はじめまして。村松啓市(むらまつけいいち)と申します。
「AND WOOL(アンドウール)」というニットブランドのデザイナーをしています。

私はファッションデザイナーとして約15年、ファッション業界の最先端でファッションに関心の高い人たちに向けて服を作っていました。実は今でも「muuc:ムーク」というファッションブランドを続けていて、2つのブランドの運営を同時に行なっている状況です。

私が活動の拠点を東京から地元である静岡に移し、セカンドブランドとして「AND WOOL」を立ち上げたのは、4年前のことです。
今は、茶畑に囲まれた山間にアトリエ兼ショップを構えています。

ファッション感度の高い「一部の人のための服」ではなく、子供からお年寄りまですべての人に喜んでもらえるものづくりがしたい。大量生産ができなくても、「手仕事」によるものづくりを大切にして、1つ1つ丁寧に仕上げた上質なニット製品をたくさんの人に届けたい。そんな思いで活動を続けています。


私はブランドの運営をしながら、私たちの「手仕事」による製品製造を、在宅ワークを必要としている人に手伝っていただいたり、就労支援B型事業所さんにお仕事を発注したり、「雇用創出」をするプロジェクトに取り組んでいます。

この「雇用創出プロジェクト」は、お仕事を提供するだけでなく、今、年々減少しているアパレル現場の製品製造の担い手となる職人を育てるという意味もあり、私たちがものづくりを続けるためにも大変重要なことです。

1年前、私は「魔法のストール」という製品を作りました。カシミヤ100%の素材を使い、1枚1枚「手編み機」と呼ばれる機械を使って、丁寧に仕上げていく大判のストールです。こちらの写真は、今年の秋冬シーズンに販売予定の「魔法のストール」新作モデルです。

クラウドファンディングでこの「魔法のストール」の予約販売を行ない、それにより生まれた雇用を、お仕事を必要としている人たちに提供したいと考えています。「魔法のストール」は、「作る人・売る人・買う人」関わるすべての人を幸せにする仕組みでできています。


私たちが取り組んでいる「雇用創出プロジェクト」では、主婦の方や技術を身につけたいという方が多く参加されていますが、中にはさまざまな事情から外に働きに出ることができない人もいらっしゃいます。例えば、

❶お子さんが小さい主婦の方
❷定年退職後、自分のペースで働きたい高齢の方
❸精神疾患等で人付き合いが困難な方

に在宅ワークのお仕事を提供する仕組みを作っています。

誰が作業をしても仕上がりのクオリティに影響が出ないような単純作業(例えば、編み機のレバーを左右に動かすだけ、糸にビーズを通すだけ、など)を、製品製造の工程から抜き出し、お仕事発注をしています。


私たちは「雇用創出プロジェクト」の一環として、就労支援B型事業所さんへのお仕事発注も行なっています。

就労支援事業所さんの仕事の工賃は、とても低価格に設定されている場合が多いです。これは、商品が価格競争にさらされ、少しでも安い価格で販売しようとして製造コストが極端に抑えられることで、起こってしまうことです。

私たちのブランドの製品は、1つ1つ「手作業」で仕上げるため大変手間がかかりますが、上質で高級な製品に仕上がります。無理に安価で販売することなく、適正な商品価格の設定を行うことで、製造現場の作り手にも、適正な工賃での雇用を提供することができています。


昨年の夏、私たちは「魔法のストール」を予約販売して、そこから生まれる雇用を提供するために、クラウドファンディングに挑戦しました。皆様のご支援のおかげで、目標を達成することができました。

クラウドファンディングによって予約販売した商品の製造のために雇用が生まれ、「手仕事」により生まれた上質な製品をお客様に喜んでいただき、さらに私たちの活動をたくさんの人に知っていただくことができました。まさに「魔法のストール」によって、「作る人・売る人・買う人」のみんなが幸せになることができました。

そこから1年、私たちを取り巻く環境は大きく変わり、以下のような、たくさんのうれしい出来事がありました。どれもクラウドファンディング挑戦前には、考えられないことでした。

▼クラウドファンディング挑戦期間中の求人

予想以上の反響をいただき、クラウドファンディングの挑戦期間中に編み手さんの求人と説明会を開催することができました。

▼編み機を購入して山梨の就労支援事業所へ

ご支援いただいた資金によって、編み機を購入することもできました。そして、「編み機さえあればお仕事をやりたい」と言ってくださっていた就労支援事業所さんに、編み機を無料レンタルできるようになりました。

▼オリジナルブローチの商品化

「魔法のストール」は、最初から市販品として販売することを予定していましたが、同じくリターン品としてご用意したオリジナルブローチについては先の販売を未定としていました。手仕事で1つ1つ仕上げるため、生産数が限られていたからです。しかし、販売体制が整い、商品化することができました。もちろん、これによりこの仕事の雇用も生まれました。

▼就労支援B型事業所さんの工賃引き上げ

私たちがお仕事発注をしている事業所さんの1つ、就労支援B型事業所「ライク」では、これまで1万5千円〜1万6千円ほどだった工賃を、この1年で2万5千円まで引き上げることができたそうです。これは本当にすごいことだと、事業所の代表を務める増田升美さんからご連絡をいただきました。

(増田さんのインタビューはこちらのサイトでご覧いただけます→職人たちが「伝える/届ける」Webマガジン【& magazine:アンドマガジン】

▼アトリエに毎日たくさんの人が

私たちが感じている一番大きな変化が、静岡県島田市にある私たちのアトリエに毎日たくさんの人が通ってくれるようになったことです。クラウドファンディングの挑戦以降「自分にも何かお手伝いできないか?」と集まってくれる人たちが日に日に増え、「駐車場に車が止められない」「作業場が足りない」という問題が出てくるほど、協力してくださる方が増えました。その状況は、今も続いています。


関わってくれる方が増えて、活動の規模が少しずつ大きくなるにつれて、新たな問題も出始めています。具体的には、大きく分けて以下の2つがあります。

❶仕事の数よりも仕事を必要としている人の数のほうが圧倒的に多いこと(つまり仕事が足りていないこと)

❷プロジェクトの運営資金が不足していること
・駐車場や作業場の拡大のための設備費
・編み機や業務用アイロンなど機材の購入費
・編み手職人として商品製造ができるようになるまでの人材育成費
・人材育成の過程でどうしても出てしまう高品質な素材(材料)のロス

特に❷の運営資金の問題については、これまで、私たちのブランドが未来への投資と捉えてすべて負担する形で進めてきました。今すぐにはお金にならないことですが、取り組む意義があると思っています。しかし、規模が大きくなるにつれて、私たちの負担だけで行うことが大変厳しい状況になってきています。

プロジェクトが育っていくことは大変うれしいのですが、このまま私たちだけで負担していると、続けていけなくなってしまうのではないかという不安があります。

そこで私たちは今回、再びクラウドファンディングに挑戦することにしました。

皆様からの支援金が【魔法のストール】に生まれ変わり、関わる人みんなを幸せにする仕組みを作りました。



今回ご用意したリターン品は、すべて「手仕事」によって仕上げられている製品です。「手編み機」と呼ばれる昔ながらの機械を使って、私たち独自の加工方法により1つ1つ丁寧に仕上げています。大変手間がかかり大量生産をすることはできませんが、空気をたっぷりと含み軽くてやわらかくてふんわりした暖かい、他にはない高品質なニット製品を作ることができます。

私たちの「雇用創出プロジェクト」にご協力いただきご支援をしてもらうだけではなく、他にはない上質なニット製品を、ぜひこの機会に体験していただきたいと考えています。

▼「魔法のストール」カシミヤ100%/大判サイズ

「作る人」には適正価格の賃金を支払い、「買う人」には市場に出回る同価格帯の製品よりも上質なものを提供し、「売る人(私たち)」は自分たちの上質な製品と雇用創出の活動を同時に知ってもらうことができる、そんな「作る人・売る人・買う人」みんなを幸せにしてくれるストールを作って、「魔法のストール」と名付けました。

上質なホワイトカシミヤ(100%)を使用しています。色は9色ご用意しました。

▼「魔法のストール」ヤク/大判サイズ or 細巾サイズ

今回のクラウドファンディングでは、前回大変ご好評いただいたカシミヤ100%の「魔法のストール」に加え、素材をヤクにしたものをリターン品にご用意しました。

色は2色、サイズは大判・細巾、それぞれ2種類をご用意しました。

↓※大判サイズ

↓※細巾サイズ

▼ケーブル編みのアームウォーマー・ニット帽子

先にご紹介した就労支援B型事業所の「ライク」さんと一緒に作った商品、「ケーブル編み」のアームウォーマーとニット帽子です。

こちらのケーブル模様を「手編み機」で編むことは、非常に高い技術が必要になるため、「ライク」さんの中でも一部の方にしか作ることができないものです。そのため、大量生産はできませんが、オートメーションの機械で作られた製品に比べ、ケーブルの模様がふっくらと立体的に盛り上がって、やわらかく弾力がある大変高品質な製品に仕上がっています。

アームウォーマー・ニット帽子共に、1サイズ、色は4色の中からお選びいただけます。

▼オリジナルブローチ

こちらのブローチは、昨年のクラウドファンディングのリターン品として用意したオリジナルの製品です。1つ1つ「手仕事」で仕上げるため量産はできませんが、大変ご好評をいただき、皆様の声に推されて商品化が叶ったものです。今回も引き続き、リターン品としてご用意しました。

色はホワイト・ブラックの2色。「魔法のストール」のアクセントとしてもご使用いただけます。




ファッションデザイナーとして長年仕事をする中で、自分の作った「服」にかかわってくれるすべての人が幸せになる仕組みを作りたいと考えるようになりました。誰かの負担や我慢によって成り立つような「ものづくり」はしたくないな、と。

そして、一部の人のためのファッションではなく、たくさんの方に愛されるファッションを作りたい。その力がファッションにはあると、強く信じています。

そんな、自分の心の中にあった小さな想いから活動を始め、気がつけばたくさんの人に力を貸していただけるようになり、さまざまな方向に可能性が伸びていきました。

昨年のクラウドファンディングへの挑戦からの1年を改めて振り返ってみると、地道にコツコツと続けることの大切さを痛感していますし、そのことで生まれるエネルギーの大きさに驚いています。

今後も、倒れることなくこの活動を続けていきたい……そのためには、自分たちも含めて「みんなが幸せになる仕組み」が必要だと思っています。

今回、再びクラウドファンディングに挑戦しようと決めたのもそのためです。応援していただければうれしいです。よろしくお願い致します。


ファッションデザイナー 村松啓市



私たちのクラウドファンディングを応援してくださっている皆様、本当にどうもありがとうございます。予想以上に多くの方から、反響をいただいておりまして、スタッフ一同感謝の気持ちでいっぱいです。この度、新たにリターン品を追加致しました。引き続き、よろしくお願い致します。

▼日本みつばちの蜂蜜

静岡県牧之原市にある貴重な日本みつばちの養蜂園「大上養蜂」さんの蜂蜜です。日本みつばちは西洋みつばちと比べて養蜂が難しく、突然巣箱を放棄していなくなってしまったりするため、その蜂蜜は大変貴重なものです。

私たちのプロジェクトにご賛同くださった「大上養蜂」さんから提供していただきました。

▼5種類の香りや味わいを楽しめる日本茶セット

私たちのブランドのアトリエ近くで、明治から五代続く茶農家を営む曽根彰宣さんが仲間と立ち上げた日本茶ブランド「chabashira:チャバシラ」さんの5種類のお茶を楽しめる、バラエティーセットです。

前回のクラウドファンディングでもリターン品のご提供をいただいたブランドさんで、私たちの「静岡の香りを直接お届けしたい」という思いにも、ご賛同くださっています。

▼シルバータグが付いたトートバッグ

村松啓市のファッションブランド「muuc:ムーク」で販売しているトートバッグです。こちらのバッグには、就労支援B型事業所さんが手仕事で付けた「シルバータグ」が付いています。

バッグの販売により就労支援B型事業所さんにお仕事が生まれるという、直接的な仕組みを作りました。この「シルバータグ」は、皆様が私たちの「雇用創出プロジェクト」にご協力いただいたしるしになります。

▼コットン二重織のハンカチ

私たちのブランドが仕入れている、上質なコットン二重織の生地で作るハンカチです。こちらは非売品になります。1枚1枚、手仕事により仕上げてお届け致します。

▼カシミヤ100%の手編み機でつくるセーター

ホワイトカシミヤ100%素材を、「手編み機」と呼ばれる昔ながらの機械で1枚1枚編み上げていくセーターです。1着仕上げるためには非常に手間と時間がかかりますが、着心地・肌触り共に大変すばらしい、最高品質のセーターに仕上がります。

この機会に、他にはない上質なニットを味わっていただければと思っています。


このプロジェクトの問題報告はこちらよりお問い合わせください