「和火」とは卓上火鉢を中心とした炭火をたのしむブランドです。少し前の日本の暮らしにあった炭火文化を、現代のライフスタイルに沿った形でたのしめるよう提案しています。

プロジェクト本文

みなさん、はじめまして。デザイナーをしております樋口と申します。今回、卓上火鉢を中心とした炭火をたのしむブランド「和火」を立ち上げました。

普段はグラフィックデザインを本業としているのですが、卓上で使える火鉢がどうしても欲しいと思い始め、数年くらい前から自主的にプロダクトの開発を始めました。

炭は最高の調味料

そもそもは、食べることや料理がとても好き(変態的だと周りからは言われますが…)という趣味的な動機が発端です。美味しいものが好きな方なら同意していただけると思うのですが、炭火で焼くと食材は美味しくなります。美味しいものはより美味しく、それなりのものでも、炭火の力で、美味しく食べることができると思っています。旬の食材はもちろんのこと、例えば朝食に食べるパンなども炭火でトーストすると、とても香ばしく焼きあがります。いわば炭は最高の調味料なのです。

マーケットに欲しい商品がない

そのような理由から、室内でも炭火を楽しめたらいいなあと、既存の商品をいろいろと探してみたのですが、なかなか気に入るものが見つかりません。機能的で、長く使え、現代のライフスタイルに適しているといった観点からだと、(あくまでも個人的にですが)該当するものはありませんでした。

火鉢をアップデート

ないならば自分でつくってしまえと、一昨年の夏くらいから開発を始めました。七輪につかわれる珪藻土や大谷石、耐火煉瓦などの耐熱素材をほとんど試し、ステンレスが最適という結論に至りました。そしてシンプルにステンレス板を曲げることで完成したのが写真の商品です。伝統的な火鉢を現代の生活に合うようにアップデートしたという感じでしょうか。

試行錯誤しました

さらっと書きましたが、完成するまでは、困難の連続でした。一番悩まされたのは火鉢本体の温度上昇です。熱は炉の底面と上蓋の2方向から伝わり、本体が熱くなります。特に底面の温度上昇は接地面が高温になることを招きます。試行錯誤の結果、金属板で断熱し、本体の裏面に冷却板を取り付けることで大幅に改善しました。

そのことにより上記の鉄瓶やヤカンなどを沸かすくらいの量だと、接地面は気温プラス5~10°Cくらい、側面の最高温度は50°Cくらいに抑えることができます。

ご注意ください

ただ炭自体は500°Cを超える温度で燃焼しますので、ある程度の時間、大量の炭を燃焼させれば火鉢本体は高温になります。炭を規定の最大量にまで入れ、数時間燃焼させた場合は、接地面は気温プラス20~30°Cくらい、側面は80°Cくらいまで上昇します。その点は十分ご留意のうえ、ご購入ください。気温と違い、物体の場合は50°Cでもけっこう熱く感じます。

規定の最大量|食材などを短時間で焼きたい場合の量

一酸化炭素の人体への影響については東京消防庁の一酸化炭素中毒のページをご覧下さい。

この火鉢でできること

焼きたい食材を買ってきて、家で炭火焼きを楽しんだり、冬場の乾燥している時期にヤカンなどを沸かし、加湿することができます。もちろんある程度の暖を取ることも可能です。

焼いていただく食材は基本的に自由ですが、脂を多く含んだ食材は大量の煙や炎を発生させますので、屋内には向いておりません。ぎりぎり鶏肉あたりが食肉としてのボーダーでしょうか(自分で焼く場合は窓を開け放しています)。カルビなど部位は厳しいと思います。ただ最近見かけるようになってきた、換気扇がアイランド型キッチンの上についているタイプだと、楽しみの範囲は広がると思います。(余談ですが、台所の換気扇の下で立ってやる焼肉も楽しいですよ)

朴葉味噌なども。

スーパーで売ってるめざしも、炭火で焼くとびっくりするくらい美味しくなります。

大きさや材質にもよりますが、湯豆腐などの保温程度の調理法であれば鍋も楽しむことができます。お粥などをこの火鉢に置いておけば、卓上でも最後まで温かい状態で食べることができます。

できないこと

部屋全体を温めたり、鍋をグツグツわかすくらいの熱量を得ることはできません。

この火鉢のメリット

◎火鉢内で火起こしができる
炭火でやっかいなのが、最初の火起こしという作業。室内では、一般的にガス火で火起こしをするのですが、やってみるとこれがけっこう大変です。なかなか火が付かないですし、爆ぜることもしばしば。また現在販売されているガスコンロの多くには温度がリミットより上がらない火事防止用ストッパーが付いているため、そもそもガスコンロでは火を起こせない場合もあります。
しかしこの火鉢は、小さいトレイが下部に設置されており、そこに燃料用アルコールを入れ着火することで、火鉢内で火を起こすことができます。

※製品には燃料用アルコールは付属しておりませんので、薬局などでお買い求めください。また着火には棒状のライターがあると便利です。

◎低めの背丈
高さがあると、調理する際にやりづらさが生じますが、この火鉢は高さ11.5cmに抑えていますので卓上でも比較的楽に扱えます。

◎火鉢のみで完結する
冷却材として水を使用する火鉢コンロなどもありますが、和火では完全に火鉢単体で炭火をたのしむことができます。

◎和にも洋にも合うスタイリング
従来の火鉢の多くはどちらかというと和的な見た目のものが多かったですが、このブランドでは現代の生活に合うように、付属品含めて和洋問わず使っていただけるスタイリングに仕上げています。

◎付属品の充実
火を消す際に使用する火消し壷、焼き網、五徳、火箸、炭まで揃っています。

「火消しつぼ」

現代の生活にも合うようにシンプルなデザインを目指しました。陶芸家が一点一点ロクロで引いています。耐火性がある陶土に、マット調のベージュの釉薬を掛けました。


サイズ:φ165×H180mmくらい 素材:陶土に釉薬掛け
※手作りのため、個体の大きさに若干の差があります。
※釉薬のムラ、滲み、カスレなどがあり、サンプル画像と全く同じではありません。

「火ばし」

たたら製鉄で有名な島根県で江戸時代から鍛冶業を営む工房に製作を依頼。熟練の職人が手作りしています。塗装ではなく黒錆で表面を仕上げておりますので、鉄の素材感が残っています。火鉢の上蓋に乗せやすいサイズです。


サイズ:W320mm(一番太い部分4mm、一番細い部分2mm) 素材:鉄製(黒染め仕上げ)
※鉄の荒れた質感や鍛造痕などがそのまま残っていますので、予めご了承ください。
※錆が生じた場合は軽く食用油を塗ってください。
※使い始めの時期に、燃焼中の炭と触れると黒染め特有の匂いがすることがありますが、健康上は問題ありません。また使っていくうちに匂いはなくなっていきます。


「五徳」

余計な要素を削ぎ落とし、シンプルに仕上げています。金属加工の歴史が長い新潟県燕三条にある製作所に依頼しました。脚上部を内側に折り返していますので、リングの口径145mmより小さいものも乗せることができます。こちらも火ばしと同じく、黒錆で表面を仕上げております。


サイズ:φ156×H80mm(直径には脚を含む) 素材:鉄製(黒染め仕上げ)
※錆が生じた場合は軽く食用油を塗ってください。
※鉄の荒れた質感や溶接痕などがそのまま残っていますですので、予めご了承ください。

「焼き網」

機能性をとことん追求した結果、この形になりました。網の交差は中央の一箇所のみなので、洗いやすく、太さも2mmあり丈夫です。大阪で40年続く金網専門の製作所で一点一点手作業で溶接し、仕上げています。


サイズ:W297×D297×H5mm 素材:ステンレス製

使用する炭の種類について

和火では卓上火鉢に最適化された岩手県産の炭を販売しております。ちょうどいい長さに切り揃えられており、火付と火持ちが良好で燃焼時の匂いも少ないといった特徴があります。一人の生産者から供給してもらっているので品質も安定しています。

もしご自分で購入される場合は、黒炭をお買い求めください。黒炭とは、白炭(備長炭など)以外の炭の種類のことです。備長炭などの白炭は火付に時間がかかり、扇がないと温度が上がらないため、推奨しておりません。ホームセンターなどで売っている、6cmくらいに切り揃えられた岩手県産のナラ切り炭がオススメです。また黒炭であっても安価なものは臭気を発生させることがあるため、室内での使用に向いていません。

最後に

この場をお借りしましてご協力いただきましたみなさまに、お礼を申し上げます。製品やデザインに関していつも客観的な意見をいただくアートディレクター岩崎さん、すでにクラウドファンディングでPicklestoneの成功をおさめ、先輩的立場からアドバイスいただくアートディレクター田中友規くん、無償で耐熱塗装を施していただいた池田塗装の池田さん。納得が行くまで、根気強くなんども火消しつぼを焼いていただいた陶芸家の吉永さん。そして専門外のことに首を突っ込んで困っていた際に、プロとしてのアドバイスをくれたエンジニアである弟の健。みなさまのご協力がなければこのプロジェクトは成立しませんでした。誠に感謝しております。ありがとうございました!

※製品に関しては改良・改善を絶えず行っているため、一部仕様を変更する可能性があります。予めご了承ください


本プロジェクトはAll-or-Nothing方式で実施します。目標金額に満たない場合、計画の実行及びリターンのお届けはございません。

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