▼「傷ついた子どもたちへのケアが不足している」
Timeのはじまりは、施設職員だった私の経験から。

はじめましてTimeの代表・奈良輪美幸です。大学で心理学を専攻し、卒業後は児童養護施設で職員として働いていました。

複雑な生い立ちから深い傷を負い、人一倍ケアが必要な子どもがいる児童養護施設。しかし人手不足により1人ひとりに十分なケアが行き届かない現状をみて、子どもたちにとって本当に必要な支援がしたいと、2017年の7月にボランティア団体「Time」を立ち上げました。


▼Time=子どもたちに豊かな時間を提供する

Time(時間)は、お金の支援だけでなく「子どもたちと遊ぶための”時間”を提供する」団体です。「人生の宝探し」を目標に、長期的に同じ子どもの成長を見守ることを大切にしています。

複雑な生い立ちから深い傷を負い、人一倍ケアが必要な子どもがいる児童養護施設。しかし人手不足により1人ひとりに十分なケアが行き届かない現状をみて、この活動をスタートしました。

私たちは2018年3月に1施設の小学生を対象にボランティア活動を開始しました。公園やプールで一緒に遊んだほか、2018年11月は社会人サークルISTコミュニティ代表・川畑様の支援でディズニーランドにも連れて行くことができました。

毎回同じ子どもと会うので、回を重ねるごとに親密度が増し「背が大きくなったね!」などと成長がみられる嬉しさも。

前回の御礼のお手紙を書いてきてくれる子、「ありがとう」や「ごめんなさい」がさり気なくいえる子。思いやりのある子ばかりで、結局、私たちのほうが子どもからたくさんのものをもらっています。

2017年7月に3人で発足したTImeも、今では総勢20名のメンバーとなり、外部に相談できる施設退所者や有識者も合わせるとその数は30人以上にもなりました。また、今後は徐々にその輪を広げ、全国615施設・約3万人(平成29年3月現在)すべてに行き渡らせていく予定です。


2019年上半期の活動資金を募らせていただいた前回のクラウドファンディングでは、目標金額を上回る224,000円ものご支援をいただき、ありがとうございました!応援や共感の声に勇気づけられ、次のステップに向けて背中を押していただいたような気持ちです。

ご支援のおかげで、2019年前期の活動でも子どもたちにたくさんの経験をプレゼントすることができました。

もっている可能性の「種」が、今にも芽をだそうかという時期にある子どもたち。様々な経験を通して、多様な生き方や幸せがあること、自分で人生を選択できるということに気づいてもらえたら。

好奇心の赴くままに「好き」を発見し、その芽を大きく育てていけるよう、これからもあらゆる経験を一緒にしていきたいと考えています。


私たちが見据える「次のステップ」とは、中高生への支援です。

私たちは今まで、1施設の小学生までを対象に活動をしてきましたが、児童養護施設について調べるうち、自活に向けた事前準備が十分でないことや世間の社会的養護*への認知の低さ、施設退所後の子供たちを取り巻く過酷な現実を知りました。

そんな経緯から、中高生への支援のため、今回クラファンを立ち上げました。

(*社会的養護―保護者に監護させることが適当でない児童を、公的責任で社会的に養育し、保護するとともに、養育に大きな困難を抱える家庭への支援を行うこと。 Wikipediaより)

詳しくは後述しますが、退所後に病気や職場でのトラブルなどで生活が困窮した場合、それをサポートする国の機関はありません。

そうなると仕事を辞め、家をなくし、借金を抱えてから、どうすることもできず…誰にも頼ることができず、仕方なく元担当職員に頼ってくる子もいます。(助けてと声をあげられる子はごく一部ですが…)


施設の仕組みではそのサポートができないため、門前払いをするしかないのが現状です。なかには特別な対応として、元担当の子に問題が起こるたびに個人の時間やポケットマネーを使って精神的・経済的フォローをし、長年に渡りその子の人生に関わってきた元施設職員の方も…。

そこで自立への準備期間にある中高生へ「よりよく生きる」支援の重要性を感じ、お世話になっている施設の中高生部門で支援をスタートすることになりました。


▼児童養護施設とは…?

虐待をはじめ精神疾患や貧困などの理由から養育困難となり、親族の元で生活することが出来ないと判断された2才から18才までの子供が共同生活を送っている福祉施設です。

児童養護施設は全国に615施設あり、約3万人の子供たちが生活しています。


▼子どもらしい要求が叶わない施設での生活

親の精神疾患や経済的事情などのほか、施設への入所理由で1番多いのが虐待です。しかし、親からの虐待を逃れ、安全な場所での生活を手に入れたとしても、施設での生活は子どもにとって最善の環境とは言い難いものです。

「家庭」のような安心感はなく、集団生活のルールを守る必要があるため子どもらしい個人の欲求や願いは叶えられません。たとえ「近所の公園に遊びにいく」などの些細な希望でも、職員の付き添いや時間の制限などがあります。

さらに私が働いているなかで感じたのは、職員の圧倒的不足。心身に傷を負い、大人に不信感を抱いている子も多い施設の子どもたち。もっと一人ひとりと向き合いたくても、子どもの心理面に配慮した細やかなケアまでは想定されておらず、必要なケアが行き届かないことにもどかしさを感じました。


▼私が目の当たりにした子どもの傷

施設職員だった頃の、忘れられない記憶のひとつ。

それは「俺たちのこと、金稼ぎの道具だと思ってるんでしょ。好き好んでこんな仕事する人いるわけない」という子どもからの言葉です。

優しくしてくれるのも、話を聞いてくれるのも、“自分のことが好きだから・大切だから”ではなく、職員として“お金をもらってるから・仕事だから”なんでしょ?という問い。

「“そうじゃないよ”と言ってほしくて聞いてきたんだろうな」と思うと同時に、こういう聞き方・確認の仕方しかできないその子の心情が切なくなりました。


施設に来るまでに家庭を失ったことで「見捨てられた」と感じてしまう子は多く、人に対する信頼が揺らぐのも無理はありません。

だからこそ、限定された人との安定的な人間関係から「愛されている」という実感を得ることが重要なのです。


施設で生活する多くの子は、高校卒業とともに自立を余儀なくされます高校進学をしない場合、学歴も資格もない15歳で施設をでなければなりません。

▼精神的ケアが不十分な状態での自立とは

一般家庭で得られる経済的・精神的・教育的支援のバックアップがない施設で育った子どもは、生活の知恵や金銭感覚などがなく心理ケアも不十分なまま独り立ちすることになり、大変な苦労が伴います。

そこで待ち受けるのは、少年・少女が1人で乗り越えるにはあまりに重い現実。さらに虐待の後遺症でフラッシュバックやPTSDを発症し思うように自活できなかったり、職場の人間関係につまづき退職を繰り返したりといったことも少なくありません。  


▼「どうせ」と、自分の人生を諦めてしまう子も

身近に親のような「大人の見本」がなかったことで物事の判断基準も備わってないうえ、困ったときに相談する人もなく、その都度途方にくれてしまいます。

些細なことでも生活が破綻し、家賃滞納からホームレスへ、女性だと性産業に足を踏み入れてしまうことも。

人間関係につまづき、衣食住のことしか考えられないギリギリの経済状況では、明るい未来を描くことは難しくなります。前向きな気持ちになれず、時に自暴自棄になってしまうのも無理はありません。


近年では、徐々にアフターケアの不足や重要性に注目があつまり、様々な支援も増えてきました。

私たちの取り組みでは、退所後からのフォローではなく、施設にいる段階からアフターケアを見据えて子どもと関わっていきます。小学生時代から施設を退所するまで継続的に関わり、その延長線上にアフターケアがあるのが理想ではないかと思うのです。

一定の人と安定した関係性を築き自分を受け入れてもらうこと、人生には多くの考え方や選択肢があると知ること。それが「よりよく生きる」土台として最も大切だとTimeは考えます。


▼中高生へのアンケートは思わぬ結果に

中高生の支援をはじめるにあたり、「子どもたちが本当にやりたいこと、行きたい場所」が知りたい!とアンケートをとったところ、予想以上の反応でした。

「こんなに素晴らしい企画を提案してくださってありがとうございます」「もしこれが現実になったら最高&幸せすぎます!」というメッセージを書いてくれた子も。


▼活動内容を一緒に決める「ワクワク超会議」を開催!

それならばと、実際に顔をあわせて活動内容も子どもたちと一緒に決めてみよう!と、「ワクワク超会議」と題し、活動計画を話し合うミーティングを開催しました。

いきなりやってきた知らない大人を受け入れてくれるのか…ドキドキの初対面でしたが、差し入れのドーナッツに「インスタ映えだ!」と喜んでくれるなど、うれしい反応にホッとしました。

ミーティングでは「夏祭りに行きたい!」「ライブに行きたい!」と積極的に発言してくれる子や「どうせ無理でしょ」という子、ひたすら沈黙な子……反応は様々。

でも、みんなが満場一致で「行きたい!!」と盛り上がったのは、大阪のUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)でした。

施設の近くの遊び場であれば、施設のイベント、自分のお小遣い、企業からの招待等で行けるようです。しかし、USJは大阪にあるため、資金的にも、時間的にも職員同伴の関係的にも、子どもたちにとっては、どれだけ行きたくても行けない場所なのです。

話しているうちに、子どもたちの興奮が伝わってきてこちらまでうれしくなりました!

そして「まだ決定ではないけど、みんなを連れて行ってあげられるように頑張るね!!」と約束してきました。

制限のある集団生活で、自分の要望やワガママを通すことができず我慢を強いられる子どもたち。「施設育ちだから」と自分の境遇に劣等感をもたないよう、様々な経験をさせてあげたいと考えています。

そんな子たちが目を輝かせて「USJに行きたい!!」と口にしてくれたのを目の当たりにし、どうにか行かせてあげたいと強く思いました。

なにより、自分たちの希望を叶えようと一生懸命になってくれる大人がいる、と知ってほしいのです。


Timeの理念は「人生の宝さがし」です。

 私たちが考える「人生の宝」とは、信頼できる人との繋がりや思い出、叶えたい夢、未来への希望です。

さまざまな経験から「好き」をみつけ、夢を抱いたり、出逢った大人の何気ない言動に影響を受けたり、その思い出自体が、その人にとってかけがえのないものになることもあります。

施設の子どもたちにとって、人生はあまりにも理不尽の連続です。虐待を受けた過去、一方的な「問題児」扱い、施設育ちの偏見…社会にでてからも様々なことがあります。

そんなとき「信頼できる人との繋がり」「かけがえのない思い出」、「絶対に叶えたい夢」の存在があったらなにかしらの支えになるのでは、と考えています。

しかし、一般家庭の子どもと違い、児童養護施設で過ごす子どもたちにとって、様々な経験や人との出逢いを得るのは簡単なことではありません。

Timeの活動では、施設での暮らしでは叶わない「あらゆる経験」を子どもたちにプレゼントしていきます。


▼他人を信頼できるようになることが、その子を救う

児童養護施設の子供(入所中、退所後)をサポートする団体はたくさんあります。行政も生活保護などのセーフティネットを敷いてくれています。しかし、他人を信頼できないし、自分を大切に思えないからそこにたどり着かないという心理的な問題があるのも事実です。

他人を信頼し、頼ること。そして自分を大切にすることを覚えられれば、人に助けをもとめることができるようになります。

そのために必要なのは継続的な活動と私たちの想い、安定した資金です。

「USJに行きたい!!」という年頃の子にとっては当たり前のようなことも、彼ら・彼女たちにとっては雲をつかむような願いです。

“不可能”だと思えることを叶えてあげたい。世の中にはたくさんの善意があることを、子どもたちに伝えたい。

そうすれば、世の中には心優しい大人もちゃんといて、見ず知らずの人の中にもちゃんと愛情を持ってる人はいて、社会って捨てたもんじゃないと気付いてもらえるのではないでしょうか。

▼資金使用用途

中高生への2019年8月からの活動費と運営費に充てさせていただきます。(小学生部門については、おかげ様で資金が確保できています。前回ご支援くださった方、ありがとうございました!)

今回私たちが中高生と遊ぶのに目指す金額は下記の活動予定資金、合計228万円です。なお、クラウドファンディングでは別途合計14%の手数料がかかるので、目標金額は260万円としております。


2019年8月:球技大会 予算1万円(施設主催・ボランティア7名)

2019年10月:TDL 予算15万円(子ども10名、ボランティア7名) ※別途「ISTコミュニティ様」にご支援頂く予定の為。

2019年12月:お台場・クリスマスイルミネーション 予算16万円

2020年2月:スポーツ・オシャレ美容院・インスタ映えスポット巡り 予算16万円

2020年3月:USJ 予算180万円(子ども30名、ボランティア7名)


※上記内容はワクワク超会議にて、子供たちが希望をしている内容です。実際に実現できるかどうかは予算次第です。

※お金の支援ではなく、ボランティアとして活動をしてくださる方は下記をご覧ください。(※子どもとの信頼関係を育むことに重きを置いているので、長期的に活動していただける方)

★Time-ボランティア参加希望の方へ


▼リターン

1,000円:活動報告

3,000円:活動報告&オリジナルステッカー

5,000円:活動報告&オリジナルステッカー&メンバーズカード

10,000円:活動報告&オリジナルステッカー&メンバーズカード&手書きのお礼状

100,000円:活動報告&オリジナルステッカー&メンバーズカード&手書きのお礼状&ブログにてご紹介

300,000円:活動報告&オリジナルステッカー&メンバーズカード&手書きのお礼状&ブログにて紹介&理事による事業のご紹介

※本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。


▼団体紹介

Time子どもと遊ぶボランティア

・児童養護施設の子供達に時間とお金を支援するボランティア団体

・ボランティアスタッフは多種多様な大人たち

・代表は、大学で心理学を学んだ元児童養護施設職員です(約5年勤務)

・2018年1月設立。現在NPO法人へ申請準備中。まだ設立して間もない団体です。



▼代表挨拶

「児童養護施設の現場で働いていて感じたこと」

朝起きて、朝ご飯を食べて、施設から学校へ行く。
帰ってくると宿題をしたり、友達と遊んだり。
夜はみんなでご飯を食べて、寝るまでの時間はTVを見たりゲームをしたり自由に過ごします。
休日は、予定を立てて外出することもあります。


普通の家庭となんら変わりません。


私が担当していた子どもたちとは、
怒ったり、泣いたり、喜んだり、笑いあったり、励ましあったり、色々な感情を共有させてもらいました。


子どもたちはみんな明るくて、人を楽しませたり笑わせたりするのが大好きな子たちばかりだったので、私の方が元気をもらうことも本当に沢山ありました。


ですが、子供たちは“親がいない”という現実に、
日々向き合っていたんだろうなと思います。


施設での生活の中で、
学校での友達の何気ない一言で、
家族連れの多い公園で、ショッピングモールで…

周りの子と比べて、感じなくてもいい負い目を感じて、我慢することが当たり前になって、友達につく嘘が少しずつ増えていったりして。
日々の生活の中で、子供たちは沢山の壁と向き合いながらも強く生きているのだと思います。


施設に入所してくる時点で、喪失体験を経験して心に傷を負っている子がほとんどで、
大人を信じられず、自分に自信のない子が多いように感じていました。


“この大人は、信用していい人なのか。”

“この大人は、どんなことをしても自分のことを好き でいてくれるのか。”


子どもたちはありとあらゆる手段を使って、私たち大人の愛を試します。

生活の中で、沢山の壁と向き合いながら、更に身近な大人を試さなければならない子どもたちの心理的負担は計り知れません。
もちろん受け止める職員側も、相当な忍耐力と精神力が必要になります。


そして、時間をかけてようやく信頼関係が築けたと思っても、
職員の都合や会社の都合で、担当職員は入れ替わってしまいます。


言ってみれば、子どもたちにとっての父親的存在、母親的存在の人が、数年ごとに変わっていってしまうのが現状なのです。


職員にも自分の生活があるので、施設の運営上は仕方のないことなのですが、
児童養護施設で生活している子供たちが人生を投げ出さずに幸せに生きていくためには、失くなることのことのない居場所があり続けること、
そして、人生通して寄り添ってくれる・見守ってくれる・愛してくれる人の存在が絶対的に必要だと感じました。


だからこそ私たちTimeは、施設の外から、長く、子どもたちに寄り添い続けられる大人でありたいと思っています。
その年齢に合った遊びを通して、心と心の繋がりを作っていけたら幸いです。


私は施設を退職した今でも、担当していた彼ら・彼女らが大好きです。
その子たちを、私なりの方法で応援し続けたい、その思いが私の原動力となっています。



※本文中で使用した画像は主にTimeの活動での様子を撮影したもので、被写体の承諾を得ています。イメージ画像は、著作権・商用利用可のフリー画像になります。

  • 2019/08/31 21:49

    無事終了となり、49名の方から420,000円ものご支援をいただきましたこと、感謝でいっぱいです。「少しで申し訳ないけどパート代から支援させていただきました」という方や「ほかにも協力できることがあれば、ぜひ」とおっしゃってくださった方、多くの方々のお気持ちや応援が嬉しく、胸がいっぱいになる場面...

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