【首都大学東京 × 米・ユタ大学 デザインワークショップ】

故人を追憶するためアート空間の制作を通じて、現地の人々と交流・価値観を共有し、日本とアメリカの文化や死生観の違いを学ぶ。

  (▲模型・全体)

《生と死をみつめるアート空間》

この度、わたしたち首都大学東京 空間デザイン研究室とユタ大学が合同でデザインワークショップを行うことになりました。昨年4月より、ユタ大学卒業生であるJane Barrettさんを追憶するためのモニュメントと周辺のランドスケープを設計しています。今年の3月にユタ州に出向き、現地の学生や教職員と共に、学生たち自ら施工を行います。

 (▲模型・上 / 前後)

《プロジェクトの背景》

 ユタ大学では、DESIGN BUILD BLUFFという学生たちが建築を設計するだけでなく自分たちで施工まで手がけるという住み込み型の授業があります。

( DESIGN BUILD BLUFF webサイト: http://www.designbuildbluff.org )

ユタ大学のサテライトキャンパスがユタ州南部のブラフという砂漠地帯にあり、そこで学生たちは建築物を設計・施工しています。首都大准教授で空間デザイン研究室を主宰しているVerl Adamsもユタ大学出身ということもあり、首都大学東京がこのプロジェクトに参加することになりました。

このプロジェクトでは、ユタ大学の卒業生であるJane Barrettさんの追憶空間をつくります。

 JaneさんはDesign Build Bluffプロジェクトの立ち上げに関わった人物であり、2006年に志し半ばにして交通事故で亡くなってしまいました。生前Janeさんは日本文化に興味を示され、日本の「俳句」を用いて表現活動もしておられました。日本にも実際に足を運ぶ中で日本の俳人と知り合いになり、自作の俳句をその先生と贈り合いながら日本の文化や美的感覚への理解を深めておられました。

 

《砂漠の中で生と死を見つめる空間をつくる》

今回のワークショップの目的は、生と死を見つめるアート空間の制作を通じて「日本と現地ナバホネイションの文化、死生観の理解を深めるとともに、メモリアル表現の新たな可能性を追求する」ことです。

 

Jane Barrettさんという一人の女性の死、ひいては一人の人間が「生きる」ということに向き合い思いを巡らせる中で、日々の生活の中では感じ取ることのない価値観に触れるきっかけとなりました。

概念的な話ではありますが、「生と死」への向き合い方は、地域や宗教、さらには個人によって様々です。しかし、その根底にある「命」を尊ぶという思いは同じで、皆、生命への感謝を重んじています。現代の生活の中で、やりたいことは何でも出来て、欲しい物は何でも手に入り、ついついその便利さや快適さに溺れていまいがちです。しかし、このワークショップに取り組む中で、わたしたちは、「生きる」ことへの感謝や尊厳を忘れず、心のどこかに強い信念をもっていたいと強く感じています。

そして、この作品を完成させることで、私たちの感じた思いを現地で生活する人々や学生たちと分かち合い、共有する機会にしたいと思っています。

 

《デザインについて》

この作品は、Janeさんを偲ぶためのモニュメントであり、そして、生と死について見つめるきっかけとなる場です。そのため「LIFE AND DEATH」をコンセプトに、光と影を用いて設計を進めてきました。 

Janeさんの誕生日には、煌々と輝く朝日の光がモニュメントに直接当たり、美しい直線を描きます。また、命日には夕日の赤みを帯びた光が中央に設置したスチール版に反射し柔らかなオレンジ色の反射光を造り出します。季節や時間帯によって様々な表情を持つ太陽の光を用いて、Janeさんの一生を空間的に表現しています。

モニュメント周辺の石の配置は、現地ナバホネイションで古くから伝わる東西南北それぞれに象徴的な意味を持たせるという特別な「方位」の考え方を軸に決定しました。また、ナバホには「Ceremonial Basket」という伝統の籠があり、そのひとつの籠の中で一人の人間の人生が描かれているとされています。このアイディアをモニュメント周辺のランドスケープに応用しています。

 

※ファンディングの状況によっては、最終的なデザインが変更になる可能性がございます。

 

《リターンについて》

ご支援くださった方には、竣工または施工中の写真が印刷されたポストカードを、学生からのメッセージとともにお送りします。

写真は、研究室の主宰であり写真家のVerl Adamsが撮影します。

(Verl Ancel Adams webサイト: http://www.verlanceladams.com)

金額に応じて、ご支援をいただいた方のご芳名をSpecial Thanksとしてリストに掲載させていただきます(希望されない方を除く)。また、来年4月に首都大学東京日野キャンパスにて行う報告会もご招待いたします。

 

¥3000・・・・お礼のメッセージ(プロジェクト写真のオリジナルポストカード) 

¥5000・・・・お礼のメッセージ(プロジェクト写真のオリジナルポストカード)+Special Thanksとしてご芳名を掲載(希望されない方を除く)

¥10000・・・・お礼のメッセージ+Special Thanksとしてご芳名を掲載(希望されない方を除く)+プロジェクト写真のオリジナルポストカードセット(10枚入り)

¥30000・・・・お礼のメッセージ+Special Thanksとしてご芳名を掲載(希望されない方を除く)+プロジェクト写真のオリジナルポストカードセット(10枚入り)+プロジェクトの記念プレート(ご芳名入り)

 

 《ご支援いただいたお金について》

ご支援くださったお金は、アート空間の制作に伴う材料費・諸経費と学生たちの渡航費として利用させていただきます。

 

ご支援、どうぞよろしくお願いいたします。

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