はじめに・ご挨拶

 はじめまして。鍼灸師の岩 昌宏(いわ まさひろ)と申します。当プロジェクトをご覧いただきありがとうございます。私は日本で初めて誕生した鍼灸大学を卒業し、その後、約30年間、大学教員として鍼灸の教育・研究・臨床(治療)に携わってきました。鍼灸治療にはどのような効果があるかご存じでしょうか?痛みや肩こりなどの筋肉の緊張を和らげることなどは一般的にもよく知られていますが、その他に自律神経系や免疫系、内分泌系(ホルモン)に作用して内臓の働きを調整したり、心を安定にするリラックス効果など様々な効果が期待できます。最近では美容や不妊治療、スポーツ選手ではコンディションを整えるために受けておられる方も多いです。

 私は大学で「腸の蠕動運動に対する鍼灸治療の効果」について研究を行ってきました。鍼灸治療は全身に361あるツボ(専門的には経穴とよびます)に鍼(はり)や灸(きゅう)で刺激を与える治療方法ですが、手や足、お腹などのツボを刺激すると腸の蠕動運動が活発になったり、逆に下痢で活発になりすぎた蠕動運動を抑え、腸の調子を整えることができます。さらに鍼灸のメカニズムを研究するためにアメリカのノースカロライナ州にあるデューク大学に留学しました。現在、鍼治療の研究はアメリカをはじめ世界中の多くの国々で行われています。研究の成果はアメリカの消化器学会などで発表してきました。また、臨床においては多くの慢性便秘・下痢、排便困難、腸管麻痺の患者様や便秘薬(下剤)を連用している慢性便秘の患者様に鍼灸治療を行ってきました。平成最後の3月末で大学での教職を辞し、臨床に専念して鍼灸治療でより多くの方々の健康づくりのお役にたちたいとの思いから、地元の京都・桂の地にこれまでの知識と経験を活かし、腸活を重視した鍼灸院をオープンすることにしました。現在はオープンに向けて準備中です。


デューク大学ノースホスピタルデューク大学の創設者James Buchanan Dukeの銅像

資格

はり師・きゅう師免許

鍼灸教員免許

博士(鍼灸学)

経歴

明治鍼灸大学 鍼灸学科 卒業

明治鍼灸教員養成施設 卒業

明治鍼灸大学附属病院 研修(3年間,うち2年間は外科で研修)

明治国際医療大学 准教授

帝京平成大学 准教授

同志社大学 嘱託講師(2年間、プロジェクト科目にて「伝統医学と健康」を担当)

Department of Surgery,Duke university(デューク大学 外科)(アメリカ)留学

経歴の詳細


鍼灸治療って?

 ここでもう少し鍼灸治療について紹介させてください。鍼灸治療は2,000年以上も前に中国で発祥した治療法です。中国の北の寒い地方において熱で体に刺激を与える灸がはじまり、南の地方で腫れ物などを切開する治療法として鍼がはじまったといわれています。日本には約1,500年前に伝わり現在まで引き継がれてきた伝統医療です。鍼灸治療の特色は、身体の表面のツボを刺激し、みずから身体の機能(自然治癒力)を活性化して健康な状態に導くことにあります。2010年には「伝統中国医学としての鍼灸」として、ユネスコに無形文化遺産としても登録されています。お灸は古くから家庭でもセルフケアとして行われ、日本人にとってはなじみ深いものです。

 一方、近年、欧米では西洋医学だけの治療の限界や医療費の高騰の問題などから、代替療法(西洋医学以外の治療法)が注目されています。その中でも鍼灸治療は、「Acupuncture(鍼治療)」として最も注目されている治療法で、多くの大学や研究機関で研究が行われ、鍼治療を受ける人が増えています。特にアメリカでは、テキサス大学MDアンダーソンがんセンターをはじめ全米トップクラスの病院や米軍でも鍼治療が導入されています。イラク戦争の過度のストレスで発症したPTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療に鍼治療が用いられ、有効であったことが報告されています。昨年のNHKで放送された東洋医学の特集番組では、腰痛の米兵が耳への鍼治療を受け、腰痛が軽減した様子が紹介されました。このように世界中の国々では鍼灸治療が注目され、需要も高まっていますが、残念ながら日本では鍼灸治療を受ける国民が年間1割未満と少ないのが現状です。鍼灸治療の効果や鍼灸治療の概要、便秘に対する鍼灸治療の効果などについては、当院のホームページに詳しく記載しておりますので、ぜひご覧下さい。

鍼灸治療の効果

便秘と鍼灸治療


今なぜ腸活が注目されているのでしょうか。

 小腸や大腸の腸管はヒトの体を維持するために重要な器官です。小腸は主に栄養分と水分、電解質などの消化吸収を行い、大腸は水分の再吸収と便の形成、排出を行っています。このように腸管は体を作る・体を動かすためのエネルギーに使う栄養分を体内に取り込み、不要物を排出することから重要な臓器と言えますが、さらに重要な働きをしています。腸管には体の免疫細胞の約70%が集中し、体の防御にたずさわっている他、「腸は第2の脳」、「脳腸相関」といって神経系にも重要な役割を担っています。これらの働きには腸に生息している腸内細菌が重要な役割を果たしています。近年、腸内細菌叢(腸内フローラ)が世界的に注目され、腸内細菌を解明するための研究が世界中の研究機関で行われています。日本からも多くの研究成果が、「ネイチャー」や「サイエンス」、「セル」などの世界的に権威のある科学雑誌で報告され、世界中から注目されています。腸内細菌は病原体からの防御、ビタミンや短鎖脂肪酸(大腸の保護、発がん予防、肥満予防など)の産生、免疫機能の調節などに関わっています。また、最新の研究では腸内フローラが美肌、肥満、便秘、糖尿病、アレルギー(花粉症、アトピー性皮膚炎)、認知症、うつなどにも関連していることが報告されています。このように腸内環境を整え、活性化し維持していくことが、病気の予防、健康の維持・増進、美容に重要であると言えます。






人生100歳時代を快適に生きるために

 日本人の平均寿命は年々延び、現在、人生100歳時代といわれるまでになりました。しかし、健康で活動できるまでの期間である健康寿命とは10歳以上もひらきがあることがよく言われています。つまり多くの方々が、人生の晩年の10年以上の間、寝たきりやQOL(生活の質)が低下した状態で過ごしているということになります。その原因としては、がんや心筋梗塞などの心疾患、脳卒中や脳梗塞などの脳血管障害、糖尿病などの生活習慣病、老化による筋骨格系の機能の衰え、認知症など様々なものがあります。生活習慣病は1度、発症してしまうと進歩した現代の医療でも改善することは難しく、後遺症を残すことも多いことから発症を予防することが重要とされています。また、現代はストレス社会と言われるようにストレスの増加や食生活の変化(欧米化)、ライフスタイルの多様化などにより、うつ病や神経症、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患、過敏性腸症候群、慢性疲労症候群など俗に現代病、国民病と言われる病気も増えています。

 高齢者の増加や生活習慣病の増加などから我国では“医療費の高騰”という問題に直面しています。毎年、発表される日本の国民医療費は年々増加し、40兆円を越えています(ちなみに日本の年間の国家予算は約100兆円です)。日本では“国民皆保険”といって国民全員が医療保険に加入し、医療費が保険でカバーされ、医療が受けやすいシステムになっています。この世界でもほとんどない医療保険制度が、医療費の高騰により年々、赤字財政となっています。

 “未病”と言う言葉をご存じでしょうか。1度は聞いたことがある方も多いかと思います。“未病”は約2,000年前の古代中国の医書とされる『黄帝内経』に記載されており、体調は低下しているがまだ病気が成立していない状態を意味します。詳しくは“治未病”と記載されており、「みびょうをなおす」つまり病気の前段階でケアして病気にならないように予防することの重要性を説いています。また、これと同時に私達の先人は、“養生”を重要視し、様々な養生法を考え、日々、実践してきました。ちなみに現在では「ようじょう」と読むことが多いですが、本来は「ようせい」と読み、「せいをやしなう」、「いのちをやしなう」と言う意味になります。このように“未病”も“養生”も日々の生活の中で体調を整え、より健康にすごすことであり、古今を問わずまさに現代人とって必要なことではないでしょうか。東洋医学・鍼灸治療は本来、健康の維持、病気の予防を目的としています。より多くの方々が日々の体調を整え、病気を予防し健康で過ごすことが医療費の増加を抑えることが出来るのではないかと考えています。


このプロジェクトで実現したいこと

 私がこのプロジェクトで実現したいことは、まずはより多くの方々に鍼灸治療の良さを知っていただき、鍼灸治療を受けていただきたいことです。鍼灸治療の「鍼は痛いのでは?」、「お灸は熱いのでは?」と思われる方も多いかと思いますが、鍼はほとんど痛くありませんし、お灸も熱くないお灸や施術法があります。これまでに初めて鍼灸治療を受けられた方の多くが、鍼は痛くないし、お灸もあつくない、むしろ心地よくリラックスできた、体が温まったなどの感想を述べられています。

 そして鍼灸治療で多くの方々の健康の維持・増進、健康づくりのお役にたちたいと考えております。日々の生活や仕事でストレスや疲れが溜まっている、病院に行くまでではないけれどもつらい症状がある、なんとなく体調が低下している、アレルギーや肥満、便秘、冷え症などの体質を改善したい、さらに健康を保ちたいと感じておられる方々の体と心のメンテナンスができる場を作りたいと考えています。(鍼灸治療は国家資格(厚生労働大臣免許)をもつ鍼灸師が行いますが、法令に基づく医療、診療行為ではございません。効果には個人差がございますことを予めご了承ください。)

 

これらを実現するために特に力を入れたいことが、「腸内環境を整える」ことです。先にも述べましたとおり腸は体を維持するための栄養分や水分の吸収、不要物の排泄を行っているだけでなく、体を防衛する免疫機能、ビタミンの産生、神経系の調節など健康を保つために重要な器官です。多くの方々にこれらの情報を知っていただき、「腸内環境を整え、健康を保つ」お手伝いをさせていただきたいと考えています。

 「腸内環境を整え健康に美しく」をコンセプトに、腸の蠕動運動を整え体調を整える鍼灸治療に加え、腸内フローラに働きかけるビフィズス菌を含有したサプリメントや腸内フローラの状態がわかる腸内細菌検査、腸活に役立つ情報などをご提案、ご提供していきたいと考えています。腸内細菌や腸内細菌検査についてもホームページに詳しく記載しておりますので、ぜひご覧になって下さい。

腸内細菌について

腸内細菌検査

 便秘や下痢、お腹の調子がいまいちと感じておられる方だけでなく、体調を維持したい、体調を整え美容・健康を保ちたいと考えておられる方にはぜひ鍼灸治療をお試しいただきたいと思います。


プロジェクトをやろうと思った理由

 私は長年、大学教員として大学の附属病院で鍼灸治療を行ってきました。附属病院では外科(特に消化器外科)に所属し、外科の外来・入院患者様に医師と連携して鍼灸治療を行ってきました。手術を受けられる入院患者様や術後の外来患者様に鍼灸治療を行ってきましたが、多くの癌患者様にも鍼灸治療を行ってきました。術後の早期回復や様々な自覚症状の軽減によるQOL(生活の質)の向上、免疫力の向上などを目的に鍼灸治療を行ってきましたが、末期癌以前の患者様の場合は、鍼灸治療も良好な効果がみられることが多く、多くの患者様が元気になり退院されます。しかし、再発により再入院された末期癌の患者様ではなかなか効果がみられないことが多くなってきます。毎日、病室に出向き鍼灸治療を行いますが、徐々に状態が悪くなっていく方が多く、場合によってはモルヒネなどの作用で意識がほとんどない患者様にも鍼灸治療を行うこともありました。このような経験を重ねていくうちに、体を元の状態に戻す力(自然治癒力)の重要性を痛感しました。そして、鍼灸治療はまだ病気でない未病の状態で行ってこそ本来の効果を発揮できるのではないかと考えるようになりました。

 現代は未病の状態の方が多いのではないでしょうか。仕事や日々の生活におわれて、疲れやストレスがたまっている方、病気ではないけどなんとなく不調な方、様々な自覚症状をかかえておられる方。そのような方々が、日頃から定期的に心身(心と体)のケア・メンテナンスができる場を作りたいと考えています。「体がスッキリした。元気になった。」と喜んでいただける鍼灸院を作りたいと思っていますのでご支援よろしくお願い致します。


これまでの活動

オフィスの一室がリラクゼーションの場に 近年、日本では少子高齢化による人口の減少、働き手の減少と高齢化などの問題からワークライフバランス働き方改革が話題になっています。厚生労働省の調査によると、労働者の7割が仕事によるストレスや疲労を蓄積し、様々な自覚症状や身体不調を訴えているといわれています。長時間労働により心身に疲労が蓄積されて、うつ病などの精神疾患を患ったり、ひどい場合には過労死や自殺におちいる人が増えていることが社会問題になっていました。そこで働く方々の心身の疲労やストレス、身体の不調を緩和して健康管理に役立ててもらう目的で、企業・オフィスへの訪問鍼灸施術を実施してきました。

 これまでに約10社で約400人の社員の方々に鍼灸施術を受けていただき、「身体が楽になった」、「肩こり、腰痛など様々な自覚症状が軽減した」、「リラックスできた」、「ストレスが軽減した」、「仕事の効率が上がった」など有益な結果がえられています。

オフィスでの鍼灸施術導入事例

 鍼灸治療は、日々のストレスや疲れ、心身の不調を軽減して体調を整える効果が期待できます。健康を保ち晩年まで長く過ごす、働くために鍼灸治療を多くの方々に受けていただきたいと思います。今後もこの活動は続けて行きたいと考えています。


資金の使い道

クラウドファンディングでご支援いただいた資金は、鍼灸院の運営資金に使わせていただきます。


リターンについて

 新しくオープンする鍼灸院は、健康を保つために重要な「腸を整える」ことにこだわり、鍼灸施術と腸活を組み合わせたメニューを提供します。腸の蠕動運動を整え、自律神経系・内分泌系(ホルモン)・免疫系を調整して体調を整える鍼灸施術に、腸内フローラに働きかけるビフィズス菌含有のサプリメント、腸内フローラの状態がわかる腸内細菌検査を組み合わせたメニューになります。

 ビフィズス菌はヨーグルトなどの食品からも摂取できますが、十分な量を継続して摂取するのは大変です。サプリメントはDr.J&C株式会社が提供する「ベイビーフローラ」です。ベイビーフローラには、森永乳業社の優良なビフィズス菌300億個以上と善玉菌のエサになるミルクオリゴ糖なども含まれています。(ベイビーフローラは健康食品です)

 現在、腸内細菌検査は健康管理に役立てる(病気を診断するものではありません)目的で多くのクリニックでも導入されています。当院では株式会社マイクロバイオータが提供する16Sメタゲノム解析による腸内細菌を導入しています。サプリメントの詳細や腸内細菌検査から何がわかるのかについてもホームページに詳しく記載しておりますので、ぜひご覧下さい。

ベイビーフローラ

腸内細菌検査

 いずれのコースも通常価格よりディカウントしていますので、ぜひお試し下さい。

 支援していただいた方には、開院日をメールにてお知らせします。ホームページの予約フォームまたは電話にて予約してご来院下さい。サプリメントはご来院時にお渡しさせていただきます。また、腸内細菌検査はご来院時に検査キットをお渡しし、ご説明させていただきます。


実施スケジュール

7月初旬 内装工事・開院準備

7月中旬〜下旬 鍼灸院オープン

8月20日〜 リターンをお届けします。支援者様にはメールで予約方法などをご連絡します。


最後に

 最後までお読みいただきありがとうございました。腸は健康にとって大切な器官です。便秘や過敏性腸症候群などお通じでお悩みの方だけでなく、肥満やアレルギー体質でお悩みの方、健康に体調を維持したい方など多くの方々にお試しいただきたいと考えています。腸にこだわった今までにほとんどないコンセプトの鍼灸院を開院し、多くの方々のみらいの健康のお役にたちたいと考えておりますので、どうぞご支援のほどよろしくお願いいたします。
 本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

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