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はじめに・ご挨拶

はじめまして。私たち表粋会(ひょうすいかい)は、設⽴26年を迎えた、主に東京近郊で活躍しているプロの表具師による江⼾表具研究会です。会員は現在39名。日々技術の向上を目指し勉強会等の活動を⾏っています。

表具と言っても、聞いたことのない方が大半だと思います。表具師は、掛軸をはじめ、ふすま・障子・額・屏風などを制作します。紙に書かれたあらゆる絵・書の表装、そして修復も⾏います。

そんな我々表具師が、都内の5つの美術系大学の学生とコラボし、掛軸文化の未来を切り拓くための作品展「第2回 掛軸と絵画の未来展」を11月に開催します。

これは2018年に開催し、各方面から大きな反響のあった「掛軸と絵画のミライ展」のコンセプトを継承・発展させたものです。

我々が脈々と受け継いできた表具の伝統と技術を次世代に繋いでいくために、コロナ禍で苦境に立たされている表具業界を再び活気づかせる必要があると感じ、その契機とするべく、今この時期での開催を決めました。

多くの皆様に掛軸の魅力に触れていただく機会になれば幸いです。この作品展へのご支援・ご協力、どうぞよろしくお願いします。

第1回 掛軸と絵画のミライ展(2018年) 会場風景
このプロジェクトにかける想い

かつての日本には、四季折々の催しに合わせて部屋の掛軸を掛けかえる文化がありました。

また、来客に合わせて床の間にとっておきの掛軸を飾り、愛でるという、粋な文化も日常の生活に浸透していました。

「家主のおしゃれ」=「掛軸」でした。

掛軸は必ずしも「床の間」に掛けなければいけないものではありません。

そんな中、掛軸のメリットは以下のようなものがあると考えます。

・季節や気分に合わせて掛け替えられる

・掛けない時はコンパクトにしまっておける

・流行や好みに合わせて自由に仕立て直しできる

このような可能性や利便性が高いプロダクトは他にありません。

しかしながら、近年の表具専門の材料・資材販売店の閉店などから、厳しい状況に立たされていることも事実です。

そのため、少しでも掛軸に興味を持っていただけたり、アートを飾るときに掛軸という選択肢も入るように広くアピールしたいと思います。

「第2回 掛軸と絵画の未来展」の概要

本作品展において、学生は「掛軸にするための絵」というテーマで新作を制作し、それを表具師が掛軸に仕立て、展示します。

学生と表具師が感性を競い合い、また融合する、かつてないかたちの作品展となります。

■展覧会名  

[表粋会特別企画]
掛軸と絵画の未来展
 ~美大生と表具師 紙文化を未来へつなぐ~

■会期

2020年11月24日(火)~29日(日)
開場時間/10:30~19:00、最終日は18:30まで

■会場

田中八重洲画廊
 (東京都中央区八重洲1-5-15)

■出品点数

34点

■参加大学

女子美術大学・多摩美術大学・東京藝術大学
東京造形大学・武蔵野美術大学(50音順)

■参加者

王 睿(女子美術大学) × 関口 幸喜(関口表具店)
徐 秀晶キャサリン(女子美術大学) × 松苗 功(隆雲堂表具店)
三浦 茉莉子(女子美術大学) × 日野 正恵(高澤表具店)

小井 風花(多摩美術大学) × 阿部 行伸(阿部行伸堂)
尾崎 菜花(多摩美術大学) × 石川 徳和(石川経師店)
加藤 鈴葉(多摩美術大学) × 神山 晃一(神山表具)
小林 明日香(多摩美術大学) × 野口 麻里子(表具工房 楽)
佐藤 理紗(多摩美術大学) × 鈴木 正紀(西武襖産業)
髙橋 優介(多摩美術大学) × 吉野 茂義(吉野表具店)
竹本 明梨(多摩美術大学) × 田村 健太郎(田村表具店)
張 靜雯(多摩美術大学) × 阿部 崇(神山表具)
南雲 未希(多摩美術大学) × 春原 敏雄(春原表具店)
村田 和音(多摩美術大学) × 高橋 直樹(装潢堂伊藤表具店)
村田 遥香(多摩美術大学) × 野口 隆行(表具工房 楽)
栁田 佳子(多摩美術大学) × 野和田 悦弘(野和田表具店)

大嶋 直哉(東京藝術大学) × 石塚 利郎(石塚表具店)
勝又 優(東京藝術大学) × 稲﨑 昌仁(経新堂稲﨑)
久保田 木都(東京藝術大学) × 高橋 直樹(装潢堂伊藤表具店)
澤田 燈(東京藝術大学) × 石塚 利郎(石塚表具店)
島田 滋(東京藝術大学) × 平井 敏(平井経師店)
砂長 正宗(東京藝術大学) × 星野 裕孝(星野錦集堂)
角谷 紀章(東京藝術大学) × 吉野 茂義(吉野表具店)
築井 渚(東京藝術大学) × 野口 隆行(表具工房 楽)
Timothy Betjeman(東京藝術大学) × 鈴木 正人(鈴木表具店)
中野 貴文(東京藝術大学) × 金子 治雄(秀和工芸)
李 雨晨(東京藝術大学) × 平井 敏(平井経師店)
渡邊 美波(東京藝術大学) × 深谷 哲(柏﨑表具インテリア)

朝永 賢弥(東京造形大学) × 武笠 敦史(武笠表具店)
井上 将大(東京造形大学) × 小宮山 健夫(小宮山表具内装)
高久 秀美(東京造形大学) × 江原 望(江原小林堂)
長嶺 高文(東京造形大学) × 南部 秀彦(南部表具店)
吉野 萌(東京造形大学) × 石井 高弘(石井三太夫表具店)

大石 日向子(武蔵野美術大学) × 稲﨑 昌仁(経新堂稲﨑)
小俣 花名(武蔵野美術大学) × 広川 淳(インテリア・ジュン)

 (学生34名、表具師28名)

※順不同


この作品展のみどころ

●美術系大学の意欲的な学生たちによる〈掛軸のための新作絵画〉が揃う、これまでにない企画

本企画に応募する学生の大半は自作品を掛軸に仕立てた経験がありません。普段制作している額として飾る絵とは違い、掛軸として巻くために必要な、薄く柔軟かつ強い絵具層という条件のもとで、「表装を施される」ことを意識しての表現に挑戦することになります。日本画専攻の学生にとどまらず、現代美術専攻の学生からの出品など、多種多様かつ意欲的な新作が揃います。

●伝統技術を受け継ぐ表具師が掛軸の未来のために

伝統の表装技術を研究する「表粋会」。会員は30~50歳代が中心で、これからの業界を担う熱意あるメンバー。現在・未来のために何をするべきか、真剣に考えての企画です。いま最も新しい絵画を現代の感性をもって表装するため、作家との打ち合わせの場を設け、作品への理解を深めて意匠を決定。床の間にとどまらず、現代の空間に展示することを意識した掛軸に仕上げます。

●厳選された原料と職人の技によって作られた紙

本企画に参加する学生が制作に際して使用する紙は、本企画に協賛いただく「一般財団法人 世界紙文化遺産支援財団 紙守」様より、精良な紙を提供いただきます。伝統的な原料・製法で作られた紙を学生に使用していただくことで、軸画に適した紙の価値を再発見してもらうことを企図します。

これまでの表粋会の活動

1996年、表粋会発足

2004年~2014年、隔年で表粋会作品展を計6回開催。

2014年、人気漫画家・井上雄彦氏(代表作『スラムダンク』『バガボンド』等)により、

伊勢神宮へ式年遷宮を機に奉納された墨絵作品『承』の、巻物の仕立て作業を担当。

2018年、第1回「掛軸と絵画のミライ展」開催


毎年開催の東京表具経師内装文化協会主催「表装作品展」にて、都知事賞はじめ入賞者を多数輩出

隔年開催の中央職業協会JAVADA主催「技能グランプリ・表具部門」にて、1位・2名・入賞者を多数輩出

表粋会員集合写真

資金の使い道

今回の作品展は6日間の会期で終了しますが、「掛軸文化の未来を切り拓きたい」という私たちの活動はこれからも続きます。

会場で展示する34点の作品はどれも、美大生と表具師の想いのこもった、既存の掛軸とは一線を画する作品であり、「掛軸文化の未来を切り拓く」活動を体現するものですが、残念ながらそれらが一堂に会する機会は二度とありません。

一度限りのコラボレーションを無駄にすることなく、今後の私たちの活動の強力なツールとして活用するためにも今回の作品を図録として記録にとどめたいと思っています。

撮影は建築映像ディレクターとして活躍する瀬尾憲司氏(offaa代表)、デザインは美術家の下村奈那氏に協力いただきます。

集まった資金は、その図録の

・印刷(500部程度)

・写真撮影(スタジオ・カメラマン・交通費等)

・デザイン、編集

等の費用の一部に充てたいと思います。


本プロジェクトはAll-in方式で実施します。

目標金額に満たない場合は、不足金額を表具師が負担して、図録を制作します。

図録以外にも、会場のレンタル費や各種運営に関わる費用が表具師の自己負担となっています。この作品展を継続的に開催し、掛軸文化を未来に継承する活動を続けていくためにも、少しでも負担額を減らしたく、皆様からの多くのご支援をよろしくお願い致します。


※参考『前回実績』

45名の方から合計¥490,000のご支援をいただき、手数料を差し引いた実際の収入は¥406,700でした。

ご支援金の使用実績は、

・図録印刷費(¥190,630)

・撮影、印刷データ制作費(¥92,033)

・ポストカード印刷費(¥82,524)

・リターン品制作費(¥50,000)

・リターン品配送料(¥11,594)

合計¥426,781

として使用させていただきました。(差額は表粋会にて負担)

前回制作した図録

※参考『前回実施したプロジェクト』

【消滅の危機】圧倒的におしゃれでかっこいい掛軸文化を美大生とコラボで復活させたい


リターンについて

美大生と表具師が出来ることを考えました。どうぞよろしくお願いいたします。

最後に

この企画は、本来2020年6月の開催を予定していましたが、新型コロナの感染拡大に伴って緊急事態宣言が発令され、他の展覧会や作品展が延期や中止をする中、開催の延期を決めました。

この度の11月開催についても、学生からも意見を聞き、慎重に議論を重ねた上で決定しました。この決定が、文字通り掛軸と絵画の「未来」につながるものになればと願い、そう信じています。

なお、開催にあたっては、会期中はもとより準備期間中も、考えうる感染防止策を徹底して講じてまいります。

掛軸と日本画、日本の文化の未来の為に、どうか多くの皆様のご支援をお願いします。

 ※本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、作品展「掛軸と絵画の未来展」の開催、及び図録の制作は実行し、リターンをお届けします。

  • 2020/12/07 09:00

    こちらの活動報告は支援者限定の公開です。

  • 2020/12/06 09:00

    本プロジェクト、ついに本日一杯で終了となります。目標金額に届くかはまだまだわかりませんが、ここまで来られたのも、ひとえにご支援いただきました皆様のおかげです。本当にありがとうございます。引き続き、当プロジェクトを見守っていただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

  • 2020/12/02 10:00

    当プロジェクトも残すところ4日。目標金額の70%まで来ました。ひとえに皆様のご支援の賜物です。本当にありがとうございます。今回、様々なリターンの品をご用意していますが、予想外(?)に多くのご支援をいただいているのが、からくり屏風。イベントなどで一般の方に作り方を教えたりしているのですが、改めて...

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