なぜ通信制高校は増えているのか? その歴史的経緯を明らかにしたい!

現在の支援総額
¥206,000
パトロン数
36人
募集終了まで残り
5日

現在103%/ 目標金額200,000円

このプロジェクトは、All-In方式です。
目標金額に関わらず、2017/03/30 23:59までに集まった金額がファンディングされます。

このプロジェクトチームは、通信制高校が急激に増えてきた歴史的な経緯を明らかにしようとする若手研究者の集いです。 資料収集など研究調査に必要な資金に関して支援してくださる方を募集しています。

はじめまして! 濱沖敢太郎と申します。現在、一橋大学大学院博士後期課程に所属し、主に1950~70年代の定時制・通信制教育をめぐる思想や政策、実践を研究しています。

 

▼高校教育の片隅で

通信制高校はこれまで、不登校経験者の受け入れをはじめとして、多様な学習ニーズへの対応に重要な役割を果たしてきました。しかし、現在、通信制高校のあり方を見直そうとする動きが起こっています。

とはいえ、通信制高校に在籍する高校生は、全体の約5パーセントにすぎません。そのため、カリキュラムをはじめとして、通信制高校がどのような教育を行なっているのかということをそもそも知らない人の方が多いのではないでしょうか。

▼多様な生徒、多様なカリキュラム 

たとえば、現在、通信制高校への入学者の半数以上は、5月以降に入学しています。つまり、中学を卒業した次の月から高校生活をスタートさせるという一般的なライフコースは、通信制高校では少数派です。

通信制高校のなかには、卒業までかかる期間を短くするために、高卒認定の受検をサポートするカリキュラムを独自に設けている学校もあります。ほかにも、スポーツ選手の育成や、専修学校での学習と連動させたコースを設けている学校などもあります。 

すでに働いている人や、高校を中退した人、学業不振で現在の学校では卒業が困難な人、また不登校で悩む生徒や、発達障害により通常の学習が難しい生徒、あるいは芸能活動やアスリート活動と学業を両立させるために通信制高校を選択する生徒などなど。

一般の方が想像する以上に、生徒層や教育活動をめぐる多様な実態が、通信制高校にはあるのです。

▼「なぜ通信制高校が増加したのか」

ただし、通信制高校に通う生徒数は、ここ30年間でそれほど増えているわけではありません。高校生全体が減少するなかで割合は少しずつ増えているものの、先ほど述べた通り、なお5パーセント程度を占めるにすぎません。 

むしろ興味深いのは、生徒数が増えていないにもかかわらず、学校数が増え続けていることです。全国で100校に満たなかった1990年代初頭と比べると、現在では250校近くにまで増えています。そして、その増加の大部分が私立校であることも分かっています。

 

では一体なぜ、近年、通信制高校が増加しているのでしょうか? この理由の解明こそが、今回私たちが取り組もうとしている作業です。

通信制高校に関して見聞きするのはテレビや新聞を介した極端なケースだけ、という方も多いでしょう。あるいは、私立学校にとってPR活動はますます重要になっているので、通信制高校に関する情報を目にする機会も今後増えるかもしれません。

突発的な事件への野次馬的な反応から、今後の通信制高校を見据えた政策論争まで、何かのきっかけでみなさんが通信制高校に関心を持たれたときに、その関心を深めていただくための「素材」を提供したい。 

現状、通信制高校については分からないことがあまりに多く、今回の調査を通じて得られる知見は重要な「素材」になる、と私たちは考えています。

▼調査計画

この目的を達成するためには、以下の作業課題に取り組もうと考えています。

第1に、通信制高校をめぐる政策の変遷とそのメカニズムを明らかにすること。

通信制高校の急速な増加を踏まえると、規制や補助といった政策による影響がないとは考えにくいでしょう。政策形成に関わった人や組織をたどることで、通信制高校の増設をうながす政治的なきっかけがどのように現れたのかを確認したいということもあります。 

第2に、増設された学校の設立経緯を明らかにすること。

この作業課題は、学校が設立された時期を目安に、2つに分けようと考えています。設立時期の違いによって、設立をめぐる課題やその克服プロセスが異なっていると考えられるからです。早い時期に設置された学校は、政策の変遷との関係がより重要になるとも考えられるでしょう。

このうち、政策および早い時期に設置された事例の調査分析は先行して作業を進め(2017年度前半)、その結果を踏まえた上で、それ以外の学校の設立経緯を、アンケート調査あるいは追加の事例調査を通じて明らかにする(2017年度後半)というスケジュールを想定しています。 

▼資金の使い道

みなさまから頂いた資金は、資料収集にかかる費用(文献購入、複写、行政手続、宿泊交通)、アンケート実施にかかる費用(印刷、郵送)に充てさせていただきます。

【目標金額20万円の内訳】

文献購入・複写・行政手続き:1件につき1,000円×20件程度=20,000円

宿泊交通:1件につき10,000円×12件程度(90年代前半に設置された学校を中心に)=120,000円

アンケート実施:1件につき400円×150件程度=60,000円(追加の事例調査に変更する場合は、その費用の一部として補填)

実際には、このほかにも調査チームの打ち合わせや最終報告書の発行などにかかる費用があります。とくに事例調査を追加する場合は宿泊交通費を中心に費用がかさむことが想定されるため、目標金額20万円は最低限の金額として設定しています。

▼リターンの紹介 

【中間報告会へのご招待】

政策および早期設立校に関する調査分析(2017年度前半実施予定)の結果報告を、セミクローズドな研究会にて行いたいと考えています(2017年9月予定)。この中間報告会にご招待いたします。ここでの議論や頂いたアドバイスはアンケート調査または追加の事例調査(2017年度後半実施予定)にも反映させる予定です。報告会に参加できない方にも発表資料をお送りします。

【最終報告会へのご招待】

プロジェクト全体の調査分析の結果報告を、セミクローズドな研究会にて行いたいと考えています(2018年3月予定)。この最終報告会にご招待致します。ここでは、最終報告書に掲載する基礎情報のほか、詳細な分析結果、また今後の課題についての議論を参加者のみなさまと行う予定です。報告会に参加できない方にも発表資料をお送りします。

【最終報告書の送付】

プロジェクト全体の調査結果につき、基礎的な情報をまとめたものをお送りします。

▼メンバーの紹介

・内田康弘:名古屋大学大学院博士後期課程。研究テーマは通信制高校・サポート校の学校文化・生徒文化、生徒の移行過程に関する研究。

・神崎真実:立命館大学大学院文学研究科博士後期課程。研究テーマは不登校や中途退学の「その後」の物語、通信制•単位制高校における生徒支援。

・土岐玲奈:千葉大学教育学部非常勤講師。研究テーマは、公立通信制高校における教育実践、困難を抱える高校生の学習支援。

・濱沖敢太郎:一橋大学大学院博士後期課程。研究テーマは1950~70年代の定時制・通信制教育をめぐる思想、政策、実践。

 

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