大飯原発運転差し止め判決を下した樋口英明さんの講演会が終了し、およそ2週間が経過しました。おかげさまで県外を含む大勢のみなさんがご参加くださって、たいへんご好評をいただきました。いわく、「わかりやすかった」「はじめて実態を知った」「この話をいろいろな人に伝えたい」など、水面に投げ入れられた小石のように、その水紋は静かに大きく広がろうとしています。

わたしたちの初めての試み、クラウドファンディングも目標額の50%まで達成することができ、あと一息の坂を登りたいと思っています。これまでご支援いただいたみなさんは、お知り合いにひとこと、わたしたちのことをお知らせください。そして、まだ、という方は、どうぞ「あと一息」にご協力ください。

世の中は急には変りません。それは長い時間と並々ならぬ努力を要することが多く、古くは女性選挙権の獲得や男女雇用機会均等法の制定までの歩みなどを見るまでもありません。けれども、ただちに手を打たなければ「間に合わないこと」もたくさんあるのです。その一つが原発です。地震大国日本で、致命的な地震が起こらないという保証はありません。起こってからでは遅い。それを東京電力福島第一原発の事故が証明しています。

経済より、いのち。子どもたちが安心して暮らせる環境を守っていく、創っていくこと、それがわたしたちの義務ではないか。そんなふうに考えるみなさんとともに、わたしたちはこれからも歩んでいきたいと思います。みなさんのご理解ご支援をよろしくお願いいたします。

わたしたちは、東日本大震災・東京電力福島第一原子力発電所の重大事故の翌年2012年から、毎年、広島市で「ひろしま・ふくしまを結ぶ もみのきの会イベント」を開催しています。

2011年、原発事故の影響から逃れるため、福島県をはじめとする東日本から、多くの人々が広島に避難してきました。ご存じのとおり、広島はかつて核兵器の惨禍に見舞われた町であり、避難者たちの多くは、「放射能の恐ろしさを知っている町だから、きっと自分たちの気持ちを理解してもらえる」と考えた人たちでした。

わたしたちの正式名称は、「福島と広島をつなぐ、もみのきの会」。避難者の乳幼児を預かった保育園の一室から、同年9月に始まりました。それは、ひとりひとりがごく自然に「子どもの未来を考えよう」と心をひとつにしたもので、方向性といえば、そのベクトルだけでした。会は、被爆者を含む一般市民が、避難者家族とともに必要に応じて緩やかに繋がり、8年にわたって活動を続け、今日に至っています。わたしたちの仲間は、保育園関係者、子どもの読書ボランティア、元教師、広告制作者、子どもの本作家、WEBデザイナーなど。これまで、文字通り手弁当で、5回のシンポジウム、1回の写真展を毎年春に開催したほか、福島やドイツからのゲストを招いての交流、ミニ講演会など、ささやかですが多彩な催しや勉強会を企画してきました。

活動期を迎えたといわれる地震列島、一方で経済界から原発の再稼働や新設が声高に語られるいま、原発は本当に安全なのか、なぜ原発は危険なのか……元福井地裁裁判長は、「なにを根拠に」原発の運転を差し止めたのか。聞いて、みんなで考えたい、と思いました。

2014年、日本の司法史上、特筆すべき判決が下されました。福井地方裁判所でなされた、関西電力大飯原発3,4号機の運転差し止め判決。この判決を下したのが、樋口英明さん。「豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失である」との判決文は、いまだ多くの住民が避難を余儀なくされている東北の現実を、改めてわたしたちに思い起こさせてくれました。

樋口さんの話を聞きたい、それも広島で。その願いが、やっと叶おうとしています。核の脅威にさらされた広島の地で、70余年を経たいま、樋口さんが「大飯」を止めたNO!の信念を語ります。

講演のポイントは、①耐震性の比較による、わかりやすい原発の危険性 ②専門的知識ではなく、常識で判断 ③真の科学とは ④国民の命と生活を守る、司法の役割とは など。 樋口さんの講演は、「高校生でもわかる」平易で明快な語り口が特徴です。幅広い年齢層の方々に聞いていただき、現実を知り、それをどうとらえ、わたしたちは市民としてなにをすればよいか、ともに考えたいと思います。

中国地方で初の企画です。

元福井地裁裁判長 樋口英明さん講演会
──お話します。わたしが」大飯を止めたわけ。

日時:2019年4月20日(土) 13:30〜15:30(開場 13:00)
会場:広島市まちづくり市民交流プラザ(合人社ウェンディひと・まちプラザ)
   6階マルチメディアスタジオ(広島市中区袋町 6-36 袋町小学校隣接)
定員:112名
資料代:500円
お問い合せ:082 (961) 5770 (卸センター・もみのき保育園内)
詳しくはイベント特設サイトを御覧ください。

わたしたちのこれまでとこれから

これまでの活動について、詳しくはもみのきの会の活動履歴をご覧ください。

〈2018年「見えないものを、見る。「放射線像」加賀谷雅道 写真展 & トーク」「「12人の絵本作家が描くおうえんカレンダー2018」原画展」



〈2017年 ワンコインシンポ「託されたもの ─ 大地と人と。」〉

〈2016年 ワンコインシンポ「もしかして、それって同じこと?水俣を通して、福島を見る。広島を見る。わたしを見る。」〉

そして、これから。

ひとの記憶は、5年と言われます。東京電力福島第一原発の重大事故から8年が経ちました。あのときなにが起こったか、なぜ起こったか。人々はどう生きてきたか。記憶を保ち続ける努力と、それらを次の世代に手渡す努力。保育園の一室からスタートしたわたしたちの会は、日々成長していく幼い子どもたちの姿を見るにつけ、この子たちの未来に、「負の遺産」が立ちふさがることを憂慮しています。流されることなく、自分たちで学び、考え、選びとっていく。そのような営みの輪を、ゆるやかなつながりの中で、広げていきたいと思っています。

わたしたちは、これまで、「手弁当主義」でした。しかし、それにも限界があります。今後、この活動を持続可能にするために、みなさんの協力をお願いする次第です。

これからも、わたしたちは広島の地で、福島の人々とつながりながら、ともに歩む道を探り、活動を続けます。

資金を集めることが目的ではありますが、これを通してわたしたちの活動を知っていただき、思いを伝えることも大切なことだと考えています。

〈リターンの内容〉

次の6点の組み合わせでできています。

缶バッジ:
もみのきの会オリジナルの缶バッジ1個をお送りします。

動画配信:
本講演会の動画記録を、編集後、後日YouTube(予定)で配信します。

DVD:
本講演会の映像記録を、編集後、DVDにしてお送りします。

記録冊子:
本講演会の記録冊子を、PDFファイルにてお送りします。文字起こしと冊子としての体裁での編集のため、お届けに数ヶ月〜半年ほどかかります。予めご了承下さい。

記録冊子1+3年分:
本講演会の記録冊子に加え、もみのきの会が2015〜2017年に開催したシンポジウム3回の記録冊子をPDFでお送りします。全ページ、本と同じ縦書きで読みやすい体裁に編集してあります。

記録冊子1+5年分:
本講演会の記録冊子に加え、もみのきの会が2013〜2017年に開催したシンポジウム5回の記録冊子(第1回目からのワンコインシンポ全記録)をPDFでお送りします。全ページ、本と同じ縦書きで読みやすい体裁に編集してあります。

〈記録冊子PDFサンプル〉

予定する使途の内訳は以下のとおりです。

会場費      17,000円
チラシ印刷費用  10,000円
通信費・チラシ送料 5,000円
ウェブ制作費 29,000円
冊子編集費用 80,000円
ビデオ撮影・編集費用 70,000円
講師交通費・宿泊費・謝礼等 90,000円
クラウドファンディング手数料 49,000円
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合計: 350,000円

〈クラウドファンディングの締切日について〉

2019年4月20日の講演会終了後も、5月20日まで募集を続け、同日をもって終了といたします。

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

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