▼はじめにご挨拶

この度、広島県呉市大崎下島御手洗地区の「越智医院跡」という大正時代に建てられた洋館を改装して、ゲストハウスとしてオープンすることになりました。越智医院跡は築100年以上という歴史を持ち、入り組んだ構造や大きな格子の明るい窓、黒光する柱など素晴らしい内観も有しています。洋館という外観も特徴的で、御手洗の街のシンボルとして人々に親しまれていますが、長い間空き家となっています。この建物を改修し再利用することができれば、御手洗地区に受け継がれている文化や歴史、美しい景観をさらに発展させ、未来へと繋げる活動の一端になると考えています。皆さまどうぞご協力よろしくお願いいたします。

▼ゲストハウス概要

■宿名:旅籠屋 醫 KUSUSHI

ひと際目をひく「レントゲン科越智醫院」の看板にある医の旧漢字である「醫(くすし)」を宿の名前にしました。「醫」には病気やけがを治し、癒すという意味があります。伝統的な街並みと色鮮やかな多島美が織りなす御手洗の風景には、悩みやストレスを癒し、吹き飛ばす力を持っているような気がします。街の文化、風景を味わうひとときをここで過ごして頂ければ幸いです。

↓ゲストハウス玄関(看板は完成予想図のはめ込み画像です)

■場所:広島県呉市豊町御手洗 (大崎下島)

■仕様:ドミトリー式(相部屋)と個室1部屋

 ・2段ベッド×6台(12名):1泊3200円(税別) 

 (ベッドの高さ1m20㎝。ベッド内で着替えもできる、ゆったり過ごせるスペースです。)

 ・個室1部屋(2名まで):1泊8000円(税別)

 ・風呂・シャワー、トイレは共同。

 ・共有の畳スペース(リビングスペース)あり。

 ・備品:歯ブラシ、タオルなどは持ち込み。(有料で販売有)

 ・食事提供無し(近隣の食事処をご紹介いたします)

 ・備付珈琲、お茶などあります。

■オープン:H29年3月28日

 「つくりすぎずにつくる」をテーマに、建物の歴史と風情を活かした宿として3月28日にオープンし、夏までには旧診察室をBarへ改装していきます。

建築当時の構造や素材を活かすため、後から貼られたベニヤ材などは剥がし、補修等しながら改装していきます。傷は沢山あっても黒光りする床や柱などはそのままにして、建物が営んできた時間の流れを感じて頂けるようにしたいと考えています。

◎改修作業の様子画をFacebookにて公開しています。こちら

 ▼リターンについて

前予約という形の宿泊券を購入して頂きご支援ください。購入していただいた宿泊券はご友人へのプレゼントなどご自由にお役立てください。

宿泊していただくことで、この建物が活き、また新たな物語が生まれます。御手洗に残る100年前の物語に触れ、皆さまの足跡を残して頂きたい。この建物を皆さまと共に育てていきたいと思います。

ご支援どうぞよろしくお願いいたします。

▼資金の使途

頂いた資金はゲストハウスオープン後の運営に充てさせていただきます。また、ゲストハウススペース以外の1階一部をバーとして今年の夏にオープン予定です。このバーの改修費としても活用させていただきます。

▼プロジェクトについて詳細

1.御手洗という場所

2.御手洗の現状と課題

3.なぜゲストハウスなの?

4.どんな建物?

5.井上明、合同会社よーそろの活動

 1.御手洗という場所 (江戸時代から育まれた文化と歴史が残る街)

広島県と愛媛県が有する瀬戸内海のちょうど真ん中(へそ)に浮かぶ大崎下島にある小さな街で、2003年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。島の周りは色鮮やかな多島美が広がり、街の中には江戸時代から続く伝統的な街並みが残っています。街を散策すると、まるで時間が止まっているかのような感覚さえ覚える情緒あふれるところです。

↓御手洗常盤町通り

最近ではオランジーナのCM、アニメ「たまゆら」の舞台で登場するなど、映画やドラマのロケ地として各メディアで目にする機会が増えてきている場所です。

◎サントリー オランジーナCM https://youtu.be/t9htlJZ4o80

 ー江戸時代には北前船の寄港地として栄えた港町ー

江戸時代の御手洗は、瀬戸内海でも一二を争う物資の集積地で、外国船や参勤交代の船など、多くの物資や人が集まりました。幕末には密貿易港として、薩摩藩や広島藩などの藩同士の情報交換が秘密裏に行われていたといいます。*1

*1:一夜にして6500人もの最新鋭の軍隊が御手洗に集結し京都へ向けて挙兵した。坂本龍馬、中岡慎太郎、大久保利通や桂小五郎など名だたる維新の志士たちが集い四藩軍事同盟(芸州・薩摩・長州・土佐)を結んだ場所。歴史小説家穂高健一氏のWebページよりhttp://www.hodaka-kenich.com/history/2017/01/13195327.php

↓御手洗、歴史の見える丘公園からの眺め

 

2.御手洗の現状と課題(高齢化最先端の街)

地区の高齢化率は60%を越え、約40%の空き家を抱えています。人口減により伝統文化の櫓祭りでは、担ぎ手は常に不足しており、その他の行事の継続や継承も年々難しくなってきています。また、長年の空き家化で歴史ある建物が維持できず、取り壊しになることもあり、景観維持の面でも課題が見られます。

 地区では、平成6年の重要伝統的建造物群保存地区の選定と同時に、まちづくり住民組織「重伝建を考える会」が発足し、住民自らが街の問題に取り組み活動しています。街の歴史を学ぶ勉強会など様々な活動を行っており、中でも、種から育てた花を街の壁に生ける「一輪挿し運動」は訪れるお客様へのおもてなし活動として15年以上も続いています。

↓一輪挿し運動で街に飾られた花

2015年には、空き家の現状を把握し利活用するための「空き家データベース化」や、これからの街の在り方を考える「御手洗みらい計画」の作成を行いました。2016年からは商工会を中心に外国人ライター、建築家、呉市や広島県の行政、瀬戸内DMOなどの委員で構成する「御手洗ミュージアム構想実行委員会」を立ち上げ、街の資源を再評価し、現状の課題解決にとどまらない、さらなる発展のためのアクションを起こしているところです。

 ◎御手洗重伝建を考える会サイト:http://mitarai.org/

 

3.なぜゲストハウスなの?

 「御手洗ミュージアム構想」では美しい景観や島独自の文化、住民同士の温かい関わり合いなどを保ちつつ発展させることを目指しています。このため”宿”は街を真に味わって頂くための拠点であると考えています。

ところが、地区には宿泊施設が1軒しかなく、外国人観光客をはじめ日本全国から訪れる観光客の方々は、ほとんどがその日のうちにお帰りになってしまいます。短時間の御手洗訪問では、味わって頂きたい本当の御手洗の風景はわかりません。観音崎から昇る朝陽と美しい朝焼け、水面に映る満月の光と島の影のコントラスト、灯りが灯りぼんやりと白く浮かび上がる江戸時代の高燈籠、爽やかな海の香りと響き渡る鳥の声にかすかに聞こえる船音がまざる・・・ゆっくりと過ごしてみなければわからない独特の空気感がこの街にはあるのです。

ゲストハウスにゆっくり気軽に滞在して頂き、本当の御手洗を味わっていただきたいのです!!

↓観音崎から昇る朝陽。さざ波と鳥の声、船のエンジン音が心地よい

↓満月の風景。ライトアップする来島大橋と静かに揺れる月明かりにうっとり

↓海に突き出た恵美須神社の鳥居前。夕陽と青空のコントラストは吸い込まれるよう

 

4.どんな建物?

 レトロな「越智醫院(おちいいん)」の看板が目を引く大正時代に建造された洋館です。

建造後も外観は改装され数年前まで1階は診療所として使われていましたが、隣町大長への完全移転により空き家になりました。1階の一部と2階の住居部分は30年近く使われていない状態です。所有者の越智公則医師もかねてより活用を模索されていましたが、この度の私たちの活動に共感してくださり、改装して公開することを快諾くださいました。

2006年公開の映画「旅の贈りもの 0:00発」では徳永英明さん演じる「越智先生の診療所」として使われ、2012年4月に公開されたアニメ映画「ももへの手紙」でも主人公の母親が入院する病院として登場、最近ではサントリーオランジーナのCM内で駐在所として利用されるなど、御手洗のシンボル的な建物です。

大正浪漫ただよう部屋には大きな観音開きの窓がありとても明るく、今では珍しい波打ちガラス越しに色鮮やかな海が見えます。  

 

 

  

 

5.井上明と合同会社よーそろについて

妻の実家のある呉市にIターンし、地域を知りたいと観光ボランティア養成講座に参加したことがきっかけで御手洗の街に出会いました。色鮮やかな風景、風情ある街並み、今も息づく独特な文化、人の温かさなど・・・コンパクトな街にギュッと詰まった魅力に魅せられ、御手洗という場所でこれからの未来を創る活動をしようと決めました。

↓江戸時代から続く御手洗雅楽会。若返りと継承に向けて活動をしています

地域のニーズ、観光客のニーズに応えるように2011年から江戸時代の船宿を活用した古民家カフェの船宿café若長を開業しました。2014年に合同会社よーそろを設立し、さらに3軒の空き家を改修、活用し、地域課題を逆手に取った事業づくり展開を行ってきました。一昨年からは重伝建を考える会の事務局長も務め、「御手洗みらい計画」や「空き家データベース化」、「御手洗ミュージアム構想」の立案をはじめ様々な取り組みを進めているところです。

社名にした「よーそろ」とは江戸時代から使われている船の操舵号令で「宜しく候」の略語になります。「よろしい!」「前へ進め!」などの意味があり民謡”御手洗節”の歌詞にも登場します。大海原に漕ぎ出す船のように、手探りながらも地域の価値を見つめ直し、再び光を当て、持続可能な仕組みづくりに向け様々なチャレンジをしていこうという思いを込めて名付けました。

↓江戸時代の船宿をリノベーションしカフェにした船宿café若長

 ●参考

greenz.jp記事「課題から仕事をつくり、新たなプレイヤーを迎え入れる。広島県・御手洗地区で一石三鳥のまちづくりを進める、合同会社よーそろ代表・井上明さん」http://greenz.jp/2016/09/29/mitarai_yosoro/ 

観光Reデザイン記事「新しいプレーヤーと地域の魅せ方をデザインする 呉市豊町 井上明さん(前編)地域資源を生かしたビジネスモデルづくり」「(後編)移住者の感性で魅せ方を変える」https://kankou-redesign.jp/interviewer/inoue-akira/

 

 

  • 2018/02/22 19:34

    こちらの活動報告は支援者限定の公開です。

  • 2017/10/16 09:48

    パトロンの皆様にご支援いただいたおかげで、無事にBARをオープンさせることが出来ました。 現在は、予約を頂いた宿泊者の方向けにオープンしております。 店内の様子を報告します~。 看板には病院で使われていたレントゲンの画像をはさむもの(医用X線写真観察器というそうです・・・)を利用して...

  • 2017/05/25 16:51

    旅籠屋醫のWebサイトオープンしております。 http://hatagoya-kusushi.com/ 空室状況や、施設の詳細や、お部屋の様子などの画像を沢山公開しております。 サイト内のご予約フォームから宿泊の予約もしていただけます。 ぜひ、ご覧くださいませ。

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