はじめに・ご挨拶

私たちは2019年8月にケニアで獣害対策、調査を行います。

私たちは静岡県立大学の学生5人で活動しています。大学ではグローバリゼーション、貧困、環境問題などを専攻しており、そこで学んだ知識を活かし、ESP(いい里山プロジェクト)を2015年度からケニアの村、日本の里山をつなぐプロジェクトをそれぞれ隔年で行なっています。今年度は前回2016年度にケニアで行った獣害調査の結果を基に対象地をさらに広げて、ケニアでの持続可能な獣害対策を行うために獣害対策用品を設置します。

ESPとは(いい里山プロジェクト)の頭文字をとったものです。また「E」には環境問題(Environment)、教育(Education)、絶滅危惧種(Endangered species and culture)、エコツーリズム(Eco-Tourism)、貧困(Eradicating poverty)の5つの意味もあります。目的は同じ里山という共通点を持った静岡県の中山間地域とサバンナにおける相互共通の問題を共有し、当事者同士で解決に向けたアイデアを出し合うことです。特徴としては、①困難を抱えた当事者同士をつなげる②身近で持続可能な技術・ローテクの活用です。

このプロジェクトは現在5人の学生を中心に行なっており、これまで隔年でプロジェクトを日本、ケニアでそれぞれ交互に行ってきました。日本の中山間地域で得た情報をケニアの村で活かし、ケニアの村で得た情報を日本の中山間地域で活かす活動を行なっており、今年度は獣害を共通の問題としてケニアの村で獣害対策を行います。



このプロジェクトで実現したいこと

私たちは2019年8月にケニアに渡り、ケニアの村の獣害を調査し、対策用品を設置し、マサイの方々と持続可能な獣害対策にマサイと共に取り組みます。

今回のプロジェクトでは主にインタビュー調査による前回設置した獣害対策用品(超音波機、唐辛子を練りこんだピリピリネットなど)に対する住民の評価、ニーズの把握、また新たな獣害対策用品の設置を行い、前回の調査地が1つの村だったのに対して今回は3つの村に範囲を広げ、ケニアの広範囲において効果的で持続可能な限り獣害対策を探ります。


まず最初にマサイにインタビュー形式で前回設置した獣害対策用品の効果を継続してみられているか、またマサイのニーズをさらに深くみていきます。

次に、獣害対策には動物の侵入経路を特定する必要があります。侵入経路を特定することで少ない用品で最大限の効果を期待することができます。しかし、調査地であるマサイマラには正確な地図がないため私たちが所有する小型ドローンで空撮を行い、正確な地図を作成します。その上でインタビュー調査から動物の侵入経路を特定し、獣害対策に効果的な場所にピンポイントで用品を設置します。

今回はこうした調査の範囲を拡大します。前回のケニア調査ではンジャピト・ヴィレッジという村1つで行いましたが、今回は同様の効果が他の3つの村でも期待できるのかを調査します。

また、この調査の最終目標はこうした獣害対策をマサイが自分たちで行う持続可能性の確立にあります。さらに前回効果が確認された獣害対策用品の他にも新たな用品を持参し、効果があるのか検証します。



私たちの地域のご紹介

ケニアのマサイマラでは村のそばで畑を営んでいます。しかし、ゾウやサルなどの獣害により収穫に大きな影響を受けます。

また子どもたちの通学路では大型の動物と出会ったがために怪我をしたり、命を落とすことがあります。

ケニアの村において効果的な獣害が必要不可欠です。


プロジェクトを立ち上げた背景

ESP自体は2015年度から継続して行われていますが、今回の既存の獣害対策用品の点検、新たな用品の設置、ドローンを用いた地図作りと動物の侵入経路の特定はこれまでのESPで蓄積された知識、技術から発案されました。前回2016年度ケニアの調査ではマサイが獣害に悩んでおり、獣害対策を必要としていること、実際に用品の効果があることを明らかにしました。その知識を活かして、より効果的な獣害対策用品の設置を行うことが必要である。さらに2017年度の静岡県牧之原市におけるイノシシなどの獣害調査ではドローンで空撮を行うことでそれまでは見えてこなかった動物の侵入経路を特定することに成功しました。

ESPは日本とケニアを結ぶことを目標としており、日本での成功をケニアでも活かせると考え、今回のプロジェクトが動き出しました。



これまでの活動

2015年度・・・静岡県伊豆市で観光マップを作成しました。

2016年度・・・3月 ケニアのンジャピト・ヴィレッジという村で調査を行いました。調査内容は日本企業から提供された獣害対策用品の設置、マサイのインタビュー調査などからマサイの村周辺にはどの動物が生息しており、どういった被害がどこで起こっているのか、また言い伝えなどをまとめた「マサイ目線の動物図鑑」を作成しました。作成した動物図鑑は英訳され、ケニアや日本で置かせていただき大きな反響をいただきました。

2017年度・・・9月 静岡県牧之原市で市と協力してイノシシによる獣害を調査しました。牧之原市では農業人口の減少や高齢化によって茶畑が耕作放棄された経緯があり、イノシシのテリトリーが住民のテリトリーに近づいたために調査時の2〜3年前からイノシシによる農作物被害が増加していました。本調査では地図を使ったインタビュー調査を行うことで動物の侵入経路を視覚的に発見することができました。さらに、本調査で初めてドローンを使った調査を行い、人が入らない場所も調査することができました。

2018年度・・・12月 これまでのESPプロジェクトを企業や関係者を招待して報告会を行いました。

2019年度・・・以上の調査で得た知識、技術を用いてケニアの村で調査対象地を広げて、より効果的な獣害対策を行います。


資金の使い道・実施スケジュール

目標の50,000円を獣害対策用品の購入また輸送費


リターンのご紹介

リターンは私たちは2016年のケニア調査で作成し、反響をいただいた「マサイ目線の動物図鑑」と調査報告書のどちらか、または両方を2020年3月を目安に発送します。

最後に

これまで私たちは日本の中山間地域とケニアの村をつなぐ活動を行ってきました。最初のケニア調査では見えてこなかった問題が調査地を日本に変更した際に見えるようになりました。生活の仕方や文化などは日本とケニアで異なっているとこのもありますが、日本とケニアで起こっている獣害問題に対する取り組みには似た点があります。私たちのESPプロジェクトでは日本の中山間地域で得た知識、技術、問題をケニアで活用し、ケニアの村で得た知識、技術、問題を日本で活用しています。

マサイの人々は獣害に悩みながらも動物を駆除することよりも、ともに共存することを望んでいます。それには人と動物がお互いのテリトリーをお互いに尊重し合うことが必要です。そのためには獣害対策といった持続可能な取り組みが求められます。マサイの知識を日本で、日本の知識をケニアで活かすことはお互いの生活のためにも、日本とケニアをつなぐためにも重要ではないでしょうか。


本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

私たち学生には十分な調査を行うための資金力が不足しています。皆さまを代表して本プロジェクトを実施させていただければ幸いです。

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