展示作品への批判や脅迫により僅か3日で中止になったあいちトリエンナーレ「表現の不自由展・その後」は、表現の自由が直面する状況を浮かび上がらせました。この機会に過去に表現の自由が侵された様々な事例を通し、イデオロギー対立ではなく幅広い視点から俯瞰的に「表現の不自由」な現状を考察する書籍を発刊致します。

プロジェクト本文

はじめに・ご挨拶

 小社ブリコルール・パブリッシング株式会社(代表取締役:島田 亘)は、大阪にある独立系の小さな出版社です。

 この度、小社では、アートで社会に対話と潤いを与え、 アートを通じて人を思いやる想像力と難問を突破する創造力の構築を志すソーシャルアートメディア「ARTLOGUE(アートローグ)https://www.artlogue.org/を企画・運営する株式会社 ARTLOGUE(代表取締役CEO:鈴木大輔氏)と提携。

 この国の「表現の自由」が侵されている現状を考察し、表現の自由の在り方を考える書籍『表現の不自由時代本』(仮題)を制作・発行致します。


このプロジェクトで実現したいこと

 アートを中心に、映像や音楽などの様々な芸術・カルチャーの表現活動において、過去に展覧会の中止や作品の出展取りやめ、自己回収など、「表現の自由」が侵された事例を作家にインタビュー形式で取材。加えて、メディアの問題、「表現の自由」と法規制、この国の現在を覆う忖度や自主規制などの同調圧力に潜む問題の本質についての有識者による見解などをまとめて、1冊の書籍『表現の不自由時代本』(仮題)として刊行すべく考えております。

『表現の不自由時代本』(仮題)では、今回の「表現の不自由展・その後」を巡る一連の経過もより俯瞰的に考察し、また一方的なイデオロギー論争に陥ることなく、バランスの取れた視点で、対立や分断ではなく、対話と協調に向けて、一人一人が考える機会として、わが国の「表現の自由」が直面している現状と課題を考察して、1冊の本にまとめたいと考えています。

プロジェクトをやろうと思った理由


 周知のように、今月1日に開幕した「あいちトリエンナーレ2019」内の企画展「表現の不自由展・その後」は、開幕すぐから展示作品に対してのSNSなどでの誹謗・中傷、事務局や主催者への電話やFAXによる抗議や恫喝から、行政長や国会議員など権力側からの批判、果ては脅迫などのテロ行為まで行われ逮捕者がでるに及んで、僅か3日で中止になり、図らずも、今回の騒動を通して、この国の「表現の自由」が直面している危機的な状況を浮かび上がらせる結果ともなりました。一連の騒動は終息することなく、著名人から一般人まで巻き込んでメディアやネット上での議論・批判、「表現の不自由展・その後」の中止に反対して一部のアーティストが作品を展示取り下げするなど、トリエンナーレ開催中の今日現在も自体は刻一刻と推移しています。

 昨今、わが国ではアートをはじめ、文化・芸術の表現の現場への検閲や介入、インターネット上での誹謗・中傷、組織・個人からの抗議による展覧会の中止や作品の出展取りやめ、あるいは自主規制による作品の自主回収など、表現行為に対する圧力、規制が強まっています。

2015年、東京都現代美術館で開催された「おとなもこどもも考える ここはだれの場所? 」展にて、市民からの抗議を受けて、美術館側から撤去の要請があった、会田誠の家族3人による会田家《檄》2015 展示風景 2015 撮影:宮島径 (c) AIDA Family Courtesy Mizuma Art Gallery

2017年、沖縄県の伊計島で開催された「イチハナリアートプロジェクト」にて、展示開始直前にベニヤ板で封印された、岡本光博の作品《落米のおそれあり》

 そこには公権力による規制や圧力だけでなく、近年、顕著な忖度や、本来は表現する側であるはずの組織・機関・メディア・個人による自主規制や萎縮、この国に顕著な同調圧力などが絡み合い、「表現の自由」に対して不寛容な空気が拡がり、この国の同時代を覆っています。また、カルチャーの領域に留まらず、報道や言論に対する規制や圧力も年々強まっています。

2014年、愛知県美術館で開催された「これからの写真」展で、愛知県警からの指摘を受けて布で覆った、鷹野隆大の作品《“with KJ#2(2007)” 》(シリーズ『おれと』より)
©️ Ryudai Takano Courtesy of Yumiko Chiba Associates, Zeit-Foto Salon

殺害予告を受けた、岡本光博《橋仔頭神社境内再現プロジェクト》2005 台湾の日本統治時代の神社を写した2枚の写真と当時を知る人々へのインタビューを元に、現地に石燈籠等、神社の一部を復元。

ろくでなし子が女性器の3Dデータを元に加工した造形物を、カヤックの乗り口にはめ込んだ「マンボート」。CAMPFIREのプロジェクトで制作資金を集めて達成。

「表現の自由」は決してアーティストや表現者だけの権利ではなく、「表現」はともすれば資本力や権力によって歪められかねない「思想及び良心の自由」を守るために国民全員が持つべき武器であり、「表現の自由」はそのために守られるべき最低限の権利です。そして「表現の自由」は決して絶対的な権利ではありません。権力者による抑圧や忖度、無意の同調圧力や自主規制によって、いとも簡単に脆く瓦解してしまう、儚い権利です。その私たち一人一人に与えられた脆くも儚い、でもかけがえのない権利が明らかに、あるいは暗に侵されつつあるこの国の状況に強い危機意識を抱いております。 

 より健全、かつ自由に表現活動ができる社会を目指して、対立や分断ではなく、対話と協調に向けて、私たち一人一人が考える機会として、わが国の「表現の自由」が直面している現状を1冊の本を通して考察、「表現の自由」について改めて考える機運を創り出したく考えています。


これまでの活動

ソーシャルアートメディア「ARTLOGUE(アートローグ)」にて連続インタビュー企画「表現の不自由時代」を掲載。
http://www.artlogue.org/node/4126
http://www.artlogue.org/node/4170
http://www.artlogue.org/node/4174
http://www.artlogue.org/node/4176


資金の使い道

・書籍『表現の不自由な時代』(仮題)の制作費一式
  取材費・原稿料など 約700,000円、装丁デザイン費 約200,000円、印刷費 約800,000円、
  その他 約100,000円
・「表現の自由」について考える催事(トークイベントなど)の開催費用 約200,000円


リターンについて

・書籍『表現の不自由な時代』(仮題)をご提供致します。
・「表現の自由」について考える催事(トークイベントなど)へ無料でご招待致します。


実施スケジュール

・2019年8月〜10月  書籍『表現の不自由な時代』(仮題)の取材・制作。
・2019年11月初旬  書籍『表現の不自由な時代』(仮題)を刊行予定。
・2019年11月   「表現の自由」について考える催事(トークイベントなど)を開催。
         (開催場所:東京都内と関西を想定 *詳細は決定次第、告知致します)

最後に

「あいちトリエンナーレ2019」における「表現の不自由展・その後」で表現の自由について多くの方々が考えることになったこの機会に、様々な事例や俯瞰的な視点を1冊の書籍にまとめることを通して、かけがえのない我々の権利である「表現の自由」について見つめ直し、考え、この国の同時代を覆う”表現が不自由になりつつある空気”を考察する契機にしたく考えております。
 皆様のご支援とご賛同をお願い申し上げます(拝)

*本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、書籍『表現の不自由時代本』(仮題)は制作・発行し、リターンをお届け致します。

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