りする前にご希望のジャンルをお伺いしますので、国内文芸・海外文芸・ノンフィクション・北海道の本の中からお選びください。本のセレクトは柏艪舎にお任せください。
※第一作目は、2019年秋以降に発売予定です。

100,000円
お礼のメール、柏艪舎特製『完本 丸山健二全集』しおり5枚セット+山本光伸が支援者様のためだけにセレクトした柏艪舎の本を5冊提供 or 丸山健二氏のサイン入り「丸山健二作品英訳本」の第一作目を1冊提供
※セレクト本は支援者様のご希望ジャンルに合わせて5冊をお選びします。
※第一作目は、2019年秋以降に発売予定です。
※サインの際、支援者様のお名前も書いていただきます。

300,000円
お礼のメール、柏艪舎特製『完本 丸山健二全集』しおり5枚セット+文芸翻訳家 山本光伸の翻訳家養成通信講座4回分(通常3万円)で受講
※文芸翻訳家養成校インターカレッジ札幌の通信講座となりますので、国内外を問わずどこにお住いの方でも大丈夫です。毎回、翻訳の訳稿をご提出いただき、山本が丁寧に添削・評価を行ないます。

500,000円
お礼のメール、柏艪舎特製『完本 丸山健二全集』しおり5枚セット+丸山健二氏のサイン入り『完本 丸山健二全集』第1回配本「争いの樹の下で01-04(計4巻)」を1セット提供
※サインの際、支援者様のお名前も書いていただきます。

1,000,000円
お礼のメール、柏艪舎特製『完本 丸山健二全集』しおり5枚セット+丸山健二氏のサイン入り『完本 丸山健二全集01-09』(1年目配本分 計9巻)を1セット提供 or 支援者様のクレジット入り特製帯付「丸山健二作品英訳本」の第一作目を1冊提供
※サインの際、支援者様のお名前も書いていただきます。
※第一作目は、2019年秋以降に発売予定です。特製帯はリターン品のみの特別仕様です。書店など一般に流通する本にはつきません。

2,500,000円
お礼のメール、柏艪舎特製『完本 丸山健二全集』しおり5枚セット+あなたが書いた原稿を柏艪舎が本にします。(流通なし)
※支援者の方の原稿を、柏艪舎が一冊の本にいたします。ご希望の冊数(上限300冊)を印刷し、完成後は支援者様にお届けします。書店などへの流通はありません。(手書きまたはパソコン、ワープロで作成された原稿が必要です)


【株式会社柏艪舎(はくろしゃ)、代表取締役山本の紹介】1941年東京生まれ。1959年AFS高校交換留学生として渡米。1960年米国ワウワトサ高校卒業。1967年国際基督教大学歴史学科卒。河出書房に入社。1968年河出書房を退社し、プロの文芸翻訳家となる。1995年文芸翻訳家養成校・(有)インターカレッジ札幌開校。代表取締役就任。2001年出版社・(株)柏艪舎設立、代表取締役就任。2011年一般社団法人文芸翻訳検定協会設立、代表理事就任。インターカレッジ札幌、札幌大学、北星学園大学などで翻訳家の育成に努め、翻訳コンクール、文芸翻訳検定を通して、若い才能を世に送り出している。『トップガン』(角川文庫)、ロバート・ラドラム『暗殺者』、アルフレッド・ランシング『エンデュアランス号漂流』(新潮社)他、訳書多数。
私は文芸翻訳を生業とし、これまでにおよそ300冊の小説を翻訳してきました。10代で麻疹のように太宰文学に嵌り、20代で三島文学に傾倒し、自分が剣道をやっていたこともあって楯の会に関係し、30代後半に丸山文学と出くわし、爾来、40年ほどに渡って丸山文学の虜になっています。山本光伸https://twitter.com/yamamoto_mitsu

【柏艪舎の紹介】
柏艪舎http://www.hakurosya.com/は、通常出版(文芸、ノンフィクション、写真集、絵本など)から自費出版業務を取り扱う札幌の総合出版社です。私が札幌の地に出版社・柏艪舎を設立したのは2001年10月のことです。樫(柏)の木で作った艪を操り、大洋を渡って世界に漕ぎ出す、の意味を社名に込めました。刊行物の内容としては、文芸作品、つまり小説をメインにしており、人間を主題にしたものであればフィクション、ノンフィクションの別を問いません。人は意図的に心を耕さなければなりません。それは漫画や低俗小説をいくら読んでも、決して育まれないものなのです。我々はそういう意味で、人間の精神に訴える作品を出していきたいと考えています。また、「日本の文化を世界に発信する」というのが目標のひとつであり、弊社のような地方出版社としてはめずらしく、英語、フランス語、スウェーデン語、イタリア語、アラビア語、中国語、韓国語などの翻訳出版も行なっています。

みなさまからのご支援、どうぞよろしくお願い致します!

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