はじめまして。國府田典明と申します。

私は、インドの理化学ガラスメーカー、BOROSIL社が作るグラス「VISION GLASS」を日本に輸入・販売しています。
新婚旅行先のインドで初めて見た、シンプルな「VISION GLASS」の佇まいに魅了され、2013年に妻であるモコメシ/小沢朋子とこの仕事を始めました。

事業を行なう中で、「VISION GLASS」というインドのプロダクト製品が発端となって、「NO PROBLEM」というプロジェクトが誕生しました。

このプロジェクトの活動をまとめたタブロイド紙、『NO PROBLEM』発行の実現に向け、応援してくださる支援者を募集しています。

『NO PROBLEM』とは、製品の製造過程で必ず生まれてしまうB品と呼ばれる製品を「NO PROBLEM(問題なし!)」として受け入れることを通して、今の日本におけるデザインと生活の風通しをよくしようとするプロジェクトです。

私たちVISION GLASS JPをはじめ、プロダクトデザイナーや映像クリエーター、グラフィックデザイナ-、エディターらが参加するプロジェクトチーム(以下、NPチーム)は、1年あまりをかけて、VISION GLASSのメーカーであるBOROSIL社をはじめ、木村硝子店、松野屋、SIWA | 紙和、ヤマサキデザインワークス、マルニ木工など、日本のメーカー、企画デザイン会社、卸問屋など、さまざまな立場の人々への取材を行ないました。

その成果を、展覧会とタブロイド紙、2つのメディアを通じて発表します。

タブロイド紙は、この6月20日(火)~7月17日(月・祝)に東京・丸の内にあるGOOD DESIGN Marunouchiで開催される展覧会「NO PROBLEM展」において、創刊1号と2号を同時刊行します。
また、展覧会の巡回先であるデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)においても、7月29日(土)~8月13日(日)の会期中に販売を行ないます。

はじまりは、新婚旅行。

プロジェクトの発端となった「VISION GLASS」と出会ったきっかけは、新婚旅行でした。

インド北部にあるレーという街のカフェでのこと。オーダーしたアプリコットジュースが、潔いほどシンプルなグラスで運ばれてきました。クリアでフラットな筒状のガラスは、中に入っている飲み物を素晴らしくかっこいいものに見せてしまいます。

妻と私は、テーブルの上の風景に感動してしまいました。早速買って帰国し、毎日使って、飽きないデザインと使い勝手の良さを実感しました。

インターネットで調べると高い耐熱機能をもつことがわかり、妻はさまざまなレシピを試し始めました。

直火にかけて御飯を炊いたり、マフィンを焼いたりもできるんです!



使い始めて2年が経ち、このグラスを使う喜びを多くの人と共有できたら…という思いが膨らみ、私たちは日本への輸入、販売を手がけようと決意しました。 しかし…。

いきなり壁にぶつかる

輸入を始めて気がついたのですが、不良品の数が恐ろしく多かったのです。
インドでは、VISION GLASSは年間1000万個以上出荷され、その品質は高く評価されています。しかし、輸入当初はキズがひどくて、5~6割を流通から外していました。

小さなキズ。ゆがみ。日常生活で使うには支障がないが、よく見るとキズがある。

その後のBOROSIL社とのやりとりによって、不良品率は2~3割まで減ったものの、送料が高額のため送り返すこともできないグラスの箱はどんどん増殖していきました。

しかし私は、グラスとしての機能を充分に果たす「不良品」を捨てることがどうしてもできませんでした。かと言って流通に出さなければ、これらのグラスはインドと日本の価値観の狭間で行き場を失うことになってしまう。
なんとかしなければ、という思いを抱えたまま2年が経ち、溜まったグラスは5000個に届こうとしていました。

NO PROBLEMという言葉



廃棄したくないのなら、「訳あり品」として安く売るのがてっとり早い解決策でしょう。
しかし、私はそうしたくはありませんでした。

もっと面白い方法で、かつ納得がいくやり方で、この行き場を失ったグラスをなんとかできないか。

そんなことを考えているうちに、新婚旅行での出来事を思い出しました。
VISION GLASSを探しあて、店の人に「もっときれいなのはないの?」と聞いた時、布で一生懸命に汚れを拭いて「ノー プロブレム」と言われたのです。

そこで私と妻は、これらの不良品を「NO PROBLEM」品(NP品)と名付け、定価で販売することを思いつきました。

意味するところは、インドで「ノー プロブレム」と言われた体験から得た“気づき”を伝えることです。

NO PROBLEMなインド、問題な日本

インドの検品基準は「問題なく使えること」。
日本の検品基準は「使えることはもちろん、見た目も重視」。

両国の検品基準に大きな差があるのです。
それは価値観の違いと言えるかもしれません。
私自身、今思うと検品する際の自分が設定した基準が厳しいと感じています。
果たしてそれは、日本の消費者の基準なのか。私が神経質なだけなのか?
このままでいいのか?
もしもその厳しさが、今の日本のライフスタイルにも影響を与えているとしたら?

この想いについてプロダクトデザイナー、グラフィックデザイナー、映像クリエイター、エディターたちに話したところ、問いのヒントを見つけるためにものづくりを取り巻く日本の状況をリサーチしてみようということになりました。

桃太郎の鬼退治みたいにNPチームが誕生し、プロジェクトがスタートしました。

チームでブレーンストーミングを重ねた結果、量産品にはさまざまなタイプがあり、それぞれの立場によって良品/不良品に対する考え方も異なることがわかってきました。そこで、まずは日本で日用品のものづくりと流通に関わるさまざまな人々に、良品/不良品にまつわる話を聞いてみることから始めることにしました。

お話を伺ったのは、たとえばこんな方々です。
荒物と呼ばれる普遍的な日用品にこだわって、さまざまな雑貨を商う松野屋さん。帝国ホテルや一流のバーに業務用のグラスを卸している木村硝子店さん。いずれも一本スジの通ったベテランです。また、工業デザイナーの深澤直人さんとともに破れない障子紙を日常品のデザインへと展開する「SIWA | 紙和」さんなど。

インタビューの内容はものづくりから商いまで多岐にわたり、ときには生き方にまで及びました。

 

今年の2月には、インド取材も敢行しました。

BOROSIL社のある商業都市ムンバイで社長さんへのインタビューを行なったほか、工場で製造の現場も取材。さらにムンバイのマーケットを訪ねたり、世界的に活躍する建築家、スタジオムンバイのビジョイ・ジェインさんの仕事場を訪問し、日本とインドの価値観や生活の違いなどについてインタビューしました。



プロジェクトが目指すもの

タブロイド紙では、これらすべての記録を掲載します。

展覧会でさまざまな日用品のNP品を目で確かめ、タブロイド紙でインタビューおよびプロジェクトの記録をじっくりと読む。そして考える。

一連の体験を通して、暮らしの中に寛容さを取り入れ、日本の今の生活を見直すヒントになればと願っています。

タブロイド紙 概要

タブロイドは、Vol.1・Vol.2を同時刊行します。

【タイトル】NO PROBLEM
【仕  様】タブロイド判 オールカラー8ページ 全2号
【発 売  日】2017年6月中旬予定
【予  価】各号300円(税込)
【発行部数】各号10000部
【発 行  元】NO PROBLEM プロジェクトチーム

【各号の内容】
『Vol.1  NO PROBLEM 日本編:――日本でNPを考える』
日本のメーカー、流通、小売店へのインタビューほか
登場する取材先:BRICK & MORTAR/マルヒロ/SIWA | 紙和/株式会社ウィークス/木村硝子店/松野屋/芝原人形/ヤマサキデザインワークス/マルニ木工/STYLE STORE/ほか

『Vol.2  NO PROBLEM インド編:――インドでNPを考える』
BOROSIL社社長インタビュー
スタジオ・ムンバイ主宰ビジョイ・ジェイン氏インタビュー
ムンバイでの販売店リサーチ結果など

リターン内容

 ¥3,000【グラス NO PROBLEM品 1点コース】
・タブロイドVol.1・Vol.2 各1
・グラス NO PROBLEM品 1
 (グラスのセレクトは御任せ下さい。)

¥5,000【“初めての方”向けおすすめグラス3点コース】
・タブロイドVol.1/Vol.2 各1部
・グラスNP品 S/M/LH 各1点ずつ
・<おまけ>先着数名の方に、タブロイドの印刷ズレなどのヤレ紙1枚もプレゼント

¥5,000【“ご愛用中の方”向け選べるグラス3点コース】
・タブロイドVol.1/Vol.2 各1部
・グラスNP品 3点
 (7型よりサイズのご希望を承ります。)
・<おまけ>先着数名の方に、タブロイドの印刷ズレなどのヤレ紙1枚もプレゼント

¥10,000【おすすめグラス6点&レセプションご招待コース】
・タブロイドVol.1/Vol.2 各1部
・グラスNP品同じサイズで6点
 (入手困難な輸入初期の赤箱入り。NP品のセレクトは御任せ下さい)
・オープニングレセプションご招待
 (6/17開催予定。モコメシ+カワイイブレッド&コーヒーコラボFOOD付き)
・<おまけ>先着数名の方に、タブロイドの印刷ズレなどのヤレ紙1枚もプレゼント

¥10,000【選べるグラス6点&レセプションご招待コース】
・タブロイドVol.1/Vol.2 各1部
・グラスNP品同じサイズで6点
 (入手困難な輸入初期の赤箱入り。7型よりサイズのご希望を承ります。カトーリ2型は赤箱対象外です) 
・オープニングレセプションご招待
 (6/17開催予定。モコメシ+カワイイブレッド&コーヒーコラボFOOD付き)
・<おまけ>先着数名の方に、タブロイドの印刷ズレなどのヤレ紙1枚もプレゼント

¥20000【リアルなグラス検品体験コース】
・タブロイドVol.1/Vol.2 各1部
・グラスNP品同じサイズで6点
 (入手困難な輸入初期の赤箱入り。7型よりサイズのご希望を承ります。カトーリ2型は赤箱対象外です)
・オープニングレセプションご招待
 (6/17開催予定。モコメシ+カワイイブレッド&コーヒーコラボFOOD付き)
・VISION GLASS JP リアル検品体験
 (インドから届いた未開封のVISION GLASSを、倉庫でスタッフと一緒に検品します。)
・<おまけ>先着数名の方に、タブロイドの印刷ズレなどのヤレ紙1枚もプレゼント

 

プロジェクトチーム紹介

國府田典明/VISION GLASS JP 代表

妻とともにインドの理化学ガラスメーカー、BOROSIL(ボロシル)社が製造するVISION GLASSの輸入・販売事業を行なっている。一方で、舞踏家 大野慶人の音響担当として海外公演に関わりながら、DJとしても活動している。
生活のあり方を考えるためのVISION GLASS、居心地のよい空間を音でつくるためのDJ、哲学的・精神的な思考を深めるために関わる芸術家との協働。3つが等価であるような人生でありたいと願いつつ日々を過ごしている。

小沢朋子/VISION GLASS JP 代表

フードデザイナー。モコメシの屋号で活動。「食べるシチュエーションをデザインする」をコンセプトにケータリング、飲食店のメニュー開発、広告のスタイリングなどを行なう。著書に「大人もサンドイッチ」グラフィック社、「おもてなしのふだんごはん」主婦と生活社。VISION GLASS 事業ではインドのBOROSIL社との交渉全般、グラスを使ったレシピ提案、デザイン業務を担当している。

板垣潮美/VISION GLASS JP プレス
JAM HOME MADE プレス、co-lab運営スタッフ、野外イベント運営を経てフリーランス プレスに。VGでは直営店店長やワークショップ企画なども行なう。

木下洋二郎/プロダクトデザイナー
家具メーカーにて、インハウスデザイナーとして商品企画、商品開発に携わる。ドイツiFデザイン賞金賞、グッドデザイン賞など受賞多数。

高橋孝治/プロダクトデザイナー
無印良品のインハウスデザイナーを経てフリーに。一昨年、愛知県常滑市に移住し伝統産業常滑焼の振興に従事。

岡崎智弘/グラフィックデザイナー
(展覧会ビジュアルコミュニケーション、タブロイド紙AD・デザインを担当)
フリーランスとしてデザインスタジオSWIMMINGを設立。
グラフィックデザインの思考を基軸に、NHK Eテレ「デザインあ」などのモーショングラフィックをはじめ、印刷物や映像など、カテゴリを横断したデザインを行なう。

岡篤郎/クリエイティブディレクター
(展覧会映像・写真、タブロイド紙写真を担当)
パーソナリティに寄り添うスタンスで音楽制作、映像制作などにおいて多様な役割を担い、多様なプロジェクトに従事している。

原田環・中山真理/カワイイファクトリー
(展覧会およびタブロイド紙の編集・執筆を担当)
クリエイティブ・エディトリアルユニット、カワイイファクトリーで書籍・展覧会の企画やカタログの編集を行なうほか、出版レーベルTrue Ringを運営し、現代美術作家の作品集などを出版している。2014年には東京・八丁堀にて本格的なベーカリーカフェ、Cawaii Bread & Coffeeをオープン。

  • 2017/06/13 21:56

    本日、無事にNO PROBLEMタブロイドが納品されました。 ヤレ紙(印刷物を作る過程で、必ず発生する 見当合わせや色調整で使用しムダになってしまった用紙)もちゃんとあります。 朝日新聞を印刷している工場で刷られていますが、ここでは毎日40万部の新聞が印刷されているそうです。NO PR...

  • 2017/05/31 21:49

    本プロジェクトにご支援・情報共有のお力添えをいただき誠にありがとうございます。おかげさまで、目標金額を達成することができました。 活動の近況をご報告致します。インタビューした内容がまとまり、各社への校正作業を行っています。また、インドで取材したVISION GLASSの製造ラインをイラストに...

  • 2017/05/12 15:46

    本プロジェクトに賛同、ご支援、情報共有のお力添えをいただき誠にありがとうございます。 この活動を開始して、このような機会をいただくのは初めての試みです。支援という形で共感いただける人が増えていくごとに、心強く、もっと頑張ろうという気持ちが強まります。応援して下さる皆様に、心より感謝申し上げま...

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