はじめまして、小川由規子といいます。私は北海道で重度知的障がいの娘を育てています。
将来、障がい者が社会の一員として、今よりも自然に受け入れられ、地域で安心して暮らせる世の中にしたいという願いを込めて、
11月16日(土)に、北海道北見市で『フリーアートパーティー!』というアートイベントを企画しています!


合言葉は、「障がいのある人もない人も、大人も子供も、自由にアートを楽しもう!」
「上手い、下手はない、自分自身を表現することがアート!」です。

内容は、
〇誰でもできる絵画のワークショップ

〇簡単パステルアートワークショップ

〇ぬりえコーナー

〇簡単科学実験コーナー

〇将棋体験コーナー

〇演劇ワークショップ

〇歌のステージ

などを予定しています。
すべて無料で体験できます。



どのコーナーも難易度を低く、自由度を高くして、興味を持った人が誰でも参加しやすいようにします。
そして、近隣の児童デイサービスや特別支援学級、特別支援学校にチラシを配布して、知的障がいや身体障がい、自閉症やダウン症、発達障がいやグレーゾーンの子どもたちや、その親や支援者たちに遊びに来てもらえるよう呼びかけます。
市内にもポスターをたくさん貼り、また口コミを使って、障がいのない親子にもたくさん遊びに来てほしいと思っています。

すべて無料にするのは、よりたくさんの人に参加してほしいのもありますが、土曜日開催なので児童デイサービスで遊びに来てほしいからです。
無料にすることで、デイサービスとしても子どもを連れて来やすくなり、多くの参加者に楽しんでもらうことが出来ると考えています。
障がいのあるなしにかかわらず、子供を連れてきたお母さんやお父さんも、無料ならば、子供が望むだけのアート体験をさせてあげられます。


障がい者と健常者が隣り合わせで体験する

世の中にはバリアフリー社会に共感していても、普段障がい者と出会う機会がないために「どう接していいか分からない」と思っている人がたくさんいると思います。また、良く知らないから「ちょっと怖い」と感じている人もいるでしょう。

ですから私は、障がい者と健常者が一緒に楽しむイベントを企画しました。

障がい者向けのイベントはたくさんあります。
でも、それだと、障がい者の家族やボランティアさんしか関わることがありません。

私は、そうではなくて、普段障がいのある人と関わる機会がない人に、私の娘や、娘の仲間たちの姿を見てほしいのです!



身体や知的な部分に障害があっても、私たちと何ら変わらることはありません。
楽しければ笑い、悲しければ泣くのです。

好きなことをしているときの表情は、それは生き生きとしています。
そして誰かと楽しい時間を共有することが出来た時の笑顔は、何ものにも例えられません!!



私は一人でも多くの人に彼らの笑顔を見てほしいと思っています。
それが「こころのバリアフリー」に繋がると信じているからです。



障がい者もコーナーを担当

「フリーアートパーティー!」では、障がい当事者の方にもコーナーを受け持っていただきます。
科学実験コーナーと将棋体験コーナー、そして歌のステージは、精神障がいや身体障がいの当事者の方にお願いすることが出来ました。


ヘレン・ケラーの言葉に「障がいは不便だけれど、不幸ではない」というものがあります。
障がいがあるからと言って不幸ではないのは、当たり前のことですが、不便なのは事実です。不便ですから、好きなことをする時にも何かしらの支援が必要だったり、工夫が必要だったりすることがあります。


まして、それを続けていくとなると、健常者以上に強い気持ちが必要になります。
今回、コーナーの担当を引き受けてくださった方々は、皆それぞれに好きなことを続けて来られた方です。
そしてそれぞれに、ストーリーがあります。
それらのストーリーは直接語られなくとも、彼らの生き生きとした姿から、感じることが出来るでしょう。


彼らが好きなことを続けている姿。それ自体が「自分自身を表現するというアート」だと思うのです!

今回、障がい・健常関係なく、コーナー担当を快く引き受けてくださった方々に、感謝しています。




朝霧裕さんとのこと

ここで、歌のステージを担当していただく朝霧裕さんについて少しご紹介させてください。
朝霧さんは、ウエルドニッヒ・ホフマン症という難病を持って生まれた障がい当時者で、車いすシンガーとして音楽活動や作家活動をしながら、埼玉県で暮らしています。



朝霧さんの歌は単に「障がい者ががんばっている歌」などではなく、等身大の女性が、生きることの悩みや喜びを素直に歌ったものです。彼女の歌を聴くと、「障がい者はかわいそうな存在でも、特別な存在でもなく、私たちと同じように、悩んだり笑ったりして生きている隣人だ」ということを自然に理解できるのです。


私が彼女の歌を初めて聞いたのは、今年の2月でした。
沖縄で行われたイベントで歌っている朝霧さんは、ギターの奥野さんと阿吽の呼吸で、楽しいステージを見せてくれました。

しかし歌の途中で、朝霧さんは喉に痰がたまり、声がうまく出なくなってしまったのです。
するとギターの奥野さんが、慣れた様子で歌い始めました。

朝霧さんは奥野さんが歌っている間に、うまく痰が流れたようで再び歌いだし、そして奥野さんは歌うのをやめました。



わたしはその様子を見た時、とても感激しました!!
普通は、「人前で歌うのなら、ちゃんとしたステージを提供しなければいけない」という意見もあるでしょう。
でも、障がい当事者には「ちゃんと」したくても「ちゃんとできない」時があるのです。
そして、健常者であるわたしたちも、「ちゃんとしなさい」という言葉や、「ちゃんとしなきゃ」という思いに疲れてしまうことだって、ありますよね?


歌の途中で痰がたまってしまった朝霧さん。

自然に歌いだし、その場をフォローしたギターの奥野さん。

何も言わずに最後まで聴き続け、歌の終わりに拍手をした観客たち。


なんて優しいコンサートだろう!
私は心から感激しました!!

でも私たちの社会にも、本当はこんな優しさを持った人がたくさんいるんじゃないだろうか?
その優しさを表に出したら、もっと誰もが暮らしやすい世の中になるんじゃないだろうか?

私はたくさんの人に朝霧さんのステージを見てほしいと思いました!


そして朝霧さんにとって、その時の沖縄行きは大きなチャレンジだったそうです。
埼玉から沖縄へは飛行機に乗らなければいけませんから、「普通」の「常識」で考えれば、「危ないし、迷惑をかけるかもしれないからやめておけば?」ということになってしまいます。


でも彼女は沖縄に来ました!飛行機に乗ってきました!
障がいがあったって、車いすだって、行きたい場所があればどこにでも行くんです。
私たちと何ら変わりません。


彼女は「障がい者だって健常者だって想いは変わらない」ことを証明してくれるのです。


そして朝霧さんは、ステージ上で「次は北海道に行きたい」と言いました。
その時わたしは、「自分が北海道に呼べたらな・・・」と、こっそり思いました。


でもなんと!
翌日、帰途についた那覇空港で朝霧さんにお会いしたのです!!
もちろん私は声をかけさせていただき、「やっぱり自分が朝霧さんを北海道に呼びたい」と強く思いました。

北海道に行くのが朝霧さんの夢であり、朝霧さんを北海道に呼ぶのがわたしの夢です。
朝霧さんを北海道にお呼びするのには、それなりのお金が必要です。
それでも私が呼びたいと思うのは、自分や朝霧さんのためだけではなく、彼女の歌う姿を、北海道の障がい当事者や、家族、また障がい者と接したことがない人にも、ぜひ見てもらいたいと思うからです。


*写真提供:三好祐司 小髙剛



安全面にも気を配って

「フリーアートパーティー!」では、知的障がいや発達障がいのあるお子さんにもたくさん遊びに来てほしいと思っています。ですので、そういったお子さんや親御さんが安心して楽しめるような工夫もしていきます。

具体的には、各コーナーにサポート用のボランティアを2~3人配置する。

床や壁の汚れを気にしなくてよいように、ブルーシートなどを用意する。

気持ちが落ち着かなくなった時のために、リラックススペースを用意する。

など、その他にもスタッフ間で知恵を出し合って、子供も大人も安心して楽しめる場にしていきます。

そして何より、ちょっと子供が失敗したり、物を倒したりしても、「いいよ、いいよ」と言い合えるような、優しい空間にしたいと考えています。

もちろん怪我などがないように、できる限りの安全対策は準備しますので、そのための予算も必要です。



資金の使い道

皆様から集めた資金の使い道を説明します。
〇50万円・・・ワークショップ講師への謝礼、材料費、交通費、宿泊費
〇9万円・・・ポスター、チラシ代金
〇6万円・・・会場利用料、音響謝礼
〇38,000円・・・汚れ防止用シート、絵の具を洗うバケツ等、雑費
〇120,960円・・・クラウドファンディング手数料(税込み)


リターンについて

資金をご提供くださった方へのリターンを説明します。
〇1,000円・・・サンクスメール

〇3,000円・・・イベントに参加した子供が描いたアート作品をプリントしたポストカード1枚
        サンクスメール

〇5,000円・・・イベントに参加した子供が描いたアート作品をプリントしたポストカード2枚
        サンクスメール

〇8,000円・・・イベントに参加した子供が描いたアート作品をプリントしたポストカード3枚
        サンクスメール

〇10,000円・・・イベントに参加した子供が描いたアート作品をプリントしたポストカード4枚
        イベント当日に協賛者として、会場にお名前を掲示
        サンクスメール

〇15,000円・・・イベントに参加した子供が描いたアート作品をプリントしたポストカード6枚
        イベント当日に協賛者として、会場にお名前を掲示
        サンクスメール

〇30,000円・・・イベントに参加した子供が描いたアート作品で作ったフォトブック1冊
        イベント当日に協賛者として、会場にお名前を掲示
        サンクスメール

〇60,000円・・・イベントに参加した子供が描いたアート作品で作ったフォトブック2冊(同じもの2冊)
        イベント当日に協賛者として、会場にお名前を掲示        
        サンクスメール

〇100,000円・・・イベントに参加した子供が描いたアート作品で作ったフォトブック3冊(同じもの3冊)
        イベント当日に協賛者として、会場にお名前を掲示
        サンクスメール


最後に

知的障がいのある娘を産んで、育て、他の多くの障がい者と接してきた私にとって、今回のイベント開催は大きなチャレンジです。

「フリーアートパーティー!」は1回限りのお祭りですが、私はこれをきっかけに、全国でも同じようなイベントが行われるようになったらうれしいと思っています。

今、障がい者は社会に出て行きたくても多くの障壁があるため、街で障がい者を見かける機会はあまり多くありません。その結果「障がい者と接したことがない、接したことがないからよく分からない」という人がたくさんいます。

でも、実は彼らは特別な存在ではなく、私たちと同じように楽しいときには笑い、悲しいときには泣くのです。障がいのあるなしというのは、例えば国籍が違うとか、民族が違うとか、趣味嗜好が違うとかいうことと同じように、ちょっとした個性の違いだと感じることも少なくありません。

「障がいは不便だけれど、不幸ではない」との言葉は、当初は「不幸ではない」ということを伝えるために発せられた言葉だと思いますが、ヘレン・ケラーの時代から半世紀が過ぎた今、「不幸ではないのは当たり前。でも、不便なのは確かだから、そこを改善していこう」という意味にも使いたいと、最近思っています。

世の中には様々な国籍、肌の色、趣味嗜好、障がいの有無の人が暮らしています。

「もしかしたら障がい者の中に、私と気の合う人がいるかもしれない」と多くの人が思い、彼らと接したいと願ってくれれば、それがバリアフリーを進める原動力にもなると思っています。


尚、本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、「フリーアートパーティー!」を実行し、リターンをお届けします。


長い文章にお付き合いいただき、ありがとうございました。

フリーアートパーティー!実行委員会代表 小川由規子


  • 2020/02/11 16:53

    ご支援いただいたパトロンの皆様にはすでにご報告した通り、2019年11月16日にフリーアートパーティーは無事開催することができました。ご報告が遅くなりましたが、収支決算報告を掲載いたします。収入 クラウドファンディング(手数料除く)     695,399円   その他、寄付         ...

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